美味しいと評判の「エソ」についてご紹介
見た目にインパクトのある魚として知られている「エソ」。嫌われ者としても知られていますが、実は美味しい魚として徐々に人気を上げてきています。エソの顔はまるで妖怪のような怖い顔をしていますが、さばき方や食べ方によって釣りも楽しめる魚です。今回はそんなエソの釣り情報から生態、美味しい食べ方までご紹介します。
エソってどんな魚?
釣り人から嫌われているエソは、スーパーでも並ばない魚になるのであまり知られていない魚種になります。そのため、エソが料理に出ることが少なく、釣りで釣ってもさばき方や食べ方がわからない方がほとんどです。
エソは釣りをしている最中に、たまにエサにかかったりもします。釣り人の間ではがっかりされてしまうエソですが、一部からは美味しいと評判の高い魚でもあります。今回はそんなエソがどういった魚なのか、まとめてご紹介します。
エソの見た目の特徴
エソはエソ科、マエソ属に属する魚になり、顔は爬虫類や妖怪のような怖い顔をしています。エソには種類も多く、尾びれの小さいものやヒレの短さなどで種類を把握できます。エソは身体のわりに、口が大きいことでも知られています。
エソは種類が多くいますが、見分けをするのが難しいので、市場などで上がった場合はすべて「エソ」と呼ばれています。そのため、区別されることがなく、おおざっぱに見た目だけでエソを判断されることが多いです。
エソは嫌われ者の魚?
エソはシェアジギング界の嫌われ者として知られており、青物が釣れる前にエソが釣れる場合が多いです。見た目がグロテスクなのをはじめ、大きなサイズのものでは歯がとても鋭いのでラインを食いちぎられる可能性もあります。
ラインが切れてしまうと、設置したルアーもエソも海の中に消えてしまいます。また、エソはさばき方、食べ方が難しいことでも知られており、唐揚げや刺身など美味しい料理がありますが手間がかかることでも知られています。
エソの名前の由来は「見ると嫌悪感がする魚」
エソの名前の由来は見た目に関係していると言われています。エソの名前の由来は大和朝廷の頃まで遡り、朝廷に相対する種族に対して呼ばれていたと言われています。意味合いは見ると嫌悪感がする、見るに堪えないなどマイナスイメージが強いです。
また、エソには狗は卑しい、つまらないという意味合いもあり、エソの見た目からつけられたと言われています。ですが、エソは立派な歴史のある魚でもあり、昔から多くの人々に親しまれていた魚でもあります。
エソの外国名は「爬虫類+魚」
エソは外国名でlizardfish、Snakefishと呼ばれています。トカゲ魚、蛇魚という意味があり、エソの見た目が爬虫類に似ていることからこの名がつけられたと言われています。地域や国によって呼び方も変わります。
エソの学名は「Saurida macrolepis」になり、1917年に日本の研究者が名づけたことでも知られています。普段はあまり呼ばれることのない学名になりますが、知っておいて損のない名前でもあります。
エソは知る人ぞ知る美味しい高級魚
エソは釣り人にも嫌われる魚になりますが、実は知る人ぞ知る高級魚になります。さばき方や食べ方次第で美味しい料理が多く、市場では関連業者が買い占めてしまうほど人気のある魚でもあります。さばき方は難しいですが、クセがなく料理しやすいです。
エソは日本料理亭や高価なレストランなどでも提供されている魚種になります。そこで初めてエソを食べる方も多く、刺身として提供されている場所はさばき方のコツを把握している証拠です。ぜひ1度味わってみてください。
エソという魚の生態
エソは昼間でも泳いでいる魚も多いですが、基本的には夜行性としても知られています。日本でも多く釣れる魚でもあり、世界中で見ることのできる魚です。種類も多いですが、すべてのエソが同じ生態として知られています。
今回はそんなエソの生態についてご紹介します。生態を知っておけば釣りの際にとても役に立ち、さばき方にも繋がっていきます。生命力の強い魚としても知られており、身体の大きさでは想像つかないほど力のある魚でもあります。
エソの分布
エソは全世界の熱帯、亜熱帯海域に広く分布している魚になります。海外では東シナ海からインド洋まで幅広く生息しており、砂場の浅瀬によく見かけられます。色合いが砂と見分けがつかないので、陸地からは見つけにくいです。
国内では千葉の以南、日本海側では若狭湾より西南に広く分布しています。多くの場所でエソの目撃情報があがっているので、釣り初心者の方にもおすすめです。身体が大きい物も浅瀬にいることが多いので、ポイントを探してみましょう。
エソの生息域
エソは基本的に水深100m以内の浅い海を泳いでいることで知られています。エソは砂地の海底を好んで選んでいく傾向があり、昼間は砂に潜っていることが多いです。あまり動かずに砂に潜って泳いでくるエサを探しています。
エサの多くいる場所に移動していくので、小魚の多く生息している場所にもエソが多く目撃されています。そのため、海の流れによっては場所を変えていく可能性があるので、ずっと同じポイントで暮らしていることは少ないです。
エソは肉食性の魚
エソは身体は小ぢんまりとしていますが、実は肉食性の魚になります。エソが食べるエサの種類が多く、貝類、多毛類、頭足類、甲殻類、小魚など幅広く食べています。シュノーケリングなどで、エソの捕食シーンを見たことのある方もいます。
エソよりも身体の小さい小動物をはじめ、エソと同じくらいの大きさのエサも食べることができます。そのため、エソはとても口が大きく発達しており、蛇のように飲みこんでいきます。エサの捕食シーンから、エソの名前が付けられたとも言われています。
エソの産卵期
エソの産卵期は春から夏にかけて波の静かな場所で産卵しています。エソの産卵は抱卵、放精で行われ、雄、雌と1体ずつで行われています。そのため、エソの産卵シーンは貴重なものになり、なかなか見ることができません。
エソはこの時期、身体が大きくなっているので産卵前後にエソを狙う釣り人も大きくいます。産卵までに栄養をしっかりと蓄えているので、産卵前後が美味しいエソとして味わうことができると言われています。
エソの釣り方
エソは比較的釣りやすい魚になり、釣りの練習でエソを釣る方も多くいます。そのため、釣り初心者の方から人気を集めている魚種でもあり、特別な道具がなくても釣ることができるので挑戦しやすい魚になります。
今回はそんなエソの釣り情報をまとめてご紹介します。おすすめの釣り場や釣りやすい時期や時間帯、そしてエサの情報までお伝えしていきます。初めてエソ釣りに挑戦する方は、最初に目を通してみてください。
エソの釣り場
エソにおすすめの釣り場は、時期によって変わっていきます。基本的には潮の流れが良い水深のあるサーフ、河口などの防波堤、外洋に面する港の船道などさまざまなポイントでエソを釣ることができます。
エソは昼間は砂地に隠れているので、昼間に狙う場合は砂地付近にエサを仕掛けていくのがおすすめです。また、産卵期でもある初夏の場合は浅い海域に泳いでいる可能性が高いので、浅瀬を探していくのがおすすめです。
エソ釣りの時期
エソは基本的に温かい気候を好む魚になるので、春や夏など温かい時期に活発に動いています。釣りのベストシーズンは5月から9月にかけてになり、キスを陸地から狙える時期と被っています。キスを狙っている最中にエソが釣れる可能性もあります。
5月から10月はイワシやその他の幼魚が対岸してくるので、エソもイワシや小魚を狙って対岸していく時期になります。そのため、陸地から狙いやすくなる釣り時期でもあり、多くの釣り人がエソの釣果を上げていきます。
エソが釣れる時間帯
エソは基本的に夜行性となっているので、夜によく釣れる魚でもあります。ですが、昼間でも砂地に埋まってエサを探しているので良い位置にエサを持っていけば食いついてきます。そのため、エソは時間に関係なく釣ることができます。
エソは明るいうちは水深の深い場所にいるので、釣るのには少しコツがいります。そのため、釣り初心者の方におすすめの時間帯は朝まづめ、夕まづめがねらい目になり、エソも活発に動き始めるので釣りやすくなると言われています。
エソの釣りの仕掛け
エソ釣りの仕掛けは基本的にはボトムを意識した釣りになっていきます。エソは海底にいることが多いので、やや重いジグを使用するのがおすすめです。エソ釣りの場合は遠投することも考えて、ラインを多めに巻いておくのがコツです。
釣り場によってエソの生息域が変わっていくので、そのポイントによって少しずつ仕掛けを変えていくのがおすすめです。浅瀬の海域に泳いでいる場合は、泳がせ釣りでも釣ることができるので、エサを用意しておきましょう。
エソ釣りのタックル
エソは大きいサイズになると約70cmもの身体になるので、シーバスロッドかショアジギングロッドを使用するのがおすすめです。エソには細かく強い歯がついており、切れる可能性が高いので先端にはナイロンラインの5号を使用するのがおすすめです。
ラインはPEラインの1号を使用し、リールは3000番前後のスピニングリールを設置しましょう。エソは引きがかなり強いので、強めのロッドを使用するのがおすすめです。エソは身体の小さいものでも力強いので、タックルも強いものを用意しましょう。
エソ釣りのエサ
エソは肉食性になり、基本的に死んでいる魚でも食べるので、スーパーの切り身などでも釣りのエサとして利用することができます。そのため、エサを付けるのに苦手な方でもつけやすいです。エソを先に釣って、エソをエサとしても利用できます。
安い値段の魚の切り身でも充分釣ることができるので、大きな魚の場合はエソの食べやすいようにカットしてください。エソは昼間でもエサがくれば関係なくアタックしてくる習性があるので、どんなエサでも釣ることができます。
エソのさばき方
エソはその生態からさばき方にコツのいる魚になります。そのため、初めてエソのさばく方は、初めにさばき方を確認しておくのがおすすめです。エソは身体の小さいものも美味しく食べることができるので、その場合のさばき方も把握しておきましょう。
今回はそんなエソのさばき方をまとめてご紹介します。刺身や唐揚げ、フライなど食べ方によってさばき方が変わっていくので最初に食べ方を決めておくのがおすすめです。ぜひ1度挑戦してみてください。
刺身用のさばき方
エソは刺身で食べる場合、エソの小骨を抜く必要があります。エソには小骨が多くついているので、刺身で食べる場合はすべて丁寧に取っていきましょう。刺身を食べる際に小骨が喉に刺さってしまう危険性もあるのでさばき方には注意が必要です。
さばき方はエソのウロコをまず取っていきます。そして内臓を丁寧に取っていき、背中部分を出刃包丁で叩いて平たくしていきます。平たくすることによって小骨が取りやすくなり、美味しく味わえます。その際に、あまり強く叩きすぎないようにしましょう。
フライ用のさばき方
エソは唐揚げやフライでも美味しく味わうことができます。唐揚げやフライで味わう際は、刺身のように丁寧に小骨を取る必要がありません。背中部分を叩くまでは一緒のさばき方になり、叩く際に小骨を切り刻むように叩いていきます。
エソは骨から身をはがされるともろくなってしまいますが、フライや唐揚げの場合は固めて揚げていくので、多少もろくなっても問題ありません。叩いても骨が取れない場合は、気にならない程度に切り刻んでいくのがおすすめです。
骨を取りやすくするコツ
エソの小骨は裏返して抜いていくのがおすすめです。尻尾部分から指で骨をつまんで引きはがすと綺麗に抜くことができ、エソの身も崩れることが少ないです。骨の付け根部分から始めるとスピード早く抜くことができます。
骨を抜く際は丁寧にゆっくりと抜いていくのがコツです。早く抜いてしまうと身も一緒にはがれてしまうので、その後身が崩れやすくなってしまいます。万が一骨が途中で切れてしまった場合は、骨抜き機を使用しましょう。
エソの美味しい食べ方5選紹介
エソは食べ方によってさまざまな美味しい味わいを楽しむことができます。食べ方も種類豊富にあり、刺身をはじめフライや唐揚げ、お吸い物にしても美味しいです。子供から大人まで楽しめるおすすめの魚になります。
今回はそんなエソの美味しい食べ方をまとめてご紹介します。料理しやすい食べ方も多く、エソの味わいをしっかりと楽しむことができます。高級食材としても知られているので、エソの味がお墨付きです。
エソの味
エソは白身の美味しい魚として知られています。とても柔らかい身となり、クセがないのでどんな料理でも美味しく味わうことができます。有名な鹿児島名物のさつま揚げの原料としてもエソを使用しています。
エソの身の中でも尾の部分は上質な白身になっており、漁師の間では刺身として人気がある食材です。エソはすり身として美味しい魚になり、ネットでも販売されているほど美味しい食材でもあります。
エソの旬
エソの旬の時期は産卵期でもある春から夏にかけてになります。脂がしっかりとのっているので、いつもより美味しい味わいを楽しめます。エソはかまぼこの原料にもなっているので、基本的には1年中味わうことができます。
エソは産卵期にしっかりと栄養素を蓄えているので、風味も良いことで知られています。栄養素が高いことでも知られており、エソを食べると健康になれるとも言われています。ぜひ1度味わってみてください。
エソの美味しい料理①:刺身
エソの味わいを1番楽しめる食べ方が刺身になります。クセがなく、弾力のある白身になるので刺身でも美味しく味わえます。エソの味や食感はタイに似ていると言われており、程よい甘さが口の中に広がっていきます。
腹より下の部分は比較的小骨が少ないので、大きなサイズのエソを釣った場合は腹の下を刺身にするのがおすすめです。モチモチとしたエソならではの食感を楽しめる食べ方になります。
エソの美味しい料理②:唐揚げ
エソは唐揚げで味わうのが一般的になり、家庭でも料理しやすい食べ方になります。エソの唐揚げは150度と少し低めの温度でじっくりと揚げていきます。唐揚げはタルタルソースや醤油で味わうことができ、身もしっかりとしています。
唐揚げにする場合はエソの小骨を取るのではなく、切り刻んでいくのでさばき方も簡単です。唐揚げで食べやすい大きさにカットしていき、片栗粉をまぶすだけで完成です。ぜひ、エソを美味しく味わいたい方は唐揚げがおすすめです。
エソの美味しい料理③:すり身のお吸い物
エソの定番の食べ方であるすり身になります。すり身に卵白半分を入れることによってフワフワの食感を楽しむことができ、お吸い物でも充分出汁をだしてくれます。昆布醤油、塩、生姜、ネギで味を調節していきます。
すり身のお吸い物はおふくろの味としてどこか懐かしい味わいを楽しむことができ、栄養もしっかりと取ることができます。さばき方も簡単なのでぜひ試してみてください。
エソの美味しい料理④:さつま揚げ
エソは実は、練り物界で最高級食材として知られています。さつま揚げで有名な鹿児島県では、エソの身を具材として使用しており、刺身や唐揚げで余った分をさつま揚げとして味わうこともできます。
エソの身、人参、ネギを長芋に混ぜていき、片栗粉をまぶして揚げていきます。さつま揚げはエソを1番美味しく食べられる食べ方としても人気があり、家でも簡単に作ることができます。
エソの美味しい料理⑤:フライ
エソの唐揚げと少し違った食感、味わいを楽しめるのがフライになります。フライの場合はエソの小骨をしっかりと取る必要がありますが、ぶつ切りで美味しく味わうことができます。
フライは高温でしっかりと揚げていくことによって、カリカリとした食感を楽しむことができます。エソ本来の味だけで充分美味しく味わうことができますが、ニンニクや生姜を混ぜていくのもおすすめです。
エソの釣り方やさばき方をマスターして美味しく食べよう!
釣り人からは嫌われ者として知られている「エソ」。エソは釣りを楽しむのはもちろん、美味しく味わうことができ、一部では高級食材として知られています。見た目とは違って繊細で美味しい身を味わうことができ、栄養素がとても高い魚です。もし、釣りでエソが釣れた場合はリリースするのではなく、美味しく味わってみましょう。
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