金沢『ひがし茶屋街』の見所！人気のカフェやアクセス・駐車場は？

石川県金沢市にある、ひがし茶屋街は1820年に藩が周辺のお茶屋を集めて町割りが行われた場所です。遊芸をたしなむ格式の高い社交場として華やかさを競い合ったという、ひがし茶屋街には、今も一見さんお断りのお茶屋が残っています。散策するだけでその街並みの美しさに魅了される、ひがし茶屋街の見所をご紹介します。

浅野川の畔、ひがし茶屋街の南端にある徳田秋聲(しゅうせい)記念館。この地で生まれ、明治時代後半から昭和初期に活躍した小説家、徳田秋聲の初版本や自筆原稿、遺品などが展示されています。また外観はひがし茶屋街の景観を損なわないよう、黒瓦や格子、土壁などを使って建造され、街並みと調和しています。

志摩は1820年に建てられたお茶屋で江戸時代の建物そのままが残っており、国の指定重要文化財に登録されています。建物内部は一般公開されており、お茶屋特有の遊芸披露のための広間を中心に階段の上の吹き抜けや燈灯が佇む整備された庭園など、当時の茶屋の華やかさを垣間見ることができます。

志摩の一階にある寒村庵は、喫茶コーナーになっており、カウンター式の席で、抹茶と金沢伝統のお茶菓子をいただくことができます(有料)。6月から9月には室内は夏のしつらえになり、襖や障子戸は涼し気な簾戸(すど)に変えられます。カウンター式の席からは、美しい緑の庭園が見え、静かな時を過ごせます。

志摩と同じ通りにある懐華樓。金沢で一番大きかったお茶屋「旧越濱」(きゅうこしはま)の建物を一般公開しています。朱塗りの座敷や豪華な調度品など、お茶屋ならではの贅沢さを見ることができます。

朱塗りの壁と畳があでやかな懐華樓の遊興のためのお座敷。他にも朱塗りの階段など、贅沢な内装を見ることができます。ここ懐華樓では、夜は現在も一見さんお断りの華やかなお座敷が繰り広げられています。

お茶屋文化館も1820年に建てられたお茶屋の建物。お茶屋時代に使われていた優美な加賀蒔絵や贅沢な意匠がほどこされた道具類、芸妓が使った櫛、かんざし、髪飾りなどが展示されています。その見事な美しさは美術館のようです。

離れの座敷の壁は金沢でおもてなしの色として愛されている、高貴な群青色で、非常に美しい造りになっています。他にも中庭の水琴窟では水滴が奏でる美しい音を聞くことができます。金沢のお茶屋文化が育まれたお座敷は、日常を忘れる癒しの空間ともいえるでしょう。

金沢と言えば、金箔。現在、国内で生産される金箔のほとんどが金沢で作られています。金沢市立安江金箔工芸館では、金箔の製造工程や金箔をあしらった華美な美術工芸品を展示しています。日常あまり見ることのない金箔の美しさを間近で見られるのは金沢ならではの楽しみです。

町屋の蔵をイメージして建てられた金沢市立安江金箔工芸館には、いくつか金箔を使った箇所があります。館名のロゴやホール天井の大きなドームにも金箔が貼られています。またこうした机と椅子にも金箔が。豪華な椅子で一休みするのもいいですね。

金沢市立安江金箔工芸館の近くにある金銀箔工芸さくだも人気スポットのひとつです。1919年創業の老舗金箔工芸店で、金箔の製造工程見学ができ、金箔ミニミュージアムなども併設しています。有名なのは、金箔とプラチナ箔で作られた豪華な化粧室です。アットホームなお店ですので、ふらりと立ち寄るのにおすすめです。

金銀箔工芸さくだの魅力のひとつは、金箔貼りの体験ができること。お店の方のアドバイスで、お箸や丸皿、小箱などの金箔工芸品が作れます。ひがし茶屋街を訪れた際には、世界にひとつだけのオリジナル金箔工芸品を作ってみましょう。

ひがし茶屋街の散策と一緒に楽しみたいのが、茶屋街らしい和のカフェです。ひがし茶屋街にはレトロな雰囲気を満喫できるカフェがたくさんあります。その中でも地元の人たちや観光客に大人気のカフェをご紹介します。観光マップを見て和カフェ巡りをするのも楽しいですね。

お茶屋をリノベーションした建物の2階がパンケーキカフェになっているfluffy(フラッフィー)。朱塗りの壁はそのまま残した情緒あるカフェです。地元産の卵を使ったこだわりのパンケーキ6種はどれもふわふわで大人気。オーナー自らが作ったものもあるという、お皿やカップも可愛いと評判です。

町家の風情を残しつつ、和のモダンを取り入れた店内がおしゃれな茶房 素心(そしん)。ひがし茶屋街の中でも有名な人気店です。特に2階の窓際の席はひがし茶屋街が見渡せ、最高のロケーションです。また注文を受けてから豆をひき、ドリップする本格的コーヒーも大好評です。

茶房 素心の人気メニューのひとつ和風パフェ。抹茶アイスを始め、バニラアイス、抹茶ゼリー、白玉など、さまざまな食感と味が楽しめ、自慢のコーヒーともよく合います。その他、抹茶ブランマンジェや夏は白玉とつぶ餡がトッピングされた抹茶かき氷が人気です。

2016年4月にオープンしたばかりのカフェ、波結(はゆわ)。ひがし茶屋街のメインストリートの正面に位置し、華やかな街並みを一望できる絶景カフェとして人気です。情緒あふれる景観を目の当たりにして味わう上質のスイーツは格別です。

波結の人気メニューは季節感を感じる日替わりの上生菓子と香り高い抹茶のセット。上品な味もさることながら、店主自ら目利きしたという年代物の久谷焼きの茶碗の美しさも必見です。抹茶パフェや見た目も美しい抹茶アフォガードもおすすめのメニューです。

1階はアイスクリームショップで、2階がお座敷になっている甘味カフェ 茶ゆ(ちゃゆ)。地元産の果物や野菜、牛乳を使った、こだわりのアイスクリームが人気のカフェです。東山アイスもなかセットは、2種類のお好みのアイスに竹炭入りのもなかに白玉と餡子がついた人気のメニュー。竹炭入りもなかの中に白玉と餡子をサンドしていただきます。

南北130m、東西180mほどのひがし茶屋街ですが、見所やお目当てのお店を見逃してしまわないためにも、散策マップがあると便利です。ひがし茶屋街周辺で、散策マップがもらえる場所をご紹介します。最新のおすすめ情報やイベント情報なども教えてもらいましょう。

JR金沢駅構内の新幹線改札口正面にある観光案内所。石川県全域の観光マップや観光ガイドがそろっています。その他にも傘や長靴の貸し出しも行っています。さすがにおもてなしの街、金沢ですね。

藩政時代末期の町屋を改装したひがし茶屋休憩館は、無料の休憩所として使われています。こちらでひがし茶屋街の散策に便利な観光マップがもらえます。また金沢市では1857年頃に作成された古地図を使ったパンフレットを発行しています。当時の町割りが現在も残るひがし茶屋街の散策にこんなマップでの散策もおすすめです。

ひがし茶屋街を散策するのに便利な駐車場は、メインストリートにほど近い名鉄協商パーキング。24時間営業で駐車場代は20分100円で、乗用車9台が駐車できます。その他は浅野川に近い東山河畔観光駐車場。14台駐車可能でひがし茶屋街付近では一番大きい駐車場です。駐車場代は、最初の60分が300円で、以降30分ごとに100円です。

JR金沢駅の兼六園口(東口)を出て、バスターミナル7番から城下町金沢周遊バス(右周り)または北鉄バスに乗車、橋場町バス停で降車します。バス停からは、徒歩3分ほどでひがし茶屋街です。城下町金沢周遊バスはおよそ15分間隔のダイヤで金沢市内の観光地を循環しており、他の観光地へのアクセスにも便利です。

東京方面からは関越道・上信越道経由、大阪方面からは名神高速経由で北陸道・金沢東ICで降ります。金沢バイパス/国道8号線を南西方向に走り、田中交差点を左折し県道200号線へ。県道200号線を3.5kmほど南下し、東山交差点を直進、道なりに走っていくと、ひがし茶屋街にアクセスできます。

ひがし茶屋街には他にも昔ながらのお茶屋やおしゃれなカフェ、金沢ならではのお土産物屋など、和の魅力がたくさんあります。兼六園や金沢城公園、金沢21世紀美術館など金沢市内の他の観光スポットにアクセスしやすいのも魅力のひとつ。今度のお出かけには、ぜひ金沢ひがし茶屋街へどうぞ。