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ジブリ映画で話題の「シベリア」って何?謎のお菓子の発祥や由来に迫る!

ジブリ映画で話題の「シベリア」って何?謎のお菓子の発祥や由来に迫る!
投稿日: 2017年9月21日最終更新日: 2021年5月14日

皆さんはシベリアというお菓子をご存知ですか?若い世代は知らない方も多いかもしれませんが、生まれや名前の由来などはっきりしないことが多い謎めいたお菓子なんです。今回は、風立ちぬにも登場し話題になったお菓子「シベリア」をご紹介致します。

昔ながらのお菓子「シベリア」見出し

Photo by hm7hm7

お菓子といえば沢山のものが存在しますが、起源を辿るととても昔から存在しているお菓子も存在します。バターケーキ、金平糖、丸ぼうろなど、どれも懐かしい味とも言われるお菓子たちです。その中でシベリアというお菓子をご存知ですか?今回はシベリアの発祥、由来から現在でも食べることができる場所までご紹介します。

手間暇かけてつくられるお菓子「シベリア」見出し

Photo by synchroswimr

サンドイッチともケーキともとれるような見た目ですが、カステラの間に羊羹をつめたお菓子です。また、この羊羹は固まったものをカステラで単にサンドしているのではなく、カステラを敷いた上に溶けた羊羹を流し入れ上からカステラでサンドするというとても手間のかかる工程で作られています。

その証拠に、シベリアの断面をよくよく見るとカステラに羊羹がうっすら染み込んでいるのが分かります。羊羹がカステラで単にサンドされているだけではなく、カステラと羊羹がしっかりとくっついているのです。カステラを焼いて、また羊羹を作るところから考えると、本当に手の込んだお菓子です。

関東が発祥のお菓子「シベリア」見出し

Photo by Naoki Natsume/Ishii , 夏目直樹 ,石井直樹

洋菓子とも和菓子ともとれるシベリアですが、その発祥は実はあまり明らかになっていません。ですがとても昔に誕生し、身近なところで買える手頃さと価格の安さで子どもたちのお菓子として親しまれていたということは食べ物に関連する様々な著書や記録から読み取ることができます。

1910年代に創業した神奈川県のベーカリーでシベリアが販売されていたという記録がのこっており、明治時代には存在していたということがわかります。食べ物に関する書物では、シベリアは関東とくに東京や神奈川の横浜のパン屋で登場することが多く、都心部で昔から親しまれていたということが分かります。

お菓子「シベリア」の由来とは見出し

Photo byLarisa-K

発祥も謎が多いシベリアですが、名前の由来も諸説あります。明治時代といえば冷蔵庫もまだ存在していない時代です。その中でシベリアという名前は涼しさを連想させるため、子どもたちが好むお菓子のナンバーワンであったとも言われていますが、一体どういう由来があるのでしょうか。

由来1:シベリアの永久凍土

Photo by ntx

シベリア地方には1年通して地中の温度が0度以下で常に凍結した土壌、いわゆる永久凍土と呼ばれる地帯が存在します。お菓子のシベリアではカステラを氷に、羊羹を氷土に見立ててシベリアという名前をつけたという説があります。羊羹を凍った土に見立てるとはなんとも涼しげな印象を受ける名前の由来です。

由来2:シベリア鉄道

Photo by Train Chartering & Private Rail Cars

こちらはカステラ生地をシベリアの大雪原と白樺に、羊羹をその雪原を走る鉄道に見立てたという説です。シベリア鉄道といえば世界一長い鉄道としても有名ですが、そこから連想したという説です。言われてみれば鉄道のレールは濃い茶色のようなものが多いですから、羊羹の色に合わせて例えるのも不自然ではありません。

由来3:シベリア出兵

1910年代から1920年代にかけて行われたシベリア出兵。日本からも多くの兵力と軍事金が送り込まれました。シベリアはその頃に発祥したお菓子であったため、当時において洋風をより身近に感じることができる名前としてシベリアが選ばれたという説です。またシベリア出兵した兵士の間で作られたお菓子という説もあります。

お菓子「シベリア」は消えつつある見出し

昔から存在することもあり懐かしいと愛されるシベリアですが、現在ではその姿を見ることが少なくなってきています。原因の一つはなんといっても手間がかかるということです。カステラも羊羹も一から作るため、シンプルな見た目とは裏腹にとても作るのに時間のかかるお菓子です。そのため作り続けるお店が減っていったというのが現状です。

シベリアの多くはパン屋で作られていました。一説にはパン屋の釜の余熱でカステラなどを焼いていたためだと言われています。明治、対象時代では卵が高級品であったため卵をふんだんに使うカステラを用いたシベリアは高級感もあり、喫茶店のメニューとしても取り入れられていた時期がありました。

しかし、近代化にともない人々の食文化や習慣が変化し、より欧米風のものが好まれるようになりました。またスーパーマーケットやコンピニエンスストアの増加もありパン屋が廃業に追い込まれるに合わせてシベリアも見る機会が減ってゆきました。いまではあまり見かけることのないお菓子となっています。

映画「風立ちぬ」で再び話題に見出し

Photo by so-oh

姿を消しつつあったシベリアですが、2013年に公開されたジブリ映画「風立ちぬ」で再び注目を集めることになります。「風立ちぬ」は堀越二郎という実在の人物が主人公の映画です。この二郎が仕事帰りにいつも駄菓子とパンを売る商店で決まって買うのが、ほかでもないシベリアでした。

この「風立ちぬ」のシーンを見て、「懐かしい!シベリアだ!」と思い出す人もあれば、「あのお菓子は一体何?」と全く目にしたことのない人もあったようです。いづれにせよ話題になるには十分だった「風立ちぬ」のシベリア登場シーン。持ち帰る時、新聞紙などで巻いてあるところもなんだか懐かしい感じがします。

お菓子「シベリア」が買えるお店1:サン・ローザ見出し

Photo by The_JIFF

東京の西東京市にあるこちらが「風立ちぬ」に登場したシベリアのモデルとなったお店です。価格はなんと1つ100円です。いくつも買いたくなってしまう子どものお財布にも優しいお値段です。数年前にはジブリ製作所の方も一度に100個ほど購入されたとのことです。ちなみに通常サイズより少し大きい「シベリア超特級」も1つ300円で販売されています。

どこのベーカリー、ケーキ屋もおなじですが、ここサンローザのシベリアも手作りのため羊羹やカステラの形が不揃いなのもとてもかわいらしいです。カステラはスフレのようにふわふわで、甘すぎない羊羹と絶妙にマッチしています。小ぶりのためちょっとしたおやつ、軽食にぴったりです。

住所:東京都西東京市柳沢1-1-27 電話番号:042-465-8690

お菓子「シベリア」が買えるお店2:コテイベーカリー見出し

コテイベーカリーは大正5年創業の老舗ベーカリーです。カステラの2倍ほどもある分厚い羊羹が特徴です。こちらも「風立ちぬ」の公開後はシベリアの問い合わせ・注文がぐんと増え、シベリアだけで映画公開前の5倍の売り上げになる日もあったようです。今でも地元の人々に愛される町のベーカリーです。

ちなみにコテイベーカリーのシベリアは2016年のNHK連続テレビ小説でも登場しており、その際にもシベリアの売り上げが伸びたようです。値段は1つ300円で、1個でもかなり食べごたえがあります。ちなみに甘食も販売されています。こちらも最近では見かけなくなった懐かしい味の菓子パンです。

コテイベーカリーのシベリアの特徴はなんといっても羊羹の分厚さです。もちろんそのままでも食べられますが、羊羹の部分から半分にカットすると食べやすいそうです。こちらの羊羹は水羊羹のため甘さが控えめです。とっても分厚いですが甘さに飽きることなくぱくぱく食べることができます。

住所:神奈川県横浜市中区花咲町2丁目63 電話番号:045-231-2944

お菓子「シベリア」が買えるお店3:ヨコスカベーカリー見出し

Photo by kurotango Clip

お店の名の通り神奈川県横須賀市にあるヨコスカベーカリーは、昭和3年創業のベーカリーです。こちらの名物は「元祖フランスパン」。幕末の頃、フランスからの技術者のためにフランスパンを作ったのが最初とのことです。甘食やメロンパンと定番のものからチョコバナナサンド、キューブパンといった変わり種も販売しています。

同店のシベリアはとても大きいのが特徴です。こちらでは1本まるまるのシベリア(約700グラム)も販売されていて、ハーフも出来るそうです。そしてヨコスカベーカリーではシベリアではなくシベリヤケーキと呼ばれているようです。ところによってはカステラ羊羹と言われることもあるようなのでシベリアの言い方は様々です。

住所:神奈川県横須賀市若松町3丁目11 電話番号:046-822-0233

お菓子「シベリア」が買えるお店4:サンゴダールマルジュー見出し

Photo by puffyjet

東京の荒川にお店を構えるサンゴダールマルジューでもシベリアを買うことができます。マルジューとは日本で初めてイーストでの製パン方法を考えた田辺玄平さんの家紋「丸十」から発祥したベーカリーグループの名前だそうです。現在でも協同組合で残っている日本屈指の老舗ベーカリーです。

店内には焼きそばパンやあんドーナツ、ジャムパンといった懐かしいものからショコラケーキ、抹茶蒸しケーキとデザートのようなものまでずらりと並んでいます。サンゴダールマルジューのシベリアもコテイベーカリー同様、羊羹が甘さ控えめに作られています。甘さがしつこくなくさっぱりしてるのが特徴です。

住所:東京都荒川区西日暮里3丁目23 電話番号:03-3821-5309

有名なパンメーカーも発売見出し

大手パンメーカーの山崎製パンもシベリアを販売しています。その名も「三角シベリア」です。こちらはカステラではなくスポンジケーキで羊羹がサンドされています。ホームページでは菓子パンではなく洋菓子の分類で紹介されています。価格は1つ100円ほどで、スーパーでよく販売されているようです。

今だからできるシベリアの食べ方も見出し

シベリアが誕生した頃こそ、まだ普及していなかった冷蔵庫ですが現在では冷蔵庫(正確には冷凍庫ですが)を使った「冷やしシベリア」、「冷凍シベリア」が人気だそうです。冷凍してもあまり羊羹がカチカチにならずシャリシャリした食感を楽しむことができるそうで、夏場は冷やしスイーツとして特におすすめです。

シベリアを食べてみませんか見出し

Photo by inazakira

いかがでしたか?発祥も由来も謎に包まれているシベリアですが、昔懐かしい味で今でも一部のベーカリーで販売されている人気のお菓子です。どのベーカリーでもカステラも羊羹も手作りで作られているため、そのお店によって様々な食感と味を楽しむことができます。見つけた際は是非、食べてみてください。

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投稿日: 2017年9月21日最終更新日: 2021年5月14日

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