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ういろうは小田原で生まれた万能薬!味・効能・値段・歴史などまとめて解説!

ういろうは小田原で生まれた万能薬!味・効能・値段・歴史などまとめて解説!
投稿日: 2017年8月25日最終更新日: 2020年10月7日

山口や名古屋の名物として知られる、小豆を使ったお菓子「ういろう」。小田原にもあることをご存知でしょうか。じつは小田原では、お菓子だけではない薬としての「ういろう」が存在します。現地でもめったに手に入らない、万能薬としての「ういろう」が今も小田原にはあります。

小田原にある万能薬「ういろう」見出し

Photo by kohrogi34

「ういろう」と言えば小豆を使った甘い和菓子を想像する人が多いと思います。しかし小田原では「お菓子のういろう」と呼ばれます。何故かというと、小田原にはもう一つの外郎が存在するのです。それが万能薬と呼ばれるういろう「透頂香(とうちんこう)」です。歴史ある小田原の万能薬「ういろう」について解説します。

小田原でしか手に入らない万能薬ういろう見出し

Photo by kohrogi34

ういろうの歴史には諸説ありますが、全国的に有名なお菓子のういろうよりも、薬のういろうの方が先にあったという説が多いです。ういろう「透頂香」に形が似ていたのでういろうという名前が付いた、透頂香を飲むときに苦味が強いため口直しに出されたお菓子だったのでういろうという名前が付いた、という二説があります。

中国からやってきた薬「透頂香」がういろうの起源です。今ではお菓子のほうが有名になってしまいましたが、「外郎売」という歌舞伎の演目があるほど、薬のういろうは値段も手ごろですが様々な効能もあるため有名な存在でした。しかし今、材料の採取が難しくなり、販売しているお店も一つのみとなってしまいました。

小田原の万能薬ういろうの歴史見出し

小田原のういろうの歴史は日本では室町時代、中国の元王朝までさかのぼります。当時王家に仕えていた陳延祐は「大医院礼部員外郎」という役職で、地位はあまり高くないものの官吏の人たちの医療を行い薬を調達する重要な役職でした。当時中国の医学や漢方はとても優れていて、日本でもその情報は貴重なものでした。

元王朝が滅ぼされる際に珍一族は日本へと亡命しました。筑前にたどり着いた陳延祐は名前を珍外郎と改めました。それ以後、外郎家という名前で日本の歴史に名前を残すことになります。医術に優れた珍外郎の処方した薬は大変多く、彼の一族はその後幕府で医官を務めるようになりました。

博多から京へと移り、1504年には北条早雲に招かれ、小田原に移住しました。北条家から大事にされた外郎家は、「虎屋」という名で透頂香を販売するようになりました。小田原攻めの後もそれは変わらず、「虎屋」は小田原のういろう売りとして重宝され続け、現在では「株式会社ういろう」に名前を変えて存在しています。

小田原の万能薬ういろうが希少な理由見出し

歴史があり愛されている薬ならもっとたくさんの会社で作ったり販売したりできるのではないか、と思われるかもしれませんが、薬のういろうの原材料は漢方。この材料の採れる場所が環境破壊で激減。ういろうが以前のように多く作れなくなってしまいました。

有名な漢方ですと、冬虫夏草が絶滅の危機にあると2008年にはニュースになっています。今も中国では漢方の絶滅が深刻な問題です。天然で獲れる冬虫夏草の栄養はとても優れていて、人工的に栽培できるものではありません。漢方の原料は人の手ではなく自然の手で獲れたからこそ、効能が優れているものが多いのです。

万能すぎる薬のういろうの効能見出し

薬のういろうが現在も人気があるのは、やはりその効能の多さと効き目の早さにあります。人気歌舞伎役者が、咳と痰が止まらず、舞台に出られなくなった際、ういろうを舐めたところたちどころに治り、お礼も込めて作ったのが演目「外郎売」です。現在でも、もらいもので試しに舐めたら翌日には喉の調子が良くなったという人もいます。

乗り物酔いも、通常酔い止めを乗車する数十分前に服用しないと効果がないものが多いのですが、小田原のういろうは症状が起きてからの服用でも大丈夫。効果が現れます。一度服用した人は処方箋や薬局で買ったものよりも早く効果が現れると驚くほどです。多くの人が欲しくなるのもなっとくの効能です。

胃痛や下痢、食中毒等の消化器系の不良から乗り物酔い、のどの痛み、頭痛等の風邪のような症状から疲労まで。どんな成分がどう作用してここまでの万能性を発揮しているのか不思議なほど様々な効能があります。お子さんでも大人の半分の量で利用できるので、老若男女幅広い層に使える薬です。

家畜にも効果を発揮する薬のういろう

ういろうの効能をよく見ると、牛馬などの畜産にもその効果があることが書かれています。その際の用量は人間の倍の量が必要になるので、一袋あっという間に使い切ってしまうほどですが、伝染病にも効果があります。人間だけでなく動物にも万能薬として使える、驚きの薬です。

アナウンサーや声優の必修「外郎売」

直接ういろうを飲んでの効能ではありませんが、演目「外郎売」は声優やアナウンサー、俳優の間で発声練習や滑舌を良くするための方法として使われていることが多いです。全部丸暗記してすらすら喋れるように練習を重ねています。薬だけでなく、お菓子や演目などういろうの残した歴史には多くの人たちに影響を与えています。

良薬苦し?万能薬ういろうの味見出し

良薬口に苦し、ということわざがあるように、服用した人たちは「苦い。」と言います。しかし同時に「すっきりとしたさわやかな苦味」とも味を表現しています。これは薬のういろうの構造が苦味を感じさせにくくしているからなのです。表面を銀でコーティングすることで、直接強い苦味を感じにくくしています。

ういろうの効能に口臭を消す効果があり、タブレットのように服用すると口の中にさっぱりとしたさわやかな苦味を感じるようになっています。苦い薬の代表格に正露丸がよくあげられますが、万能薬ういろうの苦味はどちらかというと、ミントのようなすーっとした清涼感を残す味になっています。

高い?安い?ういろうの値段見出し

でも高いんでしょ?と思う人もいるかもしれませんが、ういろうの値段は1000円から購入できるのです。小袋1袋104粒入って1000円。小袋3個で3000円、大袋4個で5000円という値段になっています。一回の服用が症状によっては大人で20粒なので、5回分1000円という金額は、効能を見れば決して高い値段ではないと感じます。

希少価値が高いものは値段が高くなるのが商売としては正しいことかもしれません。しかし25代も続く「株式会社ういろう」は必要な人に届ける万能薬としてういろうを売り続けています。時代によっては武士や華族など上流階級の人にしか手が届かない万能薬だったこともありますが、今のういろうは手頃な値段を維持しています。

一見さんお断り?入手困難な小田原のういろう見出し

歴史ある万能薬ういろうはその作り方も600年以上前の製造方法をとっているため、材料を変えて作ったりということができません。そのためドラッグストアのようにふらりと立ち寄ってすぐに購入できるものではありません。もちろん通販もありません。そして一人でいくつも購入できるものでもありません。

小田原でういろうを販売する「株式会社ういろう」は本当に必要な人へ届くように、万能薬ういろうを求める人、一人一人ときちんと話をすることで販売をしています。希少なものだからこそ、本当に必要な人に届けたいという販売側の姿勢が、薬の良さを守り続けてきたのだと感じます。

ういろうを販売する際は症状を聞き、何粒飲めばいいかをアドバイスをしてくれます。飲みすぎも良くありませんが、少なすぎても症状が改善しません。お子さんが体調を崩してしまった時も相談して処方してもらえ良かったと言う声もあり、対面販売することできちんとした用法用量を説明することにより、一層効果が出るのではと感じます。

それでも欲しい!小田原ういろうの購入方法見出し

万能薬ういろうを手に入れる方法、それは小田原に行くしかありません。本当に欲しい人はういろうの効能で改善する症状で悩んでいる人なので、きちんと処方してもらえます。乗り物酔いや片頭痛で相談にいったらすすめられたという人もいるので、一見さんだから売ってもらえないということはありません。

ういろうだけでなく小田原観光も!

ういろうの購入は一人2個までのなので、遠方に住んでいる人は5000円のものを2個購入する人も多いです。場所は小田原駅からすぐ近くなので、行くまでの道のりは複雑で分かりにくいということはありません。薬を買いにきたついでに小田原観光もして帰るという人も多いです。

住所:神奈川県小田原市本町1-13-17
電話番号:0465-24-0560

小田原の歴史を物語る万能薬ういろう見出し

万能薬ういろうは本当に必要としている人に届けるためにまとめ買いはできませんが、必要な人は観光も併せて小田原に行ってみてはいかがでしょうか。健康な人も、歴史資料館もあり、観光におすすめです。小田原に観光を検討をしている人や、小田原ういろうが気になっていた人のご参考になると嬉しいです。

投稿日: 2017年8月25日最終更新日: 2020年10月7日

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