この記事の目次
イスタンブール・ブルーモスクを見学しよう
ブルーモスクはトルコの観光都市として知られるイスタンブールにある世界遺産「スルタンアフメット・ジャミイ」の通称です。ブルーモスクの名称は、ドームと壁を飾る白地に青の美しいタイルの景観から名付けられています。ここではそんなブルーモスクについて、行き方や見学の見所、時間、服装などの情報を交えて紹介します。
イスタンブール・ブルーモスクへのフライト
成田空港からブルーモスクのあるイスタンブールまでの行き方にはいろいろな方法がありますが、直行便を使うのが便利です。成田からターキッシュエアラインの直行便に乗ればイスタンブールまで約12時間半ほどでアクセスできます。トルコと日本の時差は7時間です。
乗り継ぎ便を使う行き方の場合には、少なくとも2時間から4時間程度は余分に見る必要があります。また、運搬器材やフライトスケジュール、空港の混雑状況などによって所要時間が異なります。
イスタンブール・ブルーモスクへの行き方1:タクシーで旧市街へ
イスタンブールのアタテュルク空港から旧市街中心部までタクシーを利用する行き方が手っ取り早い方法です。タクシーを使えば見所に溢れる旧市街まで約30分でアクセスできます。タクシーの場合はメーター制となっていますので、メーターが正しく作動しているかどうか必ずチェックすることをおすすめします。
タクシー料金は50から55トルコリラ程度かかります。ちなみに2018年11月現在の円に対するトルコリラのレートは、1リラが21円程度となっていますので、1100円前後で空港から旧市街まで行くことができます。
イスタンブール・ブルーモスクへの行き方2:シャトルバスで旧市街へ
アタテュルク空港から見所の多い旧市街への行き方の一つがシャトルバスを使う方法です。シャトルバスで行く場合は、到着ロビーを出た右手にシャトルバスが運行しており、空港からイェニカプ港を経由して旧市街、新市街まで行っています。旧市街まで約30分強、新市街まで約40分ほどで到着します。料金の11リラは乗車時にドライバーに支払います。
イスタンブール・ブルーモスクへの行き方3:地下鉄で旧市街へ
アタテュルク空港から見所溢れる旧市街へ地下鉄でアクセスする行き方もあります。地下鉄を利用する場合は、空港の地下鉄駅・ハヴァアラヌ駅の改札前にある券売機でイスタンブールカードというプリペイドカードを購入することをおすすめします。
このカードはどの地下鉄やトラムにも利用でき、通常の半額近い価格で乗車できる大変お得なカードです。
地下鉄ハヴァアラヌ駅のM1A乗り場から地下鉄に乗り、6駅目のゼティンブルグ駅でトラム1号線に乗り換えます。改札を出ると目の前がトラムの乗り場のため、簡単に乗り換えができます。この路面電車トラムに40分ほど乗ってスルタンアフメット駅で下車したところが見所に溢れた旧市街です。
空港からスルタンアフメット駅まで、地下鉄とトラムを乗り継いでも、乗車時間は1時間ほどで、イスタンブールカードを使えば片道4リラ、日本円にして85円程度で済みます。
イスタンブール・ブルーモスクのある旧市街
イスタンブールの観光名所と呼ばれるアヤソフィアやブルーモスク、トプカピ宮殿はスルタンアフメット地区と呼ばれる旧市街に集中しているため、旧市街に宿泊すれば、ほとんどの主要な観光名所は徒歩で見学することができます。また、ブルーモスクはアヤソフィアの南側に少し歩いたところに位置しているため、両方の名所を同時に見学することができます。
イスタンブール・ブルーモスクの歴史
見所の多いブルーモスクはオスマン帝国時代のスルタン、アフメット一世がメフメットという建築家に命じ、1609年から7年かけて建設され、1616年に完成しました。「世界一美しい」と呼ばれるこのモスクはオスマン時代の建築技術の粋を集めて造られており、種々の歴史的な建築物の中でも秀逸と称えられています。
ブルーモスクの建築を命じたスルタン・アフメット一世は完成の翌年に亡くなったため、隣の霊廟に家族と共に埋葬されています。
イスタンブール・ブルーモスクの外観
ブルーモスクは6本のミナレットと呼ばれる尖塔(せんとう)と、直径27.5メートルの大ドームを持ち、中心付近の4つのサブドームと30の小ドームから成り立っています。大小のドームが並ぶ重厚な本堂と両脇に垂直にそそり立つ6本のミナレットの雄姿は、比類のない美しさを誇っています。
6本のミナレットはサウジアラビアにあるイスラム教の聖地メッカの聖モスクのミナレットを模してて造られたと言われており、建築を手がけたアフメットもさすがに気が引けたのか、メッカの聖モスクに1基献納したそうです。
また、この本堂の大ドームは大きな8角形の柱によって、また小ドームは小さめの円柱によってそれぞれ支えられています。ブルーモスクでは、夏には音と光のショーが開催され、夕方になるとライトアップされた神秘的な美しい姿を見学することができます。
イスタンブール・ブルーモスクの営業時間
ブルーモスクの営業時間は8時から11:30分、13時から14:30分、15:30分から16:45分で、イスラム圏の休日となる金曜日のみ13:30から入場できます。休館日はありません。入場料は無料ですが、見学の後、帰る際に出口のドア付近で心付けを渡すことをおすすめします。
見所の多いブルーモスクを見学する場合のおすすめの時間帯は8時30分から10時30分あたりです。というのは、お祈りの時間が1日に5回あり、日の出の時刻によって毎日時間帯が変わりますが、1回目または2回目の礼拝は日の出の時刻に行われ、その次の礼拝がお昼前後となるため、その間に入場すればゆっくり見学することができます。
イスタンブール・ブルーモスクに入る時の服装
ブルーモスクを見学する時の服装について説明します。ブルーモスク内では土足厳禁となっているため、入口付近のビニール袋に靴を入れます。
ブルーモスクは神聖な場所のため、ノースリーブや半ズボンなど、肌の露出が多い服装は避ける必要があります。女性は膝丈のスカートは不可ですが、脛(すね)の下ぐらいから足首が見える程度のロングスカートなどの服装なら問題ありません。
イスラム教の信者は白地ベースの服装をしていますが、一般の観光客は、肌を露出しない服装なら普段着でも問題ありません。モスク内部では、写真を撮る分には構いませんがフラッシュ撮影は禁止されています。また、信者や信者の服装などの撮影をしないよう注意を払う必要があります。
イスラム教の国の中でも、サウジアラビアやクウエートのように服装や戒律に厳しい国もありますが、トルコは比較的オープンな国のため、服装にそれほど厳しくはありません。それでも、モスク内の見学時に肌を露出するような服装は厳禁ですので注意が必要です。
イスタンブール・ブルーモスクへの入場口
ブルーモスクはイスタンブールのヨーロッパ側にあるスルタン・アフメット地区にあり、アヤソフィアの南側に位置しています。旧市街内のホテルに宿泊している場合は徒歩でアクセスできます。また、トラムを利用する場合はスルタン・アフメット駅で下車後徒歩5分で行けます。
北側がブルーモスクの入口です。東側と南側にも入口がありますが、観光客が入れるのは北側の入口のみです。見学する場合の入場口は門をくぐって30メートルほど歩いた先にあるもう一つの高い門となります。
門内には中庭があり、モスク内部への入口は中庭に入って少し進んだ先となります。また、ブルーモスクの出口は西側にあります。西側の門の更に数十メートル先にもう一つの門があり、そこを抜けると古代競馬場跡のヒポトゥロームが建つスルタンアフメット広場に出ます。時間にして1時間もあればゆっくり見学ができます。
イスタンブール・ブルーモスクの青いタイルと絨毯
ブルーモスク内のタイルは、1枚1枚に種々の模様が描かれていますが、建物全体を見渡すと、ユリやチューリップ、カーネーションなどの花や、イトスギなどの樹木が描かれており、連続した美しい模様になっています。
また、床に敷き詰められた絨毯も、紺や赤、金をあしらった美しい模様で飾られ、見事なできばえを見せるとともに、天井や壁との調和がうまくバランスされており、見学時の見所の必見ポイントとなります。
イスタンブール・ブルーモスクの天井と壁
礼拝場は、縦53メートル、横51メートルの正方形に近い形をしており、ドームの直下には4つのアーチがあります。その下には直径5メートルの柱が4本あり、ドーム全体を支えています。また、窓の数は260ほどあるそうで、青いタイルが貼られた壁は、ステンドグラスのカラーとよくマッチしています。
タイルの総数は2万1千枚ほどあり、オスマントルコが勢力を持っていた時期のタイルの生産地・イズニクの、大変高価なタイルがふんだんにあしらわれており、見学のポイントの一つとなります。
イスタンブール・ブルーモスクの説教壇
ミンベルと呼ばれるブルーモスク内の説教壇には、きめ細かい彫刻が施されており、壇の最も高いスポットはイスラム教の創始者・モハメットの場所とされています。そのため、説教者は階段の途中までしか上がりません。
メッカの方向を示す役割を持つ白大理石のミフラープはアーチによって縁どられており、大理石やタイル、モザイクなどによって装飾されています。このミフラープやミンベルが刻まれている華やかな彫刻には、17世紀のオスマン朝の代表的な彫刻方式が取り入れられています。
イスタンブール・ブルーモスクの広場
ブルーモスクの広場には2本のオベリスクが立ち、その後ろにドイツの泉があります。この広場は古代コンスタンチヌス帝時代の競技場跡です。オベリスクは記念碑の意味ですが、エジプトから運ばれてきたものもあり、その台座には見事な技巧が凝らされています。ブルーモスクの北方には、有名なアヤソフィアがあります。
イスタンブール・ブルーモスク近隣のアヤソフィア
アヤソフィアはブルーモスクの北側に位置し、ブルーモスクからも歩いて数分のところにあります。アヤソフィアはビザンツ美術とイスラム美術が融合した博物館であり、世界遺産「イスタンブール歴史地区」の中核を担う街のシンボルとも言える博物館です。
またこの建物は、ブルーモスク、トプカプ宮殿と並び、イスタンブールを代表する建築物となっています。
イスタンブール・ブルーモスク近隣のアヤソフィアへの行き方
イスタンブール旧市街にあるアヤソフィアは、ブルーモスクとトプカプ宮殿の中間に位置し、ブルーモスクの北側、トプカプ宮殿の南側にあります。アヤソフィアへの行き方は、ブルーモスク同様、空港から地下鉄とトラムを利用してスルタン・アハメット駅で下車後、徒歩4分ほどでアクセスできます。
イスタンブール・ブルーモスク近隣のアヤソフィアの歴史
アヤソフィア聖堂は西暦360年、ローマ帝国のコンスタンティヌス帝の意志により、息子のコンスタンティウス帝によってコンスタンティノープルの地に建てられました。
アヤソフィア聖堂は、532年に起きた「ニカの反乱」によって1度焼失しましたが、537年にビザンツ帝国のユスティニアヌス1世によって再建され、今日に至っています。ユスティニアヌス帝は、数学者であり自然科学者のアンテミオスと、助手であり幾何学者のイシドロスに命じ、アヤソフィアを再建させました。
彼らは壁や柱に大理石を多用し、国内から優れた職人を集めて、アヤソフィアを再建しました。高さ約55メートル、直径約31メートルの巨大ドームを持つバシリカ式の聖堂は、建物の壮大さ、構造ともに群を抜いており、当時のビザンツ建築の最高傑作と呼ばれました。
その後、イコノクラスムと呼ばれる聖画像破壊運動や、1204年の十字軍の攻撃により、モザイク聖画などが損傷を受け、貴重な装飾品などが略奪され、ビザンティン帝国の衰退とともに大聖堂は荒れ果てていきました。
その後もこの聖堂は何度かの修復が行われ、ギリシャ正教の総本山として信仰を集めてきましたが、1453年、オスマン帝国のメフメト2世によって、このコンスタンティノープルが征服され、都はイスタンブールと改名されました。そしてアヤソフィアはイスラム教のモスクとして改修されるに至りました。
それに伴い、聖堂内を飾っていたモザイク壁画は漆喰で塗りつぶされ、ミナレットやミフラープ、預言者ムハンマド(モハメット)の名前が書かれた円盤などが設置されました。アヤソフィアはオスマン朝時代にも何度か修復工事が行われています。
1923年にトルコ共和国が成立すると、初代大統領のケマル・アタチュルクの命により、このアヤソフィアは無宗教の博物館となりました。塗り固められた漆喰を剥がすと、その下に眠っていたビザンツ美術の傑作であるモザイク壁画が見事に蘇りました。
イスタンブール・ブルーモスク近隣のアヤソフィアの見所
アヤソフィアの最大の見所は、修復作業によって再び蘇ったモザイク壁画です。モザイク壁画の中でも最も古い傑作と言われるのが小さなドームの天井に描かれた聖母像です。この聖母像は、聖母マリアの表情が、慈愛と人間味に溢れていると評判を呼んでいる出色の壁画です。
モザイク画のほとんどは2階で見られるため、まず2階への階段を見つけて上ります。
二階ギャラリーにある有名なデイシスは請願という意味の名称ですが、このモザイク画にはキリストを中心に聖母マリアとヨハネが描かれており、中心のキリストの顔のみ立体的に描かれているのが大きな特徴となっています。
その他にも、聖母子とユステニアヌス1世、コンスタンティヌス1世のモザイクなど、ビザンツ美術の傑作画が多数見られます。
アヤソフィアには願いが叶うと言われる柱があり、これも見所の一つとなっています。大理石の柱には小さな穴が開けられており、その穴に親指を入れて360度回すことができれば願いが叶えられるそうです。順番を待つ人の列ができており、すぐにその場所とわかります。
アヤソフィアは、ビザンツ美術とイスラム美術が見事に調和した博物館です。またアヤソフィアは、コンスタンティノープルからイスタンブールという都市への変遷、そしてオスマン朝からトルコ共和国への変遷を物語る歴史的にも重要なスポットであり、ブルーモスク、トプカプ宮殿とともにイスタンブールを代表する建物と言えます。
イスタンブール・ブルーモスクを満喫しよう
ブルーモスクは、近隣に並ぶアヤソフィア、トプカプ宮殿とともに、アジアとヨーロッパの交差点とも言うべき代表的な観光地イスタンブールの中にある、最も良く知られた観光スポットです。ここではそんなブルーモスクについて、行き方や見学の見所、服装などの情報を取り入れながら説明してみました。
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