慶楽の焼きそばが絶品！有楽町の人気広東料理店で老舗の味を楽しもう！

山手線新橋駅と有楽町駅の線路沿い有楽町北側の通りに、本格的広東料理のお店「慶楽」があります。他の中華料理店とは一線を画していて、その純な広東料理にランチタイムには毎日行列ができるほどの人気のお店です。ここでは、OLやサラリーマンに人気のランチの他、慶楽おすすめの人気メニュー、逸品料理を紹介していきます。

帝国ホテルと宝塚劇場の間の道を、線路突き当たりまで歩き左へ曲がると、通りの両側に、お寿司屋、ラーメン店、餃子屋、居酒屋など美味しそうなお店が並んでいます。その有楽町の通りの一角に本格的な広東料理を食べられる老舗の中華料理店慶楽があります。日本人向け中華料理とはちょっと違った本格的な広東料理のお店です。

通りの左手にある看板を目にすると、広東の広の文字が旧字体の廣を使っているあたりがいかにも広東、香港を連想させます。昭和の雰囲気が漂う入口ドアを開け中へ入ると、これぞ広東、香港といった入口横の大きなカウンターレジが目に入ります。そして店内は深紅色で統一され、広めのテーブル、椅子が並び落ち着きある雰囲気です。

有楽町という場所柄、日本テレビやニッポン放送があるからでしょうか、有楽町にありながら線路南側の銀座方面と違って、北側はちょっとだけ人通りも少ないこともあって、作家の吉行淳之介や池波正太郎、伊集院静、落語家の林家正蔵、などが訪れていたそうです。吉行氏や池波氏は、座る場所も注文するメニューも決まっていたとか。

冬の寒さで身体が凍える時にぴったりなのが、慶楽の名物料理「上湯炒飯」。熱々の炒飯に熱々の上湯スープがかかっていて、慌てて食べると口の中が火傷しそうなぐらい熱いです。脂っこくなくてうっすら塩味のスープはさっぱりした味で、豚肉、卵、ネギが入った炒飯はスープに浸かっているにもかかわらずパラパラ感が残っています。

「うま旅」旅団Iyassyのまったり美味いもの探し旅というYoutubeチャンネルでの慶楽「上湯炒飯」食レポの動画です。Iyassyが慶楽店内でスープ入り炒飯を食する様子を始めから終わりまでレポートしています。毎回、このシリーズは、最後に点数をつけていますが、さて今回の「上湯炒飯」は、果たして何点の評価だったでしょうか。

揚げるのに時間がかかるので慶楽の裏メニューとして出てくる炸虾蟹捲は、ちょっと春巻きに似ていますが春巻きとは全くの別物。広東料理のカニとエビ入り巻揚げです。ちょっと厚めの衣と思ったら、これが実は薄焼き卵を重ねたもの。それがカリッカリに揚げられていて、中はふんわりジューシーなカニとエビが入っています。

牛肉炒麺は、牛肉とほうれん草、タマネギをオイスターソースで炒めて焼きそばの上にかけ木耳をトッピングしたもの。これまた日本で食べる焼きそばとは全く別物です。要するに混ぜてない、具材が主役で麺は脇役、といったところでしょうか。麺はちっと硬めで牛肉や野菜と絡まってシナ感が出てきたあたりから美味しさが増してきます。

有楽町の広東料理店、慶楽の焼きそばは、エビが入ったり、牛肉が砂ずりに代わったり、白菜が入ってきたり、といろいろとバリエーションが豊富です。作家の吉行淳之介がよく頼んでいたのは、牛肉の焼きそば。原稿書きのために缶ヅメになっていた帝国ホテルを抜け出して、息抜きもあってよく慶楽へ来ていたという店主の話です。

俳優の故阿藤快氏が訪れ好んで食べていたという広東家庭料理の逸品「肉絲炒麵」。豚肉とモヤシの焼きそばですが、主役は豚肉でもなれけば、焼きそばでもない、モヤシです。豚肉汁で味付けされたモヤシは、ちょっと「しな」感と「シャキシャキ」感が歯切れいい食感を生み出しています。香港麺と絡んで独特の美味しさです。

作家の吉行淳之介や池波正太郎に共通していたのが、まずビールを1本頼むことで、そのつまみが豚モツの盛り合わせかどうかは分かりませんが、ここ慶楽は、そういうビールにおつまみがよく似合うお店です。モツだけをつまみに食べるというのは、日本ではあまり馴染みがないですが、本場香港や広東地方では一般的に食べられています。

大きな帆立とエビとイカが、ザク切りされたタマネギやカリフラワーなどの野菜と一緒にてんこ盛り状態で出てきます。珍しい形をしたこのステンレス製卓上プレートは、慶楽ならではのもので、通販サイトで探しても中々同じものにはお目にかかることができません。熱々の料理を冷まさないようにする用途と箸で取る角度が丁度いい感じです。

皮蛋の蛋は卵のことで、卵の皮という意味でピータンと呼びます。アヒルの玉子を草木の灰、塩、土を混ぜ泥状にしたものの中に埋め、約半年間熟成させます。アンモニアの刺激臭が残る黄身のねっとりした旨みと白身のつるんとしたゼリー状の旨みが独特の味で好き嫌いが分かれますが、一度食べたらヤミつきになる美味しさです。

慶楽のランチは、炒飯とその時々でメニューが変わる一品料理がワンプレートで合わさったものにスープが付いたお得なメニューです。さらにランチと称しながら、一部以外は、夕方5時までランチメニューとしてあります。昼過ぎ3時ぐらいにランチがゆったり食べられるのは非常に稀少なことで、都会ならではの豊かさを感じます。

おすすめランチのワンプレートには、時折お皿一杯にてんこ盛りで出てくる場合もあります。牛肉とほうれん草の炒め物に酢豚、手羽先までついてきたりして非常に得した気分になります。やはり本場の広東料理をあれやこれや食してみたいけど、それぞれ一皿ずつは多すぎてという場合は、ランチでちょっとずつ味わうというのもおすすめです。

慶楽の汁モノでは五目そばがおすすめ。ざっくり切られた白菜や長ネギに海産物がエビ、イカを中心に入れられていて、濃い過ぎないスープでさっぱりとした広東風の味です。ひとつひとつの具材が大ぶりなので、食べている感があり、下に隠れているそばと一緒に食べるとかなりの満腹感に満たされます。

たっぷりの小松菜とネギ、それに牛肉が入っています。麺は広東風細麺で、中華風麺玉とはちょっと違い高級感があります。麺と湯スープと一緒に食べると塩味の効いた味噌味が喉の奥に伝わってきます。この牛肉湯麺の味は、普通の中華料理店ではちょっと出せない独特の風味で、一度は食べてみる価値ある逸品料理です。

汁モノとはちょっと違いますが、慶楽の鶏肉のお粥もおすすめです。とろりとしたお粥の上には、揚げパンがのせてあり、お粥と一緒に食べるとサクサクしたパンの食感と一緒に独特の味が広がります。お粥の中に隠れていますが、細切りのネギと生姜がお粥の味と絶妙にブレンドされ芳醇な味わいを醸し出してくれます。

最後に食べる定番のメニュー杏仁豆腐。これを食べてシメというのがらしいといえばらしいですが、ここ慶楽にも忘れずにメニューとしておいてあります。おそらく広東料理の数あるメニューのほとんどはここで食べれるのではないか、と思えるぐらいメニューは豊富で、メニューになければ裏メニューとして出してもらえる場合もあります。

昔から出されている100円割引のクーポン券。100円でも割引になる点が嬉しいのと、こういったちょっと庶民感覚なところも人気のひみつかも知れません。それともうひとつ、決して高級中華料理店ではないのに、かかっているBGMがなぜかいつもJAZZというのもミスマッチではないですが、和やかな庶民感覚がして落ち着きます。

東京有楽町にある本格的な広東料理の店である慶楽は、創業昭和25年という大凡半世紀以上も昔から営業していて、ずっと当時から変わらない広東料理の味を提供し続けています。店内の雰囲気と絶品料理の数々は、当時からそしていま尚、多くの文化人や近隣で働く人々に愛され続けられていて大人気です。さああなたも一度ご賞味下さい。