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奈良のお水取りとは?日程などご紹介!1250回を超える歴史的な行事!

奈良のお水取りとは?日程などご紹介!1250回を超える歴史的な行事!
投稿日: 2017年4月24日最終更新日: 2020年10月7日

大仏で有名な奈良の東大寺では、歴史的な伝統行事の一つに「お水取り」があります。「お水取り」の日程は、いつなのか?具体的にどんな伝統行事なのか?どんな意味で、現在まで引き続いているのか?奈良のお水取りについて、詳しくご紹介します。

東大寺と伝統的行事「お水取り」をご紹介!見出し

Photo by yuchinmchu

大仏で有名な奈良の東大寺は、華厳宗の総本山で、南都七大寺の1つです。奈良市の中心、近鉄奈良駅から徒歩20分ほどにあります。なかでも「お水取り」と呼ばれる歴史のある伝統的な行事もあり、多くの観光客で賑わいます。今回は、東大寺と、伝統的行事の「お水取り」についてご紹介します。

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お水取りの舞台!奈良・東大寺とは?見出し

大仏で有名な奈良の東大寺は、華厳宗の総本山で、南都七大寺の1つです。東大寺の歴史は、聖武天皇の皇太子(基親王)が満1歳にならずして夭折したため、728年に基親王の冥福を祈り「金鐘山寺(きんしょうせんじ)」が建立されたのが始まりです。741年に聖武天皇により「国分寺・国分尼寺建立の詔」が発布され、それに伴い742年に「金鐘山寺」は「大和金光明寺」と名称を変更しました。

734年に聖武天皇が発布された「大仏造顕の詔」により、745年に「盧舎那大仏(るしゃなだいぶつ)」の造像工事が始まりました。747年から「金光明寺」の寺地で「大仏殿」の建立が開始され、その頃から「金光明寺」は「東大寺」と呼ばれるようになりました。

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歴史的な行事!お水取りとは?見出し

「お水取り」とは、正確には東大寺の伝統行事である「修二会(しゅうにえ)」で行われる儀式ですが、「お水取り」の儀式がメインイベントになります。また、「修二会」の期間中には、毎日「お松明」が灯されるので、「修二会」の行事を「お水取り」・「お松明」とも言います。

二月堂縁記に「お水取り」の由来が書かれています。それによると、古の昔、諸々の神々が「二月堂」に集まる時に、若狭の国の「遠敷明神」が魚を採っていて、集会に遅れてしまいました。「遠敷明神」は、二月堂の畔に清水を涌き出ださせ観音さまに奉ったそうです。

奈良のお水取りはいつから始まったのか?見出し

「お水取り」は、752年に東大寺の初代住職「良弁僧正」の一番弟子であった「実忠和尚」により創められたと伝えられてます。東大寺の長い歴史の中で、1180年の平重衡の兵火、1567年の三好・松永の戦いの2度、東大寺の大伽藍の大半が焼失した事がありましたが、「二月堂」は焼失を免れました。1667年の「お水取り」の最中に「二月堂」は焼失しますが、2年後に再建されるまで「お水取り」は、仮堂で行われ「不退の行法」として、中断されることなく、延々と今日まで引継がれている伝統行事です。

奈良のお水取りは東大寺のどこで行われるの?見出し

修二会は、東大寺の敷地内にある「二月堂」で本行が行われます。昔は旧暦2月1日からの日程で行われる法要だったので、2月に修する法会という意味で「修二会」と呼ばれるようになり、「お水取り」が行われることから「二月堂」という名称になりました。

現在の「二月堂」は、1669年に再建された建物で、2005年12月に国宝に指定されています。「二月堂」の本尊は、2体あり、大観音、小観音と呼ばれる十一面観音像ですが、決して公開されない秘仏です。

奈良のお水取りにはどんな意味があるの?見出し

実は、「修二会」の正式な名称は、「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言います。「二月堂」の本尊である「十一面観世音菩薩」の前で、人々が日々犯してしまう様々な過ちを懺悔するという意味があり、創始当時は、天下泰安、鎮護国家、五穀豊穣などの、人々の幸福を願う行事として行われました。

今日に至っても、その精神は受継がれており、1年に1度は、神聖な神々の前で、己の罪を懺悔し、国家の安泰と万民の豊楽を祈るという意味で「お水取り」の法要は行われています。

奈良のお水取りの日程は?見出し

現在の「お水取り」の日程は、修二会の本行として、毎年3月1日から2週間、3月15日に満行を迎えます。東大寺では、「お水取り」の儀式を行うために、開催日程の前から、色々と準備を行います。毎年12月16日に「お水取り」を行う11名の「練行衆」が発表されます。2月18日に「お松明」で使用する菜種油の「油はかり」が行われます。2月20日から2月末まで、11名の練行衆は、心身を清める「別火」という前行に入り、本行に備えます。

奈良のお水取りの見どころは?見出し

「お水取り」の期間は、日中から夜明けまでの時間を「日中」「日没(にちもつ)」「初夜」「半夜」「後夜」「晨朝(じんじょう)」に分けて六時とし、「時」毎に様々な要法や行事が行われます。

神名帳・過去帳

3月5日と12日の「初夜」の後、午後10時頃に神明帳と過去帳が、練行衆によって読み上げられます。東大寺や二月堂に縁があった故人の名前が記載されている「東大寺上院修中過去帳」を読み上げることにより、故人の冥福を祈るために行われます。そこで、架空の「青衣(しょうえ)の女人」の名前も読まれるのが、見どころの1つです。

お松明

お水取りの期間中、二月堂へ向かう練行衆の道明かりとして灯されるのが「お松明」です。3月12日と14日以外は、毎晩19時に東大寺の大鐘が鳴り、それを合図にライトが消され「お松明」が始まります。練行衆11名の内、10名が二月堂へ上堂するために、一人一本の松明を「童子」という担ぎ手が担いで、練行衆を二月堂へ導きます。時間にして約20分の行事になります。

3月12日の「お松明」は、練行衆全11名で二月堂へ上堂するので、11本のお松明があがります。特に12日の松明は「籠松明」と言われ、長さ6m程の竹の先端に、杉の葉や薄板で籠目状に仕上げた直径1m程の大きな玉の松明になり、迫力があります。開始時間は19時半からで、約45分続く「お水取り」での見どころの1つです。

3月14日の「お松明」は、短時間に10本の「お松明」が、次々に二月堂へ上がっていく様子を観賞できます。開始時間は18時半からで、約10分間と短いですが、「修二会」での最後の「お松明」とあり、人気があります。

練行衆が二月堂へ上堂した後「お松明」は、軒下に掲げられます。「お松明」の火の粉を浴びると1年間は無病息災で過ごせると言われているので、沢山の参詣者で賑わいます。

お水取り

修二会の最大の見どころである「お水取り」は、若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式で、3月13日の午前1時半頃から行われます。

時間になると「咒師(しゅし)」という役割の練行衆を先頭に、若狭井へ向かう「お水取り」の行列が南出仕口から出てきます。篝火と奏楽の中、しずしずと石段を下り、途中に建っている興成神社で祈りを捧げ、若狭井がある閼伽井屋(あかいや)という建物へ入っていけます。練行衆達は、若狭井と二月堂の間を三往復して、お香水が内陣に納めれます。

お香水

汲みだされた「お香水」は、内陣に安置されている「根本香水」と「次第香水」の2つの甕(かめ)に納められます。「根本香水」とは、毎年「お水取り」で汲みだされた「お香水」を追い足して加えたものです。「次第香水」とは、今年の「お水取り」で汲みだされた「お香水」の事です。

「次第香水」は、毎月18日に汲みだされ、二月堂の湯屋の井戸水で割ったものを小瓶に入れ、二月堂受納所にて、一般参拝詣者に頒布しています。なお、1年前の「お香水」は、「香水授与」の儀式で、礼拝堂の格子越しに一般参拝詣者に分けられるます。この「お香水」を頂くと無病息災のご利益があると言われてます。

達陀(だったん)

「達陀」とは、サンスクリット語の「焼く」の意味です。「達陀の行法」は、3月12日、13日、14日の3日間の日程で行われ、「火の行法」とも言われます。開始時間は23時頃からで、大松明を持つ「火天役」と灑水器 (しゃすいき) を持つ「水天役」の練行衆が、堂内に入ろうとする鬼を煩悩に見立て、煩悩を焼き尽くさんばかりに鬼を追い払うために、堂内を巡り歩きます。見ごろはクライマックスで、「火天役」が大松明を床板に打ち付けるので、すごい火の粉が飛び圧巻ですよ。

満行の3月15日には、練行衆が「達陀」で被った金襴の帽子を子供にかぶせて、健やかな成長を願う「達陀帽授け」が行われます。修二会の後行で」時間は10時から15時です。

奈良のお水取りでの混雑状況は?見出し

「お水取り」当日の3月12日の参詣者は、毎年2万から3万に達します。「お松明」を見ることができる二月堂の下の広場には3千から4千人が入れますが、3月12日は入場制限が設けられます。修二会の期間中は毎日「お松明」は行われますので、混雑を避けたいのであれば、平日に参詣することをおすすめします。土日や特定の行法が行われる日は、やはり混雑します。行法の日程を事前にチェックして二月堂を訪れる事をおすすめします。

3月12日にどうしても「お松明」を見たいのであれば、大仏殿東側にある「大鐘」の広場に設けられている「誘導口」へ、出来るだけ早く行くことをおすすめします。最近は18時前後には「大鐘」の広場が満員になってしまう状況です。そうなると、入場ができなくなりますので、ご注意ください。混雑がすごい時は二月堂から200m離れている「第二観覧席」へ回されることもあります。「第二観覧席」からだと、「お松明」の動きは確認できますが、やはり小さくて、あまり実感がわきません。

奈良・東大寺へのアクセス見出し

東大寺へのアクセス方法は、徒歩、バス、車の3つの手段があります。東大寺の最寄り駅である「近鉄奈良駅」と「JR奈良駅」からのアクセス方法をご紹介します。「お水取り」を見に行くには、徒歩かバス若しくはタクシーを利用することをおすすめします。

住所:奈良県奈良市雑司町406
電話番号:0742-22-5511(社務所)

徒歩でのアクセス

東大寺まで徒歩でのアクセスは、近鉄奈良駅から「出口2」から奈良県庁方面に真っすぐ向かいます。近鉄奈良駅からの所要時間は約20分です。JR奈良駅東口からの所要時間は約30分です。東大寺へ向かいなら興福寺や猿沢池を観光しながら行く場合におすすめです。

バスでのアクセス

バスでのアクセスは、JR奈良駅東口の2番乗り場から奈良交通「奈良市内循環バス(外回り)」に乗り「大仏殿春日大社前」下車で徒歩約5分です。近鉄奈良駅のバス乗り場1番から「奈良市内循環バス(外回り)」に乗車できます。

車でのアクセス

東大寺付近の駐車場は「奈良県営大仏前駐車場」と「GSパーク東大寺西大門駐車場」の2箇所になります。東大寺に一番近い駐車場は「奈良県営大仏前駐車場」ですが、観光バス優先の駐車場で事前予約が必要となっているので、普通車での利用は難しいです。24時間営業の「GSパーク東大寺西大門駐車場」が無難ですが、収容台数が18台と少ないので、ご注意ください。

住所:奈良県奈良市押上町6-1 料金:(平日)8時~20時:200円/30分、(土日祝)8時~20時:200円/20分

歴史的な行事「お水取り」を見に行こう!見出し

春の訪れを告げる奈良・東大寺のお水取り!お水取り当日の3月12日は入場制限もあり大変混雑しますが、お松明だけなら、平日に行くことをおすすめします。1250回を超える歴史的な伝統行事なので、一生に一度は見たいですね。

投稿日: 2017年4月24日最終更新日: 2020年10月7日

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