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鈴木大拙館の建築の見どころは?アクセスや開館時間など必要情報もご紹介!

鈴木大拙館の建築の見どころは?アクセスや開館時間など必要情報もご紹介!
投稿日: 2018年4月2日最終更新日: 2020年10月8日

石川県金沢市に2011年オープンした鈴木大拙館は、世界的な仏教哲学者である鈴木大拙の書や写真などを通してその心を知り、「禅」の独特な世界観を学ぶ建築物の構成でも知られています。そんな鈴木大拙館の見どころやおすすめポイントなどをご紹介していきます。

鈴木大拙館で「禅」を感じよう見出し

Photo byNeuPaddy

日本国内ではあまり大きく取り上げられることなく、知る人ぞ知る、といった存在の鈴木大拙(すずきだいせつ)は、仏教思想のひとつである「禅」を世界に広めたことで、仏教哲学者として世界的な権威と言われます。金沢市の中心市街に生家があったことから、この地に鈴木大拙館が開設されました。鈴木大拙館のおすすめポイントなどをご案内致しましょう。

鈴木大拙館へのアクセス見出し

公共交通機関でのアクセス

Photo by utahca

鈴木大拙館へのアクセスは、公共交通機関のご利用がおすすめです。関西方面からのアクセスが非常に便利になった現在、JR北陸新幹線の終着駅となっている金沢駅は、新幹線の開業に伴ってリニューアルされたこの駅舎そのものがすでに素晴らしい建築美を誇っています。「世界で最も美しい駅14選」の6位にも選ばれたことのある価値ある建築です。

Photo by yuko_ppp2501

大阪・京都方面からは特急「サンダーバード」、名古屋・米原方面からは特急「しらさぎ」号がそれぞれ金沢駅にアクセスしています。金沢駅からは北陸鉄道バス花里線に乗り換えて「本多町」バス停で下車するか、もしくは城下まち金沢周遊バスでも「本多町」バス停にアクセスできます。乗車時間はそれぞれ15-20分程です。

お車でのアクセス

Photo by BONGURI

金沢まで、関西方面からは北陸自動車道でアクセスして「金沢西IC」で高速を出ます。名古屋方面や金沢以東からのアクセスの場合は東海北陸自動車道から北陸自動車道へアクセスし、「金沢森本IC」で高速を出ます。それぞれのICから鈴木大拙館へは約20分ほどです。鈴木大拙館には一般駐車場がありませんので、近隣の有料駐車場をご利用ください。

住所:石川県金沢市本多町3-4-20 電話番号:076-221-8011

観光しながらアクセス見出し

Photo by senngokujidai4434

観光しながら、と言える由縁はこの鈴木大拙館の立地にあります。なぜなら、徒歩数分のところに、金沢が誇る国の特別名勝、日本三名園のひとつである兼六園があるからです。兼六園からは金沢城址や、金沢21世紀美術館、石川県立歴史博物館など見どころが多数あるので、そのルートの中に容易に組み込むことができます。

兼六園

Photo by Japanexperterna.se

鈴木大拙館近隣の一番のおすすめ見どころは、やはり兼六園でしょう。金沢を訪れるほとんどの観光客にとって、兼六園ははずせない見どころのひとつです。金沢城址を見学し、兼六園の素晴らしい日本庭園を楽しんだあとは、そのまま徒歩数分のところにある鈴木大拙館へ行くことができます。ちょうどいい距離で、ちょうどいい規模なのです。

21世紀美術館

鈴木大拙館の建築美が20世紀のアートならば、その次、21世紀のアート作品を集めた美術館もいかがでしょうか。アートって自由なんだ、ということを感じる作品が数多く展示されており、どれを見ても違った味わいがあります。大型の触って楽しめるような作品も多いので、お子様連れでも楽しめる最寄りのおすすめ観光スポットです。

鈴木大拙ってどんな人?見出し

鈴木大拙の本名は貞太郎(ていたろう)であり、「大拙」という名前は、後に師事していた釈宗演という禅僧から受けた居士号です。仏教について深く学んでいた大拙は、一時渡米して東洋学関連書籍の発行などに携わっていたころがあり、その際に様々な仏教文化や「禅」の教えなどを英訳していたことから世界へ仏教の心が広まっていきました。

「神秘的」な存在であった仏教の教え「禅」の心が英訳されて広まったおかげで、多くの世界の人々に知られるところとなったことは、非常に大きな功績であると言えるでしょう。私たち日本人でも、禅の心について語れと言われてすぐ説明できるものではありません。英訳『大乗起信論』(1900)や『大乗仏教概論』(英文)は、著名な多くの作品のうちのものです。

Photo by brewbooks

海外で仏教思想について講演を行ったり、海外の大学で客員教授として教鞭をとったり、と精力的に海外でも活動していたことから、心理学者のカール・グスタフ・ユングやドイツの哲学者ハイデッガーなど、様々な著名人たちとも交流がありました。欧米の主流、キリスト教とも比較しながらの易しく分かりやすい内容の著作は今でも人気です。

「禅」を知る見出し

Photo by aperturevintage

「禅」は、もともと大乗仏教の一派である禅宗の略称であったり、座禅を組むことを表していたり様々ですが、その根本は同じです。サンスクリット語のdhyāna(ディヤーナ)の音をあらわす言葉で「心を静かに集中する」ことを示します。「禅」が宗教ではなく修行のことを言うのだ、と言われる所以です。

Photo by michael-day

大乗仏教の教えに、「六波羅蜜」というものがあります。悟りへの道程で必要とされる修行(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)を示す言葉なのですが、その中のひとつ、「禅定」が「禅」と一番近い思想だと言われます。周囲の雑音に惑わされず、自己の内面を見つめる時間を持つことは、仏教修行のひとつ、大切な要素なのです。

鈴木大拙館の開館時間見出し

Photo by amo_designare

開館時間は、午前9時30分から午後5時までとなっています。最終入館受付時間は午後4時30分までです。ゆっくりとした静かな時間を過ごして頂くためにも、開館時間のご確認をお忘れなきよう、お願い致します。なお、定休日は毎週月曜日、年末年始は12月29日から1月3日となっています。資料整理のため、臨時休館することもありますので、ご確認ください。

鈴木大拙館の入館料見出し

Photo by june29

鈴木大拙館の入館料は非常に安く、それも人気の理由のひとつとなっています。一般の入館料は300円、20名様以上の団体の場合、団体入館料の適用となり、250円となります。また、65歳以上の方の入館料はさらにお求めやすく200円です。高校生以下の方か、もしくは障碍者手帳をお持ちの方とその介護人の入館料は無料です。

こんなに安い入館料の設定ですが、実はさらにお得な入館料の設定があるのです。金沢市内にある16もの文化施設共通の観覧券、というものがあります。鈴木大拙館をはじめ、安江金箔工芸館や泉鏡花記念館、金沢ふるさと偉人館、中村記念美術館など、1枚の共通観覧券で見学することができます。

Photo by Japanexperterna.se

金沢市文化施設共通観覧券は、16の施設すべての入館料が含まれており、金沢観光におすすめです。ひとつの施設ごとに入館料は設定されており、概ね一般の入館料は300円となっていますが、共通観覧券は1日パスポートで510円。3日間パスポートで820円、1年間パスポートで2050円です。それぞれの入館料を支払うよりもかなりお得な設定です。

建築ファン垂涎の鈴木大拙館見出し

鈴木大拙館の建築デザインは、日本が誇る世界的な建築家、谷口吉生(たにぐちよしお)の作品のひとつです。資生堂アートハウスを処女作として、数多くの美術館建築を手掛けている建築家です。葛西臨海水族園の設計や、MoMA(ニューヨーク近代美術館)の改築など、その功績は多岐に渡ります。写真は、京都にある国立博物館です。

こちらは、谷口吉生の最高傑作との呼び声高い豊田市美術館です。京都国立博物館にも豊田市美術館にも共通している点は、この2枚の写真からもはっきりわかるところがあります。建物の前に大きく水面の空間を作り上げることと、建物自体は水平垂直の直線を組み合わせた凛とした形を保つところです。実は、こういった共通点が鈴木大拙館にも表れています。

Photo by lawtonjm

建物自体のコンクリート打ちっぱなしの無機質な材質と、水平垂直の直線を組み合わせたデザインは、いかにも凛とした雰囲気を醸し出していて、鈴木大拙の思い描く「禅」の世界に近づいていく意味をなしているようにも思えます。思わず襟を正して、静かに、ただ心静かに見学する気持ちを高めてくれています。

Photo by _Yuki_K_

鈴木大拙館の中庭のような配置で設けられた水面の空間は、やはり谷口吉生の建築であることをあらわしている象徴のような空間でもあります。自然豊かな環境にある鈴木大拙館の周辺には緑がとても多く配され、室内から外を見る窓からは、周囲の緑地を借景とした、それでいてごくごく自然に室内装飾であるかの如く見られる落ち着いた空間があります。

鈴木大拙館の見どころおすすめ1【玄関棟】見出し

いよいよ、鈴木大拙館の中へ入っていきましょう。鈴木大拙館は、建物と庭それぞれ3つずつから構成されており、建物同士は回遊できるようになっている回廊でつながれています。まず目につくのは入口から続くコンクリート打ちっぱなしの細い廊下です。仄暗い廊下の先に明るい空間が見える様は、あたかも悟りへの道をあらわすかのようです。

鈴木大拙館の見どころおすすめ2【展示棟】見出し

細く薄暗い廊下を抜けた先には、鈴木大拙の書や写真などが展示された「展示棟」があります。この鈴木大拙館では、展示品がいくつかあるのですが、それに付属する説明書きが一切ないのが大きな特徴のひとつです。それぞれの作品などを見て、心で感じて、それぞれが感じた心の動きや感動を深く味わう、という奥の深い鑑賞の仕方を勧めているのです。

Photo by kawamura shin

展示棟から思索空間棟へとつながる通路も、またこの建築の魅力的なおすすめポイントです。展示を鑑賞して得た心の動きをかみしめながら水のほとりを歩くと、また爽やかな風とともに新たな感動が加えられるかもしれません。頭で考えるだけではなく、心で感じたままの感動を大切にしながら、次の思索空間棟へとつながっていくのです。

鈴木大拙館の見どころおすすめ3【水鏡の庭】見出し

水盤を思わせる水面に浮かぶのは、思索空間棟です。展示棟から見るこの空間の美しさこそ、建築家谷口吉生の真骨頂ではないでしょうか。水面と直線の組み合わせにしばし見惚れてしまいます。まるで浮いているかのように見える真っ白な箱と直線的な屋根部分は、「禅」の世界に入っていく凛とした空気を演出してくれています。

Photo byDevanath

この水鏡の庭にはひとつ仕掛けがあります。時折、ボコンッという音とともに波紋が生まれます。これは、悠久と思われる水鏡のような水面でも、絶えず変化する様を現すとともに、また元の静寂に戻っているようで、実は以前の静寂とは違ったものなのかもしれない、という、鈴木大拙が研究した「禅」の世界を模索していく手助けとなる工夫なのです。

鈴木大拙館の見どころおすすめ4【思索空間棟】見出し

水鏡の庭を眺めながら外回廊を通り、思索空間棟へと入っていきます。真っ白な箱のような内部はあたかも瞑想空間のような場となっています。展示空間で感じた心の動きを、何をするでもない、ただ静かに心落ち着けて座り、水鏡の庭を見つめながらじっくりかみしめるための場所です。ここでは誰もが静寂を味わうことができるでしょう。

鈴木大拙館の見どころおすすめ5【学習空間】見出し

展示棟の奥には、学習空間という部屋があります。ここは、展示空間にあった鈴木大拙の書や著作をより深く味わうための場として用意されています。鈴木大拙の心や考え方を学ぶことで、より深く禅を知り、より深く考えることができます。「知る」「学ぶ」「考える」が一体となっていることがこの鈴木大拙館の特徴です。

鈴木大拙館の見どころおすすめ6【露地の庭】見出し

鈴木大拙館では、外観、内観ともに華美な装飾は施されていません。そのかわり、所どころに配置された窓から見える庭の風景が、思考を邪魔しない程度に絶妙な安らぎを与えてくれています。玄関棟の直線廊下の途中に配された窓からは玄関の庭が、そしてここ学習空間の奥には、露地の庭が見えるように配置されています。

「露地」というのは室町時代に生まれた日本古来の庭園様式のひとつで、お茶室へと続く通路脇に作られたこじんまりした庭のことを言います。身近に自然を感じ、侘び寂びを感じることで雑念をはらってもらう、という工夫です。鈴木大拙館では、こういった細やかな工夫がいくつも施されているのが分かります。

鈴木大拙館の見どころおすすめ7【ライトアップ】見出し

鈴木大拙館の開館時間は17時までとなっており、季節によってはまだまだ明るい時間帯のためライトアップされることはありません。通常の開館時間内に日没の時間が当てはまる11月から1月上旬までは比較的ライトアップを見られるチャンスかもしれません。マジックアワーの空とライトアップされた鈴木大拙館の美しさは言葉にできません。

また、冬場以外でもライトアップが見られる時があります。鈴木大拙館で行われる様々なイベント時と、毎年10月18日の鈴木大拙館の開館記念日だけは、夜の開館時間が設定され、18:00-20:00で最終入館は19:30です。イベントの日程は予め公式ホームページで公開されますが、予約が必要な事も多く、なかなか取りづらいため早めのチェックが必要です。

鈴木大拙館で心静かに見出し

いかがでしたか?みんなが集まる楽しい場所ももちろん良いのですが、たまには静かに内面を見つめる旅、というものもしてみませんか。日常の喧騒から少し離れ、鈴木大拙館で心静かに落ち着いて、ゆっくりとした雰囲気に身をゆだねるのも最高の贅沢のような気がします。あなたの旅が素敵なものになりますように!

投稿日: 2018年4月2日最終更新日: 2020年10月8日

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