三田ばさらのトマトすき焼きとは？ミシュラン星付きレストランもランチはお得！

すき焼きを作ろうとするとき、食材にトマトを用意する人は人はほぼゼロではないでしょうか。それほど既成概念から外れたトマトを、すき焼きの3本柱の食材の1つとして「トマトすきやき」を作り、ミシュランを含む多くの人から高い評価を受けているのが東京タワー近くでアクセス抜群の日本料理店「三田ばさら」です。今回は「三田ばさら」をご紹介！

JR田町駅か都営大江戸線赤羽橋駅から慶大方面へ徒歩8分、東京タワー近くのビルの地下、アクセス抜群です。地上にある店の入り口にちょこっと置かれたランタン風の看板。店名の書かれた小さな置物にオシャレ感がにじみます。白木の落ち着いた店内に絨毯が敷き詰められ、シックなインテリアに高級感が漂います。

アクセスが良く、全面禁煙の店内にテーブル席、個室など58席。お店のこだわりは2部屋の完全個室。二重の扉で完全にプライバシーを守る豪華な作りです。ふすまで仕切った半個室も3室あって、いろいろのシチュエーションに使えておすすめです。また座席の間隔が広く、テーブルも大きいため隣を気にせずにゆったりと食事が楽しめます。

東京タワーに近く、アクセスのいいこちらの店が2011年から3年連続でミシュランの一つ星を獲得した人気の日本料理店「三田ばさら」です。和牛・トマト・パスタが一つの鍋で楽しめる人気の「トマトすきやき」や、おすすめの料理を紹介していきますが、その前にミシュランについてちょっとおさらいをしておきます。

フランスのタイヤ会社「ミシュラン」が1900年(明治33年)にドライバー向けのガイドブックとして発行したのが始まりです。自動車の修理工場やガソリンスタンド、アクセス、ホテル、電話の位置などの市街地図を載せてドライバーが安全で楽しくドライブできるよう無料配布しました。パリ万博が開かれた年で、まだ車が少ない時代でした。

ミシュランガイドが有料誌に変わり、1926年から料理の評判が高いホテルに星をつけるシステムがスタートし、1933年にパリで三つ星が導入されました。星の意味は、三つ星がその料理を食すために旅行する価値がある卓越した料理、二つ星はアクセスが悪くとも遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理、一つ星はそのカテゴリーで特においしい料理です。

ミシュランガイドの評価基準は、世界共通の5つの基準です。まず素材の質。どんな素材を使った料理か、質を問います。2つめは調理技術の高さと味付けの完成度。料理の美味さ、シェフや職人の腕前です。3つめは独創性。ありきたりの料理ではダメです。4つめはコスパ。5つめは常に安定した料理全体の一貫性です。

長い歴史をもつミシュランガイドには5つの約束があります。まず独立性です。ミシュランガイドが目指すのは、読者に役立つガイドブックを作ること。これに掲載する宿泊施設や飲食店・レストランを選ぶ作業はミシュランが独自に行い、最後は編集の最終段階で調査員たちが合議で決めます。ガイドへの掲載は無料です。

2つめは匿名調査。ミシュランの社員が調査員になってホテルやレストランなどを匿名で定期的に訪れます。調査員は宿泊や飲食の代金を自ら支払い、立場を明かさずに去ります。ミシュラン向けの特別なサービスではなく、一般の人と同じサービスを受けるためです。読者からの情報に基づいて調査員が調べる場合もあります。

3つめは掲載される情報や評価をできるだけ最新で信頼のあるものにするため、ミシュランガイドは毎年、更新。特別版も公式WEBサイト「クラブミシュラン」で更新されます。4つめ、5つめは、ミシュランガイドにはドライバーが快適にドライブするため、全ての調査員が5つの評価基準で厳密に調査した情報を掲載していることです。

すき焼きは、牛肉などにねぎ・焼き豆腐などを添えて鉄鍋で煮たり焼いたりする日本料理です。調味料は醤油、砂糖、酒か、それらをあらかじめ合わせた割下が使われます。ですから「トマトすきやき」と聞くと、思わず「え？」と驚きの声が上がります。それにミシュラン一つ星が加わるのですから、驚きは増幅します。

「トマトすきやき」の素材はトマト、玉ねぎ、牛肉の3品でとてもシンプルです。スタッフがテーブルでお客さんに素材を披露した後、調理スペースへ下げ、約10分後出来上がった品が運ばれてきます。トマトすきやきが入った熱々の土鍋から香ばしい香りが漂います。もう一つのお盆にご飯・赤出汁・お新香・小鉢が載っています。

使われる肉は、霜の降り方が美しい山形牛のAランクです。厳選した良質の和牛で柔らかく、とろけるような歯触りです。残る主役のトマトと玉ねぎは、契約農家から一年中同じレベルのものを仕入れるため形がそろっていて、見た目もきれいです。人気の割下は、シンプルな材料でゆっくり仕上げた店オリジナルの品です。

そんなトマトすき焼きは、実際に食べたお客さんに大きなインパクトを与えます。トマトの酸味と玉ねぎの甘味、肉の旨味がさっぱりとして美味しく、幸せな気分になりました。新しい発明のようなすきやきです、といった感想です。これまで味わったことがなかった3つの意外な味のコラボが人気を呼び、グルメをうならせます。

お客さんからの驚きの声は、ニンニクにも表れます。ニンニクがいいアクセントだった、というのです。調理では最初に玉ねぎとトマトを炒める時、ニンニクとオリーブオイルを使います。このニンニクが効いているのです。従来、和食でタブー視されてきたニンニクが、三田ばさらでは主役級の存在感を示し、人気を後押しします。

締めも変わっていて、こちらではパスタです。すき焼きを堪能した後、割下に赤ワインとグラニュー糖、さらにトマトピューレを入れ、最後に細長いリボン状のパスタ「タリアテッレ」を絡めます。溶き卵につけて食べるのが人気ですが、好みでパルメザンチーズもOKです。香りが良く大評判で、ランチでもいただけます。おすすめの一品です。

この店は徳島の料亭「青柳」の三代目店主、小山裕久氏による日本料理店で、トマトすきやきは小山氏の考案です。お店で使う甘辛醤油味の割下は、普通のすき焼きのものと同じですが、氏が考案したトマトすきやきはトマトの酸味がポイントになって甘、辛、酸の味の三角形を作り、味に奥行きと深みが出るといわれます。

店名の「ばさら」は漢字で「婆娑羅」と書き、遠慮なく勝手に振る舞うとか、華美な衣装などで飾ったり、ぜいたくを尽くしたりして、この世を謳歌するといった意味があります。酸味をトマトに求め、ニンニクやオリーブオイル、パスタなど和風料理の枠を超えた食材で新たな味を追求する姿は、この店名に秘められています。

ランチは11時30分から15時（ラストオーダーは14時）まで、日曜日を除く毎日行っていて、名物のトマトすきやき膳が2500円で楽しめます。すきやき鍋には和牛100gとトマト、玉ねぎ、バジルが付き、他に主菜、小鉢、ご飯、香の物、赤出汁、甘味と盛りだくさんで、コスパ抜群です。がっつり派には、肉の追加注文がおすすめです。

お店がすすめる「これだけは食べてほしいベスト3」の第3位は「豚の雲竜揚げ」です。豚の薄切り三枚肉に柿の種の粉末を衣にして揚げた逸品で、ピリッと効いた辛さがたまりません。しゃぶしゃぶは柔らかい150gの和牛が付いたレタスしゃぶしゃぶ懐石和牛が人気です。デザートはクリームブリュレ風でコクのある黒糖プリンがおすすめです。

2位が「車八寸」（5種盛合せ）。岩もずく、穴子の押し寿司、川海老のフライ、さつまいものレモン煮など旬の素材5種類の前菜です。上品な風味で見た目が美しく、女性に人気でおすすめのランチです。1位はやはりトマトすきやきがメインの「トマトすきやき会席和牛」で、堂々のトップです。

ランチで人気の牛しぐれ丼（1500円）は、ご飯の上に見るからに上質な牛肉がたっぷり乗って、玉ねぎとカイワレ大根、海苔が脇を固め、中央に温泉卵。食欲をそそります。柔らかい肉は薄めの味付けで、甘みと旨みが引き立ちます。崩した卵が、肉や歯ごたえのある玉ねぎ、カイワレの辛み、海苔の香り全体を包み、おすすめのランチです。

トマトの酸味が、昔から親しまれてきた伝統的な日本料理を劇的に変えてしまったというのが、すごいところです。トマトと玉ねぎと牛肉の、ミシュランも認める素敵なマリアージュといえるおすすめの一品「トマトすきやき」。ランチやディナーにぜひアクセスのいい三田ばさらを訪れ、新たな味を楽しんでみてください。