出流原弁天池湧水は名水百選の有名パワースポット！見どころや紅葉の時期まとめ

栃木県は日光や那須高原など、紅葉の名所が多いです。秋になると山は真っ赤に染まり、関東からアクセスもしやすいので紅葉狩りに訪れる人も多いです。中にはパワースポットもあり、癒し効果だけでなく運気がアップするご利益のある場所もあります。秋から初冬にかけて絶景が見れるためドライブにもおすすめです。

「出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)」は栃木県佐野市出流原町にある池です。水は淡水、汽水淡水でとても澄んでいて1985年に栃木県指定天然記念物に指定、池の水源は「出流原弁天池湧水」として名水百選に選定されました。周りを緑に囲まれ、底まで見える透明度を保った池は、この世のものとは思えないほどの美しさです。

出流原弁天池は佐野市街地から北西約6kmの位置にあります。自然豊かな場所にあるため、周りの空気も澄み切っていますが、ICも近く車でのアクセスが便利です。秋には周りが紅葉に包まれ真っ赤にそまります。湧水だけでなく、その美しさだけでも栃木の観光スポットとして有名ですが、栃木のパワースポットとしても有名です。

岐阜県の根道神社脇にある貯水池はその美しさからモネの池のようと呼ばれ、多くの人が見に行きました。透明な池に蓮の葉が美しく、テレビでも話題となりました。実は、出流原弁天池もモネの池のように美しいと地元では親しまれているのです。蓮の花はなくとも、その透明な池に映る苔や木々の美しさは、絵画のようです。

晴れた日は真っ青な空と緑の木々が行けに映し出されて、周りも水面も一枚の絵画のように美しくなります。紅葉が色づくころには赤色も加わり、朱色の額縁のような写真を撮ることができます。花の代わりにすいすいと泳ぐ鯉がアクセントになる瞬間もあり、夢中で写真を撮ってしまう絶景です。

佐野市北域の水源にあたる後山は、秩父古生層の石灰岩で形成されていて鍾乳洞から湧水があふれだしています。古生層石灰岩の層がフィルターの役目をしているため、水は濾過されとても澄んでいるのです。この天然のフィルターが日本名水百選に選ばれた湧水を作り出しています。佐野でもこの湧水が家庭用水としても使われています。

水温は年間を通し約16度。薬品などを使っていないため、水の中では鯉などの魚もすいすいと泳いでいます。流出した水は料亭の庭の池や養魚場や磯山公園の池に利用されて、湧水を利用した釣り堀もあります。下流の灌漑用水にも利用されています。出流原弁天池は湧水は売店でも購入することができます。

出流原弁天池はその池の美しさとは別に、もう一つの見どころがあります。それが「磯山弁財天(いそやまべんざいてん)」です。出流原弁天池と磯山弁財天は鎌倉時代に作られたものです。さらに奥には湧釜神社もあり、出流原弁天池の周辺にはご利益のあるパワースポットとなっています。

出流原弁天池の磯山弁財天を作ったのは平将門討伐で有名な藤原秀郷(ふじわらのひでさと)とされています。藤原秀郷は俵藤太(たわらのとうた)という名でも有名で、お芝居などでも有名です。俵藤太がムカデ退治をした折にお米が尽きることのない俵をもらったという伝説もある神秘的な人物です。

湧釜神社の周辺は苔に包まれ、その中に奉られた蛇の像が生えているように置かれていて神秘的な雰囲気があり、磯山弁財天は朱色の印象を引く色合いになっています。磯山弁財天の方だけお参りする人もいますが、湧釜神社のほうがひっそりとしていてパワーが貯まっているという人もいます。

出流原弁天池は歴史ある池。その池にまつわる物語があります。「朝日長者伝説」と呼ばれる昔話です。昔出流原にいた朝日長者が、子宝に恵まれなかったので、出流原弁天池の近くに奉られている出流原弁天池神社の出流原弁天に子授けの願掛けをしました。するととても美しい女の子「鶴姫」が産まれました。

朝日長者は鶴姫をとても大切に育てましたが、齢十八の時、山に遊びに入ったまま行方不明となってしまいました。大事な鶴姫を失くしてしまった長者夫婦はとても悲しみましたが、ある時神様から「姫は弁天池の鯉となっていて、竜神となって昇天するためには莫大な財宝がいる」という神託がありました。

そこで長者夫婦は、娘のためにと後山に財宝を埋め「朝日さす夕日輝く木の下に、うるし千ばい黄金億々」 と、歌を残しました。話の細部は場所によって異なりますが、日本にはあちこちに黄金を隠した伝説が残っていて、その物語は出流原弁天池周辺の佐野地方に長く語り継がれています。

栃木県のパワースポットは、日光東照宮をはじめ中禅寺湖など、たくさんの人気のパワースポットがあります。神社や仏閣も多く、自然も多くて、パワースポットとしてだけではなく、観光や紅葉狩りのスポットとしても人気です。出流原弁天池も千年以上の歴史をもつパワースポットとして人気の場所です。

出流原弁天池の奥にある湧釜(わっかま)神社があり、ここにも祠や蛇の像が苔むしった茂みの中に置かれています。出流原弁天池に由来する神社で、人丸様という神様を奉っています。湧釜神社から見る出流原弁天池もとても綺麗で、出流原弁天池だけでなく奥まで入って参拝するのがおすすめです。

空気が清浄なところ、清らかな水のある場所は強いパワースポットとされ、運気上昇のために多くの人が訪れます。出流原弁天池は夏場でもひんやりとした空気の漂う不思議な場所。穴場のパワースポットとして以前から有名でした。気分が落ち込みがちな人や、疲れが取れにくい人は立ち寄ってみると、気分が良くなる人もいます。

磯山弁財天は朱色の紅葉のような色をしていて、見た目もとても美しい姿をしています。建築は懸造りという特殊な造られかたをしていて、崖や山肌の急坂な場所に組み上げる神社建築方式でできています。崖造りとも呼ばれ、日本独特の建築様式で、同じ作られ方は京都の清水寺が挙げらます。

崖造りは、山や崖など平地のように建物が建てられない場所に祀られた神仏を崇めるために、生み出されました。日本の中でも数少ない建築技法で、長い柱と貫で建物を固定し、釘を1本も使用しないで組み立て固定する工法が特長です。磯山弁財天は出流原を見守るために、この場所に建てられた神社だともいわれています。

釘を一本も使わないのに千年以上そこに建っていることも希少な神社ですが、磯山弁財天の壁には石灰岩がそのまま使われています。関東平野を見下ろすように作られているため、そこからの眺めは栃木でも有数の絶景で、関東平野を一望できる、出流原弁天池の見どころの一つです。

弁財天はインドでも有名な神様、サラスヴァティーが仏教に取り込まれた呼び名で、音楽の才能や弁才があると言われ、中でも商売繁盛や利益をもたらしてくれる神様として人気です。多くの人たちが崇めている神様の一つで、磯山弁財天にも多くの人がご利益を求めてやってきます。

磯山弁財天は、境内に至るまでに小高い山を登っていきます。途中には朱塗りの山門や蛇の石造が安置されています。中でも白蛇は水とかかわりが深いということで、出流原弁天池と磯山弁財天では白い蛇の象で統一されています。境内に行くまでにもご利益を感じるポイントがあちこちにあります。

弁財天のご利益は財を貯めるため、商売繁盛だけでなく、お参りしてから宝くじを買ったりなど、ここぞというときに運気を貯めるために利用する人もいます。しかし、邪な心は神仏にも気づかれてしまいますので、あくまで清らかな心を忘れずにお参りすることが大切。参拝前にもしっかりと手を洗って、神様に失礼のない心身で臨むのが重要です。

出流原弁天池に行く時は、晴れた日がおすすめです。真っ青な空が池に映り、池の水は透明度を増したように見えるので写真映りも良くなります。春の柔らかい緑の時期も、初夏の空の青さが増す時期も、池の水に青空が反射して美しい光景を見ることができます。しかし、一番のおすすめはやはり紅葉の時期です。

秋になり葉が色づくと、木々の葉で青々としていた出流原弁天池に赤みが増してきます。真っ赤に色づいた紅葉が池に映る姿は美しく幻想的。何度でも足運びたくなる光景を目にすることができます。紅葉が色づき周りが紅く染まる頃は気温も穏やかで過ごしやすく、散策もしやすくなっています。

出流原弁天池の水がきれいなので、ちょっと入ってみたくなったり、湧水を汲んで持って帰りたくなる人もいるかと思います。しかし、出流原弁天池は水質保全のために、中に入ることはできません。水を汲むときも直接中に入ったり、手を付けたり、直接容器を入れて汲み出すことはできません。

しかし、出流原弁天池には売店があり、そこで湧水を販売しています。出流原弁天池の湧水を持ち帰りたい時はここで販売しています。飲料用の湧水を販売しているので、飲んでみたいと思っていた人も安心安全な湧水を飲むことができます。家に持って帰って、天然石などを洗うのに使うと、よりパワーが増すかもしれません。

出流原弁天池の近くには、出流原弁天池の湧水を利用したレジャー施設、赤身温泉フィッシングフラワーパークがあります。出流原弁天池の湧水を使った釣り堀があり、マス釣りを楽しむことができます。釣ったマスはその場で食べることもでき、釣らない人も焼いたマスを持ち帰ることができます。

観賞池があるので、鯉のえさやりをしたり、園内にあるボートで泳ぐこともできます。2万坪の敷地の中には日本庭園があり、観光にもおすすめです。広い庭の中には紅葉や牡丹などが植えられているので四季折々の草花を楽しむことができます。無料駐車場が200台用意されているので、車でのアクセスもしやすくなっています。

出流原弁天池に日帰りでのアクセスがしづらい人は、宿泊もおすすめです。出流原弁天池には隣接してホテルがあり、出流原弁天池にはそのホテル「ホテル一乃館」の水車があります。ホテル一乃館では出流原弁天池の湧水を購入することもでき、出流原弁天池の湧水を使ったお風呂に入ることもできます。

出流原弁天池の湧水は肌にもよく、保湿も抜群。天然の化粧水のようとも言われています。ホテル一乃館は大正9年からある歴史のある旅館で、館内も大正の雰囲気を感じるおしゃれなアンティーク仕様になっています。パウダールームもきれいで女性にも利用しやすくなっています。

宿泊をしない人でも大浴場を利用できるので、ドライブなどで訪れた人や寒い時期に来た人は温まって疲れを癒してから帰ることもできます。ホテル一乃館からは佐野プレミアムアウトレットやあしかがフラワーパークへのアクセスもしやすいので、出流原弁天池だけでなく栃木の観光をするのにも便利な立地にあります。

出流原弁天池は驚くほど住宅街の中にあります。もっと山奥にあるのかと思っていたと、初めて行く人は戸惑うくらい民家の中に現れます。山奥ではなく平地にありながら、清らかな湧水があるのも、この土地で大事に水源が守られているからです。地元の人も紅葉狩りの名所として気軽にアクセスできます。

電車でのアクセスはJR両毛線「佐野駅」、もしくは東武佐野線「佐野駅」から市営バスを利用します。赤見温泉下車で、約35分でアクセスできます。車でのアクセス方法は佐野田沼ICから約15分、または佐野藤岡ICから約30分でアクセスできます。駐車可能台数は3台までですが、満車の場合はフィッシングフラワーパークに駐車可能です。

アクセスもしやすく、様々なご利益を授けてくれる出流原弁天池。パワースポットとしても人気が高く、多くの人が訪れます。特に秋は紅葉狩りも楽しめ、栃木でも人気の行楽スポットとなっています。まだ行ったことのない人や、気になっていた人は是非とも行ってみてください。最近疲れているな、という人は気分がリフレッシュできること間違いなしです。