預けた荷物が届かない!ロストバゲージとは?
ロストバゲージという言葉をご存知でしょうか。ロストは失う、バゲージは荷物のこと。海外旅行で渡航する際航空会社に預けたスーツケースが見当たらない、カバンがなくなってしまうトラブルを指す言葉です。ロストバゲージは海外旅行で最も多いトラブルの一つです。その原因はもちろん、対応策や見つかる確率についてまとめました。
航空会社に預けた荷物が無くなる現象
ロストバゲージとは、「ロスバゲ」などと略されます。通常私たちが海外に行くときは、搭乗時にスーツケースやカバンを預けてから出発します。にも関わらず旅先の空港に到着してから、ターンテーブルに荷物が出てこないのです。これがロストバゲージです。
ロストバゲージは紛失した荷物そのものを指す言葉としても使われます。ロストバゲージに見舞われるのは、海外旅行時が最も多いので事前に対応しておく必要があります。
海外では多い?ロストバゲージに遭う確率は?
海外で多いといわれるロストバゲージですが、一体どれくらいの頻度で起こりえるのでしょうか、また見つかる確率も気になるところです。日本の航空会社はロストバゲージを滅多におこしません、なぜなら航空会社の管理が厳重だからです。もちろん人間がしていることなので0ではありませんが、せいぜい1万回に一回、0.01%程度といわれています。
ですが海外だと確率がハネあがります。国によっては荷物管理に杜撰な航空会社もあり、なんとロストバゲージする確率が2%台の航空会社もあります。後に見つかる確率も低く、窓口対応にも不備があり、トラブルが絶えません。
ただし海外全ての航空会社がロストバゲージが多いわけではありません。統計を出している「SITA」の出したデータによると平均してロストバゲージに見舞われる確率はおよそ0.65%。ですが日本と比較すると、これでも多いといえるでしょう。
ロストバゲージで荷物が見つかる確率
上記のデータはロストバゲージが報告された確率なので、荷物そのものが紛失した確率ではありません。一般的に航空会社が原因、または乗客の手違いによって荷物が再び見つかる確率は80%から90%。つまり実際にロストバゲージに見舞われても多くの荷物はきちんと手元に戻ってくるということです。ロストバゲージが起きても見つかる確率も高いのです。
ただし、荷物の発見には時間がかかります。戻ってくるのは翌日から2日後、遅くとも三日以内に戻ることが多いです。旅先3日間荷物なしで過ごすことを考えてみましょう。滞在期間中ロストバゲージ状態で過ごすのはかなりのストレス。見つかる確率が高いといっても安心してはいけません。事前に対策をたてておきましょう。
荷物はどこに消えた?ロストバゲージの原因
せっかく楽しい海外旅行もロストバゲージに合うと時間と労力を大きく奪われ、楽しい旅行計画が台無しになります。次はあらかじめ対応するためにも、ロストバゲージがなぜ起きてしまうのか、原因について探っていきましょう。なぜロストバゲージは起こってしまうのでしょうか。
空港側のミスで行方不明になる
まずロストバゲージが怒る原因は空港側のミスで荷物を忘れてしまうからです。ミスの少ない日本の航空会社でもロストバゲージはおこりえるトラブルです。タグを付け間違えたり、人間が選り分けする以上ロストバゲージは0にできません。主に荷物の多い大きい空港で発生しやすくなります。
誰かが間違って荷物を持っていった
誰かが間違えて荷物を持ち去ってしまうケースもあります。同じ柄のスーツケースは判断がつきにくく、自分のだと思って持ち去られてしまうのです。もちろん故意であれば盗難です。質の悪いことに海外の航空会社の場合、搭乗客ではなく荷物を仕分けする作業員が盗んでいくケースもあります。
また荷物は戻ってきても中身の貴重品だけ抜き盗られるケースもあります。このロストバゲージの場合、戻ってきても中身はめちゃくちゃで、ショックの方が大きいでしょう。
乗り継ぎ空港で荷物が無くなる
荷物の紛失は主に乗り継ぎ空港で発生します。ロストバゲージは巨大な空港の乗り継ぎにおいて最も多いトラブルといえるでしょう。なぜなら巨大なハブ空港では短時間のうち膨大な数の飛行機がやってきて、次から次へと大量の荷物が運ばれてくるからです。そうなると大量に届いた荷物を選り分ける作業が忙しくなりトラブルが多発するのです。
もちろん仕分けるのは機械なのですが、自動でタグを読み取っている最中、稀にタグが読み切れくなります。その際は人力で仕分けることになり、その結果一定の確率で誤送や紛失してしまうのです。
時間がないから荷物がなくなる
人為的ミス以外にも時間が間に合わないからロスバゲになることもあります。正確には遅延発送の「ディレイ」と呼ばれる状態です。乗り換え時間が極端に少ない乗継便になると、乗客自身はすぐ別の飛行機に搭乗できますが、荷物の選り分け作業はそう単純にはいかないからです。
海外旅行では特に注意!ロストバゲージ対策は
ではそういったロストバゲージに見舞われないため、もしくは被害を最小限に抑える対策はなにかあるでしょうか。ロストバゲージが起こるか起こらないかを自分でコントロールすることはできませんが、起こる確率を下げる行動はとれます。ここで紹介することをおぼえて事前に対応しておきましょう。
連絡先と名前をきちんと書いたネームタグを準備
まずは連絡先と名前をきちんと書いたネームタグを荷物につけておくことです。プラスチックなどのネームタグは破損してしまうので強化ビニール製のものをつけておきましょう。単純なことですが、これがあるだけで自分オリジナルの目印になり、他の搭乗客に持っていかれるリスクを軽減できます。
そして紛失してしまった場合でも自分の連絡先を書いておけばあとから連絡がくるはずです。ただし日本語だと「日本人=金持ち」とみなされ盗難の被害に遭いやすいので英語で書きましょう。
恥ずかしい場合はバッグ全体にイラストやマーキングをして目印にする人もいます。識別のためこれらのネームタグなどは必要不可欠といえるでしょう。
以前の旅行の時に貼った古いタグやシールは剥がしておく
そして以前の旅行の時使用した古いタグやシールは剥がしましょう。これがついたままだと機械や仕分け人が混同して間違った空港に誤送されてしまうことがあります。このアルファベットは行き先を記すものなので、古いタグは邪魔なだけです。もし荷物に以前の旅行した時のタグがついていたら、事前にはがしておきましょう。
預ける荷物を写真にとっておく
ただでさえ空港に届くロストバゲージは多いです。あなたにとっては世界に一つだけの荷物でも、職員は見分けがつきません。膨大な持ち主不明の荷物の中からあなたの荷物を見つけ出してもらうには、バゲージの写真をあらかじめ写真に撮っておくことが大切です。いざというときみせられるようにバッグの画像を用意しておきましょう。
荷物の特徴や中身について書いた英文メモを用意
そしてロストバゲージがおきた場合、あなたが紛失したバゲージの特徴を英語で報告しなくてはいけません。具体的なサイズや容量や、外観、柄、ブランド、素材などをしっかり把握し、それを英語で申告する必要があります。色や外観やブランドなどを英語でうまく説明できない場合、あらかじめ荷物の特徴を記したメモを用意しておきましょう。
乗り継ぎ時に気をつけること
同じ旅行好きでもロストバゲージに遭いやすい人、遭わない人に分かれます。遭わない人は国内線や直行便を多用する人、遭いやすい人は乗り継ぎを多用している人に多いです。ロスバゲトラブルを減らすには直行便を利用して対応しましょう。予算的に無理ならば時間的に余裕がある乗り継ぎ経路を選択しておくと、ロスバゲ被害を防ぐことができます。
特にイタリア旅行の際は要注意
日本でも大人気な旅行先のイタリアですが、特にロストバゲージに注意が必要な国です。その理由はコンビニ文化がないため日用品をそろえるだけでも大変だからです。ホテルには最低限のアメニティしか完備していないため、身の回りの物を購入するだけでも膨大な時間を浪費します。
ロストバゲージに遭わないために直行便を利用したいところですが、直行便はアリタリア航空しか運航していません。また、価格も乗り継ぎ便にくらべ割高で、シートが少なく満席になりやすいデメリットがあります。したがって手ごろな価格でイタリアに行ける乗り継ぎ便を利用してロストバゲージに遭ってしまうというわけです。
ロストバゲージ保険と補償内容の確認
次はロストバゲージに遭った際の保険や補償内容についておさらいしておきます。どんなに対策しても運が悪ければロストバゲージ被害に遭います。そんな時でも補償や保険があれば安心です。ここでは補償額が多いクレジットカードの保険など補償内容について解説します。
クレジットカードのロストバゲージ保険
クレジットカードの中には、ロストバゲージをした場合補償をしてくれる保険付きクレカがあります。補償額や内容は、契約しているカード会社によって異なります。大手のクレカ補償の中ではオリコカードが最も高い額をもらえます。(遅延補償3万円紛失補償10万円)
また、契約会社によっては国内向けの補償がついてないことがあります。年に何度も旅行する人は、あらかじめ保険や補償額についてクレジットカード会社に問い合わせて自分にあったクレカを持つことでロスバゲ対策できます。
航空会社のロストバゲージ補償を確認する
もし自分の荷物が6時間以上遅れると「ディレイ」となります。基本的に荷物遅れに関して航空会社は補償義務がありません。しかしながら、旅先で困らないよう身の回りのものを提供していたり、見舞金を出してくれる航空会社もあります。もし荷物の到着が遅れている場合、利用した航空会社に補償がないか確認しましょう。
海外旅行保険のロストバゲージ補償
航空会社の補償額だけでは少ないので補償額の多い海外旅行保険に加入するのも大切です。航空機寄託手荷物遅延特約に加入しておくと、荷物が到着しないトラブルに見舞われた際日用品の購入費(10万円前後)を補償してくれます。数百円程度で加入できるので、渡航前は保険に加入しておきましょう。
荷物が無い!ロストバゲージが起こった時はどうする?
ロストバゲージがおきてしまうとパニックになりがちですが、そういう場合こそ落ち着いて対応しなくてはいけません。補償をもらうため、保険を適応させるための必要な手続きもあります。そこでロストバゲージが起こった際のとるべき行動についてもおさらいしておきましょう。
手荷物証明証を掲示して空港カウンターに報告する
まずは空港カウンターで手荷物証明書を提示しましょう。黙っていては状況がかわりません。状況を調べるためロストバゲージの証明書を受け取りましょう。証明書は当然現地の言葉で記入する必要がありますが、窓口の担当者にお願いすれば代理記入してもらえます。
万一に備えて証明書の控えも受け取っておきましょう。海外は日本に比べ対応に温度差があります。届けた届けてないで揉めないために、控えを受け取ってトラブルにならないようしっかり対策しておきましょう。
ロストバゲージの金額を保証してもらう
そして申告して航空会社にロストバゲージの補償をしてもらいましょう。この時注意しなくてはいけないのがその日のうちに申請しなくてはいけないところです。 航空会社によって対応はまちまちですが、補償がもらえる会社、もらえない会社があります。
そんな場合にそなえて海外旅行保険には航空機寄託手荷物遅延特約がついています。貴重品を預けてしまった場合は資金面でも困ることになるので、当面必要な資金を即座に補償してもらいましょう。
帰国したら補償金を請求する
9割近く手元に戻ってくるロストバゲージですが、万一帰国後も荷物が見つからない場合は、航空会社に補償金を請求しましょう。紛失の場合は補償金が請求できます。ただし荷物の重さで補償額が決まるので、補償額はお世辞には多いとはいえません。とはいえ何も補償されないよりマシです。
ロストバゲージ対策を完璧にしたいならコレ!
見つかる確率が高いロストバゲージですが、完全に防ぐことはできません。ですが未然に対策をしておくことでロストバゲージ被害を最小限に食い止めることができます。ここでは海外旅行者慣れした玄人がロストバゲージにどう対応しているのか、おすすめ対策法について解説します。
預ける荷物は少なめにして貴重品は手荷物にする
まずは預ける荷物を少なくすることです。貴重品は盗難防止に手荷物にしましょう。海外ではスーツケースごと破壊され、中身を抜き取られることもあります。これでは荷物が見つかる確率が高くても意味がありません。貴重品はくれぐれも中に入れず、万一があっても痛手にならないようになるべく少なめにしましょう。
預ける荷物を少なめにすると紛失したときのダメージを最小限にとどめるだけでなく、移動が楽になるので、疲れないメリットがあります。
全て手荷物にするという方法も
バックパック程度なら機内に持ち込めるので、全て手荷物にしてしまうという手もあります。あまり荷物を詰め込めなくなるかもしれませんが、現地調達で日用品を買い帰る際は現地で捨てる、という手もあります。航空会社によって許されるサイズが異なるので事前に調べておきましょう。
海外旅行前のロストバゲージ対策が大切!
ロストバゲージ対応、見つかる確率などについての解説でした。いざロストバゲージしても見つかる確率も高いので、まずは慌てないことが肝心です。ただ膨大な労力と時間を奪われ、せっかくの海外旅行が楽しめなくなるでしょう。事前に対策しておくことで被害を最小限に食い止めることができます。ロストバゲージ対策をして旅行に備えましょう。
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