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造山古墳は岡山の花見もできる名スポット!歴史や見どころを詳しく紹介!

造山古墳は岡山の花見もできる名スポット!歴史や見どころを詳しく紹介!
投稿日: 2018年6月28日最終更新日: 2020年10月8日

岡山にある造山古墳は、古墳時代からという長い歴史を刻んできた国の史跡です。6基の古墳から成る造山古墳の全貌や見どころをご紹介しながら、造山古墳にまつわる歴史を解説しています。造山古墳までのアクセス方法や駐車場の場所、お花見に関する情報もまとめました。

岡山の歴史スポット「造山古墳」ガイド!見出し

Photo by coniferconifer

岡山県は全国でも古墳の数が多い隠れた歴史スポットです。中でも岡山市にある造山古墳は、国の史跡にも選ばれている岡山県の見どころの一つ。今回は、岡山の造山古墳の歴史や見どころ、アクセス方法に至るまで徹たっぷりご紹介します。穴場のお花見スポットと言われている造山古墳のお花見情報も!

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岡山にある「造山古墳」とは?見出し

造山古墳は、岡山県岡山市北区にある国指定史跡の古墳です。空から見た形状は前方後円墳です。現在までにいくつかの出土品が見つかっており、岡山大学考古学研究室が2008年からデジタル測量を実施しているものの、調査が進んでいない場所もあります。

Photo by naitwo2

日本で見つかっている古墳や横穴といった埋蔵文化財包蔵地は全国に15万ヶ所余りと言われています。そのうち岡山県にあるのは11726ヶ所で、全国の都道府県で第5位の多さとなっています。ちなみに、古墳の多い上位3県は、第1位が兵庫県、第2位が鳥取県、第3位が京都府で、歴史上近畿地方や中国地方で古墳が盛んに築かれていたことが分かります。

全国各地の有名な巨大古墳は内部への立ち入りが禁止されている場合が多いですが、この造山古墳は誰でも出入り自由となっています。小高い丘となっている造山古墳は眺望も良く、春には桜も咲くので地元では人気のお花見スポットです。

なお、造山古墳の西側、岡山市三須地区には「作山古墳」という似た名称の古墳があるので間違えないようにしましょう。

岡山造山古墳の大きさは全国4位!見出し

古墳の大きさは、墳丘と呼ばれる丘になっている部分の長い方の辺で測ります。岡山の造山古墳の墳丘の全長は350m、円形部分の直径は190m、墳丘の高さはおよそ29mです。造山古墳の大きさは岡山県内の古墳では最大で、全国でも第4位の大きさとなっています。また、墳丘に立ち入りできる古墳としては全国最大級の古墳です。

造山古墳の外周は道路になっていて、古墳の周りをぐるりと一周することができます。駐車場に車を停めたら、造山古墳の周りを歩いて造山古墳の形や大きさを体感してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、全国で最も大きい古墳は大阪府堺市にある「大仙陵古墳」で、墳丘の長さは486mです。大仙陵古墳は「仁徳天皇陵」の名称でも有名ですが、近年の調査の結果、仁徳天皇が埋葬されたとされる年代と古墳が築かれた年代の整合性が取れず、埋葬されている人物の特定ができなくなったことから「大仙陵古墳」と呼ばれるようになったそうです。

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岡山造山古墳が築かれた古墳時代の歴史見出し

岡山の造山古墳は5世紀前半に築造されたと言われています。歴史上、弥生時代と飛鳥時代の間にある古墳時代は、古墳が各地で盛んに築かれた時代です。年代で言うと、諸説はありますが3世紀後半から7世紀末頃までの約400年間を指すのが一般的です。

当時の日本は倭国という名前で、現在の奈良県周辺を拠点とした大和王権が政治の中心を担っていました。そして、大和王権の下では豪族たちがそれぞれの地域を統制していたと言われています。この時代に築造された古墳にはランクがあり、前方後円墳は豪族の王の墓として大和王権の許可を得て築造されたものだと考えられています。

岡山造山古墳に埋葬されている人は?見出し

岡山の造山古墳に埋葬されている人物は未だに特定されていません。しかし、この吉備地方では相当の権力を持った有力者である可能性が高いと言われています。その根拠は造山古墳の大きさだけでなく、その構造にあります。

岡山の造山古墳は、周壕と呼ばれるお堀に囲まれた前方後円墳であることが近年の調査で明らかになってきました。周壕は天皇陵の多くに造られており、同じ様式で築造された造山古墳の姿から考察すると、造山古墳に埋葬されている人物と吉備国が大和王権に近い力を持っていたことが分かるのです。

岡山造山古墳に登ってみよう見出し

岡山の造山古墳は、周りから見学するだけでなく実際に古墳の上に入ることができます。造山古墳へ入るには、森側ではなく集落側の数ヶ所から道や階段が続いているので探してみましょう。集落を抜けて古墳へ入ると、墳丘が3段に築かれていたことが分かる斜面が見えます。辺りは原っぱになっていて、自然がそのまま残されています。

後円部と呼ばれる古墳の円形部分は3段構造になっていて、上に行くほど傾斜がきつくなっています。頂上は現在では平坦な広場のようになっていますが、古墳が築かれた当時は山のようになっていたと考えられています。また、上へと登る道やお墓へと続く道も設けられていたと推定されていますが、現在では残っていません。

後円部の南側にある台形の部分は前方部と呼ばれています。前方後円墳の形状から、後円部に埋葬をした後に前方部に祭壇を設けて儀式をしたと考えられています。前方部の大きさは、台形の下部分の幅がおよそ70m、上部分の幅がおよそ40m、長さは50mと、たくさんの人が収容できる大きな広場です。

戦国時代には戦場となった造山古墳見出し

古墳時代の造山古墳は、時を経た戦国時代にもその名を刻んでいます。全国統一を目指す織田信長の命を受けて備中高松城攻略に臨んだ羽柴秀吉と、中国地方の大勢力毛利軍との戦いで、黒田官兵衛が策を立てた「高松城水攻め」の舞台となった場所です。

足守川を境に羽柴軍と毛利軍が対峙する際、毛利軍の一部隊が造山古墳の後円部の頂上を平らに削って布陣したと言われています。毛利軍のどの武将が造山古墳に布陣していたかは分かっていません。

後円部には、土塁の他に2ヶ所の郭、3ヶ所の竪堀が設けられていたそうです。造山古墳は足守川を挟んで備中高松城の対角にあり、見通しが良い好立地だったのでしょう。備中高松城が足守川の水に囲まれ孤立して間もなく織田信長は本能寺の変で討たれ、戦は急展開。羽柴秀吉の講和交渉により備中高松城は落城、休戦となりました。

岡山造山古墳の出土品見出し

古墳と聞くと埴輪を連想する人も多いのではないでしょうか。造山古墳からも多くの埴輪が出土しています。多く出土している埴輪は円筒型の埴輪で、その大きさは人の胸の高さほど。円筒埴輪は古墳の周囲をぐるりと囲むように隙間なく数列にわたって並べられ、古墳の中に人が入れないようにする柵の役割を果たしていたと考えられています。

円筒埴輪の他には、盾、矢を携帯するための靭(ゆき)、高貴な人の日傘であった蓋(きぬがさ)、家といった形象埴輪も出土しています。盾の模様は直弧文という、古墳時代に吉備地方で多用されていたデザインです。

現在では、地表に出ている埴輪片はほとんど回収されているため、造山古墳で埴輪を見ることはできません。造山古墳の出土品は博物館などでの常設展示もありませんが、過去に岡山市内の「岡山市埋蔵文化財センター」で特別展示が催されたことがあります。

岡山造山古墳の見どころ【荒神社の石棺】見出し

造山古墳の前方部には「荒神社」という小さな神社があり、造山古墳を訪れたらお参りしたい見どころです。まるで、古墳の上から造山集落を見守っているかのようです。荒神は台所の神様と言われ、人々の生活を守る神様として全国各地に祀られています。荒神を祀る神社はとりわけ岡山県に多く、岡山県内だけで200社もあります。

荒神社の中でもおすすめの見どころは、鐘突き堂の隣にある手水鉢です。この手水鉢は手水鉢として作られたものではなく、元々は石棺だったのだとか。この石棺は阿蘇の凝灰岩をくりぬいて長持型に作られたものです。現在では風雨に晒されて劣化しており、さらに蓋の部分は割れた状態で放置されています。

阿蘇と言えば九州の熊本です。アクセスが容易でなかった古墳時代にはるばる阿蘇から石を運んで棺を作ったことを考えると、吉備国の交流関係の広さや勢力の大きさが見えてきます。

この石棺は元々造山古墳に埋葬されている人物の棺かどうかは定かではありません。一説には、同じ岡山市にある新庄車塚古墳から運ばれてきたとも言われていますが、棺の蓋には埴輪と同じ直弧文が刻まれていることから、いずれにしても古墳時代のものであることが分かります。なお、この場所に置かれたのは江戸時代頃と言われています。

岡山造山古墳の6基の陪塚見出し

岡山の造山古墳の南側には、第1号墳から第6号墳という6基の陪塚が集まっています。陪塚とは、古墳に埋葬された人物の臣下または一族のお墓のことです。ここからは、6基のうち主要な陪塚の見どころをご紹介していきます。

造山第1号墳【榊山古墳】の見どころ

造山古墳の前方部正面にある造山第1号墳は「榊山古墳」という名称でも呼ばれています。現在の形状は円墳で直径は40mですが、方墳らしきものも確認されていることから前方後円墳であったことも考えられます。榊山古墳の円墳は2段構成になっています。

Photo by rail02000

榊山古墳の見どころは、国内で唯一「馬形帯鈎」と呼ばれる出土品が発見されたことです。馬形帯鈎は主に朝鮮半島で発見されており、この古墳の主および吉備国と朝鮮との間で交流があったことが分かります。その他、埴輪だけでなく神獣鏡や銅鈴、高野槙の棺なども出土しています。

造山第5号墳【千足古墳】の見どころ

榊山古墳の南側にある造山第5号墳は「千足古墳」と呼ばれています。千足古墳の形状は方墳の小さい前方後円墳で、前方部の長さはおよそ22m、後円部の直径はおよそ55mです。千足古墳の見どころは、吉備地方で最も古い様式の横穴式石室があるところです。石室内には直弧文が刻まれた壁がある他、鏡、碧玉製勾玉、鉄鏃、埴輪など出土品も多いです。

岡山造山古墳はお花見もできる人気スポット見出し

岡山の造山古墳は、地元ではお花見スポットとして知られています。古墳前方部の平坦な場所にソメイヨシノが縦3列から4列に渡って桜並木のように植えられていて、静かにお花見が楽しめそうな雰囲気。地面は原っぱなので、レジャーシートがなくても気持ちよく座れそうです。

造山古墳でのお花見は、前方部の桜の下で楽しむ他に、前方部よりも小高い位置にある後円部から見下ろす形でお花見を楽しむこともできます。また、お花見の時期には荒神社の石棺周辺も桜が咲き、華やかな印象になっています。

造山古墳のお花見シーズンは例年3月下旬頃となることが多いです。悠久の歴史に思いを馳せながらのお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。なお、お花見シーズンは駐車場が混雑することがあるので注意しましょう。

岡山造山古墳へのアクセス方法見出し

ここからは、岡山の造山古墳への気になるアクセス方法をご紹介します。造山古墳へのアクセスは、電車の最寄り駅が遠いこともあり車がおすすめです。また、周辺には自転車道路も走っており、サイクリングスポットとしても人気です。

造山古墳へ車でアクセス【岡山市中心部から】

岡山市中心部から車でアクセスする場合は、山陽新幹線の線路と並行して走る県道242号線から足守川に沿う形で県道389号線に入り、鯉喰神社付近で県道270号線に入ります。この付近からは田園風景が広がる農道になり、造山古墳駐車場への案内看板が表示されているのでそれに従って走行しましょう。所要時間はおよそ30分です。

造山古墳へ車でアクセス【倉敷方面から】

倉敷方面から車でアクセスする場合は、国道429号線から県道270号線に入るのが分かりやすいアクセスルートです。途中、角力取山古墳や作山古墳の近くも経由するので、古墳巡りを楽しむのもおすすめです。倉敷駅周辺からアクセスした場合の所要時間はおよそ20分です。

高速道路を利用してのアクセス

遠方から高速道路を利用して造山古墳へアクセスする場合は、岡山自動車道岡山総社ICが最寄りとなります。出口を降りるとすぐに国道180号線との交差点に出ますが、国道180号線には入らず直進します。ただしこの道を直進したままでは造山古墳の右にある小造山古墳方面へ向かってしまうため、左折できるタイミングで方向修正しましょう。

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岡山造山古墳周辺の駐車場見出し

造山古墳には専用の駐車場があります。駐車場にはラインが引いていないので駐車場の収容台数は流動的ですが、広々としているので駐車場が満車となってしまうことは少ないです。駐車場は無料で利用でき、トイレや周辺の観光案内があって便利です。また、駐車場の端には飲み物の自動販売機もあります。

駐車場の端にある歩道には、吉備国の首長と思われるブロンズ像が建っていて記念撮影におすすめ。休憩できるベンチもあります。

古墳マニアは古墳イベントやグッズもチェック!見出し

造山古墳を見ていたら他の古墳も気になってきた、という人は、全国各地の古墳に関する情報を発信している「古墳にコーフン協会」をチェックしてみてはいかがでしょうか。古墳にコーフン協会のWEBサイトでは、全国各地の古墳見学会や博物館での出土品展示のお知らせを掲載している他、不思議な魅力溢れる古墳グッズの紹介をしています。

見どころいっぱいの造山古墳で歴史探訪!見出し

Photo by Dakiny

岡山県岡山市にある造山古墳をご紹介しました。長い間、静かに岡山の歴史を見守ってきた造山古墳は、古墳時代から時が止まっているかのような不思議な空気に包まれています。古墳マニアもお花見好きも、岡山の造山古墳を訪れてみてはいかがでしょうか。

投稿日: 2018年6月28日最終更新日: 2020年10月8日

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