多摩湖自転車道のサイクリングとカフェ巡りが楽しい！距離はどれくらい？

多摩湖自転車道は、田無から多摩湖までの直線部分と、多摩湖周回部分の二つに大別されますが、直線部分も豊かな自然とのどかな郊外型住宅地域を貫く楽しい自転車・歩行者専用道です。以下、前者の沿線を彩るお洒落なカフェ・ランチスポットなどの寄り道先を中心に、この「サイクリングロード」を楽しむポイントをご紹介しましょう。

「サイクリングロード」は所々に見かけますが、日本の場合、その設置場所は河川敷、湖沼の沿岸、海岸がほとんど。しかも、全体の9割超が「自転車歩行者専用道路」ですから真の「自転車専用」ではありません。大都市の住宅地をランニングするという点では珍しい多摩湖自転車道も歩行者と共用の散歩道と考えた方がいいでしょう。

多摩湖・狭山湖の水を吉祥寺の境浄水場を経由し、渋谷から5km弱の和田堀給水所まで運ぶ太い水道管、その上に整備されているほぼ真直ぐな一本道を「水道道路」と俗称しています。このうち、境浄水場・多摩湖間の部分は「サイクリングロード」としてだけでなく、地域の生活空間としても独特な風情や魅力で人々を惹きつけています。

五日市街道と井の頭通りが交差する関前五丁目交差点、「水の神殿」をあらわすモニュメントが立つこの地点が多摩湖自転車道の起点です。走り出すとすぐ大都会の喧騒とは程遠い世界。散歩をする親子、ジョギングの若者、ベンチでくつろぐお年寄りなどのリズムに合わせて、こちらもスローランニングを楽しむことにしましょう。

自転車道はやがて西武新宿線の線路と並走し、花小金井駅前に至ります。距離にして起点から3km強。この後、武蔵大和駅手前まで、約8kmにわたって、左右どちらかに西武電車の行き来が見える、ほとんど一直線のランニングが続きます。カフェやランチスポットなどおすすめの立ち寄り先も含め、以下、順に沿線を紹介して行きましょう。

花小金井駅南口から、サイクリングロードを小平に向って400ｍ、花小金井教会の隣にあるロマンチックなお店です。前には、大きな桜の木があり、4月には店内から満開の桜が楽しめます、5月にはバラ、6月にはアジサイなど、1年中花と緑の絶えない一軒家カフェです。週替わりランチもあり、ナンピザセットなどが好評のようです。

住所：東京都小平市花小金井6-32-7 電話番号：0424-65-1903

サイクリングロードを一時離脱し、花小金井駅南口から200mほど南下した所にある軽食とスイーツが好評のお店です。特にフランス生まれのおかずケーキ「ケーク・サレ」をランチに試してみるといいでしょう。店内は白を基調としたシンプルな内装ですが、カウンター席もあり一人でも、グループでも入りやすい雰囲気です。

住所：東京都 小平市 花小金井南町 1-19-27 1F 電話番号：070-4292-9323

花小金井駅から約10分のランニング(距離にして2.5km程）で「小平駅」があります。駅付近は自転車道が一旦途切れますが、そのまま直進すれば、間もなく小平駅で分岐した西武多摩湖線沿いのサイクリングロードに戻ります。この辺りは緑の多い地域ですが、とりわけ駅の手前(東側）にある以下のようなスポットがおすすめです。

花小金井駅と小平駅のちょうど中間あたりに「小平ふるさと村」があります（入場無料）。近在から移築復元した江戸時代の建物群のほか、バーベキューもできる「たけのこ公園」(1枚上の写真）、クヌギ・コナラなどの樹林や水路を生かしつつあじさいのあふれる「あじさい公園」など、いずれも市民の憩いの場となっています。

住所：東京都小平市天神町3丁目9番1号 電話番号：042-345-8155

あじさい公園のすぐ隣、サイクリングロードに面した「カフェラグラス」は花と緑に囲まれた自然派レストラン。家庭の主婦10人が交代でスタッフを務め、ランチ、ケーキは、すべて厨房で調理されます。クラフト展や、青空市などのイベントも含め、、地域の人と人が触れあえる場所、コミュニティカフェとして歴史を重ねています。

住所：小平市美園町1-24-14ヴァンベールマンション 1Ｆ 電話番号：042-344-7199

このあたりでランチなら、「武蔵野うどん」もおすすめです。あじさい公園の南へと自転車道を離れた旧青梅街道沿い（小平駅からの距離510m）の指田屋（さしだや）もこの武蔵野うどんの名店。民家を改造したかのような店内には囲炉裏を囲むカウンター席もあり雰囲気のある店。天ぷらモノも含めメニューも豊富です。

住所：東京都 小平市 天神町 2-334 電話番号：042-343-3791

武蔵野うどんとは、東京都多摩地域と埼玉県に伝わる手打ちうどんです。灌漑の遅れていたころの武蔵野台地は、水稲よりむしろ小麦の生産が盛んで、手打ちうどんは各家庭代々の味として受け継がれてきまし。煮野菜を入れるか添えるかしたものを「糧（かて）うどん」と呼び、「小平糧うどん」を保存普及する運動も行われています。

小平駅前で自転車道は一旦途切れますが、気にせず直進100ｍほどで、再び自転車道が現われます。小平駅から走行距離約1km程で左手に萩山駅。西武線が4方向に分岐するターミナル駅ですが駅前は閑散。その先1km程で八坂駅。このあたりは東京とは思えないのどかなエリア。以下の通りそれにふさわしいランチスポットもあります。

小平駅から萩山駅に向かうほぼ中間点（どちらからも距離約500m）にあるちょっとユニークななカフェ。マスターは物腰の柔らなカメラマン。平屋の一軒家を改装したものだそうで、店内はギャラリーみたいにもなっています。オープンは土日限定。しかも、1、2月は冬季休業。メニューは珈琲やケーキ、軽いランチが中心です。

住所：東京都東村山市萩山町1丁目31-4

八坂駅の南側、鯉の泳いでいる野火止用水にかかる小さな橋を渡って入る可愛らしいカフェです。サイクリングロードから距離にして50ｍもないでしょう。店内は、カントリー調のアンティークな家具にかこまれ、手作り感があふれています。美味しいブレンドコーヒーのほか、カレー、ホットサンドなどの軽食が楽しめます。

住所：東京都東村山市栄町3丁目18-22 電話番号：042-391-1514

八坂駅より約2.3km程のトンネルを抜けると、多摩湖はもう目と鼻の先。ランニングをしている人も増えてくるので、スピードは控えめに抑えましょう。トンネルから約3km程の距離に分岐点。左を選ぶと多摩湖を分断する堰堤道となり、対岸の多摩湖橋西詰で自転車道に合流し、右を選べば鹿島橋等を経て鹿島休憩所へと至ります。

多摩湖は、隣接する狭山湖（山口貯水池）とともに首都圏の水がめとして1927年(昭和2年）に完成。桜と紅葉の名所であるほか、西武遊園地、都立狭山公園などを含む憩いの場としても親しまれています。多摩湖から少し距離はありますが、時間と走力に余裕があれば下記の「木空人」、「クロスケの家」などもおすすめのスポットです。

「もっからにん」と読むそうです。多摩湖の北岸、自転車道路をはずれてゴルフ場の中を縫うような細い道をたどって行くと現れる隠れ家的ピザ屋さんです。新潟から移築したという築150年の古民家だとか。レトロな雰囲気と季節の食材を使う窯焼きのピザが評判です。

住所：埼玉県所沢市山口2240-30 電話番号：04-2928-1784

誰もが知ってる「となりのトトロ」、その舞台となった狭山丘陵の「トトロの森」を保全しようという活動の拠点となっているのが「クロスケの家」。築100年超の2階建て古民家です。先の「木空人」からさらに7kmほど北上と自転車でもかなりの距離ですが、お出迎えしてくれる大小のトトロを目にすれば、疲れも吹っ飛ぶでしょう。

住所：埼玉県所沢市三ケ島3丁目1169−1 電話番号：04‐2947‐6047

最後に多摩湖周回コースにも触れておきましょう。、一直線部分と異なり、ここでは快適な本格的走行が可能です。ただ結構距離があり、アップダウンやカーブは増えるので、「変化」が楽しい反面、それなりの走力が必要でしょう。コースは対向2車線で一方のレーンには「多摩湖ランニングコース」として距離標示板が設置されています。

変化に富み本格的なロードレーサーのランニングに恰好な多摩湖周回部。そこに至るまでの直線コースは、対照的に小径車のポタリング（そぞろ走り）に適したまったり感や生活感が一杯。こうした多様性や、沿道のお洒落スポットを含めて、このサイクリングロードの魅力を是非味わってみてはいかがでしょうか。