レンタカーは保険加入が必須？免責や料金など初心者にも分かりやすく紹介！

旅行先を自由に動き回れることからレンタカーは非常に便利なサービスです。しかし、どんなに気を付けて運転をしていても事故を起こしてしまうことは十分に考えられます。そんな時、保険に加入しておくと発生した賠償金を自己負担する必要がないので安心です。保険の内容はプランごとに微妙に異なるためきちんと理解した上で選ぶことが大切です。

旅行をする時、多くの人が自家用車や公共の交通機関の利用を真っ先に考えると思いますが地味におすすめなのがレンタカーです。レンタカーとは文字通り車（カー）を借りられる（レンタルできる）サービスのことです。しかし、コマーシャル等でレンタカーという単語を耳にしたことがあっても実際に利用した経験がある人は少ないのではないでしょうか。

レンタカーのメリットは何といっても肉体的に楽な点でしょう。レンタカーは目的の旅行先周辺までは公共の交通機関を使って行き、そこで車を借りて利用するのが一般的なスタイルです。遠方まで自分で運転するのは想像以上に疲れる作業であり、自家用車を使って出かける場合には目的地に到着する頃にはかなりグッタリするものです。

これに対して、レンタカーは最寄りの駅までは何もせずにただ電車等に乗っていればいいので圧倒的に楽です。さらに高速道路は行楽シーズンになると何十キロもの渋滞ができがちですが、公共の交通機関は混雑こそすれど時間がかかるという心配はないのでスケジュールを組みやすいのもレンタカーの魅力のひとつと言えるでしょう。

地方の都市であればあるほど大きな威力を発揮するのがレンタカーです。東京や大阪などの都市部では電車やバスの交通網が隅々まで張り巡らされており、自動車がなくてもそれほど不自由することはありません。ですが、地方都市の場合には公共の交通機関を使っていける場所には限り、走っていたとしても本数が1時間に1本という感じに少ないのが普通です。

もちろん、タクシーを使ってその不自由さを補う方法もあります。しかしながら、タクシーはほかのアクセス方法と比べると料金が割高です。特に地方都市は観光地と観光地の距離がかなりあるケースが少なくなく、ちょっと移動するだけでかなりの料金になってしまいがちです。それこそ丸一日タクシーを利用すればかなりの高額料金を覚悟しないといけません。

一方、レンタカーはそれと比べると料金が非常に格安です。もちろんプラン内容にもよりますがタクシーと比較すると料金の安さは雲泥の差です。さらにレンタカーのなかは準個室のような形になるため、プライバシーをある程度保護できるのも嬉しいポイントだと思います。化粧直しなど人目を避けたい状況の時、レンタカーは非常に便利です。

レンタカーを利用する際の注意点としては保険の内容をきちんと吟味することです。自分の車を運転する場合には事故に備えて任意保険に加入するのが一般的です。しかし、レンタカーの場合には利用料金のなかに保険の料金も含まれていることがほとんどで、万が一に事故を起こしてしまったとしても最低限の保証は受けられるようになっています。

しかし、単に事故と言っても物損事故から人身事故までといろいろなシチュエーションの事故がありますし、それに対応する形でレンタカーの保険内容も数多くのプランが用意されています。そのため「レンタカーは保険に加入しなくても大丈夫」と思っているといざ事故を起こしてしまった時に補償内容でカバーしきれないことも考えられます。

レンタカーの保険内容には『免責保証制度』『ノンオペレーションチャージ』『保険の対物賠償』といったタイプがあります。もちろん、保険内容をすべて理解した上で選んだ方がいいのは言うまでもありませんが初心者にはなかなか難しいでしょう。そこで「ここだけは押さえておいて欲しい」というレンタカーの保険内容のポイントをいくつか紹介します。

1つ目のポイントは保険の対物賠償を無制限プランにすることです。ここで言う保険の対物賠償とはレンタカーを運転している時に事故を起こしてしまった際、その損害を与えてしまった側に支払う賠償金のことです。レンタカーの保険はプラン内容ごとにこの対物賠償の上限がまちまちで、利用者はその金額を自分で好きに選べるというわけです。

例えば、大手のレンタカー会社の標準的な保険のプランの内容では上限が3000万円に設定されていることが多いようです。するとなかには「3000万円もあればすべての賠償に対応できるから無制限である必要はないのでは？」と考える人もいるでしょう。確かに一般的な自動車は新品でも高々数百万円くらいですからその考えもあながち間違いではありません。

しかし、すべての人の車がそうとは限りません。外国ブランドの高級車は軽く数千万円しますし、それに伴って修理費も高くつく傾向が強いです。大きな都市のなかを車で走っていると当たり前のように高級車を見かけます。ほかにも大型トラックや大型バスのような特殊な車を事故で壊してしまうと無保険の場合数千万円近い損害が発生する可能性もあります。

この時、保険の内容をよく考えず対物賠償を有限のものにしてしまった場合には不足している金額を自分で負担しなければいけなくなります。それこそ無保険だと事故の度合いによっては人生を大きく変えるほどの賠償金を請求されるケースもあり得ます。そんなシチュエーションに備えておすすめなのが対物賠償が無制限のプラン内容の保険を選ぶことです。

対物賠償が無制限のプランは上限があるものと比べると料金が少しだけ高めです。しかし、料金が高いといってもせいぜい1000円程度です。この追加料金を支払うことで事故を起こしてしまった際に数千万円が降りかかってくるのを防げるわけですから安心を買うという意味でも無制限のプラン内容を選んでおくのが無難でしょう。

ちなみに事故と聞いて真っ先に連想するのが対人のものだと思います。ただ、対人事故における賠償は大手のレンタカー会社だと基本的にどのプランも無制限となっているためそこまで気にする必要はないでしょう。しかし、格安のレンタカー会社等になると場合によっては有限のケースもあるため必要ならば確認しておくと安心です。

レンタカーを利用する際の2つ目のポイントが免責保証制度に加入することです。レンタカーを運転していて事故を起こしてしまった場合には当然損害を与えてしまった相手にまずお金を支払う必要があるわけですが、それと同時に車を壊してしまったわけですからレンタカー会社の方にも修理費等の費用を支払う必要があります。

事故を起こしてしまった場合に自己負担することになる料金はだいたい10万円ほどです。しかしながら、免責保証制度に加入しておくとこの自己負担分を免除してもらえます。ちなみに免責保証制度の加入料金はレンタカー会社やプラン内容によって異なり、24時間につき1000円ほどが相場であるケースが一般的なようです。

移動にかかる料金を抑えるためにレンタカーをチョイスしているのを考えるとこの数千円は確かに安くはないでしょう。しかし、旅先で「事故を起こしたらどうしよう」と考えながら運転するのと「事故を起こしても大丈夫」と考えながら運転するのとでは精神的なストレスが段違いですし、充実度した旅行をしたいのであれば免責保証制度は必要不可欠です。

レンタカーを利用する際の3つ目の注意点がノンオペレーションチャージを申し込んでおくことです。レンタカーをほとんど利用しない初心者にとってもっとも理解しづらい項目がこのノンオペレーションチャージだと思いますが、簡単に言うと事故によってレンタカー会社に生じたビジネス的な損失をなしにしてくれるサービスのことです。

自家用車を運転している時に事故を起こした場合、発生するお金は被害者側に支払う損害賠償のお金と自分の車を修理したりするのに使うお金のせいぜい2通りです。しかし、レンタカーにおける事故の場合にはここにプラスしてレンタカー会社に営業上の損失も与えてしまうことになります。

これは事故に限った話ではありません。例えば、外見はきれいでも車のなかを汚してしまうと当然再びレンタカーとして利用するために相応のクリーニングが必要になりますし、そこでかかった費用や料金に関しては利用者の自己負担ということになります。それを保証してくれるのがノンオペレーションチャージのサービスです。

安心してレンタカーを運転したいのであればもちろんノンオペレーションチャージをオプションで申し込んでおいた方がいいでしょう。ただ、前述した無制限のプラン内容を選んだり免責保証制度に加入したりすることと比較するとそこまで必要性は大きくありません。何故かというと万が一に支払うことになってもそこまで料金が高額にならないからです。

ノンオペレーションチャージに申し込んでいなくてもかかる料金はせいぜい数万円程度です。これくらいならいざという時でも普通に支払えるでしょうから財布の中身と相談して「ちょっと厳しいかな」と感じたら無理に利用する必要はないでしょう。もちろん、万が一の事故に備えるという意味では決して無駄な料金ではありません。

初心者の場合には大手のレンタカー会社から選ぶことをおすすめします。最近はレンタカーに対する注目度がぐっと高まっており、それに比例する形で格安のレンタカー会社がかなり増えてきています。それこそ料金という点だけで考えると大手よりも民間の格安レンタカー会社の方が安いことが多く、実際それを根拠に後者を選ぶ人がそこそこ見られます。

しかし、格安レンタカー会社が安いのにも逆に大手レンタカー会社が割高なのにもちきんとした理由があります。細かいことを比較しだすときりがないのですが、大手レンタカー会社と格安レンタカー会社の最大の違いは保証の手厚さです。大手のレンタカー会社の場合、保証が手厚いため料金は高めですが事故を起こしても賠償する金額は安く済みます。

一方、格安レンタカー会社は基本料金こそ安いですがいざ事故を起こすとほとんど保証をしてもらえません。場合によっては数千万円の賠償金のほぼすべてを自己負担しなければいけない可能性すらあり得ます。もちろん、だからと言って格安レンタカー会社を全否定するつもりはなく、そのそれぞれにメリットがあるため状況に応じて使い分けるのがベストです。

ただ、初めてレンタカーを利用する人たちの場合には専門的な知識がほとんどなく、そんな状況下で自分に最適なサービス内容を選ぶのはかなり困難なのも事実です。故に初心者であればあるほど大手の方が無難で安心というわけです。大手の場合には免責保証制度などの必要不可欠なプランがすべてパックになっているため知識がなくても安心して利用できます。

おそらく車を日頃からよく運転する人のなかには「自分は運転がうまいから保険も免責保証も必要ない」と考える人もいるでしょう。確かにレンタカーを利用する人のなかでも事故を起こしたり事故に巻き込まれたりする人の方が圧倒的に少数であり、そういった観点から見てしまうと保険や免責保証のお金が無駄に見えるのも無理はありません。

しかし、レンタカーは普段自分が乗っている車と比較すると格段に事故を起こす可能性が高いのも事実です。理由は簡単でレンタカーを借りると日頃から乗り慣れていない車で土地勘のないエリアを走ることになるからです。それこそ車の運転が上手な人は知らず知らずのうちに身体が愛車仕様になっていることが多く、その微妙な違いが事故の引き金となります。

ほかにも本人が自覚していないなかでレンタカーに傷がつき、思いがけず修理費を請求されるケースもあるようです。レンタカーを利用すると時としてこういったトラブルにも巻き込まれます。そういったゴタゴタを回避するという意味でも免責保証等に加入しておくと安心です。旅先でお金の心配をしなくて済むためやはり免責保証等を利用するべきでしょう。

どんなに運転がうまい人でもレンタカーで事故を起こすことはありますし、逆に事故に巻き込まれてしまうことも十分に考えられます。レンタカーは対人賠償が料金に含まれているため保険内容をそこまで真剣に吟味しない人も多いようですが、対物賠償の料金も場合によっては高額になるケースが少なくないため保険プランの吟味は必要不可欠な作業と言えます。