恭王府は中国屈指の文化財
恭王府は北京の重要な歴史文化財です。王府というのはかつての皇族の邸宅を指します。その中でも恭王府は現存する王府の中で最大の規模を誇り、保存状態も良好です。歴史学者の侯仁之氏は「清の歴史の半分が恭王府にある」とまで発言しており、恭王府が歴史的に非常に価値のある建物であることが分かります。そんな深い歴史のある恭王府の見所についてご紹介していきます。
恭王府ってどんなところ?
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— china.com JP (@chinadotcom_jp) January 20, 2016
恭王府は邸宅を表に構え、裏には庭園があります。建物の中には歴史に関する展示物等もあり、歴史に興味がある方ならつい長居してしまいます。あまり歴史に詳しくない方でも美しい外観と庭園はじゅうぶんに一見の価値があります。また古代中国らしい縁起物や風水へのこだわりも随所に見られ、非常に趣があります。
庭園は北方の建築技術を取り入れた美しい様相になっており、季節になると花々で美しく彩られます。北方の建築技術と江南風の庭園の構え、異なる文化が見事に融合した様式は高く評価され、国から保護指定がなされているほど。四季によって顔を変えていくため、シーズンごとに違った楽しみ方ができます。
恭王府のアクセス方法
Day 5: 天壇と恭王府です!天壇でもっとも有名とされる建造物の一つで、天安門や紫禁城とともに北京のシンボル的存在とされる。恭王府は和シンの邸宅、中国の歴史の最も大きい富人、贅を尽くした内装が観光地になっている。 pic.twitter.com/HmVmsJgRUX
— ギルティ王子@ホライゾン (@guilty_oji) May 25, 2015
恭王府は北京市内にある西城区の柳阴街に位置します。アクセスする場合、北京地下鉄「天安門西駅」からタクシーで20分ほどの場所になります。また、南京地下鉄の「鼓楼駅」からは徒歩15分で到着します。路線バスは东官房バス停と北海北門バス停が最寄になっており、徒歩5から10分の距離になっています。
恭王府の歴史
恭王府の歴史は西暦1776年まで遡ります。当時中国は「清」という国名でした。恭王府はこのころ和珅(わしん)という人物によって作られた邸宅です。清の第6代目の皇帝・乾隆帝は宮廷で輿の担ぎ手をしていた和珅を一目見て深く気に入り、帝に気に入られた和珅は宮廷内であっという間に出世しました。一説によると当時の情勢から見て和珅は世界で最も裕福な人物であったといいます。
そんな和珅も後ろ盾であった乾隆帝が没して急速に失脚していきます。乾隆帝の息子であり次期皇帝である嘉慶皇帝は和珅の財を没収するべく行動し、ついに西暦1799年、和珅は自決を余儀なくされました。和珅亡きあと、この邸宅は王府となり、西暦1851年に恭王府と名を改めました。恭王府はその後持ち主を点々としながらも、今日までその美しい姿を変えないままに残り続けました。
恭王府おすすめの見所1:湖心亭
古代から中国では家を建てる時、風水や縁起物を非常に重視しました。恭王府は風水でみると地下に竜脈が流れている絶好の立地になっています。また、風水的に見て金運と深い関係のある水は意図的に流れを作らず庭園の敷地内に留めることで、呼び込んだ福を逃さずその富を収め続ける意味合いがあります。湖心亭はそんな池の中央にある建物です。
恭王府おすすめの見所2:蝙蝠たち
敷地内の建物にはいたるところにコウモリがあしらわれています。蝙蝠の漢字と福の字が似ているので、中国でコウモリが幸福の象徴として縁起物であるためです。福を呼び込む縁起物を様々なところにかたどることで、この場所に富を運んでくるよう願掛けをしていたようです。建物を見て回るのなら、このかわいらしい縁起物たちを探すのも一つの楽しみになるでしょう。ひょっとしたら福も来るかもしれません。
恭王府おすすめの見所3:翠錦園
恭王府邸宅の最奥部には翠錦園と呼ばれる花園があります。北京を代表する名園であるこの花園は池や建築物の周りに鮮やかな花木が植えられており、四季折々の美しさを放っています。また建築物の中にも花や木をモチーフにしたものが多々見受けられ、今も昔も花の美しさが変わらないことを感じさせます。またこれらの花は美しさだけでなく、縁起物としての側面もあります。
恭王府おすすめの見所4:邀月台
花園には恭王府で最も高い邀月台があります。ここからは翠錦園が一望でき、その全景を上から眺めることができます。季節の花々はもちろんのこと、庭園の計算された芸術的美しさを感じることが出来るかと思います。邸宅を使っていた皇族たちと同じ目線から、恭王府を眺めてみてください。
恭王府おすすめの見所5:滴翠岩
恭王府花園の奥には滴翠岩と呼ばれる洞窟があり、この内部には福の字が描かれています。この字は清の第4皇帝である康熙帝の手書きだと言われています。康熙帝は中国の帝の中でも名君といわれており、そんな康熙帝が書いた福字碑と呼ばれるこの印章は、触ると福がある縁起物だと言われ、観光客から人気があります。
恭王府おすすめの見所6:銀安殿
かつてこの銀安殿は一般には公開されておらず、祝日や重大なイベントの際にのみ中に入れるようになっていました。銀安殿は恭王府の最も重要な場所といわれており、儀式のための建物でしたが、火事で焼けてしまった過去があります。現在の銀安殿は再建されたもので、2008年より一般に向けて公開されています。恭王府の顔とも言える銀安殿は、今では多くの人が訪れるようになりました。
恭王府おすすめの見所7:流杯亭
竹林の中に静かにたたずむこの流杯亭は、広い庭園の休憩所のようなところです。床面に曲がりくねった溝が掘られていますが、これは古典の詩をモチーフに作られたそうです。親しい友人とここで酒盃を飲み交わす時、この溝に水を流して酒盃が止まった人が詩を読む遊びをするための溝なのだとか。
恭王府おすすめの見所8:木札
絵馬は中国にもある文化って知らなかった…。真っ赤だと、圧巻ですね。恭王府という昔のお役人さんの家の一角にありました。 pic.twitter.com/9kvz4flRhA
— 鈴木智子 (@cfun820_ts) March 6, 2017
木札とは日本の絵馬のようなものです。吉兆の赤に福の字を書いた木札の裏には訪れた人の願いがかかれています。風水でみて竜脈が下を通るという恭王府ですから、何かご利益があるのかもしれません。
恭王府はいつが見ごろ?
晩春から夏の終わりまで長期間美しい姿を見せてくれるハスの花は、泥から這い上がってくる高潔さや上品さの象徴です。気品のあるハスは皇族にとっても特別な意味があったのかもしれません。ハスの草丈はどんどん伸びて、最後には池を一面覆ってしまいます。その生命力には驚かされるものがあります。
秋になると少しの間木の葉の色が変わり、紅葉が楽しめます。やがて木々の葉はすっかり落ち、独特の静けさが恭王府を包みます。春や夏のような目を惹く華やかさはありませんが、落ち着いた雰囲気が楽しめます。
北京の冬はあまり雪が降らないので、雪景色をみることは稀です。もしも運よく雪が積もったなら、ぜひ恭王府へ行ってみて下さい。中々見ることの出来ない雪の中の恭王府は、雪の白と邸宅の赤が実に美しいコントラストとなります。一度は生で見てみたいですね。
恭王府の入場料金と営業時間
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— 肉小一童鞋 (@2oeeeee) March 12, 2017
恭王府は大人40元で入場できます。これは日本円にすると約700円ほどになります。また学生は証明書があれば半額の20元となっています。120センチメートル以下の子供は無料です。年中無休で、開園は朝の8時から、閉園は16時30分となっています。
恭王府に行く際の服装
2016年国慶節の午前6時に、北京で第1号ベテランスリ師逮捕!国旗に敬礼中の観光客からスマホを盗んだとして、私服警官は窃盗の現行犯で、65歳の男性を逮捕した。京華時報が伝えた。 pic.twitter.com/1N74Nf61v4
— ちゅうちゃん (@cyukacyan) October 1, 2016
恭王府はカジュアルで動き易い格好で入場できますが、北京はスリが多発しているため注意が呼びかけられています。大きすぎる持ち物は避け、なるべく大金を持ち歩かないなど、被害にあわないための対策をしっかりとしていきましょう。
スリにあわないために
スリが最もよく狙うのは男性のお尻のポケットに入った財布です。これは統計的に結果がでているらしく、たとえ一銭も入っていなくても盗まれることもあるのだとか。反対に、前のポケットはほとんど盗まれません。また、バッグのファスナーを開閉するスライダーは常に自分の側にあるよう気をつけましょう。気付かないうちに開けられて中を漁られたケースもあるそうです。
北京市公安局の刑事が12月に地下鉄で捕まえたスリやドロボーたち。中国も最近は「人権」が煩いので、写真の一部を加工して公開。「鼻モザイク」というのは新しいw pic.twitter.com/Cbnh7fvwyz
— けろっと (@kerotto) December 31, 2016
恭王府は内部がお土産屋さんになっている場所もあります。そういった場所で財布を出すときはじゅうぶん注意してください。旅慣れしていない人ほど人前で財布を出してしまいますが、そういった人はスリに狙われやすくなります。またほんの少しの間だからと貴重品から目を離さないように気をつけましょう。
深い歴史に触れられる恭王府
中国が誇る歴史文化財の中でも屈指の美しさを誇る恭王府をご紹介しました。風水や縁起物といった中国に根強く残る文化を強く残した恭王府は、学術的にも価値があります。静かで美しく、完成された庭園。ぜひ一度は訪れて、その芸術的な美しさに触れてみていただきたいです。
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