宇都宮城と宇都宮城址公園の歴史やアクセスなど紹介！桜のスポットとしても人気

関東七名城の一つにも数えられる宇都宮城。その開祖は平安時代と言われ、長い歴史を持つ名城です。明治時代初期の戊辰戦争でその殆どを焼失し、現在遺構は本丸の土塁の一部を残すのみですが、いくつかの建物は復元され、宇都宮城址公園として開放されています。今日は桜の季節には大勢の宇都宮市民が訪れる、宇都宮城と宇都宮城址公園を盛りだくさんでご紹介します。

宇都宮城と宇都宮城址公園へのアクセスは、JR宇都宮駅から歩くと約20分くらいです。東武線の東武宇都宮駅からのアクセスは徒歩で10分くらいですので、東武線を使うのが便利なアクセス方法でしょう。どちらの駅からも本丸西通りを目指して歩いてください。のんびり歩いて行くのも良いアクセスですが、公園には駐車場がありますので、レンタカー利用でも大丈夫です。

駅からバスを使うアクセスもありますので、ご案内しておきます。JR宇都宮駅からは関東バスの市内循環線に乗車して、宇都宮城址公園で降ります。東武宇都宮駅からは東武バスの宇都宮東武行きに乗り、本丸西通りか城址公園南のどちらのバス停で降りてもすぐ近くですので、便利なアクセスです。街並みを眺めながらのバスでの移動もとても楽しいものです。

また車でのアクセスは、東北自動車道鹿沼もしくは宇都宮インターチェンジから30分かからないくらいです。宇都宮城址公園の駐車場は無料で利用できます。駐車場には370台ほどのスペースがありますのでまず心配ないでしょう。駐車場の入り口は数か所ありますが、本丸西通りから入ると近くに停められて便利です。ご都合に合わせたアクセスでお出かけください。

宇都宮城の歴史は古く、平安時代に藤原宗円が構えた居館が初めだと言われています。本多家の家紋である立葵が見られるように、徳川家康の腹心本多正純が1619（元和5）年に十五万五千石で入府し、大規模な改修を行って土塁造りの平城になりました。徳川将軍が日光に参拝するときには、将軍の宿泊所として使われたことでも知られています。

宇都宮城釣天井（つりてんじょう）事件という、宇都宮城の歴史を語るうえでとても有名な事件があります。二代将軍徳川秀忠が父家康の七回忌に日光東照宮へ参拝後、宇都宮城で宿泊する予定でしたが、本多正純が寝室に釣り天井を仕掛け秀忠を暗殺しようとしたという噂が流れ、事実無根の噂だったにも関わらず、その後正純は失脚しました。宇都宮城の歴史の1ページです。

宇都宮城は土塁の上に築かれた平城で、本多正純は幕府の言いつけに従い、城に天守を造ることはしませんでした。清明台櫓は2重2階の櫓で、天守の代用とされてきました。青空の下、凛々しい姿を見せる現在の晴明台櫓は2007年に復元されたものです。内部の見学も可能ですが、2階へ入れるのは毎月第3日曜日と決められていますのでご了承ください。

晴明台櫓の入り口、土塁の上までは階段を上って行きます。無理せずのんびり歩かれると良いでしょう。またエレベーターを使うこともできますので、アクセスは悪くありません。訪れる人の利便さを考えたアクセスになっています。上から見下ろす宇都宮市街の眺めは四季折々の美しさがあり、とても気持ちの良いものです。

土塁と堀も復元されて、晴明台櫓の勇壮な姿をより一層引き立てています。この櫓の建っている部分の土塁は他の場所より少し高くなっているそうで、そのことからも晴明台櫓はやはり天守としての役割を担っていたのでしょう。堀は当時のものよりはずいぶん浅くなっているそうです。陽光を浴びて水面に映る櫓と土塁の姿はとても美しいです。

天守のない宇都宮城ですが、復元された土塁と堀の見事さはこのように素晴らしい光景を見せてくれます。水面に映る幻想的なリフレクションは息をのむほどです。どのお城もそれぞれの特色ある美しさを持っていますが、宇都宮城も小さいながら日本のお城の凛とした美しさを感じます。ぜひお堀の周りをのんびりと散策して、こんな風景を楽しんでください。

復元された本丸の土塁内には、入館無料の宇都宮城ものしり館があり、宇都宮城の復元模型や古絵図などが展示されていて、宇都宮城やその城下町に関するいろいろなことを学べる場になっています。駐車場に車を止めて子どもたちとのんびり歩いて向かう方も多いです。宇都宮城に関する興味深い展示がたくさんありますので、一度見学してみてください。

宇都宮城址公園は桜の名所としても人気の公園です。それもお馴染みのソメイヨシノだけでなく、河津桜、大山桜、しだれ桜と4種類もの桜が咲いて、私たちを楽しませてくれます。中でも梅の花のような濃いピンク色の華やかな河津桜は早咲きの桜で、まだ空気がひんやりと少し冷たい3月頃に開花します。やはりお花見には駐車場のある公園が便利です。

4種類の桜が咲く宇都宮城址公園では、いろいろな桜を長い期間楽しめるのが嬉しいです。ソメイヨシノの美しさはもちろんですが、時期をずらして全種類の桜を楽しむことも可能です。桜ごとのそれぞれの美しさを1か所で堪能できるのは、何とも贅沢な気分になります。駐車場も広いので、気軽に桜を見に行くことができます。

お城の中から桜を眺めるのもまたおつなものです。満開の桜並木ももちろん素晴らしいですが、1本だけすっと立っている桜の木もまた違った風情の美しさを感じます。1本1本の桜の木にはそれぞれの美しさがありますので、やはり宇都宮城址公園は桜の季節にお出かけいただくのがおすすめです。駐車場の心配もほぼいらないので、安心して出かけることができます。

桜の名所の宇都宮城址公園では、毎年桜祭りが開催されます。こういった地域のイベントには欠かせない存在のゆるキャラですが、宇都宮にも数多くのゆるキャラがいます。桜祭りで活躍するのは、こちらの愛らしいミヤリーちゃんです。宇都宮のミヤと、妖精を意味するフェアリーから名付けられました。子どもたちに大人気のミヤリーちゃんに、ぜひ会いに行ってください。

宇都宮と言えば餃子、餃子と言えば宇都宮と言われるように、宇都宮が餃子の町というのは今や常識です。宇都宮の人は餃子が大好きで、宇都宮の餃子は文句なく美味しいです。そして宇都宮市民が年に一度盛大に盛り上がるのがこの日。宇都宮城址公園で開催される一大イベント、餃子祭りです。信じられないくらいの人数の人々が宇都宮城址公園へ向かいます。

黄色い屋根のスタンドで、宇都宮の美味しい餃子のお店が出揃いました。後から後から人々が溢れるように訪れます。年に一度のお楽しみの餃子祭りは、一番宇都宮らしいイベントと言えるのではないでしょうか。餃子の好きな方はタイミングを合わせてぜひ行ってみてください。安くて美味しい餃子でお腹がいっぱいになります。

餃子祭りでは、焼き餃子も水餃子もすべてのメニューが一皿3個入りで100円均一です。何皿でも食べられそうな気がしてきます。お店ごとに特徴のある餃子は、どれも個性的な味で迷ってしまいます。宇都宮城址公園の餃子祭りは普通11月初旬の週末に開催されます。この日ばかりは駐車場も満車になるかもしれませんが、今からとても楽しみなイベントです。

宇都宮の歴史に於いて欠かすことのできない飛山城は、鬼怒川に守られその段丘を利用して、鎌倉時代に芳賀高俊によって築城された平山城です。代々芳賀氏の居城でしたが、1590（天正18）年小田原征伐の後の宇都宮仕置により廃城となってしまいました。現在は飛山城史跡公園として開放され、飛山歴史体験館も併設されています。駐車場もありますので、ぜひ行ってみてください。

何を隠そう飛山城は知る人ぞ知る夕陽の絶景ポイントでもあります。鬼怒川を眼下に見下ろし、はるか彼方に沈んでゆく大きな夕陽を眺めていると、心が洗われるようです。また飛山から見える富士山は、関東の富士見百景にも選ばれているほど、見事な風景です。宇都宮城へ行ったときにはぜひ飛山城へも足を延ばしてください。

宇都宮には他にもいくつか公園があります。市内中心部に位置する八幡山公園（はちまんやまこうえん）もきれいな桜を楽しめる、市民の憩いの場となっています。なだらかな芝生の丘に、800本もの桜と5000本のつつじ、そして300株の花しょうぶなど、春爛漫の花を楽しめるお花見やピクニックにうってつけの公園です。池の水面に浮かぶ桜の花びらに日本の情緒を感じます。

八幡山公園の中に立つ宇都宮タワーは、1980年に完成した電波塔です。宇都宮市内は1970年代まで東京タワーからの電波を受信していましたが、東北新幹線の開業による受信障害を避けるため、その開業に先立ち建設されました。地上約30メートルの高さにある展望台からは、宇都宮市街を一望することができ、大勢の人が訪れます。

宇都宮タワーの展望台からお花見を楽しむ人たちを見下ろすとこんな感じです。4月1日の宇都宮市民の日は、展望台の料金が無料になりますのでお得です。この公園には小さな動物舎もあり、鶴や孔雀、ひょうきんなワオキツネザルや豚もいます。またポニーのえさやり体験なども人気です。ゴーカートに乗って遊ぶこともできるので、ぜひお子さんと行ってみてください。

宇都宮市の中心明神山の山頂にある、二荒山神社（ふたらやまじんじゃ）もぜひ訪れていただきたい歴史ある宇都宮の見どころです。日光の二荒山神社と区別するため、宇都宮二荒山神社と地名をつけて呼ばれることも多いです。第10代崇神天皇の皇子で、東国を鎮めた人物であると言われる、豊城入彦命（とよきいりひこのみこと）を主祭神としています。

宇都宮二荒山神社は、戦国時代以降の度重なる焼失により、明治時代に再建された社殿です。立派な石垣は江戸時代のもので、国認定の重要美術品である三十八間星兜、鉄製狛犬、二荒山神社の神楽など多くの有形、無形文化財を保持する、さすがに長い歴史を感じる神社です。東武宇都宮駅から徒歩で10分ほどのアクセスですので、ぜひ行ってみてください。

餃子祭りの賑わいでも分かるように、宇都宮は餃子の町ですので餃子のお店が数多くあります。中でも創業昭和33年の老舗、宇都宮みんみんというお店は有名です。北京仕込みの餃子の味に様々な工夫を凝らした宇都宮みんみんは、栃木各地に店舗を展開しています。全国発送にも対応していますので、ご自宅で宇都宮の餃子を手軽に味わうことができます。

宇都宮餃子館も間違いなく美味しいと、大勢の人が太鼓判を押すとても人気のお店です。市内のいたるところで目にするお店のマスコットの健太君も、日夜お店のピーアールに励んでいます。ここの餃子は皮が薄く、エビやきのこ類、チーズや紫蘇など、数多くの種類の具材を使っているのが特徴です。美味しい宇都宮の餃子を堪能してください。

お出かけした時には、お土産を探すのも楽しみのひとつです。餃子の町宇都宮には、もちろん餃子せんべいがあります。そして栃木のもうひとつのポピュラーな特産はいちごです。その生産量は日本一を誇ります。いちごのカレーは、いちごの甘酸っぱさを活かした、意外な美味しさでとても人気のお土産です。

宇都宮の特産、餃子の形をした餃子パイも手軽で面白いお土産です。中はマロングラッセの餡が入っていて、栗の食感と控えめな甘さが絶妙なコンビネーションのスイーツです。餃子の味はしませんのでご安心を。宇都宮の餃子パイには違うタイプのさくさくっとした商品もありますので、お好みに合わせてお選びください。

宇都宮の深い歴史を物語る、宇都宮城と宇都宮城址公園をそのアクセスや駐車場、見どころや季節のイベントに周辺の観光情報なども併せ、盛りだくさんでご紹介してきました。いかがでしたか？新緑の美しいこれからの季節、この記事を参考に首都圏からもアクセスしやすい宇都宮城と宇都宮城址公園を、ぜひ一度訪れてみてください。