柳森神社のお狸様に出世・金運向上祈願！御朱印とアクセス方法など紹介！

今やサブカルチャーの発信地として注目されている秋葉原。そんな秋葉原の街中にひっそりと鎮座するのが「柳森神社」です。柳森神社は、古くから地元で「お狸様」と呼ばれて親しまれている神社なのだとか。

今回は、秋葉原の柳森神社についてじっくりご紹介します。柳森神社のご利益や由緒を始め、境内の見どころや御朱印情報、アクセス方法など満載です。

柳森神社はどんな神社なのでしょうか。柳森神社へ参拝する前に、その由緒や歴史についてご紹介しましょう。

柳森神社は、1457年創建と言われる歴史のある神社です。秋葉原にある柳森神社は、中央区の椙森神社、港区の烏森神社と並んで、東京にある「森」のつく神社3社をまとめた「江戸三森」と呼ばれています。

柳森神社が創建されたのは1457年のことです。1457年は長禄2年で、室町幕府で足利義政が将軍の座についていた時代です。

当時関東を治めていた扇谷上杉家は、古河の足利氏と対立していました。そこで家臣の太田道灌は、足利氏への備えとして江戸城を築城します。その時に城郭鬼門除けとして秋葉原の地に京都伏見稲荷大明神を勧請したのが創建とされています。

さらに、道灌は神田川沿いに柳の木を植樹しました。この柳の木が森のように多かったことから、この神社は柳森神社と呼ばれるようになったということです。江戸時代には徳川家から社殿造営の寄進を受けるほどの有力な神社で、当時はとても栄えていたそうです。

柳森神社が現在の場所に造営されたのは1659年のことです。仙台藩が神田川の掘割工事を行うのに際し、秋葉原の現在の場所に遷座されました。

また、1923年9月に起こった関東大震災では社殿が焼失し、1930年に復興しました。その後、戦争の空襲に遭い社殿の一部が損傷したものの、1954年には修理が完了し、同時に神楽殿も造営されました。

さらに1984年には2度の放火によって社殿や神楽殿が焼失し、1986年春に修復されました。現在の柳森神社の建物はこの時のもので比較的新しいものですが、境内をよく見ると歴史を感じされる跡が残されています。

柳森神社の主祭神は、倉稲魂大神(くらいなたまのおおかみ)です。倉稲魂大神は日本書紀で呼ばれている名で、古事記では同じ神を宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)と表記しています。倉稲魂大神は女神であると言われています。

倉稲魂大神は伏見稲荷大社の主祭神、いわゆる「お稲荷さん」です。宇迦之御魂神の名前の中にある「うか」は穀物や食べ物を表し、穀物を司る神様と言われています。

倉稲魂大神をお祀りしている柳森神社。古くから秋葉原の人々に親しまれ、たくさんの人がお参りに訪れてきた柳森神社へお参りすると、どんなご利益があるのでしょうか。

柳森神社のご利益は1つではなく、様々な事柄へご利益があるようです。柳森神社へ参拝する前に、あやかれるご利益をチェックしておきましょう。

柳森神社は、穀物を司る神様である倉稲魂大神をお祀りしています。もちろんご利益は五穀豊穣が挙げられます。

ちなみに、五穀豊穣の「五穀」が何を指すかは地域や時代によって異なり、主食となる穀物だけでなく麻や豆などの生活に欠かせない作物全般を指した言葉であるという説が主流です。

柳森神社は方位除けのご利益もあります。方位除けには2種類あり、「年回り」と「転居や旅行などの行き先」という2つの方向の吉凶を占い、災いを防ぐものです。

年回りによる方位除けは、毎年の年盤を見ると分かります。自分の生まれ年が「八方塞」、「裏鬼門」、「表鬼門」、「北」に当たる年にはお祓いを受けるのがおすすめです。

倉稲魂大神は穀物を司るだけでなく、商工業を司る神様でもあります。倉稲魂大神をお祀りしている柳森神社は、商売繁盛のご利益もあります。

また、ビルやデパートの屋上にお稲荷さんをお祀りしているのを見かけることがありますが、それは商売繁盛のご利益にあやかるためと言われています。

柳森神社は立身出世運のご利益にもあやかることができます。職場での地位を向上させる、文字通りの出世をしたい人だけでなく、自分の仕事がうまくいくように仕事運をアップさせたい人におすすめです。新社会人や、これから新しい仕事に取り組む人はお参りしてみてはいかがでしょうか。

スポーツでの試合など、どうしても勝ちたい時にお参りしたいのが勝負運の神様です。柳森神社は勝負運のご利益もあり、たくさんの人が参拝に訪れています。

ちなみに、勝負運をアップさせる方法は神社にお参りするだけでなく日頃の行いの中にも色々あります。例えば、玄関をきれいにしておくこともその一つです。

勝負運や立身出世運と関連して、合格祈願のご利益にもあやかることができます。これから受験やオーディションに臨む人は合格祈願もおすすめです。

秋葉原界隈の学校や職場を受験する際には、柳森神社でお参りをしてから試験に臨んでみてはいかがでしょうか。

様々なご利益にあやかれる柳森神社ですが、じつは柳森神社には主祭神である倉稲魂大神の他にもたくさんの神様がお祀りされています。

ここからは、柳森神社の境内社や祠にお祀りされている神様をご紹介します。コンパクトな境内にはじつにたくさんの神様が鎮座しているのには驚かされます。

鳥居をくぐると階段がありますが、その階段の途中には、富士山をご神体とする「富士宮浅間神社」が鎮座しています。神社と言ってもお社が建てられているわけではなく、平らな岩を屋根にして神様がお祀りされています。

お祀りされているのは木之花咲耶姫命。木の花が咲くように繁栄するといういわれから、子育てや安産の神様として各地で崇敬されています。

柳森神社の境内には、力石と呼ばれる卵型の石がたくさん置かれている場所があります。力石については後でご紹介します。

力石自体にご利益があるわけではありませんが、この力石の奥にはたくさんの境内社があります。ここからは、力石の奥にある境内社をご紹介します。

青い屋根のお社は明徳稲荷神社です。小さな狐の像が向かい合わせで神様を守っています。お祀りされているのは保食神(うけもちのかみ)で、食べ物を司る神様と言われています。また、保食神は頭から牛や馬を生み出す力を持っていたことから、牛馬の神様としても知られています。

明徳稲荷神社の方向を向いて鎮座しているのは秋葉大神です。秋葉大神は向かい合わせの狛犬がお守りしています。

秋葉大神にお祀りされているのは、火の神様である迦具土神(かぐつちのかみ)です。秋葉大神は火災除けにご利益があると言われています。

火の神様に続いて、水の神様です。水神厳島大明神および江島大明神は龍神様をお祀りしています。お社の前には、2体の龍が向かい合わせで鎮座しています。

この2体のうち右側の龍の後ろには、古い絵馬が飾られています。この絵馬には龍の絵が描かれていて、「昭和戊辰・江ノ島弁財天」という表記も読み取れます。

「こんぴらさん」と呼ばれる金比羅宮は香川県に鎮座する有名な神社ですが、ここ柳森神社にもお祀りされています。

金比羅宮にお祀りされている神様は大物主神(おおものぬしのかみ)です。商売繁盛、五穀豊穣、大漁のご利益があります。

柳森神社の境内にある小さな鳥居を構えたお社は、境内社の「幸神社」です。幸神社は「さいのかみのやしろ」と読みます。

幸神社には、なんと4体もの神様がお祀りされています。ここでは、幸神社にお祀りされている4体の神様をご紹介します。

幸神社の御祭神のひとつは伊弉冉命(いざなみのみこと)です。伊弉冉命は、伊邪那岐命の妻としてたくさんの神々を産んだ女神として有名です。

火の神である迦具土神を産んだことで体に火傷を負い、命を落としてしまう伊弉冉命は、後に死を司る黄泉の主宰神となります。

稚産霊命は「わくむすひのみこと」と読み、古事記によると伊弉冉命が死ぬ間際に産んだ神の一人です。日本書紀では、伊弉冉命が死ぬ間際に産んだ土の神である埴山姫から産まれたとされています。

稚産霊命は、頭に蚕と桑を生み出し、へその中に五穀を生み出したと言われていて、五穀豊穣の神様として崇敬されています。

倉稲魂命は柳森神社の主祭神でもありますが、境内社の幸神社にもお祀りされています。倉稲魂命もまた穀物を司り、五穀豊穣の神様として知られています。

倉稲魂命はスサノオと神大市比売の間に生まれた女神で、一年の収穫を表す年穀の神である大年神を兄に持ちます。

誉田別命は「ほんだわけのみこと」と読み、実在した第15代天皇の応神天皇が神格化されたものです。

誉田別命は神功皇后を母に持ち、71歳で即位、111歳で崩御したという記録が残っています。誉田別命および応神天皇には様々な言い伝えがあります。

金比羅宮の隣にある赤い鳥居の境内社は福寿神祠です。ここは柳森神社の中でも有名な境内社です。福寿神祠にお祀りされているのは徳川家第5代将軍の綱吉の生母である桂昌院で、福寿神として神格化されています。福寿神は「おたぬきさま」という呼び名で親しまれています。

柳森神社の境内社である福寿神祠は桂昌院をお祀りしているお社ですが、なぜか狸の像が多く鎮座しています。これが「おたぬきさま」と呼ばれている理由ですが、なぜ福寿神祠には狸がたくさんいるのでしょうか。ここからは、福寿神祠の狸「おたぬきさま」についてご紹介します。

福寿神祠には合わせて6体の狸の像があります。それぞれの狸は姿も表情も様々でユーモラス。オスの狸も身ごもったメスの狸もいます。

桂昌院は、八百屋の家に生まれながら徳川3代将軍家光の側室となり、後には5代将軍綱吉の生母にもなるという大出世を果たした強運の持ち主。ここから他を抜きん出る「他抜き」にちなんで、狸がお祀りされるようになったと言われています。

福寿神祠は元々、江戸城内に桂昌院が建立した福寿稲荷が柳森神社に遷座したものです。桂昌院だけでなく、大奥のたくさんの女中たちもお参りしたことでしょう。

玉の輿にのった桂昌院にあやかって、桂昌院が崇敬した福寿神をお参りすれば恋愛成就のご利益も期待できそうです。

柳森神社へお参りしたら、ぜひ御朱印を受けて帰りましょう。御朱印を受ける時には、普通のノートや手帳ではなく御朱印帳を持参するか神社で購入します。

ここでは、柳森神社で受けられる御朱印についてご紹介します。秋葉原界隈で御朱印巡りをする人は、柳森神社の御朱印もぜひチェックを。

柳森神社の御朱印は、拝殿の左にある授与所で受けることができます。授与所は無人であることが多く、備え付けの箱に御朱印の初穂料を入れます。

御朱印の初穂料は100円です。一般的な神社や寺院の御朱印は300円で受けられることが多いですが、100円は珍しい初穂料です。

柳森神社の御朱印は、なんと自分で押すユニークな形式です。備え付けの御朱印と朱肉を使って、自分で押しましょう。

日付や御祭神の筆書きがないのは寂しい気もしますが、まるでスタンプラリーのようで楽しい気分も味わえます。

柳森神社はコンパクトな境内ながら、数々の境内社の他にも見どころがたくさん凝縮されています。

ここからは、柳森神社の見どころの数々をご紹介します。四季折々の柳森神社の風景を楽しみにお参りしてはいかがでしょうか。

柳森神社の境内には、1本の桜の木があります。これは「御衣黄」という品種で、都内では滅多に見られないのだとか。

御衣黄は淡い黄緑色の花をつけ、開花が進むにつれてほんのりとピンク色がさしてくる上品な花です。その色合いや花びらの様子から、貴族の衣装と例えられます。

柳森神社の境内に置かれた卵型の石は「力石」と呼ばれています。力石とは、若者たちが様々な重さの力石を持ち上げて、力を競い合うのに使ったものなのだとか。

力石は様々な神社や昔の集会所で見られますが、通常1ヶ所に置かれる力石は1個か2個。柳森神社の力石は全部で13個もあるのだそうです。この力石群は千代田区の有形民俗文化財に指定されています。

柳森神社の境内には、たくさんの神様のお使いがいらっしゃるのも見どころの一つです。おたぬきさまと呼ばれる狸を始め、お稲荷さんの狐、そして龍神や狛犬など様々です。

姿も大きさも様々な神様のお使いは、境内の至る所に鎮座しています。中には隠れキャラのように、思わぬ場所に鎮座しているお使いも。宝探しのように探してみてはいかがでしょうか。

また、柳森神社の境内にいるたくさんの猫も話題となっています。この猫たちは柳森神社で飼われているわけではないようですが、参拝客を見ても逃げる様子もなく終始くつろいでいます。

まるで神様を守るように、柳森神社に集まる猫たち。柳森神社の落ち着いた空気は人間だけでなく猫にとっても癒しの場所であるようです。

柳森神社の拝観料は無料です。拝観時間は7時から17時までとなっていて、時間外には門が閉まっていて中に入ることはできません。

小ぢんまりとしていながら見どころたっぷりの柳森神社。お参りしてみたくなった人は、早速アクセス方法をチェックしましょう。

柳森神社は秋葉原駅に近く、アクセスは良好です。JRおよび東京メトロ秋葉原駅からのアクセスは、電気街口からガード沿いに神田川沿いに向かい、神田ふれあい橋を渡ってすぐ左折します。

また、岩本町からもアクセスが便利です。A2出口から須田町2丁目交差点を右折し、突き当りまで進むと左側に見えます。

柳森神社には専用駐車場はありません。車でアクセスする際には近隣のコインパーキングを利用しましょう。

また、車でアクセスする場合は、柳森神社の周辺は一方通行の道路が多いので注意しましょう。アクセスは車より電車の方が便利でおすすめです。

秋葉原の柳森神社のご利益や御祭神、御朱印についてご紹介しました。賑やかな秋葉原駅からアクセスが良い立地ながら、柳森神社には静かな時間が流れています。秋葉原を訪れたら、様々なご利益にあやかれて見どころたっぷりの柳森神社へお参りしてみてはいかがでしょうか。