納豆を常温保存しても大丈夫?食べられるかの見極め方も合わせてチェック◎
良質のたんぱく質を含む発酵食品である納豆を、冷蔵庫に常備している方もいるでしょう。しかし、真夏の買い物帰りや、うっかりと常温に放置したとき、食べられるのかは重要な問題です。納豆を常温に放置した場合の対応を紹介します。
納豆は常温で保存できる?
スーパーなどの納豆は冷蔵で売られていますから、保存方法が冷蔵であるというのは言うまでもありません。しかし、うっかり冷蔵庫に入れ忘れたりした場合、どのくらいなら常温でも大丈夫なのかは気になるところです。
また、うっかり常温放置でなくても、真夏の昼間に納豆を購入し、炎天下に常温状態で持ち帰らなければならないこともあるでしょう。納豆は生ものですから、このような場合も食べていいか気になります。
まずはこのように、納豆を常温で放置する状態になった場合、果たして無事に食べられるのか、またそのような場合、日持ちはどのくらいなのかというあたりから紹介していきましょう。
気温や季節によって変動する
そもそも、一口に「常温」といっても、その温度はさまざまです。特に日本は四季がありますし、場所によっても気温は大きな開きがあります。真夏の常温と北国の真冬の常温では比較になりません。
基本的に納豆は10度以下の状態になると、納豆菌が休眠状態となり、美味しい状態が保たれます。そのため、理論的には常に10度以下が常温であるという状態ならば、納豆を常温で放置しても問題はないということになるでしょう。
しかし、気温が10度以下ならば、普通は暖房などを使い、部屋を暖めて過ごすでしょうから、10度以下で保たれることはありません。ですから、納豆の保存方法は10度以下が保たれる冷蔵庫がベストとなるわけです。
納豆を常温で長時間放置するとどうなる?
では、10度以下が保てない常温で納豆を放置した場合、日持ちはどの程度になるのでしょうか。納豆菌はとても強い菌で、マイナス100度でも、また100度で加熱しても死なないというほどです。
ただし、10度以下だと、今述べたように納豆菌は休眠状態になります。そして10度を超えると活動を始め、温度が上がれば活発化します。つまり、気温が高い常温で放置すると、活発に活動するということになるわけです。
たとえば真夏の車の中などは、常温と言っても、温度が50度近くになることもあると言われます。そのような場所に納豆を放置しておけば、納豆菌の活動がどんどん活発になり、再発酵が進むということにつながるのです。
腐敗してしまうこともある
では、再発酵が進むと納豆はどうなるのかということですが、最終的には腐るということになります。発酵するのも腐るのも、メカニズムとしては同じ、「菌が増える」ということです。
しかし納豆が食べても大丈夫なのは、人間に有用な菌である納豆菌が増えているからであり、常温に放置された納豆には、人間に有害な雑菌がつき、繁殖してしまいます。これが「腐る」ということです。
つまりこの状態の納豆は腐っていることになります。常温というのは納豆菌だけでなく、雑菌にとっても繁殖しやすい環境です。腐る可能性がそれだけ高まるのです。
納豆が腐ることによる影響
では、納豆を常温に放置してしまった、賞味期限が切れてしまったなどの場合、その納豆が食べられるかどうかはどうやって見分ければいいのでしょうか。そのためには納豆が腐る状態とはどのような状態か知る必要があります。
納豆そのものは冷蔵食品の中では比較的日持ちがします。そのために常温放置しなくても、ついつい冷蔵庫の中で賞味期限が過ぎたということもあるでしょう。納豆が腐るとどうなるのか、次に紹介するポイントをチェックしてください。
見た目
納豆が腐る状態を見分けるポイントの一つは、「見た目」です。常温に放置した、保存方法は正しいが賞味期限が切れたなど、不安を感じた時はまずは見た目で納豆が無事かしっかりチェックすることが大切です。
ただし、見た目と言っても、いつもの納豆と違う見た目でも、腐るなどの変化ではない場合もあります。そのあたりについては後で改めて紹介しましょう。
糸を引かずドロドロとした状態
言うまでもなく、納豆は食べられる状態の時には糸を引きます。この糸は納豆菌がたんぱく質を分解して作るグルタミン酸と、糖の一種であるフラクタンから作られています。大豆だけではたんぱく質が分解されないので糸は出ません。
しかし、納豆が腐ると、雑菌が増殖するため糸を引かなくなります。さらに水っぽく、ドロドロした状態に変化してきます。さらに腐ると、納豆の粒がつぶれた状態になってきます。
糸を引かない、ドロドロしている、色が黒っぽいなどの状態が見られると納豆が腐る状態になっている可能性が高いです。口には入れないようにしましょう。
カビが生えている
納豆が腐るのと同様に、食べてはいけない状態なのが「カビ」です。実は先ほども述べたように納豆菌はとても強く、万が一納豆の豆にカビがついても、普通の状態ならカビが繁殖することはできないと言われています。
しかし納豆菌が活性を失った状態、たとえば賞味期限を過ぎても数週間も冷蔵庫に入れっぱなしにしたなどの場合、カビが生えることがあります。このような状態の時も食べてはいけません。
ただし、後で述べますが、納豆にカビが生えたように見えていても、実はカビではないという場合もあります。そのような場合についても後で紹介します。
匂い
見た目以上に納豆が腐る場合、すぐにわかるのが「匂い」です。もともと納豆は匂いが強い食材ですが、腐る場合にはそれとは違う匂い、アンモニア臭などが出てきます。
パックを開けた時に鼻にツーンとくるような刺激臭を感じたら、それがアンモニア臭です。このアンモニア臭は再発酵が進んだ状態になると出てきます。少なくとも美味しさは失われている可能性が高いので、食べないほうがよいでしょう。
なお、賞味期限は「賞味」ですから、保存方法によってはこれ以前でもだめ、逆にこれ以後でも食べられるということも出てきます。見た目が変わらず、アンモニア臭もなければ無事である可能性が高いです。
一部が変色していても大丈夫な場合も
このように見た目の変化は、納豆の状態を見極める重要なポイントですが、実は見た目が変化しても大丈夫な場合もあります。それが「白い」場合です。
よくあるのが、納豆の表面に白いつぶつぶがあるものです。これは「チロシン」と言うアミノ酸の結晶で、食べても問題ありません。ただし、やや食感が悪くなります。納豆は日持ちしますが、これが出ないうちに食べるのがおすすめです。
また、納豆に白いもやのようなものがかぶっている場合があります。これは「被り」といい、納豆菌の菌層ですので、こちらも食べて問題ありません。
常温保存した納豆を食べた人の声
納豆が腐る場合、どのような変化があるのかということについて紹介してきました。納豆は基本的に比較的日持ちがする食材なので、冷蔵庫についつい放置してしまったということもあるので、そのような場合はこの見分け方でチェックしましょう。
では、納豆を常温に放置してしまった場合はどうなのでしょうか。常温にうっかり放置した納豆はどのくらいの日持ちがするものなのでしょうか。実際に常温に放置した納豆を食べた方の感想をみてみましょう。
常温保存した納豆を食べて、体調に影響がなかった人
常温に放置してしまった納豆を、迷いつつも食べてしまうという方は少なくないようです。特に寒い時期や短時間放置してしまった場合などなら、見た目や匂いなどをチェックしつつ、チャレンジする方もいます。
もちろん納豆が腐ってなければ、常温に放置した納豆を食べてしまってもなんでもないという方も多いです。まずは常温保存の納豆を食べて無事だった方の意見を見てみましょう。
Aさん
そもそも納豆は常温保存で大丈夫だと考えていたこの人は、常温保存した納豆を食べてみたそうです。するとアンモニア臭がしたものの、特に問題は起こらなかったということです。
先ほども述べたように、アンモニア臭がするという場合は納豆の再発酵が進んでいます。アンモニア臭イコール腐っているというわけではないものの、刺激臭ですからそもそもふだんの美味しさは感じられないでしょう。
このようにアンモニア臭などふだんの納豆と違う匂いがする場合は食べることはおすすめしません。再発酵の進み具合によってはお腹を壊すこともあり得ます。
女性
Cさん
うっかりと納豆を冷蔵庫に入れ忘れた場合は、判断が難しいところです。この方は半日ほど常温に置いた納豆を食べたが、美味しく食べられたと述べています。
半日程度の常温であれば、真夏の炎天下などでない限りはあまり問題なく食べられることが多いようです。実際、買い物などに行き、半日とまではいかなくても、数時間常温状態になることはあり得るかもしれません。
男性
うっかり半日ほど常温に置いてしまった納豆を食べたけど、美味しかったです。
Mさん
では1日常温に置いてしまった納豆ならばどうなのでしょうか。この方は賞味期限が切れていて、さらにうっかりと1日常温に置いた状態になった納豆を食べてしまったと述べています。
この方は食べてみたら、納豆の味は普通だったということです。つまり味の変化がない状態だったということですから、常温でも腐ってはいなかったということになりそうです。
常温の温度がどのくらいかにもよりますが、どうやら1日程度ならば納豆は常温でも日持ちがしそうと言えそうです。もちろんおすすめはできません。
男性
賞味期限切れたうえ、一日常温に置いた納豆食べたけど、大丈夫ですよね?味は普通でしたし。
Eさん
次に紹介するこの方は納豆を3日ほど常温で放置してしまいました。食べてみたところ、大丈夫だったと述べています。
ただし、「なんだか風味が落ちていた」とも述べています。腐っていたわけではなさそうですが、風味が落ちていたということは、再発酵が起こっていた可能性も否定できません。
せっかく納豆を食べるのなら、美味しく安全に味わいたいものです。そう考えると、常温で納豆を放置した場合、3日くらいが日持ちの限界と考えた方がいいのではないでしょうか。
女性
気づいたら納豆を3日くらい常温放置してしまったけれど、なんだか大丈夫でした。でもなんとなく風味が落ちていたような気がします。
常温保存した納豆を食べて、体調に影響があった人
このように、納豆を常温で放置した人の口コミなどを見て行くと、半日から3日程度放置したものを食べて無事だったという意見はいくつか見られることがわかります。
しかし、最初に述べたように、常温と一口に言ってもその温度はさまざまであり、温度が高ければ腐るなどの変質が起こる可能性が高まります。この期間内であったとしても運悪く体調に異変が生じた方もいるようです。
そこで次に、常温で放置した納豆を食べたところ、体調に異変を生じたという方の状況について紹介していきましょう。
Fさん
常温で1日置いた納豆を食べたせいか、吐き気を感じているという方がいます。この方ははっきりと納豆のせいとは述べていないものの、吐き気がするのは体調の異変と言っていいでしょう。
先ほど述べたように、常温で1日置いた納豆でもなんら変化が見られなかったという方もいますから、もし納豆のせいだとすれば、「常温」の違いなどさまざまな条件の違いがあったと考えてよさそうです。
気温が高い時の常温放置は、1日と言わず、数時間でも危険です。このような時には食べる前に十分に注意が必要です。
女性
常温で一日置いた納豆を食べたせいか、なんとなく吐き気がする。
Kさん
野菜セットの宅配を頼んでいる方の中には、セットの中に美味しい納豆が入っていた経験がある方もいるでしょう。この方は30度の気温の時、納豆が入ったセットが届き、うっかりと放置してしまったそうです。
この納豆はもともと軟らかく蒸しあげられた納豆のようで、少しでも常温に置くとすぐ匂いがきつくなると感じていたそうですが、この時、納豆をあけたところ、むせそうになるほどのきついアンモニア臭がしたということです。
むせそうになるほどというのはかなり再発酵が進んでいるとみられます。このような場合はやはり食べるのはやめたほうがよさそうですし、体調に異変が出る可能性も高いでしょう。
男性
野菜セットに入っていた納豆をうっかり30度のところに置いてしまいました。パックを開けたらなんだかすごい匂いがします。家族はその匂いでむせてました。
Rさん
9月に常温で2日ほど放置した納豆を食べたという方がいます。この時の納豆は匂いがきつく、触感も軟らかく、ややどろっとした感じがあったとのことで、なんとなくおなかの調子がよくないと述べています。
匂い、触感ともに納豆が腐る場合の様子によく似ています。9月と言っても場所によってはまだまだ気温が高いですから、その状態であれば2日常温放置した納豆は食べてはいけない状態と考えていいのではないでしょうか。
女性
常温で2日ほど放置した納豆、なんだか匂いもきついし、柔らかくてどろっとした感じもしたんですけども、それを食べたらなんだかおなかの調子が今一つのような気がします。
Mさん
保存方法がしっかりしているようでも、あまりにも日にちが経った納豆は危険というのがわかるのがこの方の口コミです。この方は冷蔵庫に半月以上あった納豆を食べて腸管出血を起こし、病院のお世話になったそうです。
常温放置ではなく、冷蔵庫に入っていたものですから、保存方法としては問題がないものの、それでも放置しすぎたものは問題がある可能性が高いことがわかります。
この方のコメントを見ると、「妙に匂いがきつかった」とありましたから、やはりアンモニア臭が強くなっていたと考えてよいでしょう。保存方法が正しくても、日持ちには限界があるので、早めに食べることをおすすめします。
男性
学生時代、冷蔵庫に半月以上入っていた納豆を食べたら、腸管出血で病院のお世話になりました。あんまり賞味期限過ぎている納豆は危ないかもしれません。
常温で保存できる納豆をご紹介!
以上述べたように、納豆は常温ならばさほど日持ちはしません。ところが近年人気となっているのが、常温で放置しても日持ちするという「ドライ納豆」と呼ばれるものです。
このドライ納豆は、商品として販売もされていますが、実は自分で市販の納豆を使って作ることもできます。どのようなものなのか、次に紹介していきましょう。
ドライ納豆
ドライ納豆は「ドライ」という名前がついていることでわかるように、納豆の水分を飛ばしています。具体的には納豆を干すか、油で揚げるかして作っています。
干して乾燥させる、油で揚げるという方法をとることで水分をなくしていますので、常温で放置しても心配なく、日持ちがするということで人気が高まっています。
特徴
このドライ納豆の大きな特徴は今述べたように常温で放置しても日持ちがするという点なのですが、実はまだいくつかのメリットがあります。その一つが匂いの少なさです。
普通の納豆に比べて匂いが少なく、ぬめりがないため、納豆が苦手という方でもこれなら大丈夫という方も多いです。また手でつまんで食べられるので、おやつやおつまみにもおすすめです。
また、そもそもの納豆の癖もあまりないため、チャーハンやパスタなどに入れたり、トッピングとして使ったりするのにも便利です。使いたい分だけ使えるのも特徴と言えるでしょう。
作り方
常温で放置しても日持ちがするこのドライ納豆は、販売もされていますが、自分で市販の納豆を使い作ることもできます。作り方は納豆に塩などを混ぜ、乾燥させるだけです。
乾燥の方法ですが、天日で乾燥させることもできますし、電子レンジやオーブンなどを使って水分を飛ばしていく方法もあります。天日の場合は日にちがかかりますが、レンジなどなら、すぐに作ることができるでしょう。
いずれにしても面倒な工程は特にないので、初めての方でもあまり失敗することなく作ることができます。納豆の日持ちが気になる方にぜひおすすめします。
レシピ
- 市販の納豆に塩もしくは添付のたれで味を付ける
- 納豆をクッキングシートの上に広げて、電子レンジで4分ほど加熱する
- 加熱できたら一度取り出して全体をかき混ぜ、再度1分から2分ほど加熱する
納豆のおすすめ保存方法
このように、納豆の保存方法は基本的には冷蔵となるのですが、それでも賞味期限があり、その間に食べるのがおすすめです。しかし納豆を買ってもなかなか食べられないとなると、さらに日持ちする保存方法を知りたいという方もいるでしよう。
そこで最後に、納豆を長期保存させたい場合におすすめの保存方法について紹介します。そのおすすめの保存方法とは、冷凍保存になります。
冷凍保存
近年ではさまざまな食材の保存方法として、冷凍がよく使われます。冷凍すれば食材を長持ちさせることができるので、節約したい方にも冷凍保存は人気です。
納豆も冷凍保存できる食材の一つです。保存方法はパックそのままでもいいですし、中身だけラップで包み、保存袋などに入れて冷凍する保存方法でもかまいません。
また納豆の食べ方でお気に入りの方法があるならば、パックを開けた納豆に調味料などを入れてから冷凍すれば、食べる時そのまま食卓に出すだけで美味しく食べることもできます。いろいろ工夫して冷凍するのもおすすめです。
日持ち
では、冷凍保存をした納豆の日持ちはどのくらいなのでしょうか。先ほども述べたように常温ではほとんど日持ちしない納豆ですが、冷蔵庫に入れれば賞味期限程度、つまり7日から10日程度日持ちします。
これが冷凍すればどうなるかというと、なんと3ヶ月から半年ほども日持ちさせることができます。このくらい保存できるなら、冷凍すればいつでも食べたい時にできたての美味しい納豆を楽しむことができます。
安売りなどの際に納豆をまとめて購入し、冷凍しておくことで、節約しつつ美味しく食べられるのも冷凍保存のいいところです。ぜひ食べきれない納豆は忘れず冷凍しておきましょう。
解凍方法
冷凍するという保存方法の問題は、うまく解凍できるかという点にあります。特に冷凍したものの場合、常温でいいのか、冷蔵にするのか、レンジを使うかなどいろいろな方法があるからです。
納豆の場合は常温に出してしまうと発酵が進みます。そのため、食べる前日くらいに冷蔵庫に出し、解凍するのがおすすめです。なお、レンジを使うと匂いが強くなるうえ、ナットウキナーゼが失われるのでおすすめしません。
ちなみに、納豆は常温に出すことで発酵が進むことから、食べる前20分ほど常温に出すと、ナットウキナーゼなどの栄養素が高まります。冷凍だけでなく冷蔵の場合も、ぜひ少し早めに常温に出して、栄養素を高めることをおすすめします。
納豆は極力冷蔵、もしくは冷凍で保存しよう!
納豆は発酵食品ですが、常温で放置することはおすすめしません。常温に置くと発酵が進み、腐敗の危険もあるためです。納豆は冷蔵もしくは冷凍し、食べる少し前に常温に出すようにして、美味しく安全に食べましょう。
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