奥多摩の紅葉の見ごろは？ドライブやハイキングで秋の大自然を満喫！

秋になり、各地の紅葉スポットの情報が聞こえてくると、ぜひ行ってみたいと思うものです。近くで美しい紅葉を楽しむことができればそれが一番ではないでしょうか。そこで、東京都心から比較的近く、気軽にハイキングやドライブで紅葉を楽しめる奥多摩について紹介します。

最初に「奥多摩」とはどこにあるか、ということから説明します。一般的に「奥多摩」というのは東京都西部にある山岳地帯を指します。地名でいうと東京都西多摩郡奥多摩町が中心ですが、その周辺も含まれるので、埼玉県、山梨県、神奈川県なども入ります。

この地域は秩父多摩甲斐国立公園の東部地域に当たります。比較的近くまでJRがあり、秋だけではなく四季を通じてドライブやハイキング、登山などの観光客が多く訪れる地域となっています。

次に奥多摩へのアクセスについて紹介します。奥多摩へ車で行く方法については、ドライブのところで後述するので、ここでは公共交通機関を利用しての方法を紹介します。奥多摩は公共交通機関でのアクセスもよいところです。

奥多摩に行くためにはJRを利用します。JR青梅線の奥多摩駅が、紅葉を見に行く場合には最も便利なところと言えるかも知れません。奥多摩駅までは青梅線の起点である立川駅から約1時間見ればいいでしょう。また場所によってはJR五日市線の武蔵五日市駅も使えます。

奥多摩の紅葉ですが、カエデやイチョウ、ケヤキなどが紅葉します。見ごろは例年は11月上旬から下旬といったあたりになります。10月中旬になると年によってはそろそろ紅葉が始まると考えていいでしょう。標高が高いこともあって、奥多摩の紅葉の見ごろは都心の紅葉に比べると少し早めです。

ちなみに美しい紅葉は、夏の気温や降水量の状況、秋の気温の状況や天気の状況など、さまざまな要因が影響しあって決まってくるのだそうです。つまり、夏からの気候の状況によって紅葉の見ごろの時期にもずれが出る可能性があるということになります。紅葉を見に行く計画を立てたなら、その前後の時期に紅葉情報を仕入れることをおすすめします。

奥多摩の紅葉と言えば、まずあがるのが奥多摩湖です。奥多摩湖は多摩川をダムでせき止めて作られた人造湖で、周囲の山々の紅葉が湖面に写りこみます。広さは東京ドーム約90個分あるのだそうです。

奥多摩湖周辺はハイキングコースにもなっていて、ゆっくりハイキングをしながら紅葉散策をすることができます。中でもおすすめなのはドラム缶橋です。もちろん現在はドラム缶でできているわけではありませんが、歩くとちょっとゆらゆらします。しかし湖面のすぐ上に立ち、周囲360度を見渡すことができるのは、ここならではと言えるでしょう。

アクセスはJR奥多摩駅前からバスが出ており、最寄りの奥多摩湖バス停まで約15分です。バス停前には「奥多摩 水と緑のふれあい館」があり、自然環境やダムに関する展示などが行われています。時間があったら見学するのをおすすめします。

JR奥多摩駅からバスで30分ほどかかる日原渓谷は、釣りを楽しむ人には特に人気のスポットですが、秋は紅葉が美しいところです。手があまり加わっていない自然の美しさを楽しむことができる渓谷です。後述しますが、ここにある鍾乳洞もおすすめです。

多摩川の上流にある渓谷で、多摩川に沿って橋からの清流を眺めて楽しむことができるハイキングコースです。JR青梅線にそって渓谷があるため、自分の体力に合わせてハイキングを楽しむことができるという利点があります。

この鳩ノ巣渓谷の中で紅葉スポットとしておすすめなのが、鳩ノ巣小橋という吊り橋のところです。ここから見える紅葉は奥多摩の中でも随一の美しさと言われており、特に見ごろの時期はまさに圧巻と言えるほどの美しさが堪能できます。無料駐車場もあるので、ドライブの際は利用することができます。

奥多摩のほど近くにある標高2017メートルの山で、日本百名山の一つにも数えられています。見晴らしがよく、ここも紅葉スポットとして有名なところです。コースもいろいろありますが、日帰りでの登山は初心者には難しいかもしれません。

ここまで公共交通機関を利用して奥多摩の紅葉を楽しむことを念頭に見どころを紹介してきましたが、もちろんドライブをしつつ楽しむこともできます。奥多摩周辺には奥多摩周遊道路があるので、これを利用すると快適なドライブが楽しめます。奥多摩湖そのものは外周が約15キロ、30分ほどで一周することができます。

東京方面からドライブで奥多摩を目指す場合は、中央自動車道の八王子JCTから圏央道の日の出ICを下ります。それから県道411号線を経由して奥多摩湖に出ることができます。所要時間は東京から2時間から2時間半程度見ておくといいでしょう。秋の紅葉シーズンは車が混雑する可能性が高いので、時間には余裕を持たせることをおすすめします。

せっかくだからハイキングで紅葉を楽しみたいという方もいらっしゃるでしょう。奥多摩周辺には初心者でもハイキングが楽しめるコースもありますし、登山をすることもできます。それぞれの技量に合わせて選ぶことができるのです。

たとえば奥多摩駅からは約4キロの遊歩道が整備されています。この遊歩道をゆっくり歩きながら紅葉の景色を堪能するのはおすすめハイキングコースです。また前述した鳩ノ巣渓谷は、古里駅から奥多摩駅まで、JR青梅線に沿ったハイキングコースとなっているので、体力にあわせて調節が可能です。

たとえば、古里駅から奥多摩駅まで渓谷をすべて歩くと、途中休憩を除いて3時間ほどかかります。でも鳩ノ巣駅から奥多摩駅までのショートコースであれば、初心者でも問題なくハイキングを楽しむことができます。

また奥多摩湖から奥多摩駅までの奥多摩むかし道は、10キロほどありますが、比較的起伏が少なく、初心者でも歩きやすいルートだと言われます。また途中に案内板などの設置も多いですし、途中に休憩を取ることができる場所もあります。無理せず休憩を取りながら進むことをおすすめします。所要時間は4時間ほどだそうです。

ハイキングの場合は奥多摩駅近くにある奥多摩ビジターセンターに行くと、周辺のハイキングコースなどが記載された地図がもらえます。秋の紅葉を楽しみつつ、のんびりとハイキングを楽しむのもおすすめの過ごし方かもしれません。

前述した日原渓谷にある鍾乳洞です。東京都の天然記念物にも指定されており、関東で最大の鍾乳洞だそうです。鍾乳洞のなかは年中気温が変わらないので、紅葉の見ごろの時期だともしかしたら多少暖かく感じるかもしれません。大自然の作りだす神秘的な世界をぜひ体験してみてください。

この鍾乳洞に入る手前、チケット売り場の横にトイレがあるのですが、このトイレの横の橋からは鍾乳洞の入口、橋、そして周囲の紅葉の入った写真が撮れるのだそうです。紅葉見ごろの時期に行ったら撮影をおすすめします。

奥多摩の紅葉は見どころが多く、特に見ごろの時期は大変混雑します。公共交通機関を利用する場合だけでなく、車などでは渋滞することが考えられます。特に日原鍾乳洞は朝早くから駐車場がいっぱいになると言われ、そうなると車を駐車するだけで時間がかかってしまうこともあるようです。帰りも込むので、早めに行って早めに帰ることを心がけた方がよさそうです。

ご紹介した紅葉スポットの多くは、最寄り駅からバスなどが出ています。休日などに行く場合は、最寄り駅周辺まで車で行き、そこからバスなどを利用することで、駐車場の混雑を避けることができます。ドライブを兼ねる場合は、観光スポットだけでなく、周辺の駐車場の場所も確認しておきましょう。

また、ハイキングの場合、重要な注意点があります。それはコースの中にツキノワグマ出没スポットがあることです。にぎやかにしていると出ないなどとも言われますが、クマよけの鈴などのアイテムを身に着けて、人間がいることを示した方が安全です。

東京都心からも比較的近く、美しい紅葉が楽しめる奥多摩は、ドライブにハイキングにと楽しみ方いっぱいの紅葉スポットです。体力に合わせて、自然の雄大な景色をぜひ自分の目で見て、秋の一日を楽しんでください。