メキシコには公用語がないって本当？スペイン語や英語は通じるのかも徹底調査！

どこの国に旅行に行くにしても、知っておきたいのが現地の言葉です。特に公用語は警察や病院など、いざというときの言語でもあるので調べておきたいです。今回特集するのはメキシコの公用語、言語です。メキシコにはなぜか公用語がないとも言われていますが、実際はどうなのでしょうか。

メキシコには公用語はありません。公用語とは、公の場所で使われる言語のことを指しますが、すでに広く使用されている言語がある場合は公用語として正式に定められていないこともあります。

なぜかあまり知られていない事実ですが、実は日本にも公用語は定められていません。これは、日本語が一般的に使われている言語であるためです。

メキシコで公用語にあたるような広く使われている言語はスペイン語です。法的には公用語として定められていないので、メキシコにおけるスペイン語は公用語ではなく厳密には共通語と言えます。

なぜメキシコでスペイン語が広く使われているかというと、それはメキシコがその昔スペイン領だったためです。コロンブスが大航海を経てアメリカ大陸を発見したのが1492年です。

この大航海時代をリードしていたのがスペインとポルトガルだったので、この新大陸を2国で分け合って統治することとしました。

分け合う際に紆余曲折はありましたが、1494年のトルデシリャス条約により西経46度37分を通る子午線の東側はポルトガルに、西側はスペインに属することになったのです。

よって、メキシコやグアテマラ、ホンジュラスなどはスペイン領となり、現在でもスペイン語が広く話されています。ちなみになぜかグアテマラやホンジュラスでは、スペイン語が公用語と定められています。

メキシコの共通語はスペイン語ですが、スペイン語以外は話されていないのかというと決してそうではありません。メキシコの人口の約9割はスペイン語を話します。そして人口の約1割はメキシコ先住民で、メキシコ先住民族の種類は50民族以上にも及びます。

そして彼らはそれぞれの種族ごとにメキシコ先住民言語を使用しているので、メキシコ先住民の言語は、マヤ語、ナワトル語、ツェルタル語、タラスコ語など70種類近い言語にもなるのです。

現在メキシコで話されているスペイン語に、先住民言語に由来するものは数多くあります。例えば、アボカドで作ったディップのことをワカモレ(Guacamole)と呼びますが、これは先住民言語に由来します。

メキシコに行くならスペイン語のフレーズを覚えておきたいものですが、少し込み入った話をするときや緊急のときには英語が通じるかどうかが大切になります。世界的観光名所も多いメキシコですが、英語はどれくらい通じるのでしょうか。

メキシコでは、基本的に世界的な観光地では英語が通じます。カンクンはもちろん、プラヤ・デル・カルメン、プエルト・バジャルタ、ロス・カボスなど、世界的なリゾート地では英語だけで問題ありません。

また、メキシコのハ・カリフォルニア州、チワワ州、バハ・カリフォルニア・スール州などアメリカ国境近くでも英語を不自由なく使う人が多いです。

ただ、それ以外の都市に行くと英語が通じる可能性がぐんと低くなってしまいます。メキシコの首都メキシコシティでも街中のレストランやタクシーなどでは英語が通じないという前提で行動をしましょう。

もちろん、空港に行けば英語を話す人はいますが、少しローカルなホテルだと流暢に英語を話すスタッフが限られていることが多いです。

世界的な観光地にいる分には英語が問題なく通じるメキシコ。とはいっても、簡単なフレーズぐらいはスペイン語で覚えていきたいものです。まずは基本の挨拶のフレーズをご紹介しましょう。

LとRに代表されるように英語の発音は日本人には難しいものが多いですが、なぜかスペイン語の発音は日本人には易しく、そのままローマ字読みをすれば問題ありません。

メキシコで一番使える表現は、やあ！ ¡Hola!(オラ)です。かなりカジュアルな表現ですので、英語ではHiに相当します。時間帯を気にせずいつでも使えますので、笑顔とともに元気に使ってみましょう。

日本ではなぜかお店に入るときに特に声をかける必要はありませんが、メキシコではお店の人に¡Hola!(オラ)と声をかけている人が多いです。

¡Hola!(オラ)はかなりカジュアルな表現でしたので、例えば目上の人やビジネスの場だと雰囲気にそぐわないこともあります。そんなときには、少し丁寧な表現を使ってみましょう。

朝の時間帯であれば、おはよう Buenos días(ブエノス ディアス)がぴったりです。buenoは「良い」という意味を、díaは「日」を意味します。

朝の時間が過ぎたら、次に使いたいスペイン語はこんにちは Buenas tardes(ブエナス タルデス)です。buenaは「良い」、そしてtardeは「午後」をそれぞれ意味します。

なぜ、おはようのbuenoではなく、buenaになったのかは、スペイン語にはフランス語などと同じように女性名詞と男性名詞があるためです。díaは男性名詞、tardeは女性名詞にあたります。

夕方から夜になったら、こんばんは、おやすみなさい Buenas noches(ブエナス ノーチェス)という挨拶を使いましょう。nocheは「夜」を意味するスペイン語ですので、直訳すると「良い夜を」という意味になります。

メキシコの少し改まった場所で初めて挨拶をするときには、「おはよう」や「こんにちは」のあとにはじめまして Mucho gusto(ムーチョ グスト)と続けると大変自然です。

Muchoとは、「たくさん、とても」を表し、gustoは「喜び」を意味します。ちなみに、日本でも人気のファミリーレストランにガストがありますが、この名前もスペイン語のgustoに由来します。

メキシコで自分の名前を名乗りたいときには、私の名前は～です Me llamo ～(メ ジャモ ～)と言いましょう。～の部分には名前が入りますので、例えばめぐみさんであれば、メ ジャモ メグミとなります。

そして相手の名前を聞きたい場合は、カジュアルなフレーズではあなたの名前は何？ Cómo te llamas?(コモ テ ジャマス)、そして少しフォーマルな場面では、あなたの名前は何ですか？ ¿Cómo se llama?(コモ セ ジャマ)がおすすめです。

メキシコを旅行する際には、英語が通じる場所でもスペイン語しか通じない場所でも挨拶をスペイン語でするとぐんと印象が良くなります。余裕がある場合には、もう少し踏み込んで日常会話でよく使われるスペイン語のフレーズもマスターしてメキシコに行きましょう。

メキシコの日常会話というよりも挨拶に近いフレーズですが、ありがとう Gracias(グラシアス)はぜひ覚えておきたいフレーズです。メキシコでは、ちょっとしたことをお願いしたときなど、このグラシアスを多用します。レジの人にもグラシアスと声をかけてから立ち去ります。

街中でちょっと肩が触れてしまったときなど、謝る場面ではごめんなさい Perdón(ペルドン)を使いましょう。日本語にも謝るときには、ごめん、ごめんなさい、すみません、申し訳ありませんなど程度の違いがありますが、このぺルドンはカジュアルなごめん、ごめんなさいに相当します。

メキシコで挨拶をしたあとに相手の調子を聞きたいフレーズを続けたい場合は、調子はどうですか、お元気ですか ¿Cómo estás?(コモ エスタ？)と言いましょう。英語のHow are youに相当するフレーズで、かなりカジュアルです。

メキシコでは、屋台の食べ歩きも人気のアクティビティです。値段が書かれていないときには、いくらですか ¿Cuánto cuesta? (クアント クエスタ)と聞きましょう。少し丁寧に聞きたいなら、おいくらですか？ ¿Qué precio tiene?(ケ プレシオ ティエネ)がおすすめです。

値段などが分かり、買うことを決めたときに使えるスペイン語のフレーズがこれをください Esto por favor(エスト ポル ファボール)です。Esto(エスト)は「これ」という意味ですので、欲しいものを指さしながら使いましょう。

メキシコでは、ホテルや大きなショッピングセンターなどではカード決済が可能ですが、小さなお店だと現金のみのケースもあります。確認したいときには、カードは使えますか？ ¿Aceptan tarjeta?(アセプタン タルヘタ？)と尋ねてみましょう。

メキシコは食べ物が美味しいことでも有名です。メキシコ名物のタコスなどを食べて美味しかったら、美味しい! ¡Qué rico! (ケ リコ！)と言ってみましょう。

ちなみに、このフレーズを食べる前に言うメキシコの人もいるのでなぜか不思議に思うかもしれませんが、「美味しい」という意味にも「美味しそう」という意味にも使えるためです。

最後にご紹介するのは、メキシコ旅行で覚えておくとさらに快適に動き回れるフレーズです。携帯でグーグルマップを使ってメキシコ観光するのも楽しいですが、メキシコにいるのですから積極的に現地の人とコミュニケーションを図ってみましょう。

目的地があってそこへ行きたいときには、～へ行きたいです Quiero ir a ～(キエロ イル ア ～)というフレーズが便利です。～のところには目的地を入れましょう。

美術館に行きたいときには、私は美術館へ行きたい Quiero ir al museo(キエロ イール アル ムセオ)です。

メキシコを歩き回っていてなぜか道に迷ってしまったときには、ここはどこですか？ ¿Dónde es aquí?(ドンデ エス アキ？)と聞いてみましょう。aquí(アキ)は「ここ」という意味ですので、そこを別の目的地に入れ替えれば、～はどこですか？というフレーズが作れます。

メキシコでもほかの場所でもトイレの場所を聞けるようになっておくのはとても大切です。トイレはどこですか ¿Dónde está el baño?(ドンデ エスタ エル バーニョ)が基本の尋ね方ですが、トイレのことをsanitario(サニタリオ)と呼ぶこともあります。

メキシコには美しい宗教施設が多くありますが、場合によっては写真が禁止のこともあります。ほかにもメキシコの街を散策中に写真に撮りたい被写体がいた場合、写真を撮っていいか許可を得たほうが丁寧です。

そんなときには、写真を撮ってもいいですか？ ¿Puedo tomar fotos? (プエド トマル フォトス？)と聞いてみましょう。

特にメキシコのリゾート地の治安はかなり良くなっているとはいえ、メキシコシティなどは日本に比べると犯罪率が比べ物にならないほど高いです。

万が一の場合に備え、Help Meに当たるフレーズも覚えてきましょう。トラブルに巻き込まれたら、助けて！ socorro！(スコーロ！)と叫びましょう。

レストランで使えるフレーズとしては、メニューを見せていただけませんか ¿Me puede dar la carta?(メ プエデ ダール ラ カルタ)があります。

英語のメニューをお願いするときには、英語のメニューはありますか？ ¿Tiene menú en inglés?(ティエネ メヌ エン イングレス？)と聞いてみましょう。

ホテルについたらまずはチェックインが必要です。受付では、チェックインをお願いします Quisiera registrarme(キシエラ レヒストラールメ)と言うとスムーズです。

チェックアウトのときは、チェックアウトをお願いします Quisiera dejar la habitación(キシエラ デハール ラ アビタシオン)です。

最後にご紹介するメキシコ旅行で便利に使えるフレーズはタクシーを利用するときに知っておくと安心のフレーズです。

メキシコにはいわゆる白タクと呼ばれるタクシーも多いので、特に夜間にタクシーに乗るときには、安全なタクシーを呼んでもらえませんか ¿Me puede llamar Taxi seguro? (メ プエデ ジャマール タクスィ セグロ)とお願いしましょう。

メキシコを旅行するならスペイン語を覚えて楽しい滞在にしたいもの。現地の人もスペイン語で話しかけると笑顔になってくれるはずです。日本人にとってなぜか発音が易しいスペイン語なのですから、メキシコでは積極的に使ってみてください。