青ヶ島とは?
青ヶ島(あおがしま)は、東京都の伊豆諸島に属する有人の島で、そのアクセスの困難さから「秘境」と呼ばれています。青ヶ島には世界的にも珍しい二重カルデラや、火山島特有の自然、最高級の星空を見る事ができる素晴らしい島です。アクセスが困難ですが、ひとたび足を踏み入れれば青ヶ島の秘境に魅了されること間違いなし!そんな青ヶ島の基本情報からアクセス、おすすめシーズンや人気の観光スポットをまとめました。
青ヶ島ってどんな島?
青ヶ島は、伊豆諸島の中では最も南にあり、東京からは358km離れています。住所としては「東京都青ヶ島村」となります。驚くことに、島内の住所はありません!青ヶ島の人口は160人と日本で最も少ない村で、青ヶ島宛ての郵便物などはすべて「個人の名前」で配達されるんだそうです。島の周囲も約9kmと、とても小さめ。小さくてアットホームな島だからこそ、住所が無くても不便しないんですね。
これぞ秘境!青ヶ島へのアクセス
観光に行くのも一苦労
容易に届かせない雲居の青い島。地方民の私には長い長い上京(?)となりました。強雨の夜はゴウゴウ唸る風がこわかったけど、朝になると素晴らしい景色が待ってました#世界ふしぎ発見 #青ヶ島 pic.twitter.com/HyBhlaQXKC
— ぽて (@notoiro) June 24, 2017
青ヶ島が秘境と呼ばれる理由は、そのアクセスの困難さにあります。東京都に所属していますが、東京都からの直行便が無く、東京からはまず青ヶ島の60km北にある八丈島を経由して行かなければなりません。八丈島から青ヶ島へはヘリコプターかフェリーを利用しますが、これもなかなか大変なんです!ここではその困難さと東京からのアクセス方法を紹介します。
まずは八丈島へ
東京から八丈島へは、飛行機もしくはフェリーで行くことができます。飛行機は東京の羽田空港から1日3便運航しています。東京の中心地からの所要時間は約55分です。フェリーの場合は、東京の竹芝桟橋から1日1便運航しています。所要時間は約10時間30分で、料金は座席によって違い片道10060円から28170円、座席は2等、特2等、1等、特1等、特等があります。時期にもよりますが、近年は飛行機の方が安くなる場合もあるようです。
八丈島から青ヶ島へ!ヘリで行く
タッチアンドゴーで青ヶ島からのお客さんを乗せて八丈島へ。ヘリコプター、怖かった・・・。#青ヶ島 #TAMASHIMAベストショットスタンプラリー応募 #伊豆諸島 #nature #natureservice pic.twitter.com/Y9o8UjcFha
— しんこ (@heureuse0925) February 28, 2017
八丈島から青ヶ島へ行く方法は2つあり、そのうち1つはなんとヘリコプター!「東京愛らんどシャトル」と呼ばれるヘリコプターが、毎日定期便で八丈島から青ヶ島へ飛んでいるんです。1日1便で9時20分発、青ヶ島へは所要時間約20分、料金は11530円です。
ヘリは要予約ですが、定員は9名なので、なかなか予約を取るのが難しいと言われています。しかし、上空から見る秘境青ヶ島はまさに絶景!予約が難しくても、行きか帰りのどちらかは空から青ヶ島を眺めてみたいものですね。
八丈島から青ヶ島へ!フェリーで行く
今日の青ヶ島の三宝港はめちゃんこ荒れてんなー:ocean:#青ヶ島 pic.twitter.com/4H4Rb43i7a
— sinjiko (@sinjiko) April 19, 2017
八丈島から青ヶ島へ行くもう1つの方法はフェリーです。「あおがしま丸」と言うフェリーが週に4便から5便程度運航しています。スケジュールは東海汽船のホームページから確認できます。八丈島を出港する時間は9時30分で、所要時間は約3時間、料金は2550円です。8月は代船「ゆり丸」が運航します。
フェリーの場合は予約も不要で料金が安く、一見利用しやすそうではあるのですが、実は青ヶ島三宝港は断崖絶壁に囲まれた港で黒潮の影響が大きいため、天候が少しでも悪くなると着岸が不可能になってしまいます。この便は欠航が多く、就航率は6割程度と言われています。その日の船が出るかどうかは、当日の朝7時時点で判断されます。時間に余裕がないと旅行することすら難しいのが、青ヶ島が秘境と呼ばれる理由です。
青ヶ島のベストシーズンは?
明日の準備が終わったので、「世界ふしぎ発見」。すごいな、青ヶ島。東京都とは思えん。 #TBS #世界ふしぎ発見 #青ヶ島 pic.twitter.com/bXGK1MLEmz
— ShinyuSakura (@shinyu_sakura) June 24, 2017
青ヶ島そのもののベストシーズンはありません。平均気温は冬期で10℃前後、夏期で26℃前後で、どのシーズンに行っても本州より過ごしやすく感じるでしょう。もしお祭りが好きなら、毎年8月10日に行われる青ヶ島最大の祭事「牛祭り」のシーズンに合わせて行くと良いでしょう。最高級の星空が見たいのであれば、空気が澄んでいる秋から冬にかけてがおすすめです。
青ヶ島の天然のプラネタリウムは半端じゃない!
— 旅人ノブ@フィリピン留学中 (@The_ikukan_trip) April 4, 2017
これぞまさしく偉空間トリップ☆
星が降るんじゃない。自分が宇宙に降っていきそうになる。それほどの漆黒と光り輝く星達の芸術!#青ヶ島#天然のプラネタリウム#偉空間トリップ#天の川#ミルキーウェイ#星降る夜#星の芸術 pic.twitter.com/ay4C6N5OZ0
気を付けないといけないのは、フェリーで行こうと思っている場合です。台風の時期や冬期の低気圧が多い時期はフェリーの欠航が多くなり、八丈島から青ヶ島へ行けなかったり、青ヶ島で10日も足止めされる事も珍しくありません。フェリーで行くことを検討しているなら、一番就航率が良いのは4月から6月で、このシーズンが一番安定していると言われています。
観光の前に!青ヶ島の歴史
いざ青ヶ島へ!#日本の離島 #東京都 #青ヶ島 #要塞の港 #6/24O.A.! https://t.co/f1GjwYcrDs pic.twitter.com/pf1Ih02yXf
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青ヶ島にいつから人が住みだしたのかは、はっきりとわかっていません。記録によると15世紀ごろには既に人が住む島であったようです。古くは女人禁制の島だったとも言われています。海で遭難して流れ着く人が多かったらしく、当時から秘境的な位置づけだったようです。
1785年に大規模な噴火が起こり、327人の島民のうち202人が八丈島へ避難、残りは噴火に巻き込まれ助からなかったとされています。この後、青ヶ島は30年以上人が住めない無人島になっていました。1817年から帰島事業が進められ、1824年に全島民が帰還、その後着々と復興が進められました。
観光ならまずはここ!青ヶ島の地形を見よう
世界的にも珍しい青ヶ島の地形とは?
青ヶ島の二重カルデラの内側のカルデラから火口の中を写しました。 #青ヶ島 pic.twitter.com/ztS4rsKh55
— めかぶ (@JT221F) April 3, 2017
青ヶ島は、外側から見ると大きな2つの火山でできた島です。そのうち1つの主成層火山の中央部はカルデラになっていて、そのカルデラの中央には1785年の噴火でできた「丸山」と言う火山があり、この丸山の中央部がまたカルデラになっているのです。この、カルデラの中にまたカルデラを持った火山がある地形は「二重カルデラ」と呼ばれ、世界的にも珍しい地形なんです。
大凸部(オオトンブ)へ登ろう!
青ヶ島の住民が多く住む集落から徒歩で行く事が可能で、なおかつ青ヶ島で最も標高が高い場所がここ「大凸部(オオトンブ)」で、標高423mの三角点があります。大凸部からは、南側に広がる二重カルデラの地形を一望する事ができます。距離は近いですが、一部登山道のようなところもあるので、しっかりした靴で登って下さいね。
天気が良い日は最高級の景色を楽しむ事ができますが、シーズンによってはカルデラに蓋をするように雲がかかっている様子もまたおもしろいと人気です。展望広場になっているので、のんびりくつろぐこともできますよ。気候の良いシーズンならのんびりお昼寝してもいいかも知れません。
トレッキングで青ヶ島の自然を観光しよう!
自然や秘境が好きなら是非「丸山遊歩道」を歩いてみましょう!内側の火山丸山のカルデラ周囲は遊歩道が整備されていて歩けるようになっており、季節折々の花や野鳥を身近に観察する事ができます。珍しい植物に囲まれ、まるで秘境を歩いているよう!1周まわっても20分ほどと手軽な距離なので、是非自然を観察しながらゆっくりまわってくださいね。
全方位が海!絶景を見よう
大凸部と並ぶ人気の絶景スポットが「尾山展望公園」です。こちらからも二重カルデラを見る事ができ、また天気が良ければ360度全方向海と言う、最高級の景色を見る事ができます!条件が良いと八丈島まで見えるそうですよ。
地球の活動を感じよう!「ひんぎゃ」
丸山の南西側にある「ひんぎゃ」は、火山活動によって発生する、蒸気が噴出する穴が無数に見られる場所のことです。ひんぎゃの語源は「火の際(ひのきわ)」と言われており、電気が無い時代はひんぎゃを利用して暖を取ったり、調理をしたりしたんだとか。火山活動の証拠であると同時に、人々の生活に無くてはならなかった「ひんぎゃ」、是非訪れてみて下さいね。
青ヶ島の歴史スポットを観光しよう!
悲願の青ヶ島還住を果たした「還住像」
1785年の大噴火の後、無人となっていた島へ還住を果たすべく尽力した、佐々木次郎太夫の像です。青ヶ島復興の道を切り開いた英雄として、今でも青ヶ島の人々から慕われています。当時の苦労と熱意に思いを馳せてみて下さいね。
島の総鎮守「大里神社」
大里神社は島の中心ともなる神社で、昭和の半ば頃までは「でいらほん祭」と言う神事が行われる場所でもありました。現在はでいらほん祭は行われておらず、大里神社には祭りで使用されていた仮面が安置されています。神社までの道が険しい登りなので、行く際は動きやすい服装で注意して行って下さい。
ピンク色の神社!「東大所神社」
東大所神社は、その昔失恋した腹いせに島民7人を殺傷し、入水自殺をした朝の助の霊を鎮めるために建立された神社です。その外壁はなんとピンク色!森の中にひっそりとたたずむ姿はどこか悲しげです。今では縁結びの神様として、密かに人気を集めています。
青ヶ島観光の夜は最高級の星空を!
青ヶ島の星空写真と空撮映像無事放送されてました。事前に伝えてなかった友達からメッセージが来たり、さすがに老舗有名番組の影響は大きいですな〜 #世界ふしぎ発見 #青ヶ島 pic.twitter.com/a3eMA9ekg0
— kazu (@winteroptix) June 24, 2017
昼間も観光で歩き回って疲れているかもしれませんが、青ヶ島の夜は最高級の星空が待っています!島内はどこでも星空を見ることができますが、星空を見るなら是非「ジョウマン」と呼ばれる、島の最北端に行ってみましょう。ここは標高200mの崖の上で、周囲は海と草原が広がっています。この地域には民家も街灯も立っていないため、島の中でも最高級の星空を見ることができます!
観光客でも手軽に地元の味!「地熱釜」
山菜とったどー
— てらもっつぁれら (@nightsky_meteor) April 1, 2017
して、地熱釜で色々蒸したり山菜チャーハンつくったり、どれもおいしかった
山菜は道端に普通に生えてるんだけどね
雨でも楽しいから晴れたらきっともっと楽しいんだろうな、、晴れろ〜:sunny:︎#青ヶ島 pic.twitter.com/qbdbr2tIK8
丸山のひんぎゃの近くに作られた「地熱釜」では、今でも調理可能な天然の釜が設置されています。民宿などで地熱釜を使いたいと言えば、調理に必要な器具を貸してもらえます。食材は自分で用意しましょう。青ヶ島でとれた魚や卵、ジャガイモあたりが人気の食材です。食材にもよりますが、40分程度釜に入れておくと、ふっくらほかほか蒸し上がるそうですよ。
#青ヶ島 #星 #朝日 pic.twitter.com/q173mT88TA
— てらもっつぁれら (@nightsky_meteor) April 9, 2017
地熱釜は天然の設備なので、24時間無料で利用できるので、夜に来る事も出来ます。釜で蒸した魚なんかをつまみに、島の青酎を飲みながら、最高級の星空を眺めるなんて楽しみ方も良いですね。
地熱釜の近くには、同じく地熱を利用した「ふれあいサウナ」が設置されています。温度は約60度ですが、地熱を利用しているため温度や湿度は日によって多少変化するそうです。観光客だけでなく島の住民もよく利用するそうですよ。
地元客にも観光客にも人気の居酒屋
カラオケが人気!「おじゃれ杉の沢」
青ヶ島には食堂はありませんが、夕方から開店する居酒屋が2件あります。1件はここ「おじゃれ杉の沢」です。ここは島民がカラオケを楽しむ居酒屋として人気です。アットホームな雰囲気でたいてい誰かが歌っているので、賑やかな場所で過ごしたい!と思ったら是非こちらへどうぞ。
島外の女性が働く「居酒屋もんじ」
もう1件は「居酒屋もんじ」、こちらもアットホームな雰囲気の居酒屋です。ここには島外から採用された女性店員が半年から1年の契約で勤めていて、島外の人と話す機会が少ない島民に人気の居酒屋です。ここで働いたのをきっかけに、青ヶ島が気に入る人もいるんだとか。
青ヶ島観光の拠点!宿泊施設はある?
家庭料理が食べれる民宿も!
青ヶ島には民宿が6軒あります。すべて集落やその周辺にあり、1泊素泊まりから3食付きまであります。人数や部屋のタイプ、食事については要相談なので、各民宿に問い合わせて下さい。中には家庭料理が自慢の民宿もありますので、是非青ヶ島の料理を堪能して行って下さいね。
森の中の「青ヶ島村キャンプ場」
集落から離れた地熱釜やひんぎゃの近くにあるのが「青ヶ島キャンプ場」です。無料で利用できますが、前日までに青ヶ島村役場に申請が必要です。キャンプ場にはトイレ、炊事場、簡易かまど、屋外テーブル椅子が設置されています。それ以外の備品と飲料水は持参しましょう。地熱のおかげで寒いシーズンも比較的暖かく、静かな場所で、夜は最高級の星空が楽しめますよ!
観光客びっくり!吊って運ばれる漁船
定期便や漁船が発着する「三宝港」ですが、三宝港には海に漁船を停泊させる場所がないため、漁船は陸地に引き揚げなければなりません。そこで見られる光景が「船がクレーンで吊られて道路の上を通過する光景」。島では日常の風景ですが、初めてこの光景を見た観光客はとてもびっくりします。
青ヶ島の幻の焼酎「青酎」
青ヶ島で作られる焼酎は「青酎(あおちゅう)」と呼ばれ、1つ1つ手作りされ島外へ滅多に出回らないことから「幻の焼酎」として密かに人気を集めています。杜氏によって製法や原材料が異なり、島内外の芋や麦を使って作られています。中には焼酎と思えないほど甘い焼酎もあり、老若男女幅広く親しまれています。焼酎は苦手だと言う方も是非試しに飲んでみてはいかがでしょうか。
青ヶ島観光の記念にお土産を買おう!
もぎたて唐辛子で作った「鬼辛」
辛さと風味に優れた青唐辛子を、島で作った塩で漬け込んで3年以上醗酵熟成させたのがこの「鬼辛」です。唐辛子の風味に加え、発酵による独特の深みもあり、「辛いだけじゃない!」とやみつきになる人続出!他では味わえないとして、お取り寄せするリピーターも多いです。是非お土産として買って帰って下さいね。
家庭の味「島だれ」
もともとは青ヶ島の各家庭で作られていた味噌だれのことで、とうがらし、島みそ、にんにく、醤油などがベースになっています。「マツミ荘」や「ビジネス宿中里」の民宿で、それぞれ独自の島だれをお土産として販売しています。お刺身や料理など、幅広く使える島だれはお土産にぴったりですね。
青ヶ島近海でとれた「とびくん」
青ヶ島近海で獲れたとびうおを、ひんぎゃで作った塩で味付けした燻製は「とびくん」と呼ばれ、お土産として人気です。そのままちぎって食べても十分おいしいですし、温めるとふんわり柔らかくなっていっそうおいしくなります。島の味を是非持ち帰って下さいね。
青ヶ島観光をしよう!
秘境と呼ばれる青ヶ島の基本情報やおすすめシーズン、観光スポットなどをまとめました!小さい島ですが、昼は観光、夜は最高級の星空と見どころいっぱいの青ヶ島、是非時間をとってゆっくり滞在しに来て下さいね。
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