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お洒落な名所ボルン地区にあるCal Pep
バルセロナ中心部の小さな路地が入り組んだ旧市街地の一角、ボルン地区は、バルやカフェ、小さなブティックがたくさん集まるお洒落な名所です。ここにあるCal Pepというレストランバルは、一見何の変哲もないこじんまりとしたお店ですが、開店前から行列ができ、すぐに満席になるほど地元に愛され続けている人気のバルです。
独創的なCal Pepのタパス料理
バルセロナでも屈指の人気レストランバル、Cal Pepの売りは何といっても、カリスマシェフ、ペップ氏が創り出すオリジナリティ溢れる数々のタパスです。それは特に凝ったものかというとそうではなく、使っている食材も普通に見かけるものばかりで、一見地味で派手さのない時代遅れの料理に見えますが、これが実は天下一品の味をしています。
実はCal Pepは地元バルセロナでは20年以上も人気を誇っていて、黙っていても客が押し寄せる繁盛店ですが、オーナーのペップ氏が必ず毎日カウンターの中に入って指揮をしています。それが長年変わらぬ味と、それでいて独創的で他では真似の出来ない独自の味を生み出し、地元バルセロナで人気を保ち続けている理由のひとつとなっています。
レストランバルと言っても、特段ドレスコードがあるわけではなく、地元の人も思い思いの普段着でタパス料理を楽しんでいます。雰囲気的には、ちょっと日本の焼き鳥居酒屋風的な感じでしょうか、スタッフと客とのオーダー受けの掛け声など、活気があって和気藹々といった、非常にフレンドリーで気軽に食事を楽しめるおすすめのお店です。
開店前から行列ができるCal Pep
一時、日本の某テレビ番組で「行列のできる何々」という謳い文句がはやり、やはり行列ができるというのは、それなりに理由があってと思われます。中には行列ハズレも多々ある中で、海の向こうのバルセロナで行列ができるとあって、我慢してまで行列に並ぶことをしないスペイン人も行列に加わるということを考えると、これは本物の行列です。
Cal Pepの入口近くにあるカウンター席は、20席ほどしかなく開店前から行列が出来てしまい即座に満席になります。その時点で座れなかった人は、食べている人の後で1時間以上待たされます。遅くとも開店30分前には並ばないと、あっという間に行列ができてしまいます。地元の人は動き出すのが遅いので、行列を避けるには朝一番がおすすめです。
Cal Pepの醍醐味を味わえるカウンター席
カウンター席を挟んで奥の厨房がダイレクトに見えて、威勢のいいスタッフの動きとそれに指示を与えるペップ氏のダミ声が飛び交います。その調理の様子を見ながら、あっ、あれも美味しそうだなとか、隣の人が食べているのも美味しそうだなあ、あの食材をどう調理するんだろう、といろんなメニューを観察できる点でカウンター席はおすすめです。
予約してゆったりとテーブル席
店の奥には、カウンター席の賑わいと隔離された7つのテーブル席があり、4名以上から予約して座ることができます。ゆったりと落ち着いて食事を楽しみたい方や家族や友人の記念日などでこちらを予約するのもおすすめです。値段的には、バルとしてはちょっと高めですが、レストランをも凌駕する本当に美味しい料理に納得してしまいます。
Cal Pepの多彩なタパスメニュー
Cal Pepのタパス料理で使われる食材は、何処にでもある食材ですが、その組み合わせと味付けは何処も真似の出来ないオリジナリティ溢れるメニューです。海鮮物が中心で、他にも野菜を使ったり、味付けにいろんな調味料を使ったりしています。さあそれでは、その独創的なCal Pepの多彩なタパス料理の中からおすすめのメニューを紹介しましょう。
Cal Pep厳選メニュー1:FritoMixto
Cal Pepにはメニューがありません。何を食べたいか分からずにおまかせにすると、最初に出てくるメニューがこのフリートミクストという揚げ物です。その時々の仕入れの食材によって中身は異なりますが、地中海で獲れた海老やイカの甲殻類と魚など、海産物を揚げた物がメインになっています。揚げ物なので結構お腹が膨れます。
Cal Pep厳選メニュー2:PanConTomate
席に着いたら注文にかかわらず必ず出てくるのが、このトマトペーストをパンにのせてこんがりと焼き上げたパンコントマテです。焼き立てで出てくるので熱いうちに食べるのがおすすめです。3人以上で食べる時でも、ひと皿ずつにしてもらって、食べ終わってからまた食べる際にもう一皿、という風に小刻みにして熱いまま食べるのがコツです。
Cal Pep厳選メニュー3:ChipironesConGarbanzos
インド料理やサラダバーでよく使われ、淡白な味とザラっとした食感をした「ひよこ豆」、それにホタルイカの出汁と旨味を絡ませて煮物にしただけのシンプルな料理ですが、この意外な組み合わせの発想に感心してしまいます。ひよこ豆とホタルイカの絶妙な食感、それぞれが混じり合った味のバランスは、間違いなく美味しいタパス料理です。
Cal Pep厳選メニュー4:AlmejasConJamón
日本で出てくるアサリ料理といえば、酒を加えて蒸し焼きにする酒蒸しが一般的ですが、Cal Pepのアサリ料理、アルメハスを賞味すると、それが一番の食べ方ではないことに気づきます。貝の出汁と生ハム、オリーブオイル、ニンニクの組み合わせが絶妙な味のハーモニーを生み出しています。パンにソースを浸して食べるのがおすすめです。
アサリ自体は、ひとつひとつが大ぶりのアサリの身をしていて食べ応えがあります。そして食べてみると分かりますが、その歯応えの良さといい、アサリ独特の海の香りのする味といい、かなり新鮮で上質のアサリを使用していることが分かります。一見、普通のアサリ料理に見えますが、シェフのその食材選びの目利きの良さに納得してしまいます。
Cal Pep厳選メニュー5:NavajasALaPlancha
ナバハスは、スペインではよく目にする貝で、日本でも獲れるマテ貝のことです。そのマテ貝を塩抜き下茹でして独自の味付けをし、こんがりとした焼け目をつけたのが、こちらのタパス料理です。特に他の食材と絡ませるといったこともなく、ただ単純にマテ貝だけを調理していて、その美味しさをダイレクトに味わえることができます。
Cal Pep厳選メニュー6:Butifarra
フォアグラ入りのソーセージと茹でた豆を組み合わせ、ポートワインを使った甘いソースをつけていただきます。フォアグラ特有の香りと脂がジュワっと口の中で広がり、茹で豆と混じり合うことで絶妙の美味しさを生み出しています。Cal Pepのタパスで一貫しているのは、食材そのものの旨さを最大限引き出しているシンプルさです。
Cal Pep厳選メニュー7:TartareDeAtun
食べ方は、周りに置かれたパンに中央に盛り付けされたマグロの身をペーストしていただきます。マグロをパンで食べる習慣のない日本人にとっては、ちょっと異次元の世界ですが、そこは素直に異文化を受け入れましょう。初めて食べるその組み合わせの妙に驚き、その後に訪れる美味しさの発見に感動さえ覚えるかも知れません。
Cal Pep厳選メニュー8:TortillaDePatatas
Cal Pep一押しの人気メニュー、トルティーヤを食べないことには始まりません。Cal Pepのトルティーヤは、中にオリーブオイルで煮揚げたポテトが入っていて、それを玉子で包みカタルーニャ地方の伝統的なソース、アリオリを塗っています。昔からあった調理法に独創的調理を施した、Cal Pepで是非とも口にしたいおすすめの逸品です。
Cal Pep厳選メニュー9:白ワイン
Cal Pepでのドリンクメニューは、ビール、ワインとあり、中でも海鮮料理が多いのもあり、白ワインがおすすめです。特に白ワインは年代物を含めて気軽に飲めるものから、高価なものまで豊富に揃っています。十分な糖分を含んだ葡萄使ってつくられるカタルーニャ地方のスパーリングワイン、カヴァなどがタパスに合っておすすめです。
住所 | Plaça de les Olles、8、08003Barcelona |
電話番号 | 34-93-310-7961 |
14世紀の街並みが美しいボルン地区
Cal Pepがあるバルセロナのボルン地区は14世紀の建物が残る旧市街地で、4階から5階建ての中層の建物が並び、いくつもの通りが碁盤の目のようになっています。建物の1階部分には、ブティックやカフェ、レストラン、バル、などが古い街並みの中に溶け込んでいます。食事の後は、このエリアを散策するのもおすすめです。
道幅のある通りからちょっと横の路地に入っても写真のように隠れ家のようなレストランやカフェ、ブティックが佇んでいます。こうした狭い空間にも安らぎと憩いの空間を作っているのは、やはり中世ヨーロッパの当時の先進的な考えのひとつで、個々人ではなくて、地域としての空間作りを大事にしている点がここボルン地区に残っています。
ナッツとドライフルーツの老舗CasaGispert
ボルン地区の中心にあるサンタマリアダルマル教会の横の路地を進むと、地元バルセロナの常連客や観光客に人気の老舗乾物屋、CasaGispertがあります。1851年創業で、当時は教会近くまで海になっていて、港には植民地だった中南米からコーヒーやナッツなどが運ばれて来ていました。その輸入販売を始めたのがこの店の始まりです。
1851年創業のナッツとドライフルーツの老舗カーサジスペルトでは、自家製焙煎ナッツ類と、各種ドライフルーツが買えます。ドライフルーツのイチジクやプルーン、サラダやスパゲティに重宝して保存も効くドライトマトなどがおすすめです。日本語が話せるマークさんという店員さんがいるので、気軽に入って買物することができます。
住所 | Carrer dels Sombrerers、23、08003Barcelona |
電話番号 | 34-93-319-7535 |
Cal Pepから歩いて3分で行けるピカソ美術館
Cal Pepから歩いて250m、約3分のところに、実はあの世界的に有名なパブロピカソの美術館があります。これはCal Pepで食事の前に是非とも行かない手はないです。このピカソ美術館は、バルセロナゴシック地区のモンカダ通りにあり、13世紀から14世紀にかけて建てられた貴族の5邸宅を改築し、パブロピカソが存命中の1963年に開館しています。
バルセロナのピカソ美術館では、3800点のピカソ作品の展示を誇り、メジャーな作品ではなく、あまり知られていないピカソの青の時代の作品を多く見ることができます。また、バルセロナでの修業時代から晩年に至るまで作風を変化させたピカソの作品を年代別に分かりやすく展示しています。常設展は一般が12€、特別展は展示により料金が異なります。
地元の人の手で建てられたサンタマリアダルマル教会
サンタマリアダルマル教会は、バルセロナの中でも歴史的建造物が多く残っているボルン地区に位置し、Cal Pepから歩いて1分の場所にあります。名前にあるマルというのは、カタルーニャ語で海のことで、14世紀に地元の漁師や船乗り達、労働者の手によって、当時海にほど近かったこの地に、地元の人々のためとして建てられた教会です。
教会内部へ足を踏み入れると、重厚な外観の造りとは異なり、外部の光が差し込む広大な内部に目を見張ります。本堂と内陣の間には建築的境界線がなく、3本の通路が単一の空間をつくるバシリカと呼ばれる種類の教会です。月曜から土曜まで9時から13時と17時から20時半、日曜は10時から14時まで、年中無休無料で見学することができます。
日本からスペインバルセロナへのアクセス
日本からスペイン国内の直行便は、イベリア航空で成田からマドリードへの直行便がありますが、バルセロナまでは、マドリードから国内線に乗換が必要です。スペインでの国内線移動が必要となるので、他の都市を経由するのと変わりはありません。成田からバルセロナまでは、乗換えを含めて約15時間ぐらいの飛行時間です。
Cal Pepのあるボルン地区へのアクセス
バルセロナのエルプラット空港からは、市内までを結ぶ地下鉄が便利です。途中2回の乗換が必要です。地下鉄L9のAeroport1駅から12番目のTorrassa駅で降り、L1に乗換10番目のUrquinaona駅で降り、さらにL4に乗換2番目のJaumeI駅で降ります。そこから歩いて約8分のところにCal Pepがあります。地下鉄の料金は4.6€、所要時間45分です。
Cal Pepのタパスを食べて楽しい思い出を
バルセロナの地元の人々から愛され、いつも活気に満ちているCal Pepは、美味しいタパス料理を堪能しながら仲間とワイワイ語り合い、身も心も満ち足りた気分にさせてくれる唯一無二のレストランバルです。味わい深い旧市街地を散策し、カタルーニャの文化に触れると同時に、ここCal Pepで素敵な思い出を体験されてはいかがでしょう。
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