織姫神社は人気の神社
織姫様というと、七夕を連想する方が多いかもしれません。この織姫はその名の通り、織物をつかさどる神として祀られているところがあり、織姫神社もその一つです。足利にある織姫神社のご利益や見どころ、御朱印やパワースポットの情報について紹介します。
織姫神社とは
織姫神社というのは、最初に述べたように織物の守り神である織姫を祀った神社です。群馬県や栃木県、京都市といった、織物産業が盛んだった地に多く見られ、織物産業を支える神として古くからご利益を期待され、多くの参拝客を集めてきました。
織姫神社はどこにある?
その中で、栃木県足利市の織姫神社は、足利市西宮町にあります。ここには織姫山という山があり、その中腹に織姫神社はあります。中腹の赤い鳥居は足利のシンボルとも言えます。織姫山丁字形古墳跡、さらに山の頂上には機神山山頂古墳があるなど、歴史が息づく地でもあります。
織姫神社へのアクセス
織姫神社へのアクセスを紹介します。まずは公共交通機関を利用してアクセスする場合は、最寄駅まで電車で移動します。最寄駅からはいずれも徒歩で30分ほどかかるため、最寄駅からはバスを利用するのがおすすめです。
最寄駅はJRと東武鉄道、両方にあります。JRの場合は両毛線の「足利」駅、東武の場合は伊勢崎線の「足利市」駅です。両毛線は高崎駅から小山駅までを運行しているので、東北新幹線の小山駅もしくは上越新幹線の高崎駅からアクセスするならばこちらがいいかもしれません。ただしほとんどが普通列車です。
東京都心からアクセスする場合は東武鉄道がおすすめです。東武伊勢崎線は浅草駅からの路線なのですが、特急「りょうもう」が停車するため、それだけ早い時間でアクセスすることが可能になるためです。また、駅からのアクセスに関しても足利市駅の方が便利です。
駅からのアクセスですが、前述したように、織姫神社までのアクセスはどちらの駅からも徒歩で30分ほどかかるため、バスを利用することになります。あしバスあっしーという生活路線バスがあるのでこれを使います。まず足利駅からは行道線、富田線、名草線を利用し、足利市駅まで移動します。
足利市駅に着いたら、そこでバスを乗り換えます。小俣線、松田線を利用して「通5丁目」のバス停で下車します。このバス停は織姫神社のある織姫山の麓に着くので、ここから229段の石段を上って織姫神社に行きます。
車で織姫神社を目指す方もいるかもしれません。車の場合の最寄ICは、北関東自動車道の「足利IC」、「太田桐生IC」、東北自動車道の「佐野IC」となります。それぞれICからの所要時間は約10分から30分というあたりです。
車の場合、気になるのは駐車場ではないでしょうか。織姫神社そのものには専用の駐車場はないのですが、周辺に4か所の駐車場があります。まず本殿の一の鳥居の手前に織姫観光駐車場があり、ここにはバスの駐車場もあります。
本殿右手に織姫駐車場、本殿裏側の織姫山頂上にホワイトパレス駐車場、ホワイトパレス手前にもみじ駐車場がそれぞれあります。これらは乗用車のみの駐車場ですが、それなりの数を駐車できる駐車場なので、これらを使えば駐車場の心配はいらないでしょう。
初詣などでそれでも混雑する、もしくはバスの駐車場が必要という場合などは、一の鳥居より150メートルほど離れた所にさいこうふれあいセンターの駐車場も利用できます。車の場合はこれで問題なく駐車可能でしょう。なお、駐車場の予約はできません。
織姫神社の由緒
さて、織姫神社の由緒について紹介します。最初に述べたように、織姫というのは織物の神様として知られており、他の織姫神社がある場所がそうであるように、この足利の織姫神社もまた、1200年以上もの伝統を持つ足利織物の産地として知られたこの地にあります。
1705年、時の足利藩主戸田忠利は、織物が有名な足利の地に機織りにご利益がある神社がないことに気づきます。そこで天照大神の衣を織っていたという伝説がある神服織機神社の織り師である天御鉾命と、織女である天八千々姫命を現在の八雲神社へ合祀しました。これが織姫神社の始まりとされています。
その後1879年、機神山(現在の織姫山)の中腹にある現在地に織姫神社は遷宮されたのですが、翌1880年、織姫神社は火災により焼失してしまいます。しばらく仮宮のままだったのですが、1933年、皇太子殿下御生誕を期して再建の計画が持ち上がり、市民ぐるみで社殿の建造が行われます。
現在の織姫神社の本殿はこの時に建てられたもので、平等院鳳凰堂をモデルにして造られました。2004年には社殿神楽殿、社務所、手水舎が国の登録有形文化財に指定されました。以後、織物や縁結びのご利益があるパワースポットとして広く知られ、また美しい夜景も人気のスポットとなっています。
織姫神社の祭神
さて、今述べたように、織姫神社の祭神は、機織りをつかさどる天御鉾命と、天八千々姫命の二神です。この二神は共同して機織りをし、天照大神が着用する絹の衣をあつらえていた神様であるとされています。そのため機織りの神として織姫神社の祭神となっているのです。
織姫神社の見どころ
織姫神社の見どころとしてまずあげられるのは、美しい朱塗りの境内です。階段や境内、そしてバスなどでアクセスする場合には目にする外の歩道橋もまた、美しい朱塗りでできています。織姫神社は織姫山の中腹にあることから両毛線の電車からもその姿を見ることができます。
また、神社の本殿は前述したように、世界遺産である平等院鳳凰堂をモデルにして造られているので、美しい姿の本殿となっています。ちなみに神社の造営碑は金子堅太郎が題額を、徳富蘇峰が撰文をしているそうです。
織姫神社のご利益
このように織姫神社というと機織の神様ということになっているのですが、近年この神社は縁結びのご利益があるとされ、多くの参拝客が訪れるようになっています。織姫神社には7つの御神徳と呼ばれるものがあるのですが、それらがすべて縁結びとつながっているのです。
なぜ織姫神社に縁結びのご利益があるとされているのかというと、それは「機織り」という行為に深く関係します。織姫神社の祭神は、前述したように天照大神の着用する衣を作っていたのですが、機織りをして布を作る時には経糸と緯糸を織り合わせて作っていきます。また、祀られている二神は前述したように織り師(男性)と織女(女性)です。
男女の二神が協力して織物を作るということから、縁結びのご利益があるとされるようになり、2014年に織姫神社は恋人の聖地に認定されました。境内には二人で鳴らすと幸せになるとされる「愛の鐘」があり、そのご利益を願う人々が参拝に訪れています。
もう一つご利益として知られるのが、産業振興です。織物を作るために使う織機には、たくさんの鉄が使われています。このことから織物の神様は鉄などの産業をつかさどる神様ともされており、そのことから産業振興のご利益があるとされています。織姫神社は縁結びと産業振興のご利益がある神社として、多くの信仰を集めているのです。
織姫神社はパワースポット?
ご利益とも関係しますが、織姫神社は縁結びのパワースポットとしても知られています。男女の神様、縁結びということで、恋愛運のパワースポットというイメージが強いですが、実は縁結びの「縁」というのはもっと広い意味なのだそうです。
たとえば仕事上でいい「縁」に恵まれると、仕事運のアップにつながりますし、対人関係がうまく行くことも良縁の一つです。縁結びのパワースポットには「良縁を結び、悪縁を切る」力を持つパワースポットが多く、織姫神社もそんな神社の一つとされているのです。
実際、織姫神社の「7つのご神徳」は、よき人、よき健康、よき知恵、よき人生、よき学業、よき仕事、よき経営と縁結びをするというものです。これでわかるように、人生のあらゆる場面での良縁を願うパワースポットと言えるのではないでしょうか。
この「7つのご神徳」は一の鳥居をくぐり、229段ある石段を登って参拝すると願いが叶うとされています。ただ、この石段は数が多いだけでなく、意外と急こう配です。織姫神社の参拝ルートはこの石段の他に坂道を登るルートもあり、そちらのほうが楽に参拝できるようです。
体力にあまり自信がないのであれば、無理せずに坂道ルートで登るのもおすすめです。いずれにしても後で紹介しますが、きちんと参拝し、関東平野が一望できる景色を見ていると、パワースポットの力は十分に吸収できるのではないでしょうか。タイミングが合えば夜景も楽しむとよいかもしれません。
織姫神社でお守りを
せっかく織姫神社に参拝したのなら、やはりお守りをいただいて帰りたいところです。お守りや絵馬などは社務所で授与しています。社務所は年中無休で、10時から16時まで受け付けています。縁結びのパワースポットの力をお守りに込めて身に着けたいところです。
織姫神社で御朱印を
御朱印集めをしている方はもちろん、興味があるという方にとっても知りたいのが御朱印情報です。織姫神社には御朱印がありますし、オリジナルの御朱印帳もあります。もしこれから御朱印集めをするという方は購入するといいかもしれません。
まず御朱印帳ですが、カラフルな短冊が束ねられたようなデザインのものです。青を基調としたものと、ピンクを基調にしたものの二種類が色違いであり、好きな方を選ぶことができるようになっています。青は落ち着いた色合いですし、ピンクは華やかな感じの御朱印帳です。
御朱印は「足利織姫神社」という揮毫があり、右肩に祭神の二神と「結縁」という文字が入ります。祭神と縁を結ぶという意味があります。また中央にも「於里比売乃也志呂印」という御朱印が捺されます。御朱印は社務所でいただくことができ、受付時間は前述した通りですので、時間を守っていただきに行きましょう。
織姫神社からの夜景もおすすめ
織姫神社にはもう一つの人気スポットがあります。それは美しい夜景です。もともと足利の織姫山の中腹にあることで、神社に登ると足利の街が一望でき、夜になると美しい夜景が見られるのですが、織姫神社自体もライトアップをしており、さらに美しい夜景を楽しむことができます。
足利神社のライトアップは17時から24時までが基本で、季節により変動することがあります。先ほど縁結びのパワースポットと紹介しましたが、この夜景を楽しむために夜にやってくる方もいるようで、美しい夜景と織姫神社のライトアップを楽しんでいるようです。織姫神社の昼とは違う、荘厳な雰囲気もおすすめです。
ちなみに織姫神社の夜景は2014年、第10回日本夜景遺産(自然夜景遺産)に認定されました。次に述べますが、織姫神社にはハイキングコースもありますが、そちらにも鑑賞ポイントがあること、織姫神社自体もライトアップされていることなどがポイントとなったそうです。タイミングか合うようなら、ぜひ織姫神社と周辺の夜景も楽しんでください。
織姫神社からハイキングへ
織姫神社は織姫公園という公園の中にあり、周辺は足利県立自然公園になっています。この織姫公園は1976年に明治百年記念事業で造成され、織姫山一帯をハイキングすることができるように整備されているのです。このハイキングコースのスタートが織姫神社ということになります。
このハイキングコースは織姫神社から足利城跡などを通り、行道山浄因寺まで至るルートで、「織姫ハイキングマップ」として掲示されています。山道でもあり、全部歩くのはちょっと大変かもしれませんが、緑が多く、春は桜、秋は紅葉を楽しむこともできます。
織姫神社の周辺観光スポット
足利織物伝承館
織姫神社から鑁阿寺、足利学校に向かう道筋にあり、織姫神社の一の鳥居から徒歩で3分ほどのところにあります。足利の織物は、なんと「徒然草」にも登場するほどの古い歴史を持ち、織姫神社を造った時の資料などもここにあるそうです。予約は必要ですが、手染め体験などもできるとのことです。
鑁阿寺
室町幕府の将軍として有名な足利氏の氏寺で、境内には国宝の建物があるほか、国の史跡にも指定されています。鑁阿寺までは石畳の参道を進んで徒歩で10分ほどなので、ゆっくりと桜や紅葉を楽しみつつこちらも参拝することをおすすめします。
織姫神社のパワーをいただこう
織姫神社は足利の織物を守る神様として多くの崇敬を集めてきました。そして今、縁結びの神様としてさらに多くの人々の信仰を集めています。恋愛運にとどまらず、広い意味での「良縁」が訪れるように、織姫神社のパワースポットの力をぜひいただいてください。
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