上海リニア(マグレブ)で最高速度431㎞の世界を体験！乗り方や料金は？

大都会上海に走るリニアモーターカー。2004年に営業を開始し、もう10年以上も上海の名物として知られています。そんな上海のリニア、単なる交通手段としてのみではなくリニア自体が人気の観光名所として扱われています。今回はそんな上海のリニアについて乗り方や料金、乗り場へのアクセスなど詳しくご紹介いたします。

上海の名物となっているリニアをご紹介いたしますが、その前にそもそもリニアモーターカーとはどういうものなのでしょうか。

そもそも、リニアモーターカーとは和製英語で、海外では通じません。英語ではマグレブという言葉で通用し、上海では「磁浮」と漢字で表記されます。その漢字を見てわかるとおり、原理としては、磁力を利用して車両を浮かせることで摩擦をなくし、高速走行を可能にしました。

日本での研究は1962年に始まり、リニア中央新幹線の2027年の開業まで10年を切りました。世界でもまだ正式にリニアを営業運転させている場所は少なく、上海リニアはその貴重な体験をできるということで有名です。

上海の名物のリニア、せっかく上海を訪れる際にはぜひ乗ってみたいものですが、走行区間はどのあたりなのでしょうか。上海リニアは現在上海浦東国際空港と龍陽路駅の区間30kmをつないでおり、約8分で走行します。途中には停車駅はありません。

実は地下鉄でも同じ区間を行くことはできるのですが、その区間を地下鉄で行った場合はなんと1時間程度もかかりますので、リニアがいかに早く、空港から市街地へのアクセスを便利にしたかがわかります。龍陽路は市街地には少しまだ距離がありますので、地下鉄やタクシーで市街地や目的地に向かうのが便利でしょう。

空港からの移動時間を大幅に短縮した上海リニア、勿論速度はとても早いものとなっています。最高速度はなんと時速431kmで、現在商業運転しているリニアの中では世界最高速度で走っています。

ただし、上海リニアが431kmで走っている時間は朝9時から10時45分、15時から15時45分のわずかな時間に限られます。それ以外の時間は時速300kmでの走行ですのでご注意ください。ちなみに、2027年開業予定のリニア中央新幹線は時速505kmの予定ですので、開通後は世界の商業リニアの最高速度となります。

最高速度時速401kmの上海リニア、なんとしてでも乗ってみたいものですが、せっかく乗るなら座りたいもの。指定席はあるのでしょうか。残念ながら上海リニアには指定席はありません。全席自由席となっています。

しかし、15-20分程度の間隔で電車はやってきますので、早めに並び、席を取るようにしましょう。せっかくですので、速度を体感できる窓際の席がおすすめです。

上海のリニアには、席が2種類用意されています。それが、普通席とVIP席です。先ほどご紹介したとおり全席自由席ですのでVIPも同様なのですが、やはり席には特長があります。上海リニアの普通席とVIP席それぞれの料金と、その席の違いについてご紹介いたしましょう。

まずは普通席料金のご紹介です。普通席の料金は片道50元（約800円）です。同日の航空券がある場合は2割引となりますので、提示しましょう。また、地下鉄の乗り放題のチケットがセットになったお得な料金のものもありますので同日に地下鉄を利用する予定のある方は買うのがおすすめです。

さて、そんな普通席ですが、VIP席と比較して何か不都合があるかと言いますと、そんなことはありません。ソートも快適ですし、空港と市街地間を運行しているだけあって、大きな荷物を置くスペースもきちんと完備されています。

VIP席の場合の料金は、片道100元（約1,600円）です。ちなみに、VIPの場合は往復ですと160元、普通席の場合ですと往復80元になりますので、まとめて買うのがお得です。また、どちらの場合も子供料金の設定はありませんが、大人1人につき子供1人（130cm以下）は無料です。日本と異なり、身長で子供かどうかの判断がされます。

VIP席は普通席と異なり、シートが広々としています。また、運転席に近いので運転席を覗くことができるのも人気のポイントです。シートのうち半分は進行方向と反対向きですので、早めに席を取るようにしましょう。内装については後程ご紹介いたします。

上海のリニア、続いて気になるのは切符の買い方や乗り方、乗り場へのアクセスなど、実際に乗る際のポイントです。まずは切符の買い方についてご紹介いたします。

切符は、窓口とチケットマシーンのどちらでも買うことができます。ただし、チケットマシーンの場合は普通席、片道の販売しかありません。当日の航空券で切符の割引をしてもらったり、VIP席に乗ったり、往復のチケットを買ったりしたい方は窓口を利用するようにしましょう。

また、上海の交通カードをご存知でしょうか。日本で言うとSuicaのような交通系ICカードで、簡単に発行でき、リニア、地下鉄、バスのみでなく、タクシーや渡し舟にも利用できる便利なカード旅行者に人気です。リニアに乗る際はこのカードを使いますと当日の航空券の有無に関係なく自動的に10元割引されます。

交通カードですとVIP席は利用できないという点は難点ですが、上海の街歩きには欠かせないカードです。浦東国際空港駅でも購入できます。また、チャージもコンビニなどで簡単にできるのも人気のポイントです。

上海リニア、続いては乗り方のご紹介です。乗り方自体は簡単ですが、スーツケースなどの大きな荷物を持って上海リニアに乗るには実はいくつか関門があります。

まず1つ目が、エレベーターが使えないこと。日本では多くの駅で当然エレベーターが設置され、誰でも自由に利用することができます。しかしながら、上海のエレベーターは身体障碍者用となっており、更に自分で動かすことができないため、駅員さんを呼ぶ必要があります。

また、改札口についても不便があります。日本では最近はベビーカーや車いすの人のために広い自動改札が導入されていますが、上海では改札も少し狭くなっています。駅員さんに説明し、窓口の横の通路を通してもらうようにしましょう。

そして、もう1つ。改札を通る前には荷物検査があります。日本では考えられませんが、アジアの各国では空港に通じる電車に乗る際には荷物検査を行っていることも多いのです。ひっかかることはめったにないですが、とっさの場合にも対応できるように心構えをしておくようにしましょう。

上海リニアの切符はICカードとなっていますので、切符を通す口はありません。日本のICカードをかざすときと同様、読み取り機にかざして改札を通りましょう。改札内にはエスカレーターがありますので、エスカレーターを利用するのが便利です。

また、乗り方の注意点が1つあります。上海リニアは出発時刻の1分前にはドアが閉まる仕様となっています。駆け込み乗車などはできませんので、時間に余裕をもって乗り場に向かいましょう。

さて、上海リニアの乗り方について、続いては乗り場へのアクセスのご紹介です。まずは、浦東国際空港から乗る場合の乗り場へのアクセス方法です。リニアの乗り場は2階のターミナル1とターミナル2の連絡通路にあります。2つのターミナルは少々離れていますので、歩いてどちらからも5分程度かかります。

上海地下鉄の乗り場とは通路を挟んで向かい側ですので、間違えてそちら側に行かないようにしましょう。チケット売り場は改札口のすぐそばです。人が大勢並んでいるのでわかりやすいと思われます。改札の中には待合スペースもあります。

続いては、龍陽路駅側の上海リニアの乗り方です。龍陽路駅側は、地下鉄の3線と上海リニアの計4路線が乗り入れていますので、にぎやかな雰囲気です。龍陽路での乗り換えの場合は、地下鉄の改札4番出口を出てすぐ目の前ですのでアクセスも簡単です。外に出る必要はありませんので、荷物を持って移動しているときでも雨が降っていても安心です。

さて、続いては上海リニアの内装をご紹介いたします。先ほどご紹介いたしましたとおり、上海リニアには普通席とVIP席の2種類があります。まずはVIP席の内装のご紹介です。

VIP席のシートは黄色い合否のシートで、左右2列ずつのシート、ひじかけもあり、広々と座ることができます。全部で24席と少し少ないシート数ですが、その分広々とスペースを取っていますので乗り心地は抜群です。荷物置き場ももちろん完備されていますし、乗り口も普通席とは別になっています。普通席とはカーテンで仕切られています。

続いて普通席ですが、シートの多くは3列ずつ（計6列）となっています。一部2列ずつのシートの場所もありますので、広々座りたい方はそこを狙いましょう。目の覚めるようなビビッドな青いシートは、リニアに乗るわくわくした気分を盛り上げてくれ、人気となっています。

VIP席、普通席のどちらにも速度計が付いています。出発前は勿論0kmであったものが、徐々に加速していき、最高速度431kmをしっかり記録してくれます。速度計が431kmになった瞬間をカメラに残しておく方も多く、インスタにアップすることも人気となっています。431kmで走っている時間はわずか2分足らずです。

今は空港と市街間を結ぶだけの上海リニア、実は延伸計画がありました。上海には浦東空港以外にもう1つ虹橋空港というものがあるのをご存知でしょうか。実は2つの空港を両方通って、杭州まで延伸される計画がありました。

実現すればすごい計画だったのですが、新幹線が先に開業したことを受けてその計画はなくなってしまいました。計画が頓挫した今、長距離を走る予定の日本のリニア中央新幹線に余計に注目があつまっています。

商業営業を行っているリニアの中で最も成功していると言える上海リニア。最先端の技術で、その全貌を知りたいと思っている方も多くいます。そんなリニアへの憧れを満たしてくれる場所が、リニアの博物館「上海リニア交通科学技術館」です。

龍陽路駅の高架下にあり、上海のリニアについて5つのブースに分けての展示がされています。入場料は10元ですが、当日のリニアの乗車券を持っている場合は5元になりますので、リニアに乗る前のちょっとした空き時間に利用してみてもよいでしょう。

展示時間は9時から17時半で、リニアの仕組みやリニアの変遷、延伸計画のあった場所の地図や、リニアの部品の展示など様々な形での展示が行われています。リニアの模型も販売されていますので、鉄道マニアに人気となっています。

さて、電車と言えば駅弁などを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。特にリニアは上海に着いてすぐであったり、上海から帰る際に利用するもので、いわばリニアに乗る際に食べるものは上海旅行の最初と最後になりそうなもの。リニアに乗る際に楽しめるグルメをご紹介いたします。

まずは浦東国際空港でのグルメです。駅のそばにもフードコートがありますが、せっかくならば美味しいお店で食べたいもの。間違いないのは、上海人家という人気店です。空港の第2ターミナルの出発ロビーからすぐアクセスでき、リーズナブルな価格になっています。

チェーン店ではありますが、人気店でその分味に間違いがなく、初めての中国訪問でもクセのない味を楽しめます。上海名物の小籠包ももちろんあり、朝食時にはモーニングセットもありますので気軽に食べることができます。

続いては、龍陽路駅近くにあるグルメです。龍陽路駅の近くにも勿論フードコートなどはあるのですが、おすすめは別のところ。生煎という、焼き小籠包が人気です。一番のおすすめはスタンダードな生煎で、4つで8元とお手頃です。ワンタンメンや酸辣湯など、様々なメニューがあります。

場所は龍陽路広場からすぐのアクセスです。ピンクの派手な看板が目印で、こちらも人気のチェーン店ですので気を張ることなく楽しむことができます。

いかがでしたでしょうか。この記事では、上海のリニアモーターカーに関する情報を、乗り方、料金、乗り場へのアクセスについてなど詳しくご紹介いたしました。日本にリニアが開通するまでまだあと10年近く。上海にある人気の現在世界最速のリニアに乗って、今まで体感したことのない世界をぜひ味わってみてください。