弘法山公園でハイキングを満喫！コースやアクセスもご紹介！

神奈川県の秦野市にある弘法山公園は、ゆっくりと自然を満喫できるハイキングにおすすめのスポットです。これから弘法山公園のハイキングを計画している人のために、今回は弘法山公園のおすすめハイキングコースとその見どころをご紹介します。ハイキングスタート地点へのアクセス方法や、弘法山公園周辺のおすすめ立ち寄りスポットの情報も!

弘法山公園は、神奈川県秦野市にある公園です。公園といっても遊具があるような整備された公園とは異なり、丹沢山塊の南端に位置する弘法山、浅間山、権現山という3つの山一帯が自然公園として成り立っています。弘法山は弘法大師が山頂で修行したという言い伝えがあり、名前の由来となっています。

弘法山の標高は235m、浅間山は標高196m、権現山は標高243mといずれも低山ではあるものの、山頂からは美しい眺望が見られます。相模湾や江ノ島、房総半島、そして遠くには富士山といった風景が見られ、かながわの景勝50選、関東の富士見百景にも選ばれています。権現山山頂にある展望台がおすすめのビュースポットです。

秦野界隈では、弘法山公園は桜の名所として人気がある場所です。弘法山公園の桜は日露戦争の勝利を記念して植樹されたもので、その数は公園全体で2000本にも及びます。桜の見頃の時期にはたくさんの花見客で賑わい、ハイキングにもおすすめのシーズンです。この時期のハイキングコースはまるで桜のトンネルのようになり、歩を進める楽しさもひときわです。

また、弘法山公園はかながわの花の名所100選に選ばれているように、桜の他にも様々な花が楽しめます。6月にはアジサイ、7月にはヤマユリといった大輪の花々が見頃を迎えます。梅雨の時期ではあるものの、晴れ間を狙ってハイキングに訪れたいおすすめのシーズンです。そして秋には紅葉も美しく、弘法山公園には四季折々の楽しみがあります。

弘法山公園はバードウォッチングにもおすすめのスポットです。緑豊かな弘法山公園には様々な野鳥が姿を見せ、可愛らしい野鳥のさえずりに耳を傾けながらハイキングを楽しむことができます。じっくり野鳥の姿を観察したい人には、権現山山頂にあるバードサンクチュアリと呼ばれる野鳥の水の飲み場がおすすめのスポットです。

弘法山公園では、春にはまだら模様のトラツグミやイカル、メジロ、ウグイス、ヤマガラといった野鳥が見られ、初夏には美しい青色をしたオオルリや鳴き声が可愛らしいキビタキなどがやって来ます。また、夏には尾羽が長く美しいサンコウチョウが繁殖のために飛来するそうです。秋から冬にかけてはミヤマホオジロやアトリ、ルリビタキなどが見られます。

ここからは、弘法山公園のハイキングコースを順にご紹介していきましょう。弘法山公園の代表的なハイキングコースは、秦野駅付近にある弘法山公園入口からスタートし、浅間山、権現山、弘法山、吾妻山という4つの山を縦走して鶴巻温泉駅方面へ下山するというものです。歩行距離はおよそ7.5kmで、休憩を含まない歩行時間は2時間30分から3時間です。

鶴巻温泉駅側からハイキングをスタートすることも可能ですが、登山口がわかりにくくなっています。そのため、初めて弘法山公園へハイキングする時は秦野駅側からスタートするのがおすすめです。また、体力や時間に応じて、途中で引き返すなど自分に合ったハイキング計画を立てましょう。

弘法山公園ハイキングのスタートは、まずは浅間山山頂を目指します。標高200mに満たない浅間山ですが傾斜は緩やかでなく、つづら折りの階段を一気に登ることとなります。山道が細くなっている箇所がありますが、登山道は丸太でしっかり区切られているので安全にハイキングが楽しめるようになっています。

階段を上ることおよそ20分で浅間山山頂に到着します。山頂から少し上った浅間峠は平坦な広場になっており、屋根のある東屋で休憩ができます。東屋からは秦野市内が一望でき、天気が良い時には富士山や箱根連山も見られます。また、東屋から下大槻方面を見ると、河岸段丘と呼ばれる階段状の地形が確認できるので探してみるのもおすすめです。

ちなみに、日本には浅間山と名付けられた山がいくつかあります。元々「あさま」とは火山を表す古い言葉であると言われ、富士山が見える山には富士山の神様である浅間神社が祀られる習わしがありました。浅間神社のある山はそのまま浅間山と名付けられることが多いそうです。秦野の浅間山も同様で、山頂には浅間神社の小さな祠が残っています。

浅間山山頂からは、そのまま山道を上り弘法山公園で最も高い権現山山頂へ向かいます。途中、タイルで舗装された道もあり、浅間山までの道より歩きやすくなっています。また、途中の道沿いにはベンチやトイレもあるので、こまめに休憩をとるのにおすすめです。一部、車道が横切っている場所があるので渡る時は気をつけましょう。

車道を渡ると山道はやや急な階段となり、権現山山頂を一気に目指します。権現山の山頂は別名千畳敷とも呼ばれるほど広々としています。山頂の展望台は弘法山公園の中でも人気のビュースポット。横浜や三浦半島、伊豆半島、箱根、丹沢の山々など360度のパノラマ風景が楽しめます。もちろん晴れた日には富士山も美しく見えます。

権現山の山頂には、かつて権現堂があったそうです。そこには岐阜の霊峰である白山の神、白山妙理権現が祀られていたと伝えられています。白山妙理権現は女神の姿で、その本地仏は十一面観音であると言われています。権現山の麓にある龍法寺にはその十一面観音が安置されています。

権現山から弘法山への道のりはおよそ800m。山道は一旦下ってまた上るかたちになりますが、傾斜は緩やかで道も広々としているので歩きやすくなっています。なかでも馬場道と呼ばれる平坦な砂利道は両脇に桜が植樹されていて、春には桜のトンネルが楽しめます。ここは昔、秦野の人達が草競馬を楽しんだ場所なのだそうです。

山道からもよく見える弘法山山頂の鐘楼は1757年に造られたもので、秦野の人々に時刻を知らせるために使われていました。鐘が鳴らされていたのは江戸時代から1956年という長い期間に及び、秦野に住む人々から親しまれていたそうです。現在の鐘は1801年に造られたものです。

鐘楼の隣にある井戸は「乳の井戸」と呼ばれています。この井戸の水は白く濁って乳のような香りがしたという言い伝えがあり、それも弘法大師の御利益であると伝えられています。赤ちゃんを持つ母親が夜中に誰にも知られずにこの井戸へ来て水を飲むと、乳の出が良くなるといわれていたそうです。現在では乳の井戸の水は飲めません。

また、弘法山山頂には釈迦堂があり、弘法山の名前の由来にもなった弘法大師が祀られています。始まりは江戸時代にさかのぼり、麓の龍法寺の馨岳永芳という僧が釈迦如来像と弘法大師像を祀ったのだそうです。火災などによって当時の建物や像は損壊してしまい、現在では弘法大師の木像と釈迦堂のみが再建されています。

弘法山公園の敷地は弘法山までとなっていますが、ハイキングコースはまだまだ続きます。弘法山の次は、善波峠を経由して吾妻山に向かいます。吾妻山の標高は浅間山よりもさらに低いため、弘法山からは小さなアップダウンを繰り返しながら徐々に下に降りて行くかたちになります。

弘法山から吾妻山への山道は緩やかですが、道のりは3km弱と長いです。また、途中にはトイレや水場がないので、弘法山で飲み物の調達やトイレを済ませておきましょう。また、脇道が多く分かりにくい箇所もあるので、道標をしっかり確認しながら進みましょう。吾妻山の山頂には東屋とベンチがあり、休憩におすすめです。

吾妻山山頂からゴールの鶴巻温泉駅まではおよそ1.1kmの道のりです。なだらかな下り坂を終えると山道は終点となり、住宅街へと入ります。住宅街の道にも鶴巻温泉駅方面への道標があるので安心です。鶴巻温泉駅入口の交差点から東名高速道路をくぐるとここからは大通りをまっすぐです。500mほど進むと駅へ到着です。

弘法山公園ハイキングのランチは、お弁当も良いですがバーベキューもおすすめです。権現山から弘法山山頂へ向かう道の分岐を左へ進むと、山小屋風の建物のレストラン「めん羊の里」があります。羊が放牧されていてのどかな雰囲気。なお、ラム肉はニュージーランドやオーストラリアから仕入れており、放牧されている羊を食べるわけではないそうです。

ここでは、ジンギスカンを始めとしたラム肉料理が楽しめます。臭みの少ない上質な肩ロースのみを使用したジンギスカンは食べやすく、初めての人にもおすすめです。たっぷりのラム肉と野菜を自分で焼いて食べるいジンギスカン定食は1200円で、ご飯と味噌汁がつきます。バーベキューメニューはラムチョップやソーセージなどの単品もあります。

また、柔らかく揚がったラムかつ定食1300円や珍しいラムしゃぶしゃぶ1680円も、めん羊の里ならではのおすすめメニューです。ラム肉以外には、豚の生姜焼き定食の「権現山セット」900円や、好みの肉の焼き物が選べる「松花堂セット」1200円も人気があります。天気の良い日には、見晴らしの良いテラス席でのランチがおすすめです。

弘法山公園ハイキングコースのゴールとなる鶴巻温泉駅の近くには、秦野市営の日帰り温泉「弘法の里湯」があります。市営ながら2つの露天風呂と内湯のほか、足湯や貸切露天風呂という充実の設備が人気です。泉質は弱アルカリ性のカルシウム・ナトリウム-塩化物泉で筋肉痛や冷え性に効果があり、ハイキングの疲れを癒すにはぴったりです。

利用料金は、平日2時間で大人800円、小中学生400円です。また、土日祝日は2時間大人1000円、小中学生500円となっています。未就学児は無料です。タオルのレンタルは行っておらず、フェイスタオルは200円、バスタオルは864円で販売しています。営業時間は10時から21時までで、毎週月曜は休館日となっています。

弘法山公園ハイキングコース入口にアクセス便利な最寄り駅は小田急小田原線の秦野駅です。秦野駅からハイキングコース入口までの道のりはおよそ1kmとなっていて、徒歩でのアクセスが可能です。秦野駅北口改札を出たら右方向に水無川沿いに進み、「常盤橋」交差点を左折します。そのまま進んで「河原町」交差点の橋を渡ると、「弘法山公園入口」の看板が見えてきます。

弘法山公園へ車でアクセスする場合は、秦野駅周辺の駐車場を利用するか、弘法山公園周辺にある駐車場を利用します。しっかりハイキングコース入口からスタートしたい場合は秦野駅周辺の駐車場を選ぶことになりますが、この場合駐車場へ戻るためにハイキングコースを往復することになるので、体力面や時間の面で注意が必要です。

弘法山公園へ車でアクセスするなら、ハイキングコースをすべて通らずに目的に合わせてコースの一部を楽しむのがおすすめです。駐車場は浅間山と権現山の中間の道路沿いにある「浅間山駐車場」と、めん羊の里の隣にある「弘法山第一駐車場」があります。

浅間山駐車場は県道71号線の「クリーンセンター入口」交差点からのアクセスが便利です。また、弘法山第一駐車場へのアクセスは国道246号線の「名古木宮前」交差点から弘法山方面へ向かいます。ちなみに、弘法山第一駐車場の手前には加茂神社があるのでハイキング前に参拝するのもおすすめです。

神奈川県秦野市にある弘法山公園のハイキングコースをご紹介しました。桜を始めとした四季折々の花や野鳥の宝庫である弘法山公園は、登山初心者や子どもでも気軽にハイキングが楽しめるおすすめのスポットです。都心や神奈川各地からのアクセスの良い弘法山公園へ出掛けて、自然を満喫してみてはいかがでしょうか。