この記事の目次
北海道開拓の村ってどんなところ?
北海道開拓の村は、北海道百年を記念して1983年に設置された野外博物館です。敷地面積は東京ドーム約11個分(54.2ヘクタール)ととても広大な敷地に北海道各地63棟の建物が集まっています。敷地は「市街地群」「漁村群」「農村群」「山村群」と4ブロックに分かれています。そんな北海道開拓の村の見どころをご紹介します。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」1:旧札幌停車場
入口から大きな建物がお出迎え
昼食の後、開拓の村へ。開拓の村は明治から昭和初期くらいの建物が移築された野外博物館です。
— 千尋(ゆきちか) (@Yukichika_T) July 27, 2017
お気に入りはやっぱり旧札幌停車場だな。今の駅よりずっと良い。東京駅みたいにこのフォルムを残せなかったのかなぁ。 pic.twitter.com/db17sm3Kuo
札幌駅から車で約40分でアクセス可能な「北海道開拓の村」の入口には「旧札幌停車場」で、現在のJR札幌駅の前身で、大きさは5分の4と縮小されていますが、充分に大きくて見ごたえのある建物です。建物の中は待合所のような休憩スペースとなっており、トイレやロッカーなどもあります。旧所在地は札幌市中央区です。
朝から心霊体験?
北海道開拓の村に向かう途中の百年橋付近(森の中)で「お経」が聞こえたという心霊体験をされた方が少なくありません。これが本当に心霊体験なのかは定かではありませんが、札幌の心霊スポットの中でもかすかに噂されています。その他にも北海道開拓の村に向かう途中にある「百年記念塔」も心霊スポットと噂されています。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」2:旧浦河支庁庁舎
北海道開拓の村にある1919(大正8)年生まれの『旧浦河支庁庁舎』。1932(昭和7)年からは『日高支庁』と改称され、1932(昭和7)年で引退。その後博物館に。現在の浦河の街並みもそうですが、青空に映えるかわいいパステルカラーは、当時からの伝統なのかしら。 pic.twitter.com/IRpu2pUN3Q
— 上坂由香/ Yuka Uesaka (@Gallop_Club) June 9, 2017
敷地内のアクセスは入口手前の「市街地群」にあり、NHKの連続テレビ小説「マッサン」で背景に見えていた洋風なデザインの建物が「旧浦河支庁庁舎」です。旧浦河支庁庁舎は日高庁舎と改称され、その後は会館や博物館として利用されていました。建物の入館料金は無料で、旧所在地は浦河郡浦河町です。
馬車乗り場までのアクセスは「旧浦河支庁庁舎前」からスタートします。石を用意するのがむずかしかったために、石造りのデザインをまねして作ったのがこちらの建物です。建物の中には、当時使用されていた人力舎や収納棚などが展示されています。2階なども少し雰囲気があるので写真などは心霊などが気になります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」3:旧小樽新聞社
おしゃれな石造建築
北海道の3大新聞の1つ「小樽新聞社」は明治27年(1894年)に創立されています。土台は木造の骨組みで札幌近郊で産出された軟石(溶結凝灰岩)を外壁に積み上げた3階建ての構造です。小樽は当時火事が多かったので、火事に備えたこのような外壁の建物で、扉も鉄でできています。停車場通り沿いで目の前を馬車が通ります。
活字棚もそのまま再現!
石川啄木が僅かな間勤めた場所ともされている「小樽新聞社」の建物の中は、デジタルになる前の活版印刷の活字がたくさんあります。原稿に従って活字棚から活字を順に拾っていくことを活字拾いともいい、昔の新聞を作る工程の大変さがわかります。旧所在地は小樽市堺町で、敷地内のアクセスは入口手前の「市街地群」にあります。
実際に発行された新聞
実際に活字印刷した新聞を見ることができるのもこちらの建物の人気ポイントです。内容は明治29年(1896年)の三陸大津波の記事など現代の新聞と変わらない内容から、事態を感じるものまで様々ですが、広告欄では「銃を買う」などの現代では全く考えられない内容で衝撃を受けました。建物の入館料金は無料です。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」4:旧北海中学校舎
昔の制服などの展示もあり!
旧北海中学校舎 pic.twitter.com/bZRnWOZaCW
— n/a (@oniyurikuro2) May 9, 2016
創立は明治38年(1905年)で、札幌農学校第三期生らが中心となって設立した私立北海英語学校が「旧北海中学校舎」です。現在は北海中学校ではなく北海高等学校になり、学校法人北海学園となっています。当時の制服や教科書なども展示されています。敷地内のアクセスは入口手前の「市街地群」にあります。
今と変わらない?昔の教室
黒板を向かいに、机と椅子が並べられた教室の雰囲気は現在とそんなに変わりはありません。元々は男子校だったのですが、平成11年(1999年)に男女共学制へ移行となったようです。建物の中はどことなくひんやり感じ、霊感のある方は、心霊現象を感じる方もいるかもしれません。建物の入館料金は無料で、旧所在地は札幌市豊平区です。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」5:旧札幌警察署
北海道開拓の村・旧札幌警察署南一条巡査派出所、ボランティアのガイドさんが(´∀`*)巡査姿で素敵です。お話も楽しくて色んな事を教えてくださいました。一緒に村内回って欲しいくらい楽しいお方でした。以前も書いたのですが偶然通りがかった野うさぎを見つけてくれました(笑)お茶目! pic.twitter.com/IeyBuE2FvH
— yuusuke_yui@るろ北心酔 (@yuusuke_yui) June 23, 2017
1番の人気スポットが「旧札幌警察署南一条巡査派出所」です。お巡りさんの格好をしたガイドさんが常駐していて、道案内や観光の相談などに気軽に応じてくれます。建物の入館料金は無料で、旧所在地は現札幌市中央区南1条西1丁目です。敷地内のアクセスは入口手前の「市街地群」にあり、停車場通り沿いなので目の前を馬車が通ります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」6:旧来正旅館
ロケ地巡りとしても有名な建物
NHKの連続テレビ小説「マッサン」でマッサンが道行く人々にウィスキーを売っていた場所として、ロケ地めぐりの方にも人気の「旧来正旅館」です。漫画「ゴールデンカムイ」の4巻でも建物がモデルになっており、観光で人気のスポットです。敷地内のアクセスは入口手前の「市街地群」で、停車場通り沿いなので目の前を馬車が通ります。
宿泊や待合室に使用
金カム11巻103話加筆分の尾形家は、開拓の村 旧来正旅館1階がモデルのようです。
— やどい (@yadoi_aya) August 18, 2017
建物名で検索するともっと見やすい写真も見つかります。 pic.twitter.com/7KUp4s9wfj
「旧来正旅館」の名前の由来は、東永山兵村に屯田兵として入植した方から名付けられ、旅人の宿泊や汽車の待合などとして戦後もしばらく利用されていました。待合室の奥は軍人や公務員などの専用部屋があったことから、心霊などが気になるので写真は要注意です。建物の入館料金は無料で、旧所在地は旭川市永山(ながやま)駅前です。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」7:旧土谷家はねだし
「旧土谷家はねだし」は、明治20年(1887年)にニシン漁家の付属施設として海へ建物の一部をせり出した倉庫です。床には開口部があり、荷物の搬入出ができ、倉庫の中は漁具や漁穫物、や数の子などを収納していたようです。建物の入館料金は無料で、旧所在地は爾志郡熊石町根崎です。敷地内のアクセスは「漁村群」にあります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」8:旧青山家漁家住宅
大きな立て構えのニシン御殿
昔 ニシン漁で栄えた旧青山家漁家住宅。別邸は小樽にあります pic.twitter.com/O3B9wWLmXQ
— ゆきえ (@yukie_bunta) September 25, 2016
「旧青山家漁家住宅」は、NHKの連続テレビ小説「マッサン」で出ていたニシン御殿のモデルのようです。外観はそのままロケで使っているので、見たことのある方もいるかもしれません。外観も大きいのですが、中に入ると外観以上にとても広く見どころ満載なので、観光で人気のスポットです。敷地内のアクセスは「漁村群」にあります。
建物の中にはボランティアさんがおり、見るだけではなく当時の暮らしの話しなどを聞かせてくれるのでおすすめです。ニシン御殿は、畳一畳ずつ自分のスペースが割り当てられていたそうですが、最盛期になると東北地方からヤン衆と呼ばれる出稼ぎの男性が60人ほど寝泊まりしながらニシン漁をしていたようです。
#マッサン が森野熊虎に案内されてやって来たニシン御殿は、前回と同様に「北海道開拓の村」でロケ撮影されたもの。開拓の村の漁村群エリアの旧青山家漁家住宅の前で撮影されたようだ。:ロケ地を見る➤http://t.co/x64is20Nxi pic.twitter.com/YRspT4mbF8
— ひぞっこ (@musicapiccolino) January 6, 2015
最盛期は2月末頃から舟おろしや除雪から始まり、学校も「群来休み」で子供たちもお手伝いをしているほど大変です。東北地方からはヤン衆という出稼ぎの男性たちが多数押し寄せ、ニシン御殿で寝泊まりしていました。そういった厳しい環境の背景から、小樽の別邸では心霊写真や心霊体験の話しもあります。建物の入館料金は無料です。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」9:開拓小屋
「開拓小屋」は移住者が最初に建てた住居です。丸太を埋め立てて、桁や梁、垂木を渡し、笹や萱などで屋根や壁を葺いている作りです。屋根は放置すると苔や若木が生え腐食してしまうので、職員さんやボランティアさんが葺き替え作業をおこなっています。建物の入館料金は無料です。敷地内のアクセスは「農村群」にあります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」10:旧信濃神社
森に囲まれた神社
「旧信濃神社」は明治30年建築されたもので、社殿は鳥居の奥深くに鎮座しています。信州開墾地とも呼ばれており、由来は長野県諏訪地方出身者の移住者が中心となったことからとされています。長野県の信濃国一ノ宮諏訪大社の祭神、建御名方富命の分霊を受けて祠を建てています。敷地内のアクセスは「農村群」にあります。
神社の祭礼
毎年9月に「秋のふるさと祭り」という神社のお祭りもおこなわれています。森に囲まれている神社で、神が祀られている静かな場所で、雰囲気がありますので心霊写真等の注意が必要です。建物の入館料金は無料で、馬車鉄道の終点は「旧信濃神社」の近く「旧ソーケシュオマベツ駅逓所前」のため、近くまで馬車が通ります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」11:旧平造材部飯場
「旧平造材部飯場」は下川村奥名寄の皇室所有の森林内に建てられたものを再現しています。山子(立木を伐採・加工していた人)や藪出し(伐採した木を集めたり運ぶ人)などが山中で寝泊まりした小屋で、建物の入館料金は無料です。旧所在地は上川郡下川町で、敷地内のアクセスは「山村群」にあります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」12:森林鉄道機関庫
珍しい鉄道機関車
木に囲まれた森林鉄道機関庫を中から外から@北海道開拓の村 pic.twitter.com/yxVbxNmBye
— nomusato@mogu (@nomusato) August 21, 2017
大正に活躍した「森林鉄道」は、木材運び出すのために敷設されました。こちらの機関庫は、大正末期の図面をもとに建てられ、中には丸太を積んでいる運材車、機関車やモーターカーなどが保存されています。北海道の夕張地区で活躍していたディーゼル機関車も見ることができます。敷地内のアクセスは「山村群」にあります。
トヨタのインスタグラムに掲載!
日本全国のキレイな風景と車をテーマにしたトヨタのインスタグラムに、北海道開拓の村の「森林鉄道機関庫」が掲載されています。北海道は富良野や美瑛、札幌道庁前などが掲載されている中、6枚ほど北海道開拓の村で撮影された写真が掲載されています。写真から北海道開拓の村の観光につながるかもしれません。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」13:停車場通り
夏場は馬車鉄道に乗れる!
「馬車鉄道」は4月中旬から11月末まで40分間隔(日・祝日は30分間隔)で毎日運行しています。約500メートルのコースで、旧浦河支庁庁舎前(市街地群入口付近)からメイン道路を走り、旧ソーケシュオマベツ駅逓所前まで(農村群入口付近)です。なかなか体験できない「馬車鉄道」は、是非おすすめです。
馬車鉄道は約10名ほど乗れるくらいの大きさで、ゆっくりと馬が車体を牽き始めます。走り始めると意外と速いスピードで走ります。前の席に乗ると馬のかわいいお尻も見ながら景色を眺めることができます。終着は「旧ソーケシュオマベツ駅逓所前」で、乗車料金は15歳以上270円、3歳から14歳まで130円、3歳未満は無料です。
冬場は馬そりに乗れる!
「馬そり」は、12月の積雪時から3月末の土日祝日とさっぽろ雪まつりの期間中運行しています。12月中は雪に影響されるので、事前に問い合わせた方が確実です。乗車料金は15歳以上270円、3歳から14歳まで130円、3歳未満は無料です。道産子の馬2頭が交代でそりを牽いています。10分程度の乗車でガイドさんが案内をしてくれます。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」14:昔あそび体験
竹馬に乗ってみよう!
竹馬や輪回しなどを自由に遊べる「こどもの広場」があり、お子様がいる方にも楽しめますが、大人になってからは竹馬に乗ることがないので、大人でもついつい乗って楽しんでしまいます。こういった日本の昔のあそびが楽しめるので、観光として海外の方にも人気があります。
冬にはそり体験も!
冬の生活体験では、ソリに乗ったり藁靴を履いたりすることもできます。そのほかにも「こどもの広場」のそばにある「体験学習棟」では伝統の遊具づくりも料金無料で楽しむことができます。でんでん太鼓や竹とんぼなど、懐かしい遊具が作れるのでおすすめです。敷地内のアクセスは市街地群の奥にあります。
観光で歴史を学ぶ「北海道開拓の村」15:開拓の村食堂
いも餅付!屯田兵定食
写真は「屯田兵定食」で、メインは北海道のソウルフード「いも餅」で、味噌おでんもついています。豚汁やミニ丼も乗っており、料金は1000円です。ボリュームもあり、ソウルフードも楽しめるのでこちらの「開拓の村食堂」は観光の方にも人気です。敷地内のアクセスは、入口の旧札幌停車場を入って右手にあります。
郷土料理のにしんそば
開拓の村でにしんそばといももち pic.twitter.com/Rie3diYesT
— 蒼烏 (@bluecrow18) September 15, 2017
にしんそばは北海道や京都の郷土料理として有名な料理で、そばの上に身欠きニシンの甘露煮を載せたものです。北海道の方でも、頻繁に食べる地域とそうではない地域があるので、是非なじみのない方にも食べていただきたいです。にしんそばは850円、いも餅は150円でいただくことができます。
北海道開拓の村:基本情報
営業時間
4月1日から4月30日の営業時間は午前9時から午後4時30分(入村は4時まで)で、休館日は毎週月曜日です。5月1日から9月30日の営業時間は午前9時から午後5時(入村は4時30分まで)で、無休です。10月1日から3月31日の営業時間は午前9時から午後4時30分(入村は4時まで)で、休館は毎週月曜日となります。
各種料金
入場料金は一般800円、高校生と大学生は700円となります。その他中学生以下の方、65歳以上の方、障がい者手帳をお持ちの方は無料で入ることができます。夏場の馬車鉄道と冬場の馬そり乗車料金は同じで、15歳以上は250円、14歳以下は100円です。駐車料金は無料となります。
アクセス方法
【416】北海道開拓の村https://t.co/wwMne4dPGo野幌森林公園内にある野外博物館で、415館目に紹介した北海道博物館もこの公園内にある。開拓使の家や、かつての商店など北海道の歴史を語る上で欠かせない建造物が移築展示されている。馬車鉄道もあるよ。 pic.twitter.com/8Lhj6c0B9h
— たくみ隊員 (@takumi_1978) October 29, 2017
新札幌駅(JRと地下鉄の両方可能)やJR森林公園駅からバスのアクセスが可能です。こちらの敷地内には、北海道博物館や百年記念塔などもありますが、敷地が広大で少し駅から離れていますし、北海道をゆっくりと楽しみたい方は時間などを気にせずに楽しめるので車でのアクセスもおすすめです。
住所:北海道札幌市厚別区厚別町小野幌50番地-1 電話番号:011-898-2692
北海道開拓の村で歴史を学ぼう!
北海道開拓の村は北海道の歴史がたくさん学べる観光におすすめの博物館です。2、3時間でまわることもできますが、出来れば1日じっくりと見てまわるのがおすすめです。人気のロケ地などもあるので、観光の一つに入れてみてはいかがでしょうか。このほかにも観光のおすすめモデルコースなども参考にしていただければ幸いです。
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