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奈良県の東大寺二月堂とは?
奈良県はとても歴史の深い場所ですが、今回は東大寺の二月堂というお寺に注目します。奈良時代に建てられた東大寺二月堂は、国宝に指定されている貴重な建物でもあります。その東大寺二月堂はお水取りが有名ですが、その他にも拝観料が無料だったり、夕景が美しいと人気だったりと、見どころ満載のお寺です。今回はそんな東大寺二月堂の魅力に迫ります!
奈良県といえば東大寺の大仏が有名!
奈良県の東大寺といえば、まずはじめに「奈良の大仏」を頭に思い浮かべる方が多いかもしれません。学生の修学旅行の行き先に選ばれることも多い見どころ満載のお寺ですが、東大寺はむしろ、大人になってから改めて訪れたい、歴史を感じさせてくれる場所です。度重なる戦火に巻き込まれながらも、東大寺は修復されて今の形を残しています。
東大寺の「奈良の大仏」として有名なこちらの大仏さまは、正式名称を盧舎那仏(るしゃなぶつ)と言います。像高はなんと15mもあり、実際に目の前に立つと、その大きさを実感することができます。この座り姿の大仏様は「どうしたら人々を救うことができるか」ということを考えている姿なのだそうです。それを知ると、余計にありがたみを感じます。
そしてこの東大寺の奈良の大仏は、よく鎌倉の大仏とどちらが大きいのか、と比較されがちですが、鎌倉の大仏は11.39m、そして奈良の大仏は14.98mという大きさです。青空の下に鎮座している鎌倉の大仏の方が大きく感じでしまうかもしれませんが、実際は奈良の大仏の方が大きく、また大仏が鎮座している建物の大きさも、見どころの一部になっています。
奈良県の東大寺に行ったら二月堂にも足を運ぼう!
奈良の東大寺の敷地はとても広大で野球場50個分の大きさがあります。その大きな東大寺の境内の中に奈良の大仏で有名な「大仏殿」があり、その他に「二月堂」「法華堂」「戒壇堂」「東大寺ミュージアム」があります。非常に広い敷地なので歩くのに疲れてしまうかもしれませんが、東大寺に訪れたならぜひ二月堂のあるエリアにも足を運んでみてください。
東大寺から二月堂までは約450mあり、徒歩で約6分ほどで到着します。二月堂以外にも見どころが沢山ありますので、歩きやすい靴でいくことがおすすめです。広い敷地内を歩いていると、可愛い鹿にも沢山出会えますので、どこへ行くにも遠いと感じることは少ないでしょう。東大寺の境内の中はとても美しいので、それも見どころの一つになっています。
奈良県の東大寺二月堂はどんなお堂?
東大寺の大仏殿がある東側の小高い場所にある二月堂は、眺めがよく奈良の市内を一望できます。奈良時代に建造されたこの二月堂は国宝に指定されている貴重な建物です。東大寺は。2度戦火により、当初建造された大半を焼失してしまいましたが、二月堂は戦火から運良く逃れる事ができました。しかし、寛文7年に二月堂を焼失させる事件が起こりました。
その出来事とは、二月堂で行われる修二会(しゅにえ)の行事「お水取り」での失火が原因だったのです。お水取りで使う火によって焼失してしまった二月堂は、その2年後に政府の援助を得て、再建されたのです。国の繁栄や民の幸せを願うお水取りで焼失してしまったというのは、なんだか皮肉なものですがお水取りは今でもきちんと行われています。
奈良県の東大寺二月堂ではお水取りが有名!
その、東大寺二月堂を焼失させてしまったお水取りですが、非常に有名な行事でもあります。お水取りは、仏教寺院で行われる法会「修二会」の一種ですが、奈良県の東大寺で行われる修二会は「お水取り」と呼ばれて親しまれているそうです。このお水取りが終わらないと春がこない、とまで言われているほど、地域の人たちにも根付いている行事です。
お水取りと呼ばれる修二会は、毎年3月1日から3月15日までの期間で行われます。修二会の正式名称は「十一面悔過」と呼ばれ、修行僧たちが世の人々の代わりに罪を十一面観音菩薩に懺悔して、天下泰平や五穀豊穣をお祈りしてくれているのです。その修二会の途中で行われるお水取りが深夜行われるにも関わらず、多くの人たちが訪れる行事となっています。
そのお水取りは、僧侶たちが井戸から水を汲み上げて観音様にお供えするという行事です。そのお水とりは3月12日の深夜から13日の早朝にかけての明け方1時頃に行われます。深夜にも関らず沢山の人が詰めかける行事ですが、我々の罪を肩代わりして懺悔してくれるという神聖な行事だという事を忘れずに、感謝の気持ちをもってお水取りに参加してください。
奈良県の東大寺二月堂は拝観料が無料!
見どころ満載の二月堂ですが、こちらは東大寺の中でも拝観料無料でお堂を見学できるというありがたい場所になっています。東大寺境内にある4箇所は拝観料が無料ではないために、それぞれの場所で拝観料を払います。拝観料が無料ではない場所は「大仏殿」「法華堂」「戒壇堂」と、さらに「東大寺ミュージアム」の4箇所は拝観料等が必要です。
拝観料が無料の二月堂は、建物自体に見どころがないから無料なのか、と言ったら、全くそんなことはありません。むしろ「こんなに見どころが沢山あるのに拝観料無料でいいの?」と言った方が正しいでしょう。奈良の街の美しい夕景を一望できて、歴史のある造りの建物を体感でき、そして夕方になると灯される燈籠の幻想的な雰囲気は、無料とは思えません。
奈良県の東大寺二月堂の夕景が美しい!
東大寺二月堂は、その建造物に見どころが沢山あるお堂ですが、二月堂から眺める夕景の美しさにも定評があります。もし二月堂に訪れる機会があったなら、もちろん日中も美しいですが、夕景を眺めに少し陽が落ちてから足を運んでみるのもおすすめです。二月堂は小高い場所にあるので、奈良市内が一望でき、夕景をのんびりと楽しむことが可能です。
夕景の美しさを堪能できるこの二月堂は、奈良でも屈指のビュースポットとして人気の場所です。趣のある建物から見下ろす歴史深い古都は、普段見ている夕景とはまた違った美しさが味わえます。もちろん陽が落ちて茜色と黒のコントラストに変わる夕景は、どの土地で見ても美しいものです。夕景の美しさは、心を洗ってくれるような感覚を覚えます。
しかしやはり二月堂から見る夕景の美しさは、他の土地で見る夕景とはまた違った感情にさせられます。奈良時代の人たちも、この二月堂から美しい夕景を眺めて感動したのかもしれない、と夕景だけではなくその歴史に思いをはせる事ができるのでさらに感動するのでしょう。技術はどんどん進歩していますが、人の気持ちはいつの時代も変わらないのでしょう。
奈良県の東大寺二月堂の見どころ1:懸造(かけづくり)
では、今度は国の重要文化財に指定されている東大寺二月堂の建物の見どころをご紹介いたします。この二月堂の最大の見どころは、何と言ってもその構造にあるのではないでしょうか。山の斜面に建てられている二月堂は、床を水平に保つために「懸造」と呼ばれる建築法で作られています。この東大寺の手法は京都の清水寺と同じ造り方です。
地面が水平でない場所に建造物を立てるために行われる懸造という手法は、無数の木柱で行われています。床を水平にするために、一本一本場所によって違う長さの木柱で支えるという手法です。現代のように便利な機械もない時代にこのような手法を取るというのは、その労力は相当なものだったでしょう。当時の職人の技術力は素晴らしいの一言に尽きます。
奈良県の東大寺二月堂の見どころ2:石段
参拝料無料の二月堂の石段にはちょっとした模様が刻まれています。すべての段に刻まれているわけではないのですが、唐草模様、亀甲模様、青波海模様が刻まれている石段があります。普段あまり下を見て歩く事のない方でも二月堂の石段には少し目を向けてみてください。二月堂を参拝するためだけの石段ではなくこの石段も二月堂の一部だと認識できます。
この3種類の模様にはそれぞれ意味があります。唐草模様には、四方八方に伸びていくツルに生命の象徴があり、一族の繁栄、長寿などを意味します。亀甲は鶴は千年亀は万年と言われていますので、こちらも長寿の意味合いがあります。そして青波海は平穏な幸せがずっと続くようにという意味があります。こういった縁起物の模様が石段には刻まれています。
奈良県の東大寺二月堂の見どころ3:釣燈籠
続いての見どころは、二月堂の回廊に吊り下げられた、沢山の釣燈籠です。こちらは夕景を眺める際にも一緒に写真に写すと、とても綺麗に写すことができる写真映えするアイテムでもあります。こちらは日中でももちろん楽しむことができる見どころスポットですが、一番のおすすめは、やはり火の灯る時間帯に夕景と一緒に眺めることでしょう。
二月堂は拝観料無料で入ることのできる場所ですが、さらに24時間好きなときに訪れることができるのも嬉しいところです。夜、急に美しい釣燈籠を見たくなったとしても「開いてないからみられない」ということがありません。暗闇に光る美しい燈籠を見に、カメラ片手に急に思い立って訪れてもいいというのは、自由が効いて便利でもあります。
奈良県の東大寺二月堂の見どころ4:裏参道
東大寺二月堂の裏参道は、通常東大寺の大仏殿がある場所から二月堂へ向かう道として使われるメインの道ではありません。そのため裏参道と呼ばれているのですが、非常に風情があって素敵な道です。石畳と石垣に囲まれ、所々には土塀が建てられており、その先に見える二月堂の美しさが、まるで絵葉書のようです。東大寺に訪れた時は裏参道も通りましょう。
奈良県の東大寺二月堂にある絶対の秘仏とは?
東大寺二月堂のお堂の中には、絶対秘仏と言われる2体の観音様が祀られています。この絶対秘仏は、一般客が見ることができないばかりではなく、東大寺の僧侶であっても、誰も見ることが許されていないのです。それゆえ写真も資料もありません。どんな姿をしているのかを誰も知らない観音様は、各々心の中で想像することしかできません。
しかしその絶対秘仏の断片が、奈良国立博物館に展示されています。その断片から推測すると、絶対秘仏の姿は2mほどの金銅仏だということです。実際に目で見ることはできませんが、博物館で保存、展示されている断片を見て、自分なりの姿を想像するのも楽しいかもしれません。どんな姿をしているのか正解は誰もわからないままです。
奈良県の東大寺二月堂にある「過去帳」とは?
東大寺二月堂には、東大寺上院修中過去帳と呼ばれる、亡くなった方達の名前が書いてある帳簿が存在します。この帳簿に書かれている方の名前は、聖武天皇に始まり現在に至る、東大寺や二月堂に関わってきた方達、祈願のために修二会へ訪れた僧侶などの名前が書かれています。修二会では過去帳に載っている方の冥福を祈り、読み上げていきます。
そしてこれには少し怖い話も存在します。鎌倉時代にこの過去帳を読み上げている際に突如青い衣をまとった霊が現れ、自分の名前を読み上げないことに激怒しました。「なぜ私の名前を読まないのか」と怒る霊に、当時の僧侶たちは恐れおののきましたが、その後すぐに「青衣の女人」と読み上げると霊は納得したのか消えていったそうです。
そういった怖い話も残る過去帳には、今も「青衣の女人」という名前がきちんと書かれています。その女性に何があったのかはわかりませんが、名前を読むことで心が落ち着くのですから、東大寺や二月堂に深く関わってきた女性だったのでしょう。その過去帳に書かれた方達の中でなら、この女性のことを知っている人もいるのかもしれません。
奈良県の東大寺二月堂へのアクセス方法は?
では、東大寺二月堂へのアクセス方法をご紹介していきます。まずは車で東大寺へアクセスする方法です。東大寺には奈良県営大仏殿前駐車場という有料駐車場がありますので、そちらを利用してください。また車でアクセスする場合は、行き止まりや立ち入り禁止などの場所が多いために、周りに注意して向かわなくてはいけません。
そのため東大寺へのアクセスは、車よりもバスや電車などを利用して行く方がおすすめです。バスで向かう場合は、奈良駅から市内循環バスに乗って、大仏殿春日大社前で下車しておおよそ徒歩5分ほどで到着します。また電車のみで訪れる場合は近鉄奈良駅から徒歩約20分で到着することも可能です。どちらでも自分の都合に合わせて利用するといいでしょう。
住所 | 奈良県奈良市雑司町406-1 |
電話番号 | 0742-22-5511 |
奈良県の東大寺二月堂へ行ってみよう!
東大寺の中には、拝観料が無料の場所と、そうではない場所があります。今回ご紹介した東大寺の二月堂は、拝観料が無料で楽しむことができるスポットですので、ぜひ足を運んでみてください。美しい景色と、歴史ある建物、中から感じる秘仏のパワーを味わうことができます。ぜひ東大寺の二月堂へ訪れて、奈良の歴史を肌で感じ取ってみてください。
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