答志島観光！鳥羽からすぐの南の島でのんびりウォーキング！見どころまとめ！

三重県の観光地として有名な鳥羽。その鳥羽港から北東2.5kmのところにある答志島は、周囲26kmあまりの島です。鳥羽港からは定期フェリーが出ているのでアクセスは良好ながら、昔からの独特な文化が今なお見られる島です。観光地っぽさのない、のんびりとした時間が流れる答志島の魅力をご紹介します。

答志島へのアクセスは意外に便利です。鳥羽駅から徒歩で10分の距離にある佐田浜桟橋から鳥羽市営のフェリーが出ています。フェリー乗り場近くに無料の佐田浜駐車場があり、民宿などに宿泊する方専用の駐車場もあります。答志集落と和具集落行き、桃取集落行きの2つのフェリー航路のそれぞれが1日8から10便ほど運航しています。

フェリーの所要時間は、北東部の答志集落まで約30分、和具集落までが約25分、桃取集落まで約15分です。運賃は答志・和具が540円、桃取までが440円となっています。バリアフリー仕様のフェリーもあり、海水浴シーズンともなれば、たくさんの観光客が利用します。また日帰りでランチだけ、という目的の人も多いです。

答志島独特の狭い路地裏散策をしたいなら、答志漁港周辺がおすすめ。のんびりウォーキングでも１、2時間もあれば十分島の魅力を満喫できるでしょう。観光名所的な大きな見所はありませんが、漁港から海を眺めたり、漁船のわきで網をほぐすのを眺めたり、わかめの選別をしていたり、昔から連綿と続いているであろう島の風情が楽しめます。

狭い間隔で編み目のように広がる住宅の趣も懐かしい雰囲気で、ただ歩いてみているだけでも楽しいです。家の壁などに墨で書かれた「八」の時は、地元の八幡神社の厄除けの印だそうです。ここかしこに古い習慣を垣間見ることができるのもこの島の魅力です。親切な地元の人も多く、知りたいことがあれば尋ねてみるのもいいでしょう。

和具の集落には築影山遊歩道と呼ばれるウォーキングに適した散策コースがあります。特に九鬼水軍として名を馳せた九鬼嘉隆に関するスポットが点在していることで有名です。1600年の関ケ原の合戦で破れ、自害した時の首塚、胴塚、そして血洗いの池があります。

また、希望の丘と呼ばれる見晴らし台からは伊勢湾口を一望することができます。お天気のいい日には気持ちのよい絶景が期待できます。遊歩道の最後は八幡神社にお参りしましょう。普段は静かな雰囲気の境内ですが、八幡祭となれば一転大いに盛り上がるそうです。柿本人麻呂の歌碑もあります。

和具から答志までのウォーキングにぴったりのルートがあります。岩尾山遊歩道と呼ばれており、ゆるい坂をゆっくり歩いて30分ほどのコースとなります。途中2つの古墳があります。蟹穴古墳は横穴式石室を持つ古墳で、7世紀頃作られたとされる須恵器が出土しました。岩谷古墳は円墳で、横穴式石室がほぼ完全な形で残っているのが特徴です。

フェリーで最も短時間で訪れられる桃取集落も、ウォーキングで魅力を感じられます。特におすすめスポットは答志島ブルーフィールドです。木でできたパノラマ展望台施設で、答志島へのアクセスと同じように鳥羽市営の定期フェリーで行くことができる神島などを望みます。さらに特別晴れて見晴らしのいい日には富士山も見えるそうです。

ウッドデッキからは海を行きかう漁船やフェリーが遥かに見え、ベンチに座っていると視界に入るのは海、空、島だけとなり、自然と一体になったような特別な感覚になるそうです。海に面していながら木の香りに包まれ、島の大半が自然林であることも思い返されます。

また、海水浴に最適なサンデービーチがあるのもこの集落です。砂浜ではなく、砂利のビーチであることから水が濁らず海は綺麗で、更衣室やトイレもきれいで快適に海水浴を楽しめます。海がちょっと早いかな、というこども向けにはプールも用意されているのは嬉しいポイントです。日よけになる小屋もあり、夏は海水浴客でにぎわいます。

いまだに地域の若者が寝食を共にして学ぶ「寝小屋」制度や神社への信仰などが存続している島だけに、住宅や漁港のあたりには興味深いものがたくさんあります。それらについての説明はいくらスマホで調べても限界があります。深く知ろうと思えば、地元の方の説明がいちばんです。

そのようなニーズを汲んでいる「島の旅社」は市民グループが運営している団体です。事前に予約をしておくと、ウォーキングなどのガイドをしていただけます。地元の人達の暮らしや会話を間近に聞き、漁港のせりの様子なども見られるのは観光の楽しさでもあります。

答志島の魅力をよく知りたい、という時にはこの島の旅社をチェックしてみてください。ガイドツアーだけでなく、海女小屋の作業体験や干物作りなど、大人からこどもまで無邪気に遊べる色々なイベントの催行もしています。海女小屋ではランチも可。近隣の無人島、浮島での磯遊びなどもあります。

漁業がさかんな答志島では、観光客も釣りを楽しむことができます。船釣りをしないで、桟橋からでも十分に釣果が得られるということです。ガシラ、マゴチなどがよく釣れるようです。また、民宿などに頼んで船を出してもらえるところもあるので、宿泊の際には民宿に直接確認してみてください。

漁業体験や海女体験という形で体験してみたい場合は、島の旅社が主催しているイベントなどをチェックしてみるのもいいかもしれません。釣りとは違った経験ができることでしょう。個人で釣りをする場合は漁業のじゃまにならないよう、規則を守ってください。

答志島でウォーキングや釣りをした後はやはり島でのランチが楽しみです。答志港の近くにある「海女小屋」は島の旅社が運営している、良心的に魚介類を堪能できるスポットです。海女の服装の人が炭火で魚介類を焼いてくれます。蠣やさざえ、たこやわかめなどをふんだんに使った豪快なランチが食べられます。

「マルミツ寿司」は島内でもメディアなどの取材も多い、人気のあるお寿司屋さんです。答志島の豊富な海産物を豪華に使ったお料理は、それだけでも島に来たかいがあると感じる品々です。ランチに手頃なちらし寿司などから民宿や旅館などに宿泊しないとなかなかお目にかかれないような船盛りまであります。

「ロンク食堂」は昔ながらの佇まいが特徴のお店です。日替わり定食は800円とお手頃ながら、新鮮な魚のランチがいただけてありがたい存在のお店です。民宿は素泊まりでこちらを訪れる人もいます。地元の方からも親しまれているアットホームな雰囲気もすてきです。他に民宿などでランチのみ予約できる場合もあります。

できれば答志島で宿泊もしたいもの。高級なホテルなどはありませんがそれぞれの集落に旅館や民宿がありますので、好みに合わせてチョイスできます。答志港からすぐの「富栄」は宿泊客1組限定で釣り船が無料の特典があります。釣り目的の方におすすめです。

「波音の宿中村屋」は和具集落にあり、展望大浴場を完備する温泉がうれしい宿です。おいしい料理はさばきたての新鮮さを感じますし、こども用の料理に至るまできちんと作られたものであるのは家族連れには高ポイント。ビーチや釣り場が近い立地にあります。

桃取集落にある「桃取松家」は全室オーシャンビューで、何よりもその豪勢な料理にリピートするお客さんも多いです。食べきれないくらいの海鮮料理は新鮮そのもので、伊勢海老のお頭は翌朝のお味噌汁にお楽しみです。古い設備ながら清潔で、食事を重視したい方はぜひどうぞ。

何より海産物が有名な答志島だけあって、やはりお土産にも海産物を買い求める方が多いようです。特にしらす、ちりめんじゃこやわかめなどは、鳥羽駅前などよりも安く買えます。「海女小屋」でランチをいただいた際にはそこでお土産も売っていますので要チェックです。

一風変わったお土産としては、答志島産の材料を使って作られているパンはいかがでしょうか?桃取集落にある「島のパン家」では、ローカル食材を使ったパンがあります。めかぶ入りの食パンは栄養はたっぷりでもっちりと食べやすいと人気です。牡蠣の季節には牡蠣のパンも楽しみです。

いかがですか?答志島という名前はあまり知られていませんが、鳥羽からアクセスもよく見どころもあり、のんびり散策すると独特の島時間を過ごすことができる素敵な島ということがわかりました。プチ離島気分を味わいに、鳥羽への旅行の際にぜひ足を延ばしてみてください。