江戸前寿司の常識&マナー特集！東京と関西でなにが違う？人気の老舗で学ぼう！

江戸前寿司と聞けば握り寿司と考えがちですが、江戸前寿司には歴史的な定義もあるようです。人気店や有名なお寿司屋さんに行ったときには、最低限のマナーもあります。記念日や大事な人と行ったときに恥をかかない江戸前寿司の常識やマナーと老舗の店舗をご紹介します。

江戸前寿司は、その名のとおり江戸前の海･東京湾で獲れた魚介類で作ったお寿司のことです。鮮度を保つために魚介類に漬けや酢〆め、煮る、茹でるなどの工夫をしています。そのようにして鮮度を保ったネタを酢飯に乗せた江戸時代の保存食と言えるでしょう。食べ方にも工夫があります。

江戸前寿司の職人の仕事はネタと言われる魚介類などを仕入れることから始まります。腕の良い職人はネタの目利きが出来る人と言っても過言ではありません。ネタはおいしく食べるために部位ごとの「捌き」を経て、〆めや煮るなどの手を加えます。「仕込み」までが職人の技の見せ所です。

和食の代表と言えるお寿司ですが、東京と関西では違いがあるようです。お寿司は東京だけでなく、日本各地で新鮮な魚介類をどのようにして日持ちさせるか工夫して食べられています。お寿司は江戸から伝わったものではなく、各地の食文化から生まれています。東京と関西のお寿司を比較してみましょう。

江戸前寿司は、元々東京湾で獲れた魚介類を酢や塩で〆めて日持ちするように加工したものです。時間を置かないで消費するように屋台などで提供していました。関西のお寿司は平安時代にまで遡り、ご飯と魚介類を一緒にして発酵させた物が始まりです。せっかちとのんびりの違いがお寿司の食べ方にも出ているようです。

江戸前寿司と関西寿司ではシャリにも大きな違いがあります。江戸前寿司は作ってすぐ食べる、関西寿司は時間が経ってから食べる、食べ方にも違いがあります。そのため、関西寿司は江戸前寿司より甘めに作られています。ネタにひと手間加える江戸前寿司はアッサリしたシャリが合うようです。

伝統的なネタの違いはありますが、握り寿司でも東京と関西ではネタの好みは違っているようです。江戸前寿司のネタはアナゴや小肌ですが、現在ではまぐろが代表格です。一方関西では鯛に代表される白身の魚にこだわりがあるようです。それぞれの近海で捕れる魚に影響されているのかも知れません。

鮮度の対するこだわりにも違いがあるようです。東京では〆めた後少し寝かせて旨みを出してから使うことが多いようです。牛肉などでも行われている熟成です。関西では〆めた後の活きが良いうちに使います。プリッとした歯ごたえのあるネタが良いとされています。

お寿司の老舗と言われる高級店に行ったときに気になるのがマナーです。普段行っている廻るお寿司ほど自由な食べ方は出来ません。慣れないとなかなかうまく行かないものです。接待や大事な人と高級店に行っても、恥をかかないマナーのいろいろをご紹介します。マナーに東京と関西の違いはありません。

老舗のお寿司屋では、少数のお客に丁寧に接客するお店が多いようです。そのため、飛び込みで入った場合には満席のことがあります。出来るだけ予約をしてから訪れるようにしたいものです。予約の時に、接待とか記念日などであれば目的も伝えておくといいでしょう。

お寿司は味はもちろん香りまで楽しむ食べ物ですので、高級店では香水など匂いのきついものは避けた方がいいでしょう。喫煙可能な店舗でもタバコは我慢したほうが無難です。周りのお客に気を配るのもマナーです。そして、基本として入店の際には予約時間を守るようにしましょう。

お好みで注文する場合、最初に注文するものは？白身から赤み最後に巻物、が基本とされる食べ方ですが、お寿司屋さんの話では、「お好み」なので好きなものを好きな順に食べればいいのだそうです。好きでもないネタを通を気取って食べるより、楽しむ食べ方のほうが粋に見えるようです。

注文するタイミングも難しいですね。板前さんが仕事をしているときに声をかけていいものか？ついつい躊躇してしまいます。食事中でも板前さんに話しかけてみましょう。気軽にこたえてくれます。旬のネタやおすすめのネタも聞けます。食べたいときに注文してみましょう。板前さんは聞いています。

お寿司の正しい食べ方は、手で食べますか？箸で食べますか？出来れば手で食べたいものです。手で食べてもべたつきを取るためのおしぼりが用意されています。箸で食べても良いのですが、やわらかいお寿司を崩さないように注意しましょう。醤油はネタだけに付けるのがシャリを崩さなくていいです。

お寿司はシャリとネタを一番おいしい状態で出されますので、出されたら時間を置かずに食べるようにしましょう。「そのままお召し上がり下さい」と言われたときも、その通りにするのがマナーのある食べ方です。また「噛みちぎる」のはマナー違反の食べ方ですので、一口で食べましょう。

お寿司屋さんには独特の用語があります。今ではアガリ:お茶、ムラサキ:お醤油など一般的になっていますが、実は間違った使い方が多いようです。アガリやムラサキは本来店舗のスタッフどおしがお客に知られずに会話する言葉だそうです。気を付けたいです。

板前さんと気軽に話したい、注文をしたい、と思ってもなかなか声をかけずらいものです。どんな風に呼んで良いか分からないからです。常連さんは別として、お寿司屋さんでは「大将」か「ご主人」がいいでしょう。知ったかぶりより知らないふりが上手くいくようです。

お会計の時に良く使うのが「おあいそ」ですが、この「おあいそ」は店舗の人が使う言葉なんです。普通に「お会計」か「お勘定」にしましょう。ここでも、知ったかぶりはかえって恥ずかしい思いをします。また、長居は注意しましょう。お店からアガリを出されたら「上がり」のサインです。

地下鉄銀座駅A4出口から徒歩5分、三鈴ビルの地下1階にある老舗のお店です。目立たない地下にあるお店ですが、ミシュラン2つ星の名店です。一歩店内に足を踏み入れると、白木のカウンターが広がります。カウンター席16席と半個室の座敷が1室で、和食のお店に相応しい雰囲気です。

和食は器で食べると言われますが、「かねさか」では食通としても有名な魯山人が作った器でおすしが食べられます。伝統的な江戸前の手法でネタに加えられた、丁寧な店主の仕事が味に伝わります。ミシュランが認めた味とおもてなしが楽しめる江戸前寿司の名店です。

JR浜松町駅金杉橋口から徒歩3分のところにお店があります。高級感のある入り口を入るとL字形の10席のカウンター席があります。カウンター前には丁寧に江戸前の仕事がされたネタが並びます。ランチでもおいしいコースのお寿司が食べられます。3000円から5000円です。

米酢を使ったシャリはさらりとして米の味が引き立っています。白身から始まる江戸前の基本ではなく、赤身、中トロ、トロの順に始まるコースは新しい試みです。ネタの説明や部位ごとの違いなど丁寧に説明をしてくれますので、おいしいお寿司を食べながら知識も得られます。

JR蒲田駅西口から徒歩10分にあるお店です。100年以上の歴史がある老舗です。カウンター8席だけのお店では、大将のパフォーマンスとお客のコミュニケーションが楽しめます。お寿司は全て手渡しです。握ってすぐに口に運びます。おいしいお寿司を追求して、手を温めて握っているそうです。

大将のパフォーマンスが話題になっていますが、最高のネタを時間をかけて仕込んでいます。また、江戸前寿司ではあまり使われない食材をネタにしていますが、おいしいのですから迷わず注文してみましょう。お寿司を口の中に入れて5秒間はそのままにする「5秒ルール」の食べ方もおもしろいです。

地下鉄日本橋駅から徒歩２分にあります。明治12年創業の老舗です。酢と塩だけで作ったシャリは少し固めの東京好みのお寿司です。カウンター席とテーブル席、2階席もあって高級点では広い店舗です。マグロと穴子はおいしい一品です。絶品のマグロをトロを名づけたお寿司屋さんです。

地下鉄白金高輪駅から徒歩10分にある老舗のお寿司屋です。店舗内は8席のカウンター席のみです。赤酢で仕上げたシャリは、南部鉄の羽釜で炊いたこだわりのおいしいお寿司です。少人数のお客を丁寧におもてなししています。女将さんの接客もおすすめの理由です。ランチのおまかせもおすすめです。

地下鉄六本木駅2番出口から徒歩5分にあるお店です。カウンター席を含む11席の店舗です。ミシュラン1つ星のお店は場所柄もあり外国人にも人気があります。ネタの新鮮さとお寿司だけでなく、料理もおいしいとの評判です。お皿に乗せられたお寿司の美しさは懐石料理を見るようです。

JR東京駅から徒歩5分、丸の内ブリックスクエア地下1階にあるお店です。東京駅直結のアクセスの良さからランチのお客も多くいます。カウンター席とテーブル2卓ですが人気の店舗ですので、予約がおすすめです。ディナーはおまかせのみですが、時期によってはおいしい雲丹の食べ比べができます。

地下鉄六本木一丁目駅3番口から徒歩1分、アークヒルズサウスタワー1階にあるお寿司の名店です。旬のネタを最大限に活かした丁寧な仕込みは、まさに江戸前寿司の真髄です。ミシュラン3つ星も納得です。おいしいお寿司で贅沢をしたい、そんな日におすすめのお店です。

地下鉄表参道駅から徒歩4分、BC南青山プロパティー地下1階にあるお店です。店内にはカウンター席が8席と個室が2室あります。人気店ですので予約がおすすめです。高級店で修行した店主の選ぶネタには定評があります。最高の素材を最高の江戸前寿司の技でおいしいお寿司に仕上げます。

白身から始まる基本のおまかせコースは8000円、おつまみが付いたおまかせコースは23000円と少し高い価格帯ですが、記念日や接待での利用はおすすめです。個室もありますので、夫婦で家族で接待でもゆっくりとくつろぎながら名店のおいしいお寿司を堪能できます。

JR新橋駅日比谷口から徒歩2分にある老舗の人気店です。店内はカウンター8席のみのシンプルは設えです。カウンター席の後ろにある荷物置きなど店主のおもてなしの心が伝わります。赤酢のシャリは甘めを控えてさっぱりとしています。握りはやや大きめで伝統的な江戸前のお寿司です。

おすすめは「煮はまぐり」です。やわらかく煮上げられたハマグリは旨みがぎっしりと詰まったおいしい一品です。店主の目利きで仕入れられた新鮮なネタはシャリとのバランスが良く、大きさも気になりません。新橋で1、2を争う人気店のおいしいお寿司を堪能してみませんか。

地下鉄四ツ谷駅2番出口から徒歩3分にある老舗のお店です。店内にはカウンター11席と座敷個室が1室あります。座って落ち着ける座敷個室は家族での食事におすすめです。駅からのアクセスも抜群で人気店ですので予約しての来店をおすすめします。おいしいお寿司を最高に高める落ち着いた雰囲気のお店です。

熟成ネタを使うプロの仕事と行き届いたおもてなしは多くの人から愛されています。握りとおつまみを交互に提供する独特のスタイルは、おいしい料理を食べてもらう店主のこだわりです。ランチの「ばらちらし」は新鮮なネタを贅沢に使った人気のメニューです。30食限定ですので早めの入店がおすすめです。

江戸前寿司の常識やマナーをご紹介しましたが理解していただけましたか。東京で江戸前寿司の老舗を合わせてご紹介しましたので、ぜひ実践してみてください。敷居が高いと思われがちな高級店も、一歩店内に入ると意外と気さくな店主に驚くことがあります。臆せずおいしいお寿司を楽しみませんか。