氷見線観光列車『べるもんた』で素敵な旅！『ハットリくん』列車は子供に人気！

氷見線との醍醐味と言えば、豊かな自然。海山に臨み、見渡せる美しい光景は氷見線最大の魅力だ。沿線では雨晴海岸の絶景や、漁業の町氷見の魚介類が有名。氷見線「べるもんた」や、「忍者ハットリくん列車」に乗って旅に出れば、いろんな楽しみに出会うことだろう。自然や食べ物、観光スポット、温泉など、さまざまな氷見線の見どころを紹介する。

皆さま、氷見線観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」、通称「べるもんた」をご存じだろうか?「べるもんた」は、城端線・氷見線両線初の観光列車として2015年10月10日より運行を開始。海山の美しい景色が楽しめる。鉄道ファンならずとも1度は乗ってみたい列車で、氷見線に乗るならば是非「べるもんた」へ乗車して観光を楽しみたい。

「べるもんた」は土日のみの運行だ。また、土曜日と日曜日でルートが変わるので覚えておきたい。土曜日が氷見線ルートで、新高岡駅から氷見駅までの運行。日曜日が城端線ルートで、高岡駅から城端駅までの運行だ。土曜日には新高岡駅から高岡駅を通過し、城端線から氷見線直通となる。直通運転はこれまでに前例がなく注目だ。

城端線は山側、氷見線は海側に走行している「べるもんた」。山海の変わりゆく景色が美しい。列車名は「美しい山と海」をフランス語に訳した「ベル・モンターニュ・エ・メール」と命名され、国内外の観光客への認知を図っている。モダンで品のある外観は、田園や海沿いを走る貴婦人をイメージしているそう。

車窓は美しい1枚の絵画のように演出されている。最大2.52メートルある窓枠は額縁風デザイン。ダイナミックなパノラマビューが楽しめるパノラマカウンター席は大人気席だ。氷見線「べるもんた」では氷見線最大のビュースポットである雨晴海岸で一時停止し、海越しの立山連峰の絶景を堪能できる粋な演出も楽しめる。

車内のパーテーションには富山県南砺市の伝統工芸品「井波らんま」が8作品展示されている。世界遺産にも登録された合掌造りや花などを題材とし、高い技術で造られていてまさに一見の価値ありだ。井波彫刻は寺院等の彫刻のほか、富山県の一般家庭の欄間や職場の彫刻として広まっている。

つり革もこだわっており、沿線の4都市を代表する図柄と高岡銅器をイメージした銅箔で装飾されている。車内はガラスケースの中に伝統工芸品が飾られていたり、扇風機や照明カバーもひと味違う造り。絵画のような車窓だけではなく、車内でいろいろな伝統工芸品も見られるので「走るギャラリー」というのも頷ける。

「べるもんた」では車内サービスとして「ぷち富山湾鮨セット」、「ほろ酔いセット」、「飲み比べセット」、「おみやげセット」が提供されている。鮮度抜群の地元食材を使った鮨は、車内で寿司職人がにぎっており、旅のお供に是非味わってみたい。当日の社内販売は数量限定のため、乗車3日前までに着地型ツアーサイトで事前予約がおすすめ。

とやま鮨という富山県内で回転寿司屋を展開している会社が運営。車内に寿司カウンターが設置されていて、寿司職人がその場で鮨をにぎる。「ぷち富山湾鮨セット」は富山湾の新鮮な海の幸、富山産の米を使用した寿司5貫に麦茶がついており、ネタが新鮮濃厚でとても美味しいと評判だ。あまりの美味しさにリピーター続出。

「べるもんた」に乗ると地元の熱意をひしひしと感じることだろう。沿線の駅では横断幕で出迎えてくれたり、地域の人たちが熱心に見送りをしてくれる。車内では観光協会の人たちが解説をしてくれ、記念乗車券がもらえる。車掌に申し出れば指定券に記念印も押してもらえるので、声をかけてみよう。

「べるもんた」は座席数が39席と少なく、人気の観光列車なので予約はお早めに。インターネットで事前予約可能。パノラマカウンター席の予約が取れればおすすめだ。当日空席があることもあるので、予約をしていない人は問い合わせてみるとよい。約1時間の乗車時間があっという間に感じられることだろう。

なにかと隣県石川県金沢の観光列車「花嫁のれん」と比べられてしまうことが多い「べるもんた」。絢爛豪華で華やかな「花嫁のれん」よりは低価格で気軽に乗車できる。指定席券520円で乗れるので、人気があるのも頷ける。運行初日はわずか3分で売り切れたというので驚きだ。

氷見線最大の絶景ポイントである雨晴海岸。とても美しい海岸で「白砂青松100選」や「日本の渚100選」に選ばれている。また、松尾芭蕉が「おくのほそ道」に詠んだ地として「おくのほそ道風景地」として名勝にも指定。天気がよいと海の向こうにそびえたつ立山連峰がみごとな絶景だ。季節や時間帯によっても魅せる姿が異なり、同じ氷見線から眺める景色であっても、さまざまな美しさが楽しめる。

雨晴海岸には浸食によってできた洞窟のある岩があり、その昔源義経と武蔵坊弁慶が奥州へ向かう途中、この岩の下で雨やどりしたという伝説が残されている。そしてそれは現在の「雨晴」の地名の由来となり、岩は「義経岩」と呼ばれるようになった。義経岩の上には義経社という祠が建てられている。

氷見線氷見駅付近は、藤子不二雄A先生の出身地として、先生の観光スポットがたくさんある。駅前の商店街では忍者ハットリくんのキャラクターや、先生の描いたサカナのキャラクターのモニュメントが出迎えてくれるので、見物してみよう。このほかにも、氷見は富山県有数の漁業の町で、漁港付近まで行けば水揚げされたばかりの新鮮な魚貝類が食べられる店もあるので是非訪れてみたい。

藤子不二雄A先生の生家「光禅寺」では、忍者ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿、笑ゥせぇるすまんの石像が出迎えてくれる。忍者ハットリくんのキャラクターが1時間おきに登場する「カラクリ時計」も人気スポット。「潮風ギャラリー」ではまんが作品やモニュメントを展示。忍者ハットリくんのコスチュームを着て記念撮影ができる。(大人用、子供用あり)

氷見線氷見駅からタクシーで5分に立地。道の駅「ひみ番屋街」では食事やお土産、温泉が楽しめる。魚師が漁場近くにつくる作業小屋である「番屋」をイメージして造られていて、情緒ある雰囲気に触れることができる。富山湾と立山連峰に臨む美しいロケーションも最高で、ゆったりとした時を過ごすことができるだろう。

「ひみ番屋街」にはたくさんの専門店・飲食店が集っている。氷見漁港直送の魚介を使った回転ずし、氷見うどん、氷見牛、氷見カレーなど、ここでしか味わえない地元の料理がずらり。海の幸がたくさんあり、お土産物も充実している。冬期には日本一旨いと言われる氷見名物「寒ブリ」がおすすめ!昼には売り切れてしまうこともあるほどの人気ぶりだ。

富山湾に臨み美しい立山連峰を眺めながら、無料で足湯を堪能できる。源泉かけ流しの天然温泉に足をつければ体の芯から温まり、旅の疲れも和らぐというもの。小さな子供連れで温泉は面倒という人たちも、足湯ならば気軽につかれるので、是非つかっていってほしい。

「ひみ番屋街」の隣にあるのが「氷見温泉郷総湯」だ。泉質は塩化物強塩泉の源泉掛け流しの天然温泉。血行促進、鎮静効果が期待できる秘湯で、疲れた体を癒すのにぴったりだ。ぬるめの温度で、ゆっくりとつかることができる。ひみ番屋街の2000円以上のレシートを持っていくと割引あり。

藤子不二雄A先生は氷見市出身。これにちなんで作られた、忍者ハットリくんが描かれた「忍者ハットリくん列車」が子供たちに大人気で、是非乗ってみたい。「忍者ハットリくん列車」で運転する列車は本数が少なく、日によって異なるので注意が必要。事前に確認してから出かけよう。

「忍者ハットリくん列車」は氷見線、城端線の両線で運行しているが、氷見線のみ忍者ハットリくんの声による案内放送が行われており、子供連れの旅におすすめだ!一部ハットリくんの声による案内放送をしていない時間帯があるので、こちらも確認しておきたい。

「忍者ハットリくん列車」では列車の表面だけでなく、車内のあちらこちらにかわいいキャラクターが描かれている。キャラクターは細かく丁寧に描かれていて、とても迫力があり、一見の価値ありだ。人気の「忍者ハットリくん列車」で、記念撮影を撮るのに大忙しの旅行客も多数で、大人も子供も楽しめる。

ここまで氷見線について紹介した。「べるもんた」は地元愛に包まれており、海山の絶景はもちろん、車内に展示されている重厚な伝統工芸品も見応えがある。絶品の「ぷち富山湾鮨セット」も是非堪能してみたい。併せて乗りたいのが「忍者ハットリくん列車」。かわいく楽しいこの列車に乗れば、子供も大人もわくわくする旅になるだろう。さまざまな魅力のつまった氷見線で、是非旅に出かけてみてほしい。