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江戸弁とは?落語で使われるってホント?その特徴を徹底調査!

江戸弁とは?落語で使われるってホント?その特徴を徹底調査!
投稿日: 2017年11月5日最終更新日: 2020年10月8日

テレビなどでは人気お笑い芸人を中心に関西弁がよく聞こえます。東京は基本的には標準語を話すだけと思われますが、実は都内にも方言として江戸弁が存在します。江戸時代から伝わる生粋の江戸っ子言葉。そんな江戸弁はどんな方言なのか調べてみました。

東京にだって方言はある?江戸弁ってなに?見出し

方言というと東京以外の地方で使われる言葉というイメージがあります。もちろんそれは大きな間違いではありませんが、逆に東京には方言がないと思っている人も少なくないようです。実は東京にも方言があり、一部地域ですが、今も昔ながらの言葉が残っています。それが江戸弁です。東京の方言、江戸弁が今注目され、かっこいいとも言われています。そんな江戸弁をもっと知ってみてはどうでしょうか。

江戸弁の特徴ってどんなもの?見出し

江戸弁というのは東京方言と呼ばれる、東京都内近郊で使われる方言のひとつです。江戸のころには武家など上流階級が話す山の手言葉もありましたが、江戸弁は庶民が使っていた江戸言葉の方を指すようです。特徴は母音よりも子音を強く発音したりなど、様々なものがありますが、いずれにせよ、近年は若い人たちにもかっこいいと注目され、女性にも人気があります。

江戸弁は落語などにも用いられていますし、べらんめえ口調とも言われ、実は日本中の普通の会話にも溶け込んでいます。例えば「遅い(おそい)」を「遅え(おせえ)」、「甘い(あまい)」を「甘え(あめえ)」と言うのは江戸弁の名残です。ほかにある特徴としては「ひ」が「し」になることもあります。例えば「必要(ひつよう)」が「しつよう」になるなどです。

江戸弁はこうして生まれた見出し

ここで江戸弁の歴史を見てみましょう。江戸というくらいですから、江戸時代に発達したのはすでにおわかりかと思います。元々徳川家康が江戸(東京)に都を置くまでにもこの地域に暮らす人はいました。ですので、江戸弁の根本はこの土着の人々の言語であるということになっています。しかし、首都になった東京にはたくさんの人々が日本中から集まってきます。ですので、ほかの方言からも影響を受けています。

江戸弁が影響を受けた方言の中でも特に上方、つまり京都弁は文法に影響しています。江戸時代の当初はもちろん江戸弁は存在せず、京都の言葉が中央語でしたから当然のことでもありました。そうして様々な方言の影響を受けたことで、関東地方でも江戸弁は特殊な方言となっていったのです。ですが、その後時代が変わり、江戸弁が標準語になっていくと、江戸弁という意味合いが変わってきました。これが江戸弁の歴史です。

落語にも使われる江戸弁の魅力見出し

江戸で様々な文化が発生しました。そこには江戸弁が密接に関わっていますし、江戸弁なくしては語れないものもあります。こういった文化を通じて江戸弁の特徴が際立ち、女性にも「かっこいい!」といわれるような風潮が生まれつつあります。そんな文化は特にエンターテインメントの世界によく見られ、これらは現代の日本人の芸術観にも大きな影響を与えています。

浮世絵や寿司など江戸っこに好まれた文化はたくさんあります。中でも江戸弁が強く影響しているのは落語です。ご存知のように落語家は今でも多くの人に尊敬され愛されています。現代のコントのように動きではなく、話術だけで人を笑わせるのですが、その際に江戸弁は多用されるのです。生の江戸弁なら落語を聞きに行くのがベストです。江戸文化の中心に近い上野や浅草なら今でも落語のホールがあります。

例えばこんな江戸弁!その1「首ったけ」見出し

では、ここでは実際に今でも使われる、あるいは日常生活でも使える江戸弁の一部を紹介します。数ある中から任意で選んだのでほんの少しですが。まずは、例えば「首ったけ」はいかがでしょう。意味は「惚れ込んでいる」といった感じで、首からつま先まで全部があなたに落ちてしまっている(惚れてしまっている)ということです。落語にも同名の話があるそうで、江戸の男性にはよく使われた言葉なのかもしれません。

首ったけは元々は「首たけ」だったそうです。それが江戸弁の特徴によって口調に変化が出て、「っ」が入って首ったけになったのです。江戸の男たちは女性に恋をしてもストレートな言葉は使わず、こういった言い回しが一般的で、それもまたかっこいい江戸っ子男性の姿だったのです。江戸の女性はこういった男性の言い回しにさぞ感動していたことでしょう。

例えばこんな江戸弁!その2「うっつく」見出し

さて次の江戸弁です。「うっつく」。これはなんだかわかりますか。上の写真を見てもらえばわかるように、うっつくは「美しい」という意味になります。先ほどの首たけが首ったけになったのと同じように、江戸の口調で促音が入ってしまい、美しいからうっつくに変化していったものです。美人な女性を見て、江戸の男たちは「うっつく!」といったのでしょう。

うっつくは必ずしも美人の女性の容姿などに対する驚嘆だけではありません。女性の何気ない仕草や、ほかには江戸には芸術や江戸の食事など特徴的なものがたくさんありましたから、そのすべての美しいものに対して男性だけでなく、女性も「うっつく」と賞賛したのです。その口調はかっこいいですし、また女性がいえばとてもかわいらしい言葉に聞こえます。

例えばこんな江戸弁!その3「てやんでい」見出し

実際に生で聞いたことがある人は少ないかもしれませんが、よく知られた「てやんでい」あるいは「てやんでえ」もまた江戸弁の口調です。これはややケンカの際の啖呵であり、女性よりは男性が口にする江戸弁です。口調はきつく、いわゆるべらんめえ口調とも呼ばれます。時代劇やコメディーで見かけますが、実際に江戸っ子とケンカにならない限りあまり聞きません。

てやんでいの語源は諸説ありますが、「なにを言ってやがるんでい」がだいぶ縮まって、後半の口調だけが残ったとされています。浅草近辺など江戸時代の雰囲気を残した下町のおじいちゃんなどは実際に今でもこういった口調で話します。屋形船の船頭さん、寿司屋の職人、江戸の大工さんなどは今もべらんめえ口調で話します。

例えばこんな江戸弁!その4「あたぼう」見出し

続いて紹介する江戸弁は「あたぼう」です。「あたぼうよ!」などと使いますが、これは「当たり前」の意味です。この言葉もまたべらんめえ口調で、女性にはかっこいいどころかやや引かれてしまう言葉かもしれません。職人さんに似合いそうな乱暴な言葉ですが、日常で使う場合には比較的フレンドリーな意味合いもあります。

実はあたぼうはふたつの言葉が組み合わさった江戸弁になります。それは当たり前と「べらぼう」になります。べらぼうはバカとかアホといった意味で、「当たり前だ、バカやろう!」が江戸弁の口調らしく縮まったという特徴があります。語尾が乱暴なので受け入れにくい口調ですが、バカやアホは江戸っ子には親しみの意味もあり、ケンカ口調でなければ、愛のある言葉でもあるのです。

例えばこんな江戸弁!その5「しがし」見出し

江戸弁の特徴として語尾や口調が特徴的というのがあります。独特なものでは「ひ」が「し」となることです。ですので、「東(ひがし)」は「しがし」と江戸っ子はいってしまいます。ところが一方では「し」を「ひ」とも発音してしまいます。「質屋(しちや)」は「ひちや」と発音するのです。江戸弁は独特な特徴があります。

ほかにも「大根(だいこん)」を「でーこん」とも呼ぶなど、語尾や中間の発音が江戸弁はほかの方言にはないおもしろさがあります。こういった言葉をある程度乱暴にならないよう(つまりべらんめえ口調が過ぎないよう)にすれば、独特の口調で話す人としてとてもかっこいいと思われるかもしれません。

女性の江戸弁がかわいいと評判!?見出し

女性の江戸弁は語尾や口調がかわいらしいともいわれます。男性が話せばかっこいいし、女性が使うとかわいい。これが江戸弁の魅力でもあります。例えば、肯定の返事「はい」を江戸の女性は「あいな」といったそうです。語尾というか、口調がかわいですね。ほかには「私(わたし)」が「あたい」ともいいます。旦那を呼ぶときの「あなた」を「あ~た」なんていう人もいます。

口調や語尾がかわいらしい女性の江戸弁ですが、男性同様にストレートなことはあまりいわなかったようです。恋に落ちたときには「とーんときた」と言いました。すとんと落ちたときの音を表現しているのです。語尾や口調だけでなく、こういった言い回しがとてもかわいらしく、江戸弁の女性版もまた風情があるのです。

今、江戸弁がかっこいいってホント?見出し

テレビでは関西を中心に方言がはびこっています。東京生まれ東京育ちの人は方言に憧れを持っている人もいます。ですが、標準語の元になった江戸弁もまた方言。むしろ語尾や口調は標準語に近いですから、これまでの言葉の語尾などを少し変えればいいだけです。今、そういった点では江戸弁がかっこいいとされ、改めて江戸文化が再評価されています。

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投稿日: 2017年11月5日最終更新日: 2020年10月8日

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