横須賀から猿島への行き方は？ラピュタみたいな風景があるって本当？

横須賀から見えるあの島は?と気になっていた人も多いのでは。猿島は、東京湾横須賀沖に自然にできた無人島です。島では海水浴やバーベキュー、釣りなどの海遊びが楽しめたり、緑の深い森の中ではレンガ造りの遺構を探検したりと、1日たっぷり遊べるおすすめレジャースポット。これから、猿島までの行き方と島内の見どころをご紹介します。

東京湾の入口に浮かぶ猿島は、原生林に囲まれた自然たっぷりの無人島です。縄文時代から弥生時代の土器や石器が発見されていますが、長い間人のいない静かな島だったと言われています。幕末の黒船来航をきっかけに、東京湾の玄関口にある猿島には砲台が造られ、日本海軍の基地にも利用されました。

戦後しばらくは国の管理下にあり一般人の立ち入りは禁止されていましたが、2003年に猿島公園として開園しました。行き方は船で楽々。砂浜では海水浴やバーベキューが楽しめ、岩場では釣りや磯遊びができます。島内は散策路が整備され、ラピュタの世界に迷い込んだような深い森やレンガ造りの要塞は多くの人から人気を集めています。

猿島といっても、野生の猿が住んでいるわけでも猿山公園なわけでもありません。その昔、日蓮上人が横須賀の海を船で渡っている時のこと、濃い霧のためにあわや行き方知れずになるところを、どこからともなく現れた不思議な白い猿が案内して無事この島にたどり着いたという伝説から「猿島」という名前がついたそうです。

猿島への行き方は船を利用します。京急線横須賀中央駅から徒歩約15分のところにある三笠公園から船が発着していて、片道約10分で到着します。三笠公園には駐車場があるので、車で来ても大丈夫です。JR横須賀駅のショッパーズプラザ横須賀にある「YOKOSUKA軍港めぐり」の船と間違えないようにご注意下さい。

猿島への船は1時間おきに運航しています。三笠公園からの始発は朝8時30分で、猿島発の最終便は17時です。3月から11月は毎日運航、12月から2月は土日祝日のみの運航です。悪天候の場合は欠航となるのでご注意下さい。往復の乗船料は大人1300円、小学生650円です。乗船の際、猿島公園の入園料が同時に徴収されます。15歳以上200円、小中学生100円です。

猿島に到着して桟橋を渡ると、そこは砂浜。猿島の夏は海水浴客で賑わい、浜辺はパラソルでいっぱいになります。それにしても無人島で泳ぐなんて、素敵な響きですね!シャワーと更衣室を利用するには大人600円、子供300円がかかります。浜辺には貝殻がたくさん落ちているので、サンダルやマリンシューズを履くのがおすすめです。

ビーチではバーベキューを楽しむこともできます。バーベキューに必要な器材はテーブルから割り箸まで揃っていて、しかも洗わずに返却OKという至れり尽くせりのサービス。用意するのは食材だけという手軽さが人気です。器材の在庫は限りがあるので、予定が決まったら早目に予約するのがおすすめ。

猿島周辺の海はきれいで、たくさんの魚や貝が回遊しています。そのため、猿島のどこからでも海釣りが楽しめます。ビーチでは、浜辺から海に向かって仕掛けを投げる投げ釣りでカレイやスズキがよく釣れるのだとか。また、砂浜にはたくさんの貝殻が落ちているので、子供たちは宝探しのように貝拾いが楽しめそう。

島の北側にある「オイモノ鼻」と呼ばれる岩場ではクロダイや根魚、アイナメなどがたくさんかかるそうです。夏は海水浴客で賑わう猿島ですが、釣り人たちにとっては猿島は冬も楽しめる釣りスポット。釣り道具を持っていなくてもレンタルできるので、挑戦してみてはいかがでしょうか。また、猿島では春と秋に釣り大会も行われるそうです。

猿島はいつ見ても濃い緑色。それは島全体に常緑樹のタブノキが生い茂っているから。タブノキは楠の仲間で、海岸でよく見られる高い木です。足元にはシダ類も茂り、様々な植物や生き物が見られます。長い間手付かずだった無人島ならではのワイルドな原生林を探検してみましょう。散策路が整備されていますが、歩きやすいスニーカーなどがおすすめです。

展望台からは遠くに横須賀が眺められます。都会の喧騒から離れて無人島から海を眺めるのは癒しのひととき。頑張って階段を登った甲斐がありますね。猿島に来たらぜひ見てほしいおすすめの風景です。今は展望台周辺に木が茂っていて全方向を見渡せませんが、横須賀市は展望台の改修計画を進めているそうで、将来が楽しみですね。

猿島は、人気映画「天空の城ラピュタ」のような風景が見られることでも有名です。それは、戦時中に旧日本軍によって建てられたレンガ造りの要塞と深い森が織り成す景観。まるでラピュタの要塞に入り込んでしまったような気分ですね。この要塞を詳しく観光できるガイドツアーもあり、三笠公園で乗船券を購入する時に申し込みできます。

全長約90mにも及ぶレンガ造りのトンネルは、明治初期に用いられた「フランス積み」という建築方式で造られています。現在のレンガの建物は「イギリス積み」が主流で、フランス積みの建築物は今では貴重なものになっているそうです。トンネルの内部には地下施設が造られたり、あえて見通しが悪くなっていたりするなど、要塞としての機能が随所に見られます。

猿島には東京湾に入ってくる敵船を迎え撃つため、幕末の黒船来航から第二次世界大戦までの間に砲台が築かれました。砲台は実戦で使用されることはありませんでしたが、現在でも残っている砲台跡は貴重な歴史遺産となっています。まるでラピュタの要塞さながらの風景!辺りにロボット兵が歩いているような雰囲気です。猿島へ遊びに行く前に「天空の城ラピュタ」を見ておくと、より猿島探検が楽しめるかもしれませんね。

猿島は人気ヒーロー、仮面ライダーと意外なつながりがある島です。猿島にあるレンガ造りの建物が仮面ライダーの敵「ショッカー」のアジトとして使われた他、展望台へ続く坂道を仮面ライダーがバイクで疾走したり森の中で戦闘したりと、猿島のあちこちが劇中に登場しました。1972年頃の放送でしたが、今でもライダーファンたちはそのシーンを再現して楽しんでいるそうです。

猿島は仮面ライダーファンの聖地ともいうべき場所。仮面ライダーに扮して写真撮影する人も見かけます。子供たちにとっては、ヒーローショーでしか会えないライダーたちに偶然会えるチャンスかもしれませんね。猿島は他にも至る所に絵になる風景があり、カメラ好きの人たちに人気の撮影スポットになっています。

GWと海水浴シーズンには、レストラン「オーシャンズキッチン」がオープンします。メニューは横須賀海軍カレーに猿島ラーメン、タコライスなど、手軽に食べられるランチです。猿島ラーメンには麺が見えないほど具材がたっぷり!限定販売のしらす丼も人気です。トレーに乗せてくれるので、好きな場所に運んで食べられます。

デザートにはかき氷がおすすめ。4つのフレーバーが選べて350円です。また、かき氷にフルーツとアイスクリームが加わった「猿島ポンチ」650円も大人気!リゾート気分が味わえるスイーツです。オーシャンズキッチンには他にも、無人島SARUSHIMAビールや猿島焼酎などの猿島オリジナルのお酒もあるので味見してみては。

猿島の売店ではお土産やドリンクなどを買うことができます。ただし売店は季節営業のため、運悪く店休日に当たってしまうことも。猿島でお土産を買いそびれた人は、横須賀市内のお店でも買うことができます。おすすめは猿島近海でとれた「猿島わかめ」。柔らかくて適度な塩気がおいしいと評判です。猿島わかめを練り込んだラーメン「よこすか猿麺」も人気。

横須賀から行き方も簡単な無人島猿島は、子供も大人も楽しめる人気の冒険島です。小さな島には海水浴やバーベキューに釣りなどアクティビティが豊富で、ラピュタの世界に入り込んだような森の風景など見どころもいっぱい!今度のお休みには横須賀から船に乗って、猿島へ渡ってみませんか?