上野東照宮を参拝しよう
東京都台東区の上野公園にある上野東照宮には、徳川家康公始め吉宗公、慶喜公が祭神として祀られています。家康公を祀る東照宮は日光や久能山など、全国に数多くありますが、東京では上野のみとなります。ここでは、そんな上野東照宮について、アクセスや見どころ、ぼたんの見頃の時期、ご利益やパワースポット、御朱印、お守りなどの情報を交えて紹介します。
上野東照宮へのアクセス
上野東照宮への電車によるアクセスの場合、JR上野駅公園口からは徒歩約5分でアクセスできます。東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅不忍口からは徒歩10分、京成電鉄京成上野駅池之端口からは徒歩5分でそれぞれアクセス可能です。車でのアクセスの場合は、首都高速1号上野線入谷出口で降車してすぐアクセスできます。
車でアクセスする場合、上野東照宮専用の駐車場がありませんので、近隣の有料駐車場に駐車します。上野駅西側の上野恩寵公園第一駐車場にアクセスすれば約100台の車が駐車できます。この駐車場は60分400円となっており、それ以降は30分毎に200円が加算されます。上野公園周辺は混み合うことが予想されますので、公共の交通機関によるアクセスをおすすめします。
上野東照宮の歴史
上野東照宮は、1627年に、家康公の遺言により、天海僧正と藤堂高虎公によって、寛永寺境内に創建されました。天海僧正は、藤堂高虎公の屋敷であった現在の土地を拝領し、東叡山寛永寺を開山しました。境内には多くの伽藍などが建てられ、1627年にその一つとして建てられた神社、東照社が上野東照宮の始まりです。
上野東照宮は、1646年に朝廷から正式に宮号を授けられて東照宮となりました。現存する社殿は、1651年に三大将軍家光公が造営替えをしたもので、離れた場所にある日光までお参りに行くことが困難な江戸の人々のために、日光東照宮に準ずる豪華な社殿、金色殿を建立しました。
幕末に起こった上野戦争では、寛永寺の伽藍などが多数消滅するなどの被害が出ましたが、幸運にも上野東照宮は災禍を免れました。また太平洋戦争では、社殿のすぐ裏に爆弾が投下されましたが不発に終わり、社殿は無事でした。江戸期に比べ境内他は縮小しましたが、社殿が災禍を免れたことにより、この神社には強運な家康公の御霊が宿っているという評判が高まりました。
上野東照宮の営業時間と入場料
見どころ満載の上野東照宮の営業時間は朝9時から夕方の4時30分までで、年中無休です。拝観料は中学生以上の大人が700円で、小学生以下の子供は無料となっています。また、20名以上の団体は600円で拝観できます。神社内にあるぼたん苑への入苑料は別に700円かかりますが、ぼたん苑、社殿共通券が1100円で販売されています。
上野東照宮の見どころ
上野駅からアクセスの良い上野東照宮は、戦争や地震、火災などの災禍を免れ、建物の一部や燈籠などが重要文化財に指定されています。入口付近の大石鳥居や、お化け灯籠、手水門、透塀、金色殿、御神木、御狸様と呼ばれる栄誉権現社、そして、年に2度見頃を迎えるぼたん苑など、見どころとパワースポットに溢れています。
上野東照宮の境内
上野東照宮の境内は日光東照宮ほど広くはありませんが、歴史を感じさせる伽藍や燈籠などに溢れ、魅力的な境内となっています。この境内は、大石鳥居やパワースポットと言われる栄誉権現社、社殿である金色殿などの建物やお化け灯籠、銅灯籠、更には春と冬の2度に渡り見頃を迎えるぼたん苑など、見どころ満載です。
上野東照宮の境内1:大石鳥居
上野公園内から上野東照宮の東側にある大石鳥居をくぐって金色殿に向かいます。見どころの一つ、大石鳥居は、1633年に江戸幕府の老中、酒井忠世公により奉納され、関東大震災でもびくともしなかったと云われており、この大石鳥居は国の重要文化財に指定されています。大石鳥居の左側にはお化け灯籠があります。
上野東照宮の境内2:お化け灯籠
見どころの一つであるお化け灯籠は1631年に織田信長に仕えた武将、佐久間盛次の四男、佐久間勝之氏によって奉納された、高さ6.8メートルを誇る大きな石灯籠で、京都南禅寺、名古屋熱田神宮の大灯籠とともに、日本三大石灯籠の一つに数えられています。灯籠は、その巨大さからお化け灯籠と呼ばれて親しまれています。
上野東照宮の境内3:不忍鳥居
大鳥居から表参道を進んだところに手水門があります。この手水門をくぐって左側に行けば、見どころに溢れたぼたん苑の入口があります。更に表参道を進んでいくと左側に池之端参道が見え、その先に御影石でできた不忍鳥居があります。この鳥居は1873年に江戸城内紅葉山東照宮にあった鳥居を移したものです。
上野東照宮の境内4:神楽殿と銅灯籠
表参道の右側には寛永寺の五重塔があり、その隣には神楽殿があります。神楽殿は1874年に深川木場組合により奉納されたもので、屋根の勾配の美しさは見応えがあります。そして奥に進むと48基の銅灯籠があります。これらの灯籠は江戸期に諸大名から奉納されたもので、国の重要文化財に指定されています。
上野東照宮の境内5:石灯籠
参道の両脇にある200基の石灯篭は、1651年にやはり諸大名によって奉納されたものです。この見どころの一つである灯籠は神社を照らす灯りとして使われますが、諸大名は、灯籠の奉納によって、徳川幕府に恭順を示す証としたものです。その先にある唐門は1651年に造営されたもので、柱内外の四額面には、左甚五郎作の昇り龍、降り龍の彫刻が見られます。
上野東照宮の境内6:唐門
表参道を進むと金色殿の手前に金箔が用いられた唐門があります。唐門の先からは拝観料が必要となります。唐門の上部にある錦鶏鳥、銀鶏鳥の透彫りには精緻な技術が施されており、繊細で美しく、室町から安土桃山時代の技術の粋を集めて造られたものとして高い評価を得ています。内側の透彫りは諫鼓鳥(かんこどり)という中国の故事に由来しています。
上野東照宮の境内7:金色殿
国の重要文化財に指定されている透塀は、上段には野山の動物と植物が、下段には色鮮やかな海や川の動物が200枚以上描かれています。透塀を入ると、目の前に金色の社殿があります。この見どころ満載の金色殿は、拝殿、幣殿(石の間)、本殿の三つの部屋からなる権現造りとなっており、国の重要文化財の指定を受けています。
上野東照宮のご利益
上野東照宮には、戦国の世を生き抜き日本を治めた徳川家康公が祀られており、必勝と強運のご利益が強いパワースポットに溢れた場所と云われています。そのため、学業成就、受験、就職合格、出世開運など、勝ち運にまつわるご利益が大きいそうです。上野東照宮は、戦争や地震、火災などの災禍からも免れてきただけに、この神社に対する人々の信仰心も大変強いようです。
上野東照宮のぼたん苑
上野東照宮の中にぼたん苑があります。このぼたん苑は、1980年に日中友好の記念として開苑しました。現在、中国ぼたん、アメリカ品種、フランス品種など、500株を超えるぼたんがこのぼたん苑で育っています。ぼたんの花は、奈良時代に中国から日本に伝えられ、江戸期以降、栽培が盛んになりました。ぼたんは富のシンボルとされ、「富貴花」とも呼ばれます。
ぼたんはまた、俳句の季語としても多く詠まれており、絵画や家紋としても使われてきました。ぼたんには、二期咲きの性質を持つ品種があり、このぼたん苑では、春ぼたんと冬ぼたんが楽しめます。春ぼたん祭は、4月中旬から5月中旬にかけて行われます。入苑料は、中学生以上の大人が700円、小学生以下の子供は無料で入苑できます。
春咲きの品種を人工的に温度調整をし、手間をかけて冬に咲かせるというのが冬ぼたんです。一方、春に咲こうとする花の蕾を摘み取り、夏の終わり頃に葉も摘み取って咲く時期を遅らせるものが寒牡丹です。寒牡丹の着花率は2割以下と低いのですが、お正月の縁起花として、苑内には200株の冬ぼたんの他に、大切に育てられた寒牡丹があります。
冬ぼたん祭は1月1日から2月下旬まで行われます。開苑は9時30分から夕方4時30分までで、大人700円、小学生以下が無料となっています。20名以上の団体は割引により、一人600円で入苑できます。お休み処で温かい甘酒やお茶を飲みながら、可憐に咲く冬ぼたんと寒牡丹をゆっくり愛でるのもいいものです。
冬ぼたんは温度調節をして冬に咲かせるため、見頃の花は鉢ごと土に埋められます。また、花と葉が同時に咲きます。一方、寒牡丹は葉を摘み取って花の咲く時期を遅らせるため、葉がありません。緑の葉があるものは冬ぼたん、葉が無く花だけ咲くのが寒牡丹となりますので、簡単に見分けることができます。
上野東照宮のパワースポット
数々の震災の災禍から免れてきた上野東照宮は、神社そのものに強いエネルギーが備わるパワースポットと言われています。その中でも特に、社殿である金色殿は、最も強力なパワーの備わるパワースポットとして、拝観者からの強い信仰を受けています。参拝者の中には上野東照宮のご利益に預かろうと、度々この地を訪れる人々も少なくありません。
上野東照宮の御神木は、樹齢約600年ほどの大楠で、25メートルほどの高さがあります。この大楠は、上野東照宮創建以前からこの地を見守り続けてきました。数々の戦火や震災からも免れてきたこの大木は、強いパワーが宿るパワースポットと言われています。正に、この御神木は上野東照宮でも最上級のパワースポットです。
上野東照宮境内にある栄誉権現社は御狸様とも呼ばれ、社殿脇に祀られています。この権現社は強運の開祖と云われており、受験合格、就職合格、必勝祈願のご利益があるそうです。この御狸様のたぬきは他を抜くという意味にも取られ、縁起の良いパワースポットとして崇拝されています。
上野東照宮の御朱印
上野東照宮の御朱印は唐門左手の授与所で拝受できます。御朱印の初穂料は300円となっています。女性神職による御朱印ですが、流れるような見事な筆運びで力強くしっかりした文字が書き込まれます。ぼたん祭り開催時に限りぼたんの印判が追加されますので、限定御朱印が欲しいという人にはぼたん祭りの時期に拝観することをおすすめします。
ゴールデンウイークの期間中には、金の葵紋が押される限定御朱印が拝受できます。更に、春の桜の季節には、書置きないしは書入れ済み御朱印帳での授与に限り、桜開花時の週末のみ、桜の印判が追加されます。ただし、桜の季節やゴールデンウイークの時期には混雑が予想されますので、その覚悟を持って拝観する必要があります。
上野東照宮の御朱印帳
上野東照宮の御朱印帳は2種類あります。紺の御朱印帳には昇り龍と降り龍が描かれており、いかにもパワーとご利益をもらえそうな力強いデザインが施されています。白を基調にした御朱印帳には、三つ葉葵社紋が刻まれており、パスカルカラーの淡いデザインが好評です。どちらも御朱印代を含めて1500円となっています。
上野東照宮のお守り
上野東照宮には様々なお守りがあります。他抜守は必勝、出世、受験、就職成功祈願のお守りで、裏側には「他を抜く力を授けん 上野東照宮」と書かれており、ご利益が大きいと人気があります。学業成就守は、学業成就、合格祈願のお守りで、白地に緑と赤を施した2種類の清楚なお守りです。どちらも初穂料500円です。
勝守は「勝」の字が力強い必勝のお守り、印籠守は葵の紋が入ったユニークな印籠型の開運祈願のお守りです。縁結び守は、可愛いリボン型のお守りで、ピンクと青の2種類があります。安産守は、安産祈願、子供の成長祈願のお守りで、30年前まで授与されていたお守りの復刻版です。古風な中にも霊験あらたかな雰囲気を感じさせる、ご利益が大きそうな御守です。
忍者守は、忍者の持つ手裏剣をモチーフにした独創的なお守りで、車のライトに強く反射するリフレクターの材質を持つ交通安全開運厄除のお守りです。子供守はパンダがモチーフの可愛いお守りで、青と赤があります。この他にも上野東照宮には、しあわせ守や仕事守、花暦など種々のお守りがあり、それぞれ初穂料500円で拝受できます。
上野東照宮の絵馬
上野東照宮の絵馬は、2種類あります。一つは栄誉権現の絵馬で、他に抜きんでると言われるユーモラスな御狸様とぼたんが描かれています。もう一つの絵馬はご利益の大きそうな徳川家康公の兜の絵馬で、絵馬に描かれた黒地に金と赤の兜からは質実剛健の気風が漂い、身の引き締まる思いがします。
上野東照宮の貼御守と御朱印帳袋
絵馬はどちらも600円で購入できます。この他にも、貼御守が金、銀2種類で各300円で購入できます。開運厄除安全祈願のお守りはステッカースタイルになっており、手帳やSMS、自動車などに貼ることができます。また、御朱印帳と同じデザインの御朱印帳袋が紺と白の2種類あり、それぞれ2000円となっています。
上野東照宮を満喫しよう
上野東照宮は台東区上野公園にある神社で、徳川家康公が主祭神として祀られています。この神社は、明治維新時の上野戦争や関東大震災、第二次世界大戦時の東京大空襲などの災禍を免れた奇跡的な神社です。ここではそんな上野東照宮について、アクセスや見どころ、ご利益、パワースポット、御朱印、お守り、ぼたんなどの情報を交えて説明してみました。
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