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御神渡り特集!諏訪湖が全面氷結すると出現する自然現象をご紹介!

御神渡り特集!諏訪湖が全面氷結すると出現する自然現象をご紹介!
投稿日: 2017年12月9日最終更新日: 2020年10月8日

長野県の広大な湖「諏訪湖」。冬に氷結した氷が、大きな音とともに山脈のように盛り上がる「御神渡り」という自然現象が見られることがあります。「御神渡りは諏訪大社の神様が女神様に会いに行く道」という伝説も。この美しく神聖な自然現象をご紹介します。

「御神渡り」の魅力を知りましょう見出し

長野県にあり、冬に氷結する「諏訪湖」。諏訪湖のある諏訪盆地は周囲を高い山々に囲まれており、古来、冬になると大変寒くなる土地でした。厳寒の諏訪湖でいくつかの気象条件が揃った時にだけ現れる自然現象「御神渡り」についてご紹介します。また「御神渡り」を見に行くときにおすすめの飲食店や、お土産についても合わせてご案内します。

「御神渡り」のメカニズム見出し

氷結した氷の厚さは10センチ以上になることがあります。零下10度程度の冷え込みが続く冬に出現する自然現象が「御神渡り」です。気温が上がったり下がったりすることによって氷結した湖面の氷が膨張と収縮を繰り返し、50センチから1メートルもの高さに盛り上がり、山脈のように連なります。その長さは湖岸から湖岸まで数キロに及びます。

1990年以降では、1991・1997・2003・2004・2006・2008・2012・2013年に出現が確認されています。ただしそれ以降は出現は確認されていません。「御神渡り」が起きない年は「明けの海」と呼ばれています。なるべく近く安全に「御神渡り」「を見るならば「立石展望公園」へ行くのが良いでしょう。高台にあるため「御神渡り」が一望できます。

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「御神渡り」が見られたら幸運見出し

長野県の諏訪湖はかつては毎年冬に全面的に氷結し、「御神渡り」も毎年のように出現する自然現象でした。諏訪湖はスケートなどもできる長野の冬のレジャーの名所でしたが、近年は温暖化の影響もあって冬になっても全面氷結が必ず起こるわけではありません。「御神渡り」もなかなか出現せず、数年に一度出現するかどうか。出会えたら幸運な自然現象となっています。

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本州では貴重な「御神渡り」見出し

「御神渡り」は長野の諏訪湖以外でも北海道の屈斜路湖などでも出現することが知られる自然現象です。屈斜路湖の御神渡りは「砂湯」で有名な観光名所の北側で出現し、湖岸から沖合に向かって連なります。ただし本州で「御神渡り」の出現を見るとなると、本格的に観測できるのは諏訪湖だけとなります。

この「御神渡り」、長野の松原湖、木崎湖などでも起きることがありますが、規模は諏訪湖にはかないません。海外ではロシア のバイカル湖、アイスランドのミー湖などでも確認されたことがありました。日本の諏訪湖が有名になったのはその規模の大きさと、信仰が絡んで、500年もの間記録がつけられたことが理由とみられます。

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2018年に「御神渡り」は見られるのか見出し

2017年の1月、4季ぶりの出現が期待されていた長野県諏訪湖の「御神渡り」は見られませんでした。1月25日には全面氷結が確認されたのですが、寒波は続きませんでした。今ご覧のこの記事は2017年の12月に書いていますが、2018年に向けてのこの冬、「御神渡り」が出現するかどうかはまだわかりません。なにせ自然現象。出現するかどうかは神のみぞ知るというところです。

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「御神渡り」に伝わる恋の伝説見出し

遠い昔、長野県の諏訪湖の南にある諏訪大社の本宮で男女の神様が幸せに暮らしていました。しかし、この暮らしは不意に終わりをつげます。当時の長野では強風や大雨、冬には大雪、夏には冷夏などにみまわれ農作物が採れない年が続いていました。そんなある年、妻の女神様は「諏訪湖の北に新しい秋宮を作り、守りなさい」という「天の声」を聴きます。

一方、残された神様は女神様に会いたくてしかたがありません。3日に一度は女神様に会いに行きました。諏訪湖を船で渡って会いに行くのですが、冬になると氷結するため船が使えません。湖岸を歩いていた神様は、ふと氷結した湖の上を歩くことを思いつきます。氷は厚くびくともせず、近道することができました。その歩いた道筋は大音響とともに氷が盛り上がっていったといいます。

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もうひとつの「御神渡り」伝説見出し

上でご紹介したのが長野県にある諏訪湖の「御神渡り」に関する伝説なのですが、これはいわば天の声により神様夫婦が別居したパターンです。でも別の微笑ましいストーリーも伝わっています。大昔の長野の諏訪は荒れた土地でした。そんな諏訪の地を豊かな土地に変えたのがこの神様夫婦でした。村人に農業や牧畜、漁業や養蚕も指導したといいます。

ところが、些細なことで夫婦喧嘩をしてしまいます。怒った妻の女神様は湖の反対側に引っ越してしまいました。寂しくなった神様は妻のもとに毎日のように通い始めます。ところがこの神様、村人に「神様なのに奥さんとけんか別れして、さびしくて通ってらあ」と笑われることを恐れ、暗くなってから舟を出し夜明け前にこっそりと帰っていました。

ある朝、夜明け前に帰ろうと岸に出ると、湖が氷結して船が出せません。「まずい。村人に見つかる!」神様は悩んだ挙句、氷結した湖の上を走り始めました。その足音はまるで地鳴りのようで、氷は足跡にそって割れました。朝、村人たちはそれを見つけ「神様が奥さんに会いにいった」ことを察し「優しい神様だ」とますます好きになりました。

こちらの伝説のほうが神様像が人間に近く、親しみやすいです。神様が村人に産業を伝える話がベースにあり、その神様は空ではなく、我々人間とともに日々暮らしているという発想も日本独特のもののようです。神様があわてて走っていったので氷が割れる、というストーリーのほうがしっくりくる気がしますね。

「御神渡り」にまつわる神事見出し

毎年「御神渡り」出現を認定する神事が湖畔で行われます。この神事は無形民俗文化財に指定されており、八剱神社の神官によって行われます。氷結した湖面の亀裂の入り方などを記録した「神渡帳」と照らし合わせ、その年の天候、豊作・凶作を占い、世相を予想します。結果は神様や宮内庁だけではなく、気象庁にも報告することになっています。

こちらが亀裂の入り方を検分するための「御渡り拝観の神事」です。八剱神社の宮司のほか氏子総代などが執り行う厳粛な儀式で、観光客などが参加することはできません。神事を執り行う宮司や氏子らは自宅にしめ縄を張り、早朝にそのしめ縄を身体にかけて「おはらい」をします。こうして身を清めたあとで、ようやく氷上の神事に臨めるのです。

「御神渡り」の記録は貴重な気象資料見出し

「御神渡り」を14世紀から記録してきた「神渡帳」。毎年、過去の記録と照合し、その年の農作物の状況や世相を占うために使われてきました。スピリチュアルな側面ももちつつ、貴重な自然現象(気象)の記録であり、それによって農作物の状況や、直結する経済を予測してきたのです。これは現在の気象予報にも通じます。膨大な資料をもとに、当時からかなり正確な判断ができていた可能性があります。

「御神渡り」の諏訪湖周辺グルメ見出し

長野県の諏訪湖を冬に訪れるなら、美味しい郷土料理や人気店もチェックしておきましょう。素朴ながら川魚や山菜、蕎麦など、心も満たされる料理がたくさんあります。水がおいしく酒もおいしい長野の味を、この機会に堪能することをおすすめします。御神渡りは自然現象だけに、残念ながら冬に訪れても出現を見られないこともありますが、それでも美しい諏訪湖の情景と、地元で育まれた長野の味は思い出に残るはずです。

御神渡りと楽しむ郷土料理1「うなぎ」見出し

うなぎ「小林」

諏訪地方の名物のひとつが「うなぎの蒲焼」。おいしい店がたくさん軒を連ねています。こちらの「小林」は諏訪インターを出てすぐのところにある老舗。ふわふわで甘すぎず辛すぎず、地元でも愛される絶品です。隠れた名物に「天然かじかのから揚げ」もあります。

住所:長野県諏訪市四賀赤沼1958-2 電話番号:0266-54-7717

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諏訪はうなぎで有名!安いおすすめの天然物を持ち帰り可能なお店もご紹介 | 旅行ガイドTravelNote[トラベルノート]
うなぎ料理といえば浜松が有名ですが、実は長野県の諏訪地方もうなぎの名産地です。昔から諏訪湖でのうなぎの漁獲量が豊富で、美味しいうなぎを食べさせるお店もたくさんあります。諏訪地方は日本のうなぎ文化の隠れ中心地と言っても過言ではありません。

御神渡りと楽しむ郷土料理2「鯉料理」見出し

うなぎ「林屋」

諏訪の名物は淡水魚の料理、中でもで鯉料理はおすすめです。鯉は高タンパク低カロリーの理想的な魚。各家庭でも親しまれてきた甘辛い「鯉の煮付」のほか、味噌汁である「鯉こく」、からし酢味噌でいただく「あらい」などが有名です。冬なら鯉こくはとても体が温まります。創業明治26年「うなぎ林屋」は、老舗の「林屋川魚店」が出したお店。うなぎも絶品ですが、鯉、わかさぎなども大変おいしくいただけます。

住所:長野県諏訪郡下諏訪町矢木西31 電話番号:0266-28-8372

御神渡りと楽しむ郷土料理3「わかさぎ」見出し

えびす屋

諏訪湖のわかさぎは、手塩にかけて育てられ、管理されています。卵は各地の湖に出荷されており、全国の湖で楽しまれているワカサギ釣りのわかさぎは、実は諏訪産だったりするのです。わかさぎといえば天ぷらがスタンダードですが、から揚げや甘露煮、フライ、マリネもおすすめです。えびす屋のから揚げは素材の味の魅力を強めの塩が引き出し、お酒や御飯がすすんでしまいます。

住所:長野県諏訪市湖岸通り3-4-14 電話番号:0266-52-0720

御神渡りと楽しむ郷土料理4「諏訪蕎麦」見出し

soba介

長野といえば信州蕎麦。ここ「soba介」は観光客向けのお蕎麦屋さんではなく、リーズナブルながら「本物」を食べさせてくれるお店です。注文を受けてからそば粉を練り始めるため、風味の強いそばが味わえます。気軽に本格的な信州蕎麦を楽しめるとだけあって地元のかたがたの評判も上々です。

住所:長野県諏訪市諏訪1-2-3 電話番号:0266-75-1022

御神渡りと楽しむ郷土料理5「みそ天丼」見出し

いずみ屋

こちらは地元の飲食店が諏訪をアピールしようと、共同でPRしている「信州諏訪みそ天丼」。こがした信州の味噌を甘辛く味付けした味噌だれで楽しむ天丼です。「いずみ屋」のみそ天丼はワカサギや川えびなど諏訪の具材を揚げた天ぷらが贅沢にのっています。野沢菜の天ぷらが使われている店もあり、諏訪の味を一度に堪能できます。

住所:長野県諏訪市諏訪1-2-4 電話番号:0266-52-3267

諏訪湖エリアのおすすめ土産見出し

新鶴

ここからは諏訪のお土産をご紹介。最初は地元の人もオススメの「新鶴の塩羊羹」です。創業明治6年の老舗和菓子店で、諏訪大社秋宮の隣にあります。ほどよく塩が効いていて飽きのこない美味しさです。このお店には羊羹のほかにも酒饅頭やみそ饅頭など美味しい和菓子がたくさんあります。

住所:長野県諏訪郡下諏訪町横町木の下3501 電話番号:0266-27-8620

大社煎餅

創業90年余の歴史を誇る老舗のおせんべい屋さんです。いわゆる炭酸系のサクサクおせんべいを何種類も売っています。「カステラせんべい」や「ゴマせんべい」「ピーナツせんべい」などがおすすめです。「ピーナツ煎餅」はピーナツの焙煎や加工にこだわった自信作で、ピーナツがぎっしり贅沢につかわれています。

「カステラ煎餅」は砂糖や新鮮な卵をベースにしており、本物のカステラのように甘く軽い仕上がりです。口に入れると、卵や小麦の香ばしい風味がひろがります。手焼きにこだわって、一枚一枚丁寧に焼き上げるので少々時間がかかりますが、諏訪を訪れたときには必ず買って帰るという人もいます。瓦せんべいに似ていますが、もう少しソフトな味わいです。

住所:諏訪市沖田町3丁目1−2 電話番号:0266-54-1111

くるみやまびこ(ヌーベル梅林堂)

八ヶ岳山麓の新鮮な牛乳で煮込んだ、胡桃が豊富に入ったお菓子。キャラメルと胡桃が固められたものが、クッキーで包まれています。サイズはレギュラーとハーフが用意されており、お好みで選びましょう。モンドセレクション最高金賞を受賞しています。このお店では他にも「諏訪くるみキャラメル」や「地酒ケーキ詰め合わせ」などを売っています。

住所:長野県諏訪市城南1-2556-7(諏訪店) 電話番号:0266-54-7971

信州あべ川餅(福田屋)

「信州あべ川餅」は「青ばたきな粉」と「沖縄黒糖」まぶしたお餅です。静岡県の安倍川餅に比べて大きく平べったいのも特長です。第26回全国菓子大博覧会で、最高賞となる「名誉総裁賞(文化部門)」を受賞しており、地元のかたにも喜ばれている和菓子です。素朴で飽きのこない味が愛されています。

住所:長野県諏訪郡下諏訪町矢木西25 電話番号:0266-27-7397

そのほか「御神渡り」を見に行く特に知っておきたいこと見出し

神事は関係者のみが湖上で行うため、一般の観光客が近くへ行くことはできません。また、現在は昔と違い、氷が一定の厚さにはなっていないことも多いので、氷の上に乗るのはやめましょう。この季節、諏訪湖周辺は大変寒いので防寒具が必要です。諏訪湖付近の道路も積雪や凍結が予想されますので交通事故や転倒に気をつけましょう。

「御神渡り」の諏訪湖へのアクセス見出し

諏訪湖へのアクセスですが、車の場合には長野道、中央道、上信越道を利用し、諏訪ICから車で15分です。東京から諏訪ICまではおよそ2時間半といったところ。鉄道の場合にはJR中央本線上諏訪駅から下車徒歩8分です。上諏訪までは2時間ほどです。(諏訪湖の遊覧船乗り場を起点に計算しています)

「御神渡り」に出逢えることを願って見出し

「御神渡り」という名称からは自然現象に対する畏怖の念を感じることができます。目の前で大音響とともに伸びていく氷の山脈を、古の人は恐れ、地元の神様を尊敬し、諏訪で生きることに誇りにも思ったのかもしれません。近年、温暖化で少なくなった「御神渡り」。環境問題に取り組み温暖化にブレーキをかけることは、故郷の自然現象に畏怖の念を感じ、故郷を愛した人の心を取り戻すことにつながります。

投稿日: 2017年12月9日最終更新日: 2020年10月8日

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