富山で有名な日本酒といえば？おすすめの地酒をランキングで紹介！

立山連峰をはじめ北アルプスからのおいしい水が豊富な富山県。酒造りに適した冬の寒さというのもあってここで作られる地酒が美味しいのは当たり前。ただ控えめな富山県人の性なのか全国的にはメジャーになれないでいるようだ。ここでは富山の有名な地酒を紹介し、アナタを徹底的に酔わせ富山の日本酒の魅力に接してもらおう。

富山の日本酒の特徴は「まるで富山の人のよう」である。富山の人は控えめな人が多いように日本酒もあまり主張をしないという感じだ。富山の日本酒は全般的に淡麗辛口の日本酒が多く控えめな味わいといえよう。富山の豊かな食材を引き立てる名わき役というところか。今宵もそんな富山の酒で一杯いきたいものである。

日本酒の種類を見ていこう。普通種の場合は醸造アルコールを白米重量の10%以上使用。本醸造は精米歩合70%以下、麹歩合15%以上、少量のアルコール添加。大吟醸は精米歩合50%以下、麹歩合15%以上、少量のアルコールを添加。吟醸は精米歩合60%以下、麹歩合15%以上、少量のアルコール添加。純米は麹歩合15%以上、アルコール添加なし、などである。

キューと富山の地酒を呑みたいので、9位からの紹介。まずは立山酒造の「銀嶺立山」がおすすめだ。酒米は兵庫の「山田錦」や富山産の「五百万石」と、立山からの庄川の伏流水で本醸造から純米、吟醸、大吟醸などを満遍なく醸している。吟醸はほのかな香りとスッキリした辛口な口当たりで、後味は旨みとコクでまったりとなると好評だ。

住所：富山県砺波市中野220 電話番号：0763-33-3330

次に富山の地酒としておすすめしたいのが満寿泉（ますいずみ）だ。昭和40年代から当時はあまり出回らなかった吟醸に本格的に取り組んだ桝田酒造店が造っている酒は美味しくて品質が良い。ここはコスト度外視で酒質にこだわっているのだ。富山産の酒米山田錦を使った吟醸酒や純米酒の種類が豊富でどれを飲んでもキレがいい。

ここの純米大吟醸が富山の日本酒を代表するのは、天皇陛下が富山県に来訪した折レセプションで乾杯に使われたことでもうかがえる。また、あくなき探求心で、オーク樽で熟成させたウイスキー並みの日本酒「満寿泉オーク樽貴醸酒」を出荷したり、中田英寿監修の満寿泉入りのキットカットも女性を中心に人気を博していておすすめだ。

住所：富山県富山市東岩瀬町269 電話番号：076-437-9916

立山の旧名が「太刀山」という名の富山の地酒を紹介。吉江酒造は親子2人だけで小さな蔵で希少価値の日本酒を造っている。大吟醸、純米吟醸、純米などを中心に年間生産量80石という希少価値の地酒である。五百万石や山田錦の酒米と庄内の伏流水で造る日本酒はキレの良い辛口でおすすめだ。冬季の生酒も美味しくておすすめである。

ここの蔵は杜氏を雇わない主義のため、一時は蔵を閉めようとしたそうだ。その時傍らで眠る娘に自分で造った酒を持たせて嫁がせようと何とか続けてきたそうである。現在は息子が蔵に入り存続している。そんな酒屋のストーリーに思いを馳せつつも味のある「太刀山」を飲んでいただきたい。

住所：富山県砺波市若草町5-5 電話番号：0763-32-2232

たびたび丹頂鶴が舞い降りることから「千代鶴」と名付けられた富山の地酒がおすすめだ。こちらも家族経営で年間100石という生産量のため店頭販売のみという貴重な日本酒。早月川の伏流水と富山産の酒米にこだわった地酒は、柔らかな口当たりで地元に愛される上撰から純米や吟醸、純米吟醸までどれを呑んでも美味しいと大人気なのだ。

住所：富山県滑川市下梅沢360 電話番号：076-475-0031

富山の「勝駒」という日本酒も希少価値でおすすめだ。酒造は5人で造っているので本数は限られてしまうようだ。富山県産の山田錦と五百万石の酒米と庄川の伏流水で醸した「真の贅沢を知る酒」ということだから心して飲むことだ。大量生産では出せないうまさをぜひ堪能するべし。

ところで「勝駒」という名は、清都酒造の初代が日露戦争から戦勝して帰ってきたことから名付けられたということだ。特にその名前から選挙になると競って買い求めるようである。普通酒から本醸造、純米、吟醸、純米吟醸、大吟醸と種類が揃っている。口に含めば甘さが広がるが、後で辛口のキレがくると人気の日本酒である。

住所：富山県高岡市京町12-12 電話番号：0776-22-0557

若鶴酒造の「苗加屋」も富山の日本酒ではおすすめの地酒。特別純米の琳青（りんのあお）はやわらかでふくらみのある旨味のある味で人気がある。純米吟醸の琳赤（りんのあか）は力強いながらもまろやかさがあるやや辛口な味で美味しい。純米大吟醸の琳黒（りんのくろ）もある。いずれも若鶴酒造の150年の歴史が醸しだす逸品である。

富山でも3本の指に入る大きな酒蔵の「若鶴酒造」の「若鶴」という日本酒は元来淡麗辛口であるのだが、「苗加屋」は真逆を目指した。無濾過・生酒・原酒という濃醇な味わいをみせているのだ。そして、蔵の中での-3度以下の貯蔵と小売店にも冷蔵保管を徹底させ品質保全をもってアナタの喉元を通り過ぎるのだ。飲まずにいられない日本酒だ。

住所：富山県砺波市三郎丸208 電話番号：0763-32-3032

400年以上の歴史を持つ「林酒造」の代表地酒が「黒部峡」である。伝統の技法に新しい技法も取り入れながら日本酒の文化を伝承しようと手作りに徹している。ここも蔵人が少なく年間150石という日本酒の生産量だから希少価値の部類に入る。そんな中、平成28年新酒鑑評会で金賞を受賞しているのだから品質と味は折り紙付きだ。

富山で最も古い400年の伝統を持つ「林酒造」だが新しい感性も光る。歴史を感じる本醸造「関桜」はいまだに根強いファンがいる一方、「黒部峡」の吟醸や純米に人気がある。「水のささやき」「若大将」といった名がユニークな商品も販売し好評を得ている。ただし、ネット上ではなく特約店のみの販売なので入手が困難かもしれない。

住所：富山県下新川郡朝日町境1608 電話番号：0765-82-0384

老舗の銀盤酒造の中でも人気ナンバーワンなのが「米の芯」。なんと精米歩合35%まで磨き上げた日本酒だ。口当たりがいいことから女性に大人気で女子会には欠かせないそうだ。兵庫県産山田錦と黒部川の名水で作られているから柔らかくキレイな味を堪能すべし。原酒もおすすめ。純米大吟醸「銀盤50」も辛口ながら根強い人気があるようだ。

実は190年もの歴史を誇る「銀盤酒造」は昨年（2016年）6月に経営譲渡し、兵庫の阪神酒販の傘下になったということだ。先代はその前からも機械化を図っており今では富山の日本酒の出荷量第2位になっている。傘下になったとはいえ味はさらに美味しくなったと評判は上々。「飲む人にも造る人にもやさしい」というのがここの日本酒だ。

住所：富山県黒部市荻生4853−3 電話番号：0765-54-1181

富山の富美菊酒造の「羽根屋」が大人気でおすすめだ。富美菊酒造では四季酒造と言って1年中日本酒を造っている。常に生酒を供給しているのだ。富美菊酒造のモットーはフェレッシュ感のようだ。その四季折々の微妙な味がまた「羽根屋」の美味しさといえるのではないだろうか。

少し前までは「富美菊」というブランドが有名で6000石あったが、大吟醸などに方向転換して300石までに生産を落とし「羽根屋」を生み出す。今では「羽根屋」がブランドで1000石まで生産を上げている。淡麗辛口ながら旨みのある地酒である。今の秋はひやおろしを嗜み、これからの冬は新酒を楽しみたい。

住所：富山県富山市百塚134-3 電話番号：076-441-9594

いかがだっただろうか？日本酒好きには富山の地酒はぜひ手に入れたい日本酒であろう。しかし、品質重視の富山の地酒は数量が少ないので手に入れにくい銘柄が多い。冒頭でメジャーでないと述べたのも生産量が少ないことにも原因がありそう。ここで紹介できない富山の地酒も多いが、ぜひ実際に飲んで富山の日本酒の美味しさを広めてほしい。