滋賀の白髭神社おすすめ観光スポットのご紹介！御朱印を頂くアクセスは？

「しらひげじんじゃ」と呼ばれる神社は全国に数多くありますが、その総本宮にあたるのが滋賀県琵琶湖のほとりに建つ白髭神社です。朝陽や夕陽に輝く湖中の大鳥居は見逃せない一押しの絶景。近年パワースポットとしての人気も上昇中です。この白髭神社のあれやこれやとともに、滋賀県湖西エリアの観光スポットをご紹介しましょう。

日本最大の湖として知らぬ人のない琵琶湖。でも何故か滋賀県も琵琶湖も観光スポットとしてのイメージはあまり強くありませんね。知名度向上への貢献度はむしろ、飛行機マニアのお祭り、人力飛行機の航続時間を競う人気TV番組「鳥人間コンテスト」の方が上かもしれません。スタート台は白髭神社の真向い、彦根市松原海岸です。

TVといえばNHK大河ドラマの舞台にも琵琶湖の周りがよく登場します。滋賀県は琵琶湖を基準に4つのエリアに分けられますが、賤ヶ岳（古戦場）、長浜城址のある湖北、安土・彦根両城址を擁する湖東、比叡山(上の写真）や石山寺など京都との接点をなす湖南、これら3つのエリアに比べてやや忘れられがちなのが、白髭神社のある湖西エリアです。

湖東エリアは田園が広がり新幹線や名神道など何本かの高速道が走る交通の要衝。これとは対照的に、白髭神社のある湖西はやや交通不便の地です。琵琶湖の西側は標高1000ｍ級の比良山地が断層状に落ち込んでいるため、湖岸の平地はごく限定的。白髭神社へのアクセスに使える幹線交通路はJR湖西線と国道161号線のみです。花見、祭り、紅葉などの季節には混雑でひと苦労するかもしれません。

白髭神社は、滋賀県高島市のJR西日本（湖西線）近江高島駅から国道161号(湖西道路)を南へ3kmほどのところにあります。 同駅まで、湖西線利用の場合は北陸本線近江塩津駅から南下で約30分、逆に京都駅から北上すると約50分。車なら北陸自動車道木之本ＩＣから南下しても、名神道京都東ＩＣから北上してもほぼ1時間半程度です。

国道161号線(別名「湖西道路」)を走ってくるといやでも目に留まるのが、湖中に朱塗りの大鳥居です。その陸側に目をやると国道の反対側にも鳥居。その奥には小高い森に点在するお社や石段が望めます。これぞ、「近江の厳島」とも呼ばれる白髭神社。「白鬚さん」「明神さん」の名で広く親しまれるこの神社の来歴や見どころをご紹介しましょう。

【白髭神社基本情報】 所在地：滋賀県高島市鵜川215 電話：0740-36-1555

一説によれば、白髭神社の創建はなんと1900年前。第11代垂仁天皇の頃とされています。ご祭神は比良山(上の写真）の神であるとも、古事記の天孫降臨の段などに登場する猿田彦命（さるたひこのみこと）とも言われ、延命長寿をはじめ人生の全ての道案内の神として信仰を集めてきました。白髭神社の分霊社も日本各地に数多く散らばっています（「ひげ」を「髯」、「鬚」と書く所もあります）。

故事来歴はともかく、静かな琵琶湖の水面に凛として立つ白髭神社の大鳥居（高さ12ｍ、柱幅7.8ｍ）の姿には誰しも目を奪われることでしょう。まさに、世界遺産・厳島神社を彷彿とさせる姿です。かつては陸上にあった鳥居が琵琶湖の水位上昇で水中に移ったという伝説に基づき1937年寄進されたこの鳥居、1981年に再建されて現在に至っているそうです。

岸辺の石段に座ってボケっと眺めているのも一興でしょうが、腕に自慢のカメラマニアは朝夕の刻々と変わる太陽光線とのコラボを見逃せないことでしょう。早朝5時半から撮影を開始したという「微速度動画」で 刻一刻と変化する光の芸術を堪能させてもらいましょう。なお、土日曜は通常、日没から約2時間、鳥居のライトアップもあるようです。

湖中の大鳥居を満喫したら、白髭神社そのもののお詣りに向かいましょう。国道を横切ると陸側の鳥居の奥に裏山に登る数十段の石段が見えます。その左にある檜皮葺き、入母屋造りの白髭神社「本殿」は桃山時代特有の建築で、国の重要文化財。豊臣秀吉の遺命を受けた豊臣秀頼が淀の方とともに建立、御朱印社領として寄進した由緒あるお社です。

手水舎で身を清めて、と思ったら、恐ろしげ、否、霊験あらたかそうな龍が見守っています。白髭神社のこの建物は昭和末期に再建されたものですが銅板葺きで総檜造りの風格あるたたずまいです。

白髭神社本殿・拝殿の奥の石段を上がって行くと、内宮や外宮の小さな社「上の宮」が点在しています。上の写真はこのうち「岩戸社」と呼ばれるお社で、大昔の横穴式石室がそのまま「天岩戸」として祀られています。右奥のしめ縄で囲われた白い岩も「磐座」（いわくら、神の御座所）、まさにパワー・ストーンです。

「白髭神社」の霊験や神々しいたたずまいに心惹かれたのは、平安貴族や戦国武将たちだけではありません。あの紫式部、俳聖松尾芭蕉、大正期の与謝野鉄幹・晶子夫妻など錚々たる文人たちもこの地で詠んだ和歌や俳句を残しています。白髭神社の境内に建つこれらの石碑を探してみるのも一興でしょう。

白鬚神社の例祭は毎年5月3日と9月5、6日に行われ北陸や京阪神はもとより、全国各地からの参拝客で賑わいます。白鬚祭りと呼ばれる秋の例祭では、「なるこ参り」という江戸時代からの伝統を持つ神事が行われます。数え年で２歳になった子供を連れて参拝し、大神から名前を賜わります。この名前で数日間その子を呼ぶと、無事に一生幸福の御守護があると言われています。

「白鬚」は有名な謡曲としても語り継がれています。この中で老漁夫の姿で現れる明神（猿田彦）が天皇の使者に語るとおり、この神社の縁起は平安京を守る霊的守護の役割を担うというものです。白髭神社の白髭祭りや4月に催される流鏑馬祭りは、こうした由緒を背景とする霊験あらたかな祭りとして人々の信奉を受けているのです。

やや足の便に難のある湖西エリアですが、その分、心なごむ自然や素晴らしい景色を味わうことができます。白鬚神社からわずか24km、マキノ高原へ続くメタセコイヤの並木道はその筆頭でしょう。2.4kmの直線道路と道の両側に植えられた約500本のメタセコイヤが四季折々に作り出す景観は訪れる人々を魅了せずにはおきません。

2016年7月、比良山の高原リゾート施設「びわ湖バレイ」の山頂エリアにオープンしたばかりの豪華でおしゃれな展望施設。電車なら湖西線「志賀駅」からバスに乗って約15分程度。標高1100mの高みから琵琶湖の大パノラマを堪能できる遊歩テラスや欧風レストランはまさに「天空のテラス」として話題の的となりつつあります。

白鬚神社から北へ4ｋｍ、近江高島駅のすぐそばに、奈良時代以来の様々な歴史をへて、現在は県有の親水公園となっている「乙女ヶ池」があります。池に架けられた橋を始めとして湖国の風情が溢れる景観を楽しめそうです。またこの池から目と鼻の先にある日吉神社では5月に湖西地方随一の曳山祭りが催され、趣向の疑らされたさまざまな山車を楽しめます。

上から40mの雄滝（おだき）、21mの薬研の滝（やけんのたき)、15mの雌滝（めだき）と分かれていますが、総合落差76mは、滋賀県内随一。足利将軍義輝が訪れた時に、「やまもものたき」と名付けたそうですが、今日では、「ようばい」と音読みするのが一般的です。湖西線北小松駅から本格的な登山道を登りますが30分ほどでたどり着けます。

高島市マキノ町海津にある桜のトンネルは圧巻。琵琶湖八景の一つにも数えられます。例年4月中旬には、延長約4kmにわたって約800本のソメイヨシノが咲き誇り、散策する多くの観光客で沿道は大変な混雑となることもあるようです。

パワースポットに目のない方なら、西近江七福神の御朱印を全部集めてみてはいかがでしょう？7か所とも白鬚神社と同じ高島市内にありJR湖西線の駅からレンタサイクルで15～30分の距離。車で回れば約4時間とのことです。

自然の安らぎ、歴史とのふれあい、絶景写真の撮影、御朱印などの霊験、どれを求める人にもおすすめの白髭神社、その魅力を感じ取っていただけましたか？他にも滋賀県湖西エリアにこれほど隠れた観光スポットがあるとはサプライズですよね。近畿地方の観光なら、京都や奈良だけでなく是非このあたりまで足を延ばしてみてはいかがでしょう。