愛染明王の真言にはどんなご利益が？恋愛運が上がる仏像は東京や大阪にも！

恋に悩んだ経験はありませんか？恋に悩んだとき、どうしても思い切った行動が取れなくなり、億劫になる人もいるのではないでしょうか。そんな時は、神様の力をお借りして勇気をもらうのも一つの方法です。たくさんいる恋の神様の中で、愛染明王も愛の神様の一人。今回は、愛染明王のご真言やご利益、仏像が祀られている場所をご紹介します！

仏教の流派である密教の仏様。サンスクリット語で「ラーガ・ラージャ」または、「マハー・ラーガ」といます。「ラーガ」はサンスクリット語で、「赤」や「愛欲」という意味があります。愛染明王が愛と関わりが深いことが示されています。また、愛染明王は仏法の中では、特殊な力の持ち主でもあります。

仏法では、人間の欲望や煩悩を否定している中で、欲望や煩悩を悟りに変え、菩薩心にまで導いてくれる力を持ちます。欲望や煩悩のエネルギーをそのまま悟りのエネルギーに変えるよう導いてくれます。この世に生きる生き物に寄り添った考えを持つ仏様です。「煩悩即菩提」！愛欲を悟りに変えることができる、愛染明王は愛の神様と言えます！

愛染明王は、「愛の仏様」として、恋愛成就や結婚祈願にご利益があると広く知られています。良縁だけでなく、「愛染」の「藍に染める」という言葉から、染物屋さんやアパレル関係者からの信仰も厚く、商売繁盛を願う商人や企業家、身体健全や必勝祈願を願う受験生など、幅広い人々からの支持を集めています。

愛の仏様という異名とは、裏腹に、愛染明王の表情は怒っています。これは「忿怒（ふんぬ）の形相」といい、仏像において、「明王」と名前のついてる仏像は、忿怒の形相となっています。これは、如来や菩薩の慈悲深い優しい教えにでは通用しない人々を正しい道に導き、悪を討つ力を持っているため、このような表情にいなっています。

愛染明王は、目が3つと腕が6本あり、体は赤く、背中には日輪形光背（にちりんぎょうこうはい）という太陽を表す光背を背負っている姿が特徴的です。3つの目は、あらゆる世界を見通す力を持っています。獅子の冠をした頭は逆立ち、人々を救いたいという強い覚悟が忿怒の表情に現れています。忿怒の表情で蓮華座の腰掛け人々を見守っています。

愛染明王の６本の腕は、六道全てを救うとされています。六道というのは、死後のいずれかに訪れるとされている「天道」「人道」「修羅道」「地獄道」などのこと。6本の腕のうち、左右第一の手に持っているのは「五鈷杵（ごこしょ）」「五鈷鈴（ごこれい）」。これは、煩悩を打ち砕く武器と衆生の眼を覚させる鈴のことです。

愛染明王の特徴的な持ち物として印象深いのが、左右第二の手に持たれている、弓と矢。この2つは「敬愛」と「調和」を表しています。愛の仏様特有の持ち物と言えます！左右第三の手の右手には、「未敷蓮華（ふみれんげ）」を持ち、左手は何も持たず、握り拳をつくっています。これを「金剛拳」といいます。

「金剛拳」と「未敷蓮華」合わせて、煩悩や人生の迷いを打ち払う「増益」と「降伏」を表しています。金剛拳は、祈る人々の祈りに応じて持つものを変えるために空けてあるという説や、拳の中には、「摩尼宝珠（まにほうじゅ）」という、様々な願いを叶えられる宝珠が隠されているという説もありますが、人々を想っての拳であることは変わりないです！

ご真言とは、仏様の教えがこもった真実の言葉のこと。つまりは「言霊（ことだま）」のこと。サンスクリット語では、「マントラ」といい、「マインドを伝える方法」という意味があるそうです。サンスクリット語は聖人が天から受け取った音だと言われています。そのため、愛染明王の真言は、唱えることで、効果絶大なおまじないになると言われています。

愛染明王のご真言は「オン・マカラギャ・バゾロシュニシャ・バザラサトバ・ジャク・ウン・バン・コク」といいます。これを日常的に何度も唱えることで、恋愛成就、家内円満だけでなく人間関係の改善や諸難消除まで効果があるとされています。人の縁に関わることを改善してくれるので、悩んでいる時は、支えになってくれます。

ご真言を実際に唱える場合、愛染明王の仏像の前でお唱えする方が効果があるとされていますが、家でご真言をお唱えしても充分な効果を得ることができます。家でお唱えする場合は、愛染明王の仏像の写真やポストカードなど、愛染明王の仏像を心の中で思い浮かべるだけでも効果的です。

ご真言を唱える際に、恋愛などに関する願い事を紙に書きます。その紙を両手の手のひらでぴったり押さえます。拝む手の間に紙を挟むイメージです。この時、手は鼻よりも下に位置してください。そして、ご真言に大事なのは「音」！頭の中でポンポンポンっと木魚を叩いているようなイメージでリズムカルにお唱えするのが効果的です。

愛染明王のご真言を約30万回お唱えすると、あらゆる人から慕われ、愛されるようになり、意中の人と結ばれるようになると言われています。効果絶大といえども、30万回唱えるには毎日1000回ご真言を唱える生活を10ヶ月続けるくらい時間がかかります。しかし、必ずしも30万回ご真言を唱えないと効果が無いわけではありません。

唱えれば唱えるほど、ご利益に効果があるとされているご真言ですが、適切な回数がありました！1日に3回、7回、21回、108回が最適な回数と言われています。毎日21日間ご真言を唱え、祈願することで成就しやすくなると言われています。平日は3回、休日は21回と都合で変えても大丈夫！21日間できそうなスケジュールで祈願してください。

より愛染明王のご真言のご利益の効果を求めるならば、実際に愛染明王の仏像に祈願するのが一番です 。実は、愛染明王の仏像は東京から大阪、京都など日本国内に複数箇所、納められているお寺があります。中には縁結びの名所として有名なお寺も！大阪や京都など、人気の観光地にあるので、旅行の際に訪れてみるのもオススメです！

西暦593年、聖徳太子が建立した四天王寺の一つ。大阪に建てられた施薬院は、聖徳太子が勝鬘経というお経を人々に伝え広まったと同時に、勝鬘院と呼ばれるようになりました。また、勝鬘院の全体を愛染院と呼びます。金堂に愛染明王が奉安され、愛染明王の普及とともに愛染院と呼ばれるようになりました。

金堂に祀られている愛染明王は、大阪でも良縁成熟・夫婦円満の本尊として有名です。境内にある「愛染の霊水」は飲むと恋の願いが叶うと伝えられており、大阪府内だけでなく日本国内から、女性参詣者が多く集まる人気のパワースポット！恋愛運だけでなく、出世や商売繁盛にも効果があるのだとか。

愛染明王の仏像が奉安されている金堂は、大阪府の指定文化財に登録されています。内部の構造は江戸時代のもの。歴史的に非常に貴重な建物です。内部には、愛染明王が本尊として祀られています。その左右には、弁才天、薬師如来、歓喜天、十一面観世音が奉安されています。ご真言を唱えるなら、金堂で！ご利益の効果がアップします。

「紀伊山地の霊場と参詣道」という名前で世界遺産に登録されている、金剛三昧院は800年の歴史を持つ歴史的に貴重な建造物。1211年に北条政子によって、源頼朝の菩提を弔う目的で建立されました。金剛三昧院に奉安されている愛染明王は、北条政子が仏師・運慶に、源頼朝の念持仏として作成を依頼したもの。金剛三昧院の建設のきっかけだそうです。

実は、金剛三昧院には宿泊ができます！写経や国宝の見学などのプランもあり、また精進料理を楽しむことができます。お部屋も綺麗な和室です。心をリセットするのにおすすめ！また、プランにはありませんが愛染明王も参拝できるので、ご真言をたくさん唱えたい方にもおすすめのスポットです。

平安時代に空海によって開山され、源義家が東夷征伐の際に、戦勝祈願したお寺でもあります。その後、戦火で焼かれてしまうのですが、安土桃山時代に豊臣秀吉により再建されました。ここの本尊でもある愛染明王は色彩豊かで躍動感があり、観音堂の阿弥陀如来坐像と一緒に国の重要文化財に指定されています。

豊臣秀吉の奉献と伝わる愛染明王は、鎌倉時代の特徴といわれている彫法が使われており、それがよくわかる仏像だそうです。その長い年月からか、実際に見てみると驚くほどの迫力があります！愛染明王の特徴でもある忿怒の表情は凄まじいの一言。ご利益の効果求めるだけでなく、観光としても楽しめる歴史ある仏像と建物です。

東京都の練馬春日町駅から徒歩5分の場所にある寺院。練月山愛染院観音寺と称されているこのお寺は、「観音」という名前が付いているにも関わらず、愛染明王を単独で本尊とする珍しい寺院でもあります。江戸時代には、朱印状によって領有を認められたお寺です。この朱印状が寺宝として今も大事に保管されています。東京だとは思えないほど静かな場所。

愛染明王は秘仏で、一年に一度しか出会えないレアな仏像です。像の厨子はお正月の三が日のみご開帳されますが、本堂の正門が開かれるのは、元旦の午前0時からわずかな時間のみ。拝観できるチャンスが限られています。実際に参観できなくても、行ったことに意味があるので、近くで祈願しても効果はあると思います！気持ちが大事！

板橋の愛染様こと、東京都板橋区にある光明山愛染院日曜寺。300年以上前に、宥慶比丘が小堂を営み開山されました。その後、田安宗武が帰依したことにより、等身大の愛染明王や多くの仏像や仏画、什器類が奉納されたのをきっかけに、お寺として再興されました。昭和60年に板橋区の有形文化財として登録されています。東京「板橋本町駅」から徒歩5分。

毎月26日は、愛染明王の縁日で護摩祈祷されます。また、定期的に護摩法要も実施しています。縁結びの神様がいるお寺として多くの信仰を集めました。東京とは思えないほど、静かどこか品のあるそんな場所なので、祈りを深められる環境だと思います。毎月行なっている縁日にも足を運んでみてはいかがでしょうか。

静岡県の下田にある寝姿山の山頂付近にあるのが愛染明王堂。下田市街地からロープウェイで登ることができます。伊豆屈指の縁結びスポットとしてカップルに人気！本尊として祀られている愛染明王は、鶴岡八幡宮愛染明王堂の本尊だったそうです。明治初期の廃仏毀釈から逃れ、伊豆に地にやってきたと言われています。この愛染明王は仏師・運慶の作です。

縁結び・子宝のパワースポットとして人気を集めているのは、可愛い「ハートの絵馬」で祈願ができるのが理由の一つ！女性に良き縁を与え、子供を授けるだけでなく、出産の苦しみを和らげ、その子供には愛嬌と福徳を授けると言われています。女性の強い味方として、女性参拝客に人気！「ハートの絵馬」は毎年6月11日にお焚き上げをしています。

「かわらけ」という土器のでできた「和み玉」を、和みの輪に通し、和みの岩に当てると「和の心」が末長く続くと言われています。人の輪が広がるとして縁結びとしても効果があります。また、カップルで同時に投げると末長く和合が続くと言われていますが、同時に成功するには難易度高め！ぜひ、チャレンジしてみてください。

愛染明王坐像が日本最大級のサイズを誇る久修園院。そのサイズは約2メートルと迫力の大きさです！大阪にある久修園院は725年行基菩薩の発願で建てられたが、戦火の中、大半を失ったが、1680年石清水八幡宮大乗院の僧侶である宗覚律師によって復興されました。大阪阪急電車「橋下」駅から徒歩5分ほどの場所にあります。

久修園の愛染明王は、慈母愛染像とも言われています。その理由は、久修園を復興した宗覚律師が、自身の母親の死後8年目に、母を慕いながら自ら愛染明王像を彫ったと伝えられているためです。良縁成就の神様としてだけでなく、母親を慕う宗覚律師の想いも詰まった愛染明王像です。一見の価値があります！

愛染明王のご真言やご利益、東京から大阪まで奉納されているお寺をご紹介しました。愛染明王はあくまでも、愛欲などのパワーを悟りに変える仏様ですので、愛染明王の功徳を理解した上で、ご利益をいただくのが大事！必ず力になってくれます。恋愛だけでなく人間関係に悩んだ時も効果的！ご真言もぜひ、実践してみてください。