「純喫茶アメリカン」は大阪の人気レトロカフェ！気になるメニューなど紹介！

扉を開けるだけで気軽にレトロワールドを体験できる純喫茶。その中でも「純喫茶アメリカン」といえば、喫茶店件数日本一の大阪においても人気の純喫茶です。昔からの常連さんはもちろん、最近では観光客にも話題の「純喫茶アメリカン」は、昭和にタイムトリップした気分でモーニングやティータイムをゆったり楽しめるおすすめの空間です。

「純喫茶アメリカン」は、難波にある創業70年の大阪では著名な老舗喫茶店です。終戦翌年の1946年に創業されましたが、隣接建物の火災により店舗が半壊し、1963年に5階建ビルに建て替え今に至ります。現在は創業者の孫にあたる姉妹がお店を切り盛りしています。創業時から味はもちろん内装などにも上質なものを使った人気店だったそう。

きっちり作りこまれたお店は時代を経ても雰囲気を保ち、大阪市主催の「生きた建築ミュージアム」という文化イベントに何度も選出されてきました。生きた建築ミュージアムとは、歴史的近代建築から超高層ビル、有名建築家の名作、昭和独特の雰囲気が残る喫茶店まで、大阪の魅力的な建築を無料公開する、専門家からも人気のイベントです。

店内は豪華なシャンデリア、水玉柄の椅子、絵画や生花などで飾られたレトロモダンな雰囲気。メンテナンスが行き届いているからか、あまり古さを感じることがなく、ただ昭和へタイムスリップしたような気持ちになれる喫茶店です。椅子や絨毯などは全てオーダーメイドのこだわりで、食器類は大倉陶園とノリタケで揃えられているとのことです。

メニューブックはゴールドの星柄のおしゃれなデザインで、その厚みが豊富なメニューを物語っています。モーニングからランチ、ティータイム、そして夕食後のお茶まで一日中おすすめできるメニューが揃っています。ちなみにオープンしたのは敗戦後すぐだったため当時「アメリカン」という名は使えず「花月」という名前で営業していたそうです。

「純喫茶アメリカン」には親子3代で訪れるファミリーもいるそうで、中にはこのお店でお見合いをして結婚したご夫婦がその孫を連れて来店するといったケースもあるとのこと。店内の内装はもちろんのこと、サービスや味のクオリティ、徹底した清掃などといったあらゆることに厳しかった創業者の教えは、孫の代になった今でも守られています。

そもそも純喫茶とはどのような業態をさすのかご存知ですか？ひとことで言うと、アルコールを出さない喫茶店のことを意味します。明治末期には社交の場としてカフェが日本でも広まっていましたが、それに加えて昭和初期には、夜にはウエイトレスがアルコールを提供してクラブやバーのように接客をするといった業態も多く存在していました。

メニューに酒類がなくコーヒーなどを楽しむ喫茶店も一般的になっていたため、アルコールを出すスタイルを「特殊喫茶店」と呼び、そうでないものを差別化するために「純喫茶」と呼ぶようになったそうです。現在ではアルコール提供の許可をとった喫茶店もあるため、厳密な区別は難しいのですが、どこに重きをおくかがポイントのようです。

「純喫茶アメリカン」は大阪ミナミのど真ん中にあります。道頓堀と千日前通りの間にあり、難波駅からは徒歩約5分ほど。ちなみに難波の駅は路線によって場所が離れているので、JR難波駅や四つ橋線なんば駅からだともう少しかかります。千日前商店街を北上し、道頓堀の手前。華やかなショーケースが目につくので見逃すことはないはずです。

営業時間は9時から23時まで。定休日は第2・第3とその他の木曜日の月3回あります。店内は1階と2階があり、座席数は245席。純喫茶の性質上ということもあり、店内での喫煙は自由となっていますので気になる方はご注意下さい。座席との間が広いので、ヘビースモーカーが近くに座らない限りはあまり気にならないかもという声もあります。

「純喫茶アメリカン」に着いたらまず見て欲しいおすすめポイントが、圧倒されるようなサンプルケース！見ているだけで子供に戻ったようなワクワクした気持ちになります。ホットケーキ、プリン、パフェ、オムライス、スパゲティといった喫茶店メニューの数々がズラリと並ぶショーケースを眺めるだけで、ときめきを感じずにはいられません。

商店街を通行している人が足を止めて見入る姿をよくみられます。食品サンプルは純喫茶ではおなじみの光景かもしれませんが、「純喫茶アメリカン」のサンプルケースは格のある老舗らしく掃除やメンテナンスもよくできており、夏になるとかき氷といったメニューの入れ替えはもちろんですが、季節に合わせた装飾なども丁寧になされています。

「純喫茶アメリカン」ではモーニングが人気です。モーニングは日曜祝日を除く9時から11時まで実施しており、メニューは7種類。飲み物はコーヒー、紅茶、ミルクの3種類で、人気のホットケーキや定番のトーストといったフードとセットでお得になります。ちなみにモーニングが終わってから11時から14時までの間は、ランチセットがあります。

純喫茶というとコーヒーと思い浮かぶ人もいると思いますが、「純喫茶アメリカン」でもコーヒーはこだわりの一品。豆はブルーマウンテンを含む8種類をブレンドした自家焙煎で、どちらかというとストロング。店の雰囲気にも合う深みと香りのあるファンの多いコーヒーです。観光や出張で大阪を訪れた時にモーニングを利用する人も多いそうです。

「純喫茶アメリカン」の人気のメニューを紹介します。まずはモーニングでも人気のお店の看板メニュー「ホットケーキ」（570円）。ホットケーキ専門の厚手の銅板で1枚ずつ焼かれており、ふわふわした軽い口当たりのシンプルなホットケーキです。2枚重ねになっていてボリューム抜群。流行のパンケーキと比べて懐かしさを感じるビジュアルです。

「純喫茶アメリカン」のホットケーキの特徴として、ハチミツやメープルシロップではなくシロップをかけて食べること。生地に染み込んだバターの味が一層際立つと評判です。また、予め6等分されているところも嬉しいおもてなし。「食べやすさも美味しさのうち」と、フォークだけでも気軽に食べられます。ホットケーキはお持ち帰り可能です。

ホットケーキのアレンジバージョンも人気です。「スペシャルホットケーキ」はホットケーキのトッピングとして、たっぷりのフルーツと、基本のシロップの他にチョコレートシロップ、ブルーベリージャム、フレッシュクリームがのっています。飲み物とセットで1080円。程よい甘さのあんこがのった「小倉ホットケーキ」（700円）も人気です。

著名人のファンも多い「純喫茶アメリカン」のカスタードプリン。牛乳と卵の優しい味がする手作り感満載のクラシックな味です。お値段は550円。プリンを使用したデザートメニューおすすめで、中でも人気は「プリンファッション」（1240円）です。いわゆるプリンアラモードなのですが、フルーツがふんだんに使われていて見た目も華やかです。

プリンファッションにはバナナ、りんご、いちご、さくらんぼなどの他に季節のフルーツも使用されているので、夏にはスイカなども登場します。その他にプリンサンデーや夏季限定のかき氷にプリンが入ったものなど、カスタードプリンを楽しめるメニューがいくつかあります。プリンはお持ち帰りもできますので、手土産にされる人も多いそうです。

「純喫茶アメリカン」のケーキは、季節モノを含めて17種類。お値段は550円で、飲み物付のケーキセットにすると960円です。中でも可愛らしいビジュアルが目を引く「ひよこのピッピ」は一番人気。カスタードクリームとマンゴームースを使用しており、優しいお味。チョコのケーキとムースを使った「くまのベリー」というケーキも人気です。

ケーキセットの飲み物は、コーヒー、紅茶、ミルク、コーラ、カフェオレから選べますが、ケーキ単品とお好きな飲み物を選ぶ人も多くいます。飲み物だけでも30種類以上のメニューがあり、コーヒー類はもちろん、各種フルーツジュースやミックスジュース、ミルクセーキ、クリームソーダといったいかにも純喫茶らしい飲み物も豊富にあります。

大阪らしい人気のおすすめメニューとして「ビーフカツサンド」は外せません。「純喫茶アメリカン」のビーフカツサンドは常連客にも人気です。牛モモ肉だけを使用した食感のあるビーフカツに、手作りマヨネーズの優しいお味がマッチ。程よく焼かれたトーストに挟まれ一口サイズにカットされたビーフカツサンドは絶品。お値段は1250円です。

ビーフカツサンドが提供されるのは銀のトレイにレースの白いナプキン、というのも昭和レトロを感じされる素敵なポイント。添えられたポテトチップスも、一昔前の喫茶店的な感じがします。このスタイルは他のサンドイッチメニューも同様です。創業時と変わらないスタイルでの提供が、味だけでなく常連客の心も捉えていることがよくわかります。

たまごサンドといえば、ゆで卵を潰してマヨネーズとあえたものが挟んであるのを想像しがちですが、大阪でたまごサンドというとオムレツや卵焼きが入っているものが一般的です。「純喫茶アメリカン」のたまごサンドも厚焼き卵がサンドした大阪流。バターがきいていてふわふわのたまごサンドは、小腹がすいた時の軽食にもおすすめの一品です。

サンドイッチメニューはこのたまごサンドと先述のビーフカツサンドの他に、ミックスサンド、野菜サンド、ハムサンド、フルーツサンドがあります。モーニングのメニューにある「ミニサンド」は、モーニングの定番ホットケーキの次に人気のメニュー。ちなみにミックスサンドのたまごはゆで卵を潰してマヨネーズとあえたものが挟んであります。

「純喫茶アメリカン」のランチタイムには1130円でドリンクとサラダ付のサービスセットがあり、ピラフ、ビーフカレー、オムライス、チキンライス、ミートスパゲティ、イタリアンスパゲティが選べます。その中でも安定したファンの多いのが、ウスターソースをかけて食べるのがおすすめのチキンライス。福神漬けも昭和の気分にさせてくれます。

イタリアンスパゲティもまた、昭和の喫茶店を代表する外せないおすすめメニュー。大きめにカットされたソーセージや野菜などが、ケチャップを主とした濃厚なソースに絡まって食べ応えのある一品です。麺も太めでもちもち。タバスコをかけて食べるのもおすすめです。これぞ純喫茶といったイタリアンスパゲティは期待を裏切らない味です。

ケチャップも「純喫茶アメリカン」の特製のもの。ケチャップを入れた後は、強火で麺を焼き付けるように仕上げるのがポイントだそうです。イタリアンスパゲティのお値段はサラダ付きで870円、飲み物とサラダのセットで1240円です。ちなみに大阪では「ナポリタンスパゲティ」のことを「イタリアンスパゲティ」と呼ぶことが多いそうです。

メニューのところでもいくつか触れましたが、「純喫茶アメリカン」にはお持ち帰りができるメニューがいくつかあります。店内にも書いてありますが、プリン、ケーキ、ホットケーキ、サンドイッチがテイクアウト可能なのですが、お土産用の箱がまた可愛くて素敵。味はもちろん、ビジュアルもおもたせにしてもとても好評なのでおすすめです。

人気メニューであるホットケーキとサンドイッチには、センスの良い黄色い箱に入れて、星マークのおしゃれな包み紙でラッピングをしてくれます。ホットケーキは店内と同じシロップ付き。ホットケーキは冷凍して発送もおこなっており、全国から注文がきているとか。大阪を離れてもこのホットケーキを忘れられないと言う人もいるそうです。

テイクアウト用のカスタードプリンはひとつ260円で、アメリカンの星マークのロゴ入りの蓋がついたカップ入り。優しいグリーンに黄色い星柄のケーキボックスに入れてくれます。大阪なんばという立地もあり、お笑いや喜劇などの舞台の差し入れなどにもよく使われているそうです。著名人のおすすめのお持たせなどでもよく紹介されています。

「純喫茶アメリカン」は決してリーズナブルなお店ではありませんが、その味と昭和にタイムスリップした体験を加味すると十分満足のいくおすすめの純喫茶です。店員さんのパリッとした制服姿も要チェック。大阪でのモーニングにも最適。名物ホットケーキと素敵な空間を体験でき、モーニングから夜喫茶まで使えるお店、是非訪れてみて下さい。