琵琶湖一周サイクリングするなら？おすすめルートや所要時間を徹底調査

琵琶湖は滋賀県を代表するスポットです。琵琶湖には湖の周りをぐるりと一周できるサイクリングコースがあります。さわやかな風をきって琵琶湖を一周するサイクリングは最高の気分です。日々のストレスが吹き飛び心地よい疲れとフレッシュな気分にひたれます。今回は琵琶湖を一周できるサイクリングコースを大特集します。ルートや距離の情報もあります。

滋賀県といえばまず思い浮かぶのが琵琶湖です。総面積は660㎡以上、一周の距離は240㎞と日本最大の大きさを誇る湖です。琵琶湖は琵琶湖大橋を境に北湖と南湖とも呼ばれています。湖南、湖東、湖北、湖西と、滋賀県内は琵琶湖を中心にして4つのエリアに分かれます。琵琶湖は地域を分けるほど広く、近畿地方の水の供給源としても大きな存在です。

ドライブに遊覧船、遊歩道など琵琶湖にはさまざまなアクティビティがありますが、一番おすすめしたいのが、自然の風をダイレクトに感じられるサイクリングです。とりわけ琵琶湖の周囲をぐるりと一周巡るサイクリングは達成感があっていちおしです。琵琶湖の湖畔には数多くの見どころがあり、サイクリングの計画を立てる段階からわくわくと楽しめます。

そして琵琶湖でサイクリングを楽しむなら、一度は挑戦したいのが琵琶湖を一周するコースです。琵琶湖の南側、東側、北側、西側とそれぞれ異なる見どころを漫喫しながら、琵琶湖の魅力をすみずみまで楽しむことができます。琵琶湖を一周するサイクリングはビワイチの名称で呼ばれ、自転車愛好者のかたがたを中心に近年では特に注目を集めています。

琵琶湖を一周する距離は241㎞です。琵琶湖一周のサイクリングでは湖畔から少し離れた道路も自転車で走るため、一周の241㎞にさらに距離がプラスされます。あちこちの見どころをめぐると、自転車での走行距離は一周270㎞ほどになるはずです。ちなみに琵琶湖の下部にある琵琶湖大橋から北側の北湖を一周する場合は160㎞が走行距離となります。

長い走行距離から見ても、琵琶湖一周のサイクリングにおすすめの季節は春または秋と言えます。琵琶湖の一周240㎞を超えるサイクリングはやはり中上級者向けです。具体的には琵琶湖一周のサイクリングには2本のコースがあります。琵琶湖を一周する2本のコースは、いずれも愛用の自転車で自分の走りが出来てきたらぜひ挑戦してみたいコースです。

琵琶湖を北と南に区切る琵琶湖大橋は、琵琶湖の最も細い部分にかかっています。そのため北側の周囲の距離は約160㎞、南側の周囲の距離は80㎞となります。北湖の一周はいわばメインのサイクリングコースです。ちなみに琵琶湖一周のサイクリングはビワイチの名称でも呼ばれます。北湖一周を完走できたら、北のビワイチを達成ということになります。

自転車の走行距離は湖畔だけでも240㎞、健脚に自信のある自転車好きのかたにおすすめしたいのがこちらの一周コースです。北湖と南湖を区切らずに両方を一周するコースです。ビワイチ、琵琶湖一周サイクリングの完全な達成を目指すならこちらのコースが最適です。途中に見どころの観光や休息を挟みながら琵琶湖の魅力を堪能するサイクリングができます。

琵琶湖一周は自転車の中上級者のかたに、ぜひ挑戦してほしいコースですが、240㎞を超える距離を一気に走るのは肉体的にかなりきついものです。実際に走ったかたからは、ペダルをこぎ続けるだけで、周辺の見どころに寄る余裕もなかったという声も聞かれます。日帰りもいちおう可能ですが、ゆったりと琵琶湖を楽しむなら宿泊しながらの日程がおすすめです。

自転車で琵琶湖を一周するなら、途中で宿泊しながらのサイクリングがおすすめです。1泊2日か可能であれば2泊3日が最適と言えます。時間にゆとりをもって、途中の観光や食事などを存分に楽しめます。琵琶湖の周囲はホテルや旅館など宿泊施設が充実しています。また湖畔にはおごと温泉や比良招福温泉などもあり、自転車で疲れた足を癒すことができます。

大津市と草津市を結ぶ近江大橋は琵琶湖南端部に位置する全長1.2㎞の無料道路です。琵琶湖と瀬田川のつなぎ目にあたります。以前は自動車の通行が有料でしたが、現在は自動車も無料となっています。近江大橋の草津市側にはイオンモールがあります。湖面に反射する光を眺めてリラックスできます。少しのんびりとした湖畔の景色が魅力です。

近江大橋は国道1号線のバイパスです。もともとの開通は昭和49年でしたが、平成7年に全面4車線に改良され現在に至ります。近江大橋の周りは大きな木がある自然豊かなスポットです。約30分間でゆっくりと歩いて橋を渡ることができます。琵琶湖に浮かぶボートやヨットがよく見えます。近江大橋では自転車を降りて歩いてみるのもおすすめです。

近江大橋は県庁所在地の大津市と商業の中心地草津市を結ぶ要所のため、朝晩の通勤通学の時間帯を中心に渋滞が起こります。しかし自転車なら渋滞に巻き込まれる心配はいりません。自転車と歩行者の専用通路を楽に走り抜けることができます。毎年夏に行なわれる、みたらし祭りでの花火の時には近江大橋はいっそう外せない見どころとなります。

大津市にある柳が崎湖畔公園は、琵琶湖のほとりに広がる大規模な公園です。2002年にオープンしました。公園内にはきれいに整備されたイングリッシュガーデンがあり、多彩な草花とバラを楽しめます。船の発着場が近いため、ゆっくりと時間をとって大きな船を眺めながらの散策もおすすめです。バラは例年5月の終わりから6月にかけて見ごろを迎えます。

柳が崎湖畔公園のイングリッシュガーデンでは、バラのシーズンは週末を中心に演奏会などのイベントも開催されています。また桜とチューリップが満開になる春の季節もおすすめです。近年では冬季限定のライトアップにも人気が集まっています。柳が崎湖畔公園の入場料は大人270円、小中学生は140円です。

びわ湖大津館は旧琵琶湖ホテル本館の建物を使ったクラシカルな雰囲気の施設です。建物内にはレストランやギャラリーがあり、前庭には美しい花壇とイングリッシュガーデンが整備されています。旧琵琶湖ホテルは国内外からの要人をもてなす格式ある宿でした。その伝統を生かして、現在は琵琶湖を一望できるフレンチレストランを楽しめます。

びわ湖大津館のフレンチレストラン「ベル ヴァン ブルージュ」では四季折々の琵琶湖の景色を眺めながら、創作フレンチを味わえます。シェフのおすすめランチはコースで2160円、店内にはテラス席もありサイクリングの途中でもゆっくりとランチを楽しめます。専用の駐輪スペースがあるため、愛用の自転車から離れている間も安心です。

次にご紹介するおすすめは瀬田の唐橋です。瀬田の唐橋は大津市唐橋町にあり、日本書紀にも登場するほどの長い歴史を誇ります。織田信長によって大橋と小橋に分けられました。現在かかる橋は昭和54年にかけ替えられたものですが、優美な形はかけた当時の姿を思わせます。瀬田の唐橋は京都の宇治橋、山崎橋と並ぶ日本の三名橋とも言われています。

瀬田の唐橋は室町時代の連歌に登場し、瀬田の長橋と歌われて、格言「いそがばまわれ」の語源となりました。これは当時にあった海路は危険なので回り道でも瀬田の長橋を使ったほうが京都へ早く着くといった意味が込められています。長い歴史のある瀬田の唐橋では、自転車から降りて琵琶湖の湖面をのんびりと眺めてみてはいかがでしょうか。

瀬田の唐橋の全長は約220ｍで琵琶湖の最南端にあたる部分に位置します。橋の道路は県道2号線大津能登川長浜線にあたり朝夕は渋滞が起きる交通の要所となっていますが、東海道や中山道といった昔の面影をしのばせるスポットです。戦国の武将武田信玄が最期のときに「瀬田橋に風林火山の我の旗を立てよ」と言ったという伝説も残っています。

大津市で話題を集めている見どころが、大津港に設置されたこちらのびわこ花噴水です。世界最大の長さの噴水から最大40ｍの放水が次々とされる光景は圧巻です。放水の角度が変わり、見ているうちに噴水のショーを観賞している気分になれます。ライトアップされた夜の幻想的な花噴水もおすすめです。

ライトアップでは緑とオレンジ、白の3色が大津港の夜空を彩ります。花噴水が見られる時間ですが、平日は昼と夜、土日祝日は昼と夕方、夜となっています。詳しい時間は大津市のサイトで確認できます。昼間に見るならば、涼しさを感じる夏が特におすすめです。なお第2第4水曜は点検のため噴水の放水が行なわれないので注意が必要です。

宿泊をして琵琶湖一周のサイクリングをするなら、湖畔から少し距離のある見どころにも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。こちらの近江神宮は滋賀県だけでなく近畿地方を代表するパワースポットです。天智天皇を御祭神として開運、文化、産業の守護神として知られています。近年では「ちはやふる」の舞台となったかるたの聖地としても有名になりました。

近江神宮では百人一首の名人戦も行なわれ、全国からかるた好きが集まります。石段の正面に見える朱塗りの楼門はぜひカメラに収めたい眺めです。近江神宮の境内は緑豊かな森の中ですが、高台にあるため琵琶湖が見える場所もあります。近江神宮は天智天皇が都を移した近江大津宮の面影を残す、歴史と格式のあるパワースポットです。

近江八幡の街並みは歴史のある商家が建ち並ぶ水郷として有名です。近江八幡は琵琶湖の中央部の東側に位置し、古くから近江商人が栄える商業都市として発展してきました。市内の中心部では、時代を思わせる水路をたどりながら郷土資料館・歴史民俗資料館・旧西川家住宅といった歴史的な建造物を歩いて観光することができます。

近江八幡市立郷土博物館では元八幡警察署などのアメリカ人建築家ヴォーリズが設計した明治時代の洋風建築を見ることができます。また近江八幡市には安土城や日牟禮(にちむれ)神社といった数々の見どころもあります。駐車場を気にせずに気ままに市内めぐりができるのもサイクリングの旅ならではと言えます。

琵琶湖一周のサイクリングとして、やはり国宝彦根城は外せないイチオシのスポットです。堂々とした趣きの天守閣、重要文化財に指定されている櫓(やぐら)、庭園など時間をかけて見ておきたい人気の名勝です。彦根城は極めて保存状態のよいお城として全国的にも数少ない貴重な歴史的建造物となっています。彦根城博物館では井伊家の資料を展示しています。

彦根城は別名金亀城といい、井伊直継によって1622年に築城されました。国宝に指定されている天守閣は各階ごとに柱を立てて建築されています。鉄砲用の壁の穴や江戸時代当時の姿のままの石垣など、歴史の魅力があふれる名城です。彦根市の観光スポットでは口コミで一番の人気です。

彦根城ではおなじみのキャラクターひこにゃんが毎日登場します。彦根城は琵琶湖東側のサイクリングで必ず押さえておきたい見どころです。また彦根城以外にも、彦根市内には井伊神社やスミス記念堂といったさまざまな名所旧跡があります。彦根市街に自転車で向かって、名物料理の近江牛や鮎に舌鼓を打つのもおすすめです。

みずどりステーションは琵琶湖の東北部に位置するさざなみ街道沿いにある道の駅です。琵琶湖の自然のなか新鮮な空気を思いきり吸い込んでみてはいかがでしょうか。みずどりステーションでは可愛らしい野鳥と幻想的な琵琶湖の景色を楽しめます。特に日が沈んでいく夕方の光景は見事で、夕陽100選にも選ばれたほどです。

初冬にはコハクチョウや国の天然記念物オオヒシクイを観察できます。また建物内には長浜市とその周辺の名物を集めた特産品コーナーがあります。毎朝獲れたての野菜や果物、小鮎やわかさぎなど琵琶湖産の魚など安全でおいしい食材がそろっています。獲れたてを調理する天ぷらや佃煮もおいしいと人気です。

余呉湖(よごこ)は琵琶湖の東北側、長浜市にあるきれいな湖です。周囲の景色をありありと映す湖面の美しさから、鏡湖(かがみこ)の別名があるほどです。余呉湖には天女の羽衣の伝説が残っていて、古くから多くの人を魅了してきました。静かな湖面を眺めてリラックスした時間を過ごせます。特産物のイワトコナマズやワカサギなど多くの魚も生息しています。

余呉湖のほとりは遊歩道が整備され、賎ケ岳の山並みを眺めながら自転車を降りての散策も楽しめます。真冬にはワカサギ釣りが人気です。余呉湖は余呉駅から自転車でわずか数分です。そのまま自転車で長浜市街に向かい、フナ料理や冬に楽しめる天然のマガモなど長浜の名物料理に舌鼓を打つのもおすすめです。

大津市と守山市にかかる全長1400ｍの有料橋です。琵琶湖の東側と西側を結ぶ、滋賀県の交通の要所となっています。朝のさわやかな時間帯、日が沈む時間の幻想的な光景、夜のライトアップと一日の中で表情が変わるきれいな構造の橋です。琵琶湖大橋は湖面からの距離が比較的離れているため、橋から見るキラキラとした湖面が印象的です。

琵琶湖はこちらの琵琶湖大橋を境にして、北側を北湖または太湖、南側を南湖と呼ばれています。自転車は自転車歩行者専用道路を通行できます。橋の上からは、まるで海のように見渡す限りの湖面を眺めることができます。自転車の道路は平坦で登るのがきつい坂もなく、気分よく楽しくペダルをこげる道のりです。

また琵琶湖大橋のふもとには道の駅琵琶湖大橋米プラザもあります。新鮮な野菜にお米、鮒ずしなど特産品が所せましと並ぶ直売所おいしやうれしや、近江牛や滋賀県産豚肉などのメニューが楽しめるレストランが人気です。大きな窓から琵琶湖大橋を眺めながら、腹ごしらえができます。

道の駅琵琶湖大橋米プラザは琵琶湖大橋の西側のふもとに位置します。米プラザの名称は、おいしいと評判の近江米から付けられました。営業時間は夏季9時から19時まで、冬季9時から17時までです。晴れた日には外のテラスがサイクリングの休憩に最適です。2階の展望台には案内板が設置され、琵琶湖一周で見える山々も確認できます。

全長約240㎞の琵琶湖一周のサイクリングは、ほぼ同じコースを自動車で楽しむことができます。遠方から愛用のバイクを積んだ自動車で到着し、そのままサイクリングに出発するのもおすすめです。琵琶湖の周辺では自動車と自転車が並走する道路には路上に矢羽根のマークがついています。このマークの存在で、より安全に気を配って自動車の運転ができます。

一周240㎞という走行距離から考えてもバイクの選択はとても重要です。バイクを正しく選択することで、一日中ペダルをこいだ疲れを軽減できます。おすすめのバイクはロードバイクとクロスバイクです。舗装路で走りやすいシンプルな造りが特徴のバイクです。マウンテンバイクでも一周できますが、その場合は舗装路用タイヤに替えることをおすすめします。

またこのほかのバイクの選択肢としては、折りたたみ可能な小型バイクもあります。小型バイクは電車で移動してのサイクリングの場合は持ち運びの楽さに定評がありますが、琵琶湖を一周するサイクリングには向いていません。琵琶湖一周には、長い走行距離を耐えられるバイクとして、やはり変速機が付いたロードバイクとクロスバイクがおすすめです。

見どころをめぐりながらゆっくりとペダルをこぐ場合でも、琵琶湖をぐるりと一周するサイクリングは中上級者向けと言えます。でも一周はしないコースでしたら、所要時間も1時間からですので初心者のかたも十分に楽しめます。初心者向けでおすすめなのが大津港から出発するなぎさのテラスコースです。ゴールのなぎさ公園まで湖畔の風を受けて楽しめます。

またびわこ文化公園のコースも初心者のかたにおすすめです。こちらは途中の美術館や図書館などにも立ち寄れる1時間から2時間のサイクリングコースです。サイクリング初心者のかたはご自分のロードバイクやクロスバイクにまず慣れることが優先です。短いコースならば、疲れすぎずにご自分のバイクのクセやこぎ方を習得できます。

琵琶湖一周のサイクリングについて、おすすめのコースや見どころなどをご紹介してきました。滋賀県が誇る琵琶湖は見渡す限りの湖面が続く雄大な自然と歴史を感じる湖畔の名所旧跡の数々が自慢です。駐車場の有無を気にせずにふらりと観光地をめぐる気ままさもサイクリングの魅力です。皆さんもぜひ琵琶湖を一周するサイクリングを楽しんでみてください!