日立・大甕神社に参拝しよう
茨城県日立市の大甕(おおみか)神社は、神武天皇の御世以前の「神の治めた時代」に創建されたとされる神社で、1695年に、水戸の徳川光圀公の造営により整備されています。ここではそんな大甕神社について、アクセスや駐車場、御朱印、お守り、パワースポットなどの情報を交えながら紹介します。
日立・大甕神社へのアクセス
大甕神社へ東京方面から電車でアクセスする場合は、上野駅からJR常磐線特急ひたちに乗れば大甕駅まで約1時間25分でアクセスすることができます。大甕駅からは徒歩で20分ほどかかります。大甕駅からバスでアクセスする場合は、18系統日研中央行きに乗り、日研入口で下車後徒歩約2分でアクセスできます。
大甕神社へ東京方面から車でアクセスする場合は、首都圏中央連絡自動車道と常磐自動車道を使い、常磐道日立南太田インターから国道6号線を北の方向に10分ほど走れば、約2時間半で目的地にアクセスできます。大甕神社には、神社拝殿下の国道6号線に並行する旧道沿いなどに無料の駐車場があります。
日立・大甕神社の駐車場
大甕神社拝殿下と鳥居付近の無料駐車場には併せて約15台の車が停められます。また、神社から見て国道6号線の向こう側には、氏子の先祖の霊を祭った末社の祖霊殿があり、その両脇にもそれぞれ3台、5台の車が停められる小さな駐車場があります。それでも神社全体で計23台程度しか停められないため、満杯の場合は近隣の駐車場に駐車する必要があります。
日立・大甕神社周辺の駐車場
大甕神社の駐車場が狭いため、駐車できない場合があります。そんな時は周辺の駐車場に車を停めます。大甕神社から一番近い駐車場は「リパーク常陽大みか」です。この駐車場は大甕神社から約1キロ弱、徒歩12分ほどの場所にあり、27台の車が停められます。料金は平日の場合、9時から15時が20分100円、、土日祝日は終日30分100円で、最大料金600円となります。
もう一つのおすすめ駐車場・かわねや南高野店の駐車場は二か所にあり、どちらも1.2キロと若干神社からは距離があり、徒歩14分程度かかります。一か所目の駐車場は駐車台数25台、二か所目の駐車場は100台ほどが駐車でき、どちらも9時から21時までの営業で、かわねや南高野店を利用すれば無料で駐車することができます。
日立・大甕神社の歴史と由来
大甕神社の創建年代は定かではありませんが、神武天皇以前の「神の治めた時代」に始められたと伝わっています。そしてこの神社は、1695年に水戸光圀公によって造営、整備されています。この神社には、主祭神として武葉槌命(たけはづちのみこと)が、地主神として天津甕星(あまつみかぼし)が祀られています。
主祭神の武葉槌命は織物の神様で、倭文神(しずりのかみ)とも呼ばれており、倭文は織物のことを指します。この神様は女性で、鹿島神宮の祭神「武甕槌命(たけみかづちのみこと)」とともに常陸国を平定し、日本を一つにまとめた建国の神様です。地主神は天津甕星(あまつみかぼし)という星の神様で、別名が天香香背男(あめのかがせお)という男性の神様です。
織物の女神と星の神様となると、織姫と彦星を連想する人も多いことでしょうが、この七夕伝説は武葉槌命と天津甕星の神話に基づいているとも云われています。また、大甕神社の大甕とは大きなカメのことで、神様が捧げものをする入れ物を表しているそうです。この神社は正に由緒に溢れたパワースポットです。
社殿によれば、天津甕星の神様は常陸国の大甕山に住み東北一帯を支配していたとのことです。鹿島神宮の祭神・武甕槌命でさえ、この悪神と呼ばれた暴れん坊の神様に手を焼いたようですが、この神社の祭神・武葉槌命は彼を岩山の巨石に閉じ込めることに成功しました。この岩山全体が「宿魂石(しゅくこんせき)と呼ばれ、パワースポットとして崇められています。
日立・大甕神社の境内
鳥居をくぐって参道を歩きしばらく行くと手水舎があり、その先には拝殿があります。拝殿の右側には境内社である稲荷神社や大杉神社、八坂神社、天満神社が点在しており、大甕神社が由緒深い神社であることがわかります。更に奥へ進むと宿魂石と呼ばれる大岩の上に本殿があります。そしてその先に儀式殿があり社務所を兼ねています。
日立・大甕神社の境内1:拝殿
大甕神社には裏側にも鳥居があり、そちらから入ると目の前が拝殿となります。拝殿の右側の階段から上に行くと本殿に通じています。本殿はパワースポットに建つ小さなお社といった感じですが、拝殿は渋みのある立派な造りの建物です。この拝殿は本殿同様、1933年に建て替えられています。
日立・大甕神社の境内2:宿魂石と本殿
香香背男の荒魂を封印した宿魂石の上部には武葉槌命を祀る本殿があり、香香背男を抑えつけています。この本殿に行くには、鎖の付いた急な岩山を上る必要があります。この岩山は変成花崗岩でできており、日立市で発見された日本最古・約5憶年前のカンブリア紀層の一部であることが確認されています。正にエネルギーが蓄えられたパワースポットに相応しい岩山です。
大甕神社の本殿には龍の彫刻があり、織物の女神とは思えないほどの迫力があります。また本殿の裏手には和紙の透かし彫りが見られます。本殿の裏側は崖になっており、その下に国道があります。もともと国道6号線の向こう側にこの神社の古宮があったそうですが、水戸光圀公が、鬼門封じとも言うべきこの場所に遷座されたそうです。この場所は正にパワースポットです。
日立・大甕神社の境内3:甕星神社
大甕神社には天津甕星を祀った甕星神社があります。この社は天津甕星をお参りする拝殿として建てられており、他では見られない魔除けの象徴・五芒星が彫られた神額があります。大甕神社の面白いのは、岩山に閉じ込められた天津甕星にも愛情を注いでいるところです。甕星神社から本殿へ続く道は敷石で整えられており参道とはまた違った雰囲気があります。
日立・大甕神社が登場する「君の名は」の小説
この大甕神社は「君の名は」の小説版の舞台にもなっています。映画では「君の名は」のヒロイン三葉の実家・宮水神社が登場します。映画の中では宮水神社の祭神については詳しく描かれていませんが、番外編とも言える小説「君の名は。Another Side:Earthebound」では、三葉の母、二葉と俊樹との出会いの場面にこの大甕神社が登場しています。
日立・大甕神社の夏祭り
大甕神社の例大祭は6年に一度行われます。大甕神社は古くから久慈浜一帯の総鎮守として、特に漁業にまつわる人たちから篤い信仰を受けてきました。この祭りは久慈町の平和と繁栄を願って6年に一度、7月のお盆時期に、大甕神社によって行われる伝統的な行事です。
大甕神社の例大祭は、「お潮取り神事」に始まり、500人ほどの行列が町内を練り歩く「神こし渡御」、神輿を船に乗せ潮汲みに行く「海上渡御」、久慈漁港での「浜降り神事」などが次々に取り行われます。また、各町では数々の催し物やイベントがにぎやかに催されます。前回は2016年7月17日に行われました。
日立・大甕神社の御朱印
大甕神社の御朱印は2種類あります。通常の御朱印は「大甕神社」と墨書されたもので、もう一つの御朱印は「地主之神・甕星香香背男」と金文字で筆書きされたものです。この金文字の方は、通常宮司在席の折でないと拝受できません。どちらの御朱印もシンプルで力強く筆書きされており、親しみやすい御朱印です。初穂料はいずれも300円で拝受できます。
御朱印はなぜか主祭神の武葉槌命ではなく、地主神であり「悪神」と呼ばれ大岩に封じられた甕星香香背男の御朱印が拝受できるようになっています。この地では、戦いに勝利した武葉槌命を主祭神にしたものの、他所から来た征服者より敗者である地元密着の地主神・甕星香香背男の方に、より強い愛着を感じているのではないでしょうか。
日立・大甕神社の御朱印帳
大甕神社の御朱印帳はいくつもありますが、新しいものは金地に日立市の桜が散りばめられているオリジナルの御朱印帳です。この御朱印帳は上品な和綴じのもので、初穂料は御朱印代も含めて1600円です。このオリジナル御朱印帳は冊数も少ない上に、社務所で拝受しない限りなかなか手に入れることができない貴重なものです。
大甕神社の御朱印帳はこの他にも藤などの花の図柄が取り入れられた女性向きの美しいものや、何羽もの鶴や無数の蝶が舞う素敵な図柄のもの、打ち上げ花火の図柄のものなどがあります。御朱印帳は神主の手作りで月毎にデザインが変わっているため、種々の御朱印帳を楽しむことができます。どの御朱印帳も初穂料は御朱印代を含め1600円で受領できます。
日立・大甕神社のお守り
大甕神社のお守りは「大甕神社」の文字が入ったお守りと「御守護」の文字が入ったお守りが一般的なお守りです。この他にも、武葉槌命が金の靴で岩を蹴り飛ばしたという言い伝えから、邪気を払い運勢が開けるよう祈願する「金の開運守」があります。また「身上安全のお守り」は、健康や幸福など、全般的なご利益を祈願したお守りで、種々のカラーから選べます。
大甕神社のお守りの中には、毎月1日に限り甕星香香背男の荒魂が宿る宿魂石を内府にしたとされる限定のお守り「甕星守」が拝受できます。このお守りを持っていれば夜の世界を支配する強力なパワーを授かることができるそうです。初穂料は2000円ですが、この数量に限りがあるお守りは一人につき1体のみの拝受となります。
「勝守」は主祭神の決して負けない強い力を授かり、競技の必勝や試験の合格などを祈願するお守りです。その他にも正月授与品として、1月元旦から1月末までの期間に授与される破魔矢や熊手、土鈴など、家庭や会社に幸運を運ぶ縁起物やお守りなどが多数並び、にぎやかな正月が迎えられます。
日立・大甕神社近隣の泉神社
茨城県日立市水木町にある泉神社は日立市で最も古い神社と言われています。泉神社の創建は不明ですが、紀元前42年の崇神天皇の御世に創建されたと伝えられています。祭神は天速玉姫命(あまのはやたまひめのみこと)が祀られています。境内の泉ヶ森は1969年に茨城県の史跡に指定されています。
日立・大甕神社近隣の泉神社へのアクセス
泉神社へは、大甕駅から北へ10分ほど歩けばアクセスできます。泉神社は大甕駅と大甕神社との中間点にあるため、泉神社にお参りしてから大甕神社にアクセスすると良いでしょう。車でのアクセスの場合は、常磐道日立南太田インターから国道254線を経由してアクセスします。鳥居の右脇にある無料の駐車場には15台の車が停められます。
日立・大甕神社近隣の泉神社境内
泉神社の鳥居から、木々に囲まれた参道を進んで境内に入ります。龍の口から流れ出る手水舎の水でお清めをしてから拝殿を参拝します。泉神社は参詣者が比較的少なく、神々しい感じの神社です。拝殿から右に下ると泉が現われ赤いお社が出現します。このお社は末社の厳島神社で、美人で有名な弁財天が祀られています。
日立・大甕神社近隣の泉神社境内1:大井の泉
この泉周辺と神域の森一帯は泉が森と呼ばれており、茨城県の文化財史跡にも指定されています。「大井の泉」と呼ばれる透明で清らかなこの泉からは、清水がつきることなく湧き出ており、パワースポットとして知られる場所です。奈良時代に編纂された常陸風土記には「密筑(みつき)の里の大井」として記されています。水木町の語源は密筑から来ているものと思われます。
日立・大甕神社近隣の泉神社の境内2:御神木
泉神社の社務所前には御神木の大杉があります。この巨木は樹齢450年を超えると言われていますが、残念なことに昭和初めの落雷により折れてしまいました。その後、この杉の折れた幹に桜が根付いたのですが、それも枯れてしまったそうです。この御神木も神霊が宿っているとされるパワースポットです。
日立・大甕神社近隣の泉神社のご利益
泉神社のご利益は多岐に渡っています。商工繁盛、交通安全、家内安全、五穀豊穣、海上安全、大漁満足、縁結び、安産など種々のご利益があります。この地域は海にも近いため、海上での安全や大漁を祈願する地元民の信仰が深いようです。また、泉が絶え間なくこんこんと湧き出るパワースポットだけに生きる喜びと活力を与えてくれる神社でもあります。
日立・大甕神社近隣の泉神社の御朱印
泉神社の御朱印は、「奉拝・泉神社」とシンプルですが力強く太字で墨書きされたものを拝受できます。初穂料は300円となります。ただ、宮司さんが在席していないことが多々あるため、墨書きでもらえないことがありますので注意が必要です。御朱印やお守りは社務所で受領できます。
日立・大甕神社近隣の泉神社の泉が森公園
イトヨの里泉が森公園は、泉神社に隣接する公園で、体長約5センチほどの背中や腹などに鋭い棘を持ったイトヨを守るために地元民によって造られました。平成14年に造られたこの公園では、きれいな湧き水でしか生息できない珍しい魚・イトヨを橋の上から観察できます。人と自然が共生するこの公園は平成の名水百選に選ばれています。
日立・大甕神社でパワーをもらおう
茨城県日立市にある大甕神社は「神の治めた時代」に創建されたと云われる神社です。主祭神には武葉槌命が祀られ、地主神として天津甕星が祀られています。そして武葉槌命が天津甕星を封じ込めたパワースポットの岩山・宿魂石の上には本殿が祀られています。ここではそんな大甕神社について、アクセスや駐車場、御朱印、パワースポットなどの情報を交えて説明してみました。
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