トルコの国旗の意味や由来を知ろう!
世界各国には国旗がありますが、それぞれの国旗に様々な人々の思いが込められております。今回はその中でもトルコの国旗の意味や由来についてお話しいたします。またトルコ国旗のシンボル・色等に似てると言われる他国の国旗についてもお伝え致します。これを読めばトルコの国旗について何でも答えられるようになってしまうかもしれません。
トルコの基本情報
トルコの国旗についてご紹介をする前に、まずはトルコの基本情報についてお伝え致します。トルコの位置・場所はどこにあるのか、トルコという国の特色、人種構成、宗教、言語について詳しくご説明いたします。トルコについて興味がある方は、トルコの国旗について以外にも、下記トルコの基本情報について把握しておきましょう。
トルコの位置・場所
初めにトルコの位置・場所についてですが、トルコはヨーロッパとアジアの真ん中に位置しております。トルコはヨーロッパとアジア、どちらの国?という疑問についてです。
トルコの形は東西に長く、ブルガリア・ギリシャに接しており、トルコ政府の公式見解では自国をヨーロッパと公表しております。アジア寄りのヨーロッパと言えるでしょう。
トルコの国の特色
トルコの1つの特色として、トルコは世界で最も親日国家です。「世界のどの国が好きか」というアンケートを取ると、毎年必ず日本または日本人が一番になります。
とあるトルコ人の話によるとトルコ人と日本人の先祖は、かつて同じ中央アジアの民族で、西へ向かったのがトルコ人、東へ行ったのが日本人だから、我らは兄弟だとのこと。親日国家であることは、とても有難く嬉しい事ですし、旅行もしやすいでしょう。
また実際に歴史的にもトルコとの繋がりは1887年よりあり、日本がトルコに対し義援金を提供したり、災害時に懸命な救助等をしたことから、日本とトルコの友好度が高まったと言われています。その他、トルコは世界三大料理と言われているトルコ料理やワインやビールなどの国産銘柄も多くあるのも特色です。
トルコの人種構成
私達はトルコ人と1つにまとめて呼んでおりますが、実際にトルコ人といっても、様々な人種がおります。南東部を中心にクルド人、アルメニア人、ギリシャ人、ユダヤ人等です。
また中東のクルディスタンに住むイラン系山岳民族であるクルド人20%もいるそうです。日本は島国なので純日本人が大半かと思いますが、トルコは様々な人種で構成されています。
トルコの宗教
トルコでは、宗教の自由が認められておりますが、99.8パーセントがイスラム教(スンニー派)です。しかし比較的緩めな感じで、服装も自由な格好をしている人が多いです。
モスクでの1日5回の祈りを捧げ、豚肉を食べないなどの宗教上の規律は守られていますが、通常禁止されている飲酒は多くの人が守っておらず、街でも飲むことが可能です。
トルコの言語
トルコの公用語はトルコ語となりますが、トルコは様々な人種が混ざっているので、約7千万人の人口の中で、15%程がトルコ語を母国語としていないのが事実です。
場所によっても異なり、イスタンブールを含めた都市では、トルコ語の他、アルメニア語、ギリシャ語が話されており、シリアの国境付近ではアラビア語が使われています。
トルコの国旗の特徴
本題のトルコ国旗の特徴をお伝え致します。トルコの国旗は、通称「新月旗」と呼ばれているということ、トルコ国旗のシンボルである三日月と星が意味するもの、トルコの国旗の色の意味についてです。トルコ国旗の特徴について、どういう意味があるのかも含め、学んでいきましょう。トルコの国旗には、色々な意味が込められております。
通称「新月旗」と呼ばれている
トルコの国旗は、赤色の下地にに白色の月と星のシンボルが堂々と描かれています。そのことからトルコの国旗は「新月旗」や「月星章旗」と言われております。
トルコ国旗のシンボルは、民族の成長とトルコの独立を象徴しています。イスラム教やトルコに関連するアラブ系の国の国旗に同じようなシンボルが多々あります。
三日月と星が意味するもの
トルコ国旗に描かれているシンボルである三日月と星が意味する由来について、三日月は月の女神と言われているディアナを、星(五角星)は聖母マリアの明星の象徴だそうです。
またそれ以外にも、前述した通り、五角星は国の独立、民族の進捗・一致などの意味が含まれております。トルコ国旗には様々な由来がありますが、上記が代表的な由来です。
トルコの国旗の色の意味
トルコの国旗の色は「赤」です。赤色は、オスマン朝が好きだったカラーとも言われておりますが、一般的に赤は勇気を表す色だと言われています。
確かに真っ赤なトルコの国旗は、力強い印象を受ける人が多いのではないでしょうか。また赤色はオスマン朝の色だったそうです。
トルコの国旗の歴史・由来
続いて、トルコ国旗の歴史と由来についてです。どの国もそうかと思いますが、単純なデザイン・シンボルであっても、トルコの国旗には、長い年月の中で作られた歴史と人々の思いが沢山詰まっております。トルコの国旗はどのような経緯があって現在の国旗のデザイン・シンボルが作られたのでしょうか。トルコの歴史に沿ってご紹介をさせていただきます。
原型はコンスタンティノープルの国章
トルコ国旗の原型、由来とされるのはコンスタンティノープルの国章です。コンスタンティノープルとは、現在のイスタンブールの前身で、東ローマ帝国の首都だった都市です。
コンスタンティノープルの国章も、現在のトルコの国旗と同様に赤色がベースになっておりました。現在のトルコの国旗のシンボルは、その頃から引き継がれています。
13世紀末 三日月に無地の赤色か緑色の旗
13世紀末になると、三日月に無地の赤色か緑色が国旗に使われることが多くなりました。その時期、コンスタンティノープルは攻め落とされビザンツ帝国に幕が降りました。
なおその後、オスマン・トルコになった際もコンスタンティノープルの国章は引き継がれ、シンボルの月と星はそのままでした。
1793年 赤地に三日月と星を組み合わせた旗
1793年、赤地に三日月と星を組み合わせた旗へと、セリム三世によって変更されました。しかしその時点の星は、現在の五角星ではなく、八陵星でした。
この時点から赤色がベースとなっており、現在のトルコの国旗により近い形となってきました。星の形は違うものの、シンボルは三日月と星です。
1826年 星が復活
1826年、一時期星が取り除かれていましたがこの年に星が復活しました。三日月のみのシンボルよりも、星を付けたほうが見た目も良いと判断したのではないでしょうか。
一時期星が取り除かれていた理由は不明ですがトルコ国旗の星には、国の独立、民族の進捗・一致などの意味が含まれておりますので、入れたほうが良いでしょう。
1842年 八陵星が五陵星へ変更
1842年になると、八陵星が五陵星へとシンボルのデザインが変更されました。この年についに、現在のトルコ国旗が完成されました。
尚、何故八陵星が五陵星へと変更されたかという理由については、正確な理由は不明なので、お伝えすることができません。その時の支配者が好んだ形だったのかもしれません。
トルコ国旗の別の由来の噂
上記でお伝えした話が一般的な由来となりますが、トルコ国旗の別の説としては、オスマン帝国時代に起きたバルカン半島のコソボ平野が舞台となったコソボの戦いまで遡ります。
コソボの戦いの際、戦い後のコソボ平野は、血の海になっていたそうです。その血が現在のトルコ国旗の赤地となり、その海に反射した月と星というデザインになったそうです。一見ロマンチックな感じにも聞こえますが、実際は血の海ということなので、グロテスクです。
しかしながらこちらの説は、正式に公表されているトルコ国旗の由来ではないため、その前にお伝えした民族の成長とトルコの独立、イスラム教の象徴などを意味しているとお考えください。次にお伝えするのは、トルコの国旗と色もシンボルも似てると言われている国旗についてです。
トルコの国旗と色もシンボルも似てる国旗
次はトルコの国旗と色もシンボルも似てる国旗についてお話しいたします。トルコ国旗と似てる他国の国旗は、チュニジアの国旗とシンガポールの国旗が挙げられます。それらの国旗について、どのような所がトルコ国旗と似てるのか、そしてどのようなデザインなのか、ご説明させていただきます。
チュニジアの国旗
1831年に制定されたチュニジアの国旗は、トルコ国旗と色もデザインも大変似てると言われています。赤色のベースに中央に白い円、その中に三日月と星が描かれています。
三日月と星はイスラム教を象徴するモチーフなので、星と三日月がある国旗の国家の主な宗教はイスラム教ということが分かります。また幸運のシンボルでもあります。
シンガポールの国旗
トルコの国旗は、シンガポールの国旗とも似てると言われています。上部は赤地、下部は白地と2つに等分されており、赤字の方に白の三日月と小さな星が5つ描かれています。
シンガポールの国旗は、1959年の自治権獲得の直後に制定されました。色やシンボルそれぞれ色々な意味があります。トルコと似てるデザインですが、おしゃれなデザインです。
トルコの国旗とシンボルが似てる国旗
トルコの国旗とシンボルが似てる国旗が、まだ他にも存在します。それはアルジェリア、マレーシア、パキスタン、アゼルバイジャン、モーリタリア、トルクメニスタン、そしてコモロの国旗です。それぞれの国旗にどのような特徴があるのか、トルコ国旗とどこが似てるのか、1つずつご説明させていただきます。
アルジェリアの国旗
アルジェリアの国旗は、左から緑と白と二分されており、真ん中には赤い三日月、三日月の中に星がシンボルとして描かれており、トルコ国旗と似てると言われています。
尚アルジェリアの国旗は、1962年に制定された国旗です。現在のアルジェリアの国旗の原型は、1920年代の独立抵抗運動の中で生まれたという説があります。
マレーシアの国旗
1950年に制定されたマレーシアの国旗について、まず左上の青いカントン部のデザインは、三日月と星が描かれていて、そのシンボルがトルコの国旗と似てる部分です。
またカントン部以外の赤と白のアメリカの国旗と似てるストライプ部分はマレーシアの14州と、首都のクアラルンプールを表しています。格好いいおしゃれな国旗です。
パキスタンの国旗
1906年にデザインされたパキスタンの国旗は、1947年のパキスタン独立の時期に制定されました。緑と白がベースになっており、白で三日月と星が描かれたデザインです。
ちなみに緑色はイスラム教を表し、白の部分は、イスラム教と以外の少数派を意味しているそうです。シンプルなデザインながらも、深い由来・意味が込められています。
ウズベキスタンの国旗
ウズベキスタンの国旗は、上部が空色、中央が白、下部が緑で3等分されており、上部の空色の部分には、晴天を意味する三日月と小さな12個の星が並んでいます。
12個の星の意味は、12が完全性の象徴と言われているからだそうです。トルコの国旗と大きくは似てはおりませんが、月と星が描かれている部分が似ております。
アゼルバイジャンの国旗
アゼルバイジャンの国旗は、上部が空色、中央が赤、下部が緑の横三色で、赤の中央部分にトルコのシンボルに似た三日月と八角星が描かれております。
八角星の8本の光は、8グループのテュルク系民族を表しています。カラフルなデザインとなっておりますが、中央のシンボルはトルコの国旗と似ております。
モーリタリアの国旗
モーリタリアの国旗については、緑がベースになっており、上下に赤の帯が入っております。中央部分には黄色で上向きの三日月と星が描かれています。
中央のシンボルが、トルコの国旗とよく似ています。現在のモーリタリアの国旗は、2017年8月に完成されたデザインです。カラーは渋めですが、おしゃれなデザインです。
トルクメニスタンの国旗
トルクメニスタンの国旗は、他国とは雰囲気が異なる国旗で、世界で一番複雑な国旗だと言われています。左の赤い帯の各部分はトルクメン人の主要な5部族を表わしています。
またイスラム教の象徴、三日月と星、5つの星は国を構成する5つの地方を表しています。全体的なデザインはトルコ国旗とは異なりますが、月と星の部分が似ています。
コモロの国旗
2001年に制定されたコモロの国旗は、とても鮮やかでカラフルなデザインです。過去の国旗はイスラム教色が強かったデザインだったのですが、今回は控えめになりました。
小さな4つ星は、コモロ諸島を形成する4島を表しています。黄色・白・赤・青・緑と5色ものカラーが使われている素敵な国旗で、シンボルの部分のみトルコ国旗と似ています。
国旗を通してトルコを知って旅行を楽しもう!
いかがでしたか。今回は、トルコの国旗の意味や由来を知ろうと題し、トルコの国旗の特徴や意味に由来、そしてトルコ国旗の色、シンボルが似てる国についてご説明をいたしました。トルコの国旗をはじめ、世界中の国旗には、それぞれの歴史や深い人々の思い、由来・意味が込められているので、これを機会に、少しでも覚えていただければ幸いです。
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