クロスバイクとロードバイクを徹底調査
皆さんはクロスバイクとロードバイクの違いをご存知でしょうか。見る人が見れば、見た目に明らかに違いがあるクロスバイクとロードバイクですが、特徴の違いをしっかりと把握している人は意外に少ないかもしれません。
今回は初心者向けにクロスバイクとロードバイクの違いについて詳しくご紹介します。これから自転車購入を考えている初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
クロスバイクとロードバイクの違い【目的による違いと特徴】
クロスバイクとロードバイクはシティサイクルと比べるとどちらも少し似たような雰囲気を持っています。しかし、見た目は少し似ていても、細かく見ていくと特徴には色々な違いがあることが分かってきます。
見た目云々はともかくとして、そもそも自転車を使う目的がクロスバイクとロードバイクでは大きく違っています。クロスバイクとロードバイクのそれぞれの特徴を詳しくご紹介していきましょう。
クロスバイクの特徴
クロスバイクは適度な前傾姿勢をとって乗れるように設計されていて、普段からちょっとした距離を走るのに最適な自転車です。
ロードバイクほどの軽さやスピードは出ませんが、タイヤのクッション性のおかげで乗り心地も良いのが特徴です。ギアの変速は20前後を搭載しているモデルが一般的となっていて、色々な道に幅広く対応しています。
ロードバイクの特徴
ロードバイクは完全な前傾姿勢で乗るタイプの自転車です。舗装された道路用に作られていて、舗装道路を走る自転車の中では一番スピードが出せるのが大きな特徴です。
ロードバイクはタイヤと道路との摩擦を極力抑えているのでスムーズな走りを実現し長時間乗っていても疲れません。ギアの変速の数もクロスバイクと同じくらいで20段階ほどあります。
車体も軽量でスピードだけでなく、上り坂や長距離の走行にも向いているタイプの自転車です。
クロスバイクとロードバイクの違い【デザイン・外観の違い】
クロスバイクとロードバイクの特徴の違いが分かったところで、もう少し詳しくそれぞれのバイクの違いをみていきましょう。自転車はそれぞれパーツに分解することが可能ですが、クロスバイクとロードバイクはパーツの形状が大きく違っています。
パーツが違っているということは組み立てた時に見た目のデザインや外観の雰囲気が違ってくるということでもあります。ハンドル、タイヤ、フレームの特徴の違いを説明します。
ハンドルの違い
クロスバイクのハンドルはフラットな形をしています。シティサークルのようにカーブしているわけでもなく、本当にまっ平です。
一方ロードバイクの方はドロップハンドルです。姿勢をかなり前傾にしないとハンドルは握ることができず、普段シティサイクルやクロスバイクなどに乗っている人にとっては慣れるまで少し時間がかかります。
クロスバイクかロードバイクかの違いはハンドルは見れば一目瞭然で、この違いが両バイクの最大の違いともいえます。
タイヤの違い
クロスバイクとロードバイクはタイヤの太さや大きさも違っています。ロードバイクに多く使われているタイヤは700×25cというサイズのものです。この表示はWO規格と呼ばれ、700がタイヤフレームの直径を表し、25cがタイヤの幅25mmを表します。
一方クロスバイクに使われるタイヤは700×28c以上のものが多く、外径はロードバイクと同じですが、幅はロードバイクよりも広いものが使われます。
28c位のサイズでは両バイクの見た目の違いはそれほど大きなものではありませんが、タイヤの幅が広いものになればなるほど見た目の雰囲気には差がでてきます。ロードバイクはよりすっきりとしたスタイリッシュな印象、、クロスバイクは安定感のあるどっしりとした印象です。
フレームの違い
クロスバイクとロードバイクはフレームにも違いがあります。ロードバイクのフレームにはアルミまたはカーボン素材が使われています。
アルミは質や価格帯の幅が広く、フレームに使っている素材のレベルによって車体の値段も違ってきます。最上位のロードバイクのフレームはプロレースからフィードバックを基に開発されたカーボンフレームAdvanced SL-Grade Composite ISP OLD142mmを使っていて、そういったバイクは車体価格も高額になります。
クロスバイクもまたロードバイクと同じような傾向にあります。10万円前後のクロスバイクに使われているフレームは基本的にアルミです。アルミフレームを使った車体には価格帯の幅が広いのが特徴なので、初心者にもぜひおすすめです。
しかし、20万円を超えるクロスバイクのフレームにはアルミではなく、ロードバイク同様カーボンが使われています。さらにモデルによっては合金を使っていることもあります。
クロスバイクとロードバイクの違い【価格の違い】
クロスバイクとロードバイクの価格はブランド、自転車のサイズ、使用されているフレームの素材などによって違ってきます。フレームに同じ素材を使っているクロスバイクとロードバイクではロードバイクの方が高い値段で販売されています。
また、初心者には幅広い値段で展開されているアルミフレームのロードバイクがお手頃でおすすめです。万が一扱いに慣れていなく手壊してしまったとしても惜しくないのがポイントです。
クロスバイクの平均的な価格
クロスバイクの平均的な価格は5~10万円ほどです。フレームの素材にはアルミが使われていることが多いですが、20万円以上のクロスバイクになるとロードバイクと同じカーボンフレームを採用したタイプが多くなります。カーボンフレームを採用したクロスバイクはロードバイク並みの軽さで、スピード感が増した高性能なモデルです。
20万円以上する高性能なクロスバイクの中には電動アシスト付きのクロスバイクなどもあり、高いもので80万円近い値段で販売されているものもあります。初心者は10万円程度のクロスバイクでも十分快適に乗れます。
ミヤタ(MIYATA) クロスバイク
ミヤタのクロスバイクは体重110kgまでOKのタフでワイドなクロスバイクでネット価格は51,282円です。特徴はクロモリ製のタフなフレームを使いラフな乗り方にも十分に耐える強度を持っていることで、とても魅力的な一台です。
36本のスポークや極太なハイテン製フォークを装備していて、45c極太タイヤを装備しています。安定感があり、マウンテンバイクに近く、オフロード走行も楽々可能です。
トレック(TREK)クロスバイク
トレックのクロスバイクは後世のフィットネスバイクの入門モデルで女性にもおすすめの一大です。ネット価格は13,200円で軽いフレーム、20段変速、女性専用のタッチポイントで長距離の通勤や通学に向いています。
大きな特徴として、ロードバイクの速さとクロスバイクの多用途さを1台に凝縮してあり、サイクリングでも速いスピードを出すこともできます。
PORSCHE(ポルシェ)クロスバイク
ポルシェのクロスバイクはネット価格で854,700円で販売されています。特徴としてポルシェの技術が集結したクロスバイクでクロスバイクではありますが、ポルシェバイクとも称され、独特のポジションをキープしているバイクでもあります。
ロードバイクとマウンテンバイクの中間に位置し、フレームはもちろんカーボン製でマグラの最新世代ブレーキやシマノの変速機などポルシェにふさわしい高品質のコンポーネントを装備しています。サイズはS,M,Lの3サイズで展開されていて、快適性とスポーティー走行感は抜群です。
ロードバイクの平均的な価格
ロードバイクの平均的な価格は10万円以上です。クロスバイクが比較的手軽な価格で買えるのに比べるとロードバイクは高額で、高いものでは100万円を超える価格のものもあります。ロードバイクは速く走るために車体に使うフレームやコンポートネントに高級なものを使うため、全体の価格が高額になります。
初心者が100万円以上のロードバイクを購入するのはとても危険で、初心者が買うのはクロスバイク、もしくは10万円程度のロードバイクがおすすめです。
初心者が100万円以上のロードバイクを購入しない方が良い理由として、繊細なロードバイクのメンテナンスは初心者には難しいこと、軽すぎて不安定な乗り心地になること、そして何よりロードバイクを長く乗り続けるかどうかわからないことです。
GIANT PROPEL ADVANCED SL 0
初心者には決しておすすめできない100万円以上のロードバイクですが、比較的初心者向けの100万円以上のロードバイクを敢えて紹介するとすれば、GIANT PROPEL ADVANCED SL 0が挙げられます。
革新的な要素がふんだんに取り込まれているロードバイクで、値段は1,260,000円です。最上級のエアロードバイクともいえる一台でディスクブレーキを仕様しています。
クロスバイクとロードバイクの違い【どちらを選ぶのか?】
クロスバイクとロードバイク、どちらに乗るのが良いのか、どちらを購入したら良いのかは見た目や予算だけでなく、しっかりとしたポイントを押さえておくことが必要です。
初心者が見た目のカッコよさや価格だけで決めてしまうと、せっかく買っても乗りにくかったり、結局すぐに買い替えることになりかねません。ここではクロスバイクとロードバイクのどちらを購入するか、選び方のポイントを説明しましょう。
使用目的によって決めると失敗しない
クロスバイクとロードバイクは使用目的によってどちらを買うか決めると失敗しません。自分が自転車をどういう時に使うのかを考えてどちらの自転車が最適か判断するようにしましょう。見た目のカッコよさや価格、乗り心地の良さだけで決めてしまうと失敗しますので注意が必要です。
クロスバイクの使用目的
クロスバイクの使用目的の多くは自転車通勤用、自転車通学用になります。通学の場合はそれほど長い距離を走ることはないかもしれませんが、たとえ10km以上や20km近い距離を走ることになってもクロスバイクなら安心です。満員電車にぎゅうぎゅう詰めで通勤、通学することを考えると快適で健康的な移動手段といえます。
また普段の近所への買い物やちょっとした移動手段にもクロスバイクは便利です。通常はカゴのついていない状態で販売されていることが多いクロスバイクですが、ちょっとしたフロントバスケットやキャリアを取り付けられるモデルもあり、オプションで設置してもらえば買い物も楽々です。
さらに、軽いエクササイズ目的でクロスバイクを乗るのもおすすめです。日頃の運動不足解消にサイクリングロードを流して走ったり、ちょっとしたアップダウンのある道を走るのも良い運動になります。
このような使用目的でクロスバイクを購入する時に重要なポイントになるのはサイズの合った自転車を選ぶことです。クロスバイクだけでなく、ロードバイクにも言えることですが、自転車には身長や手の長さに合ったフレームサイズがあります。
サイズが自分の体に合っていないと、どんなに性能の良い自転車でも、とても乗りにくく、体に無駄な負担がかかってしまいます。しっかりと自分の体型に合ったクロスバイクを購入するようにしましょう。
ロードバイクの使用目的
ロードバイクの使用目的は主に自転車レースです。ロードバイクは長距離をツーリングするロングライドに向いていて、峠や長い登りを駆け上がるヒルクライムには最適で最適で、春から秋の自転車シーズンに各地で開かれるイベントに参加してみたい人はぜひ性能の良いロードバイクを買って参加してみてはいかがでしょう。
順位やタイムを競うレースやイベントにはロードバイクは欠かせない存在です。また、健康維持やダイエット目的のトレーニングにもロードバイクが向いています。ランニングに比べ、関節に負担がかかりにくいので、体重を上手に落としたい人にもぜひおすすめです。
レースに出ないまでも初心者が観光地を自転車でめぐるツーリングにもロードバイクはおすすめです。高性能な変速ギアがついているので50kmを超える長い距離を走るようなロングライドにもとても重宝します。また、勾配のある道路も体にそれほど負担をかけることなく軽快に走れるので峠や長い上り坂を果敢に駆け上がるヒルクライムにも最適です。
旅行で自転車をのせて車や電車で離れた場所に移動するような時にも車体辞退の重さが10kg以下ととても軽量なので、簡単に持ち運びできるのも大きなポイントです。
クロスバイクとロードバイクの違い【乗り心地】
クロスバイクとロードバイクの違いを乗り心地で比べてみましょう。自転車に乗る目的によって乗り心地の重要性は違ってきますが、デイリーで自転車を利用する場合、乗り心地は重要なポイントになってきます。自転車ライフを快適に過ごすための重要なポイントになってくる乗り心地について詳しく説明しましょう。
クロスバイクの乗り心地
クロスバイクとロードバイクを比べた時、圧倒的に乗り心地が良いのはクロスバイクと言えます。乗り心地の良さを決めているポイントはタイヤの太さと空気圧です。クロスバイクに使われているタイヤは28c~35cくらいの太さがあり、一般的なロードバイクの25cよりも太めです。
またシティバイクのタイヤと比べると若干狭細くなります。タイヤの幅は自転車の安定性と大きく関わってきて、太いタイヤであればあるほど安定した走行が可能になります。クロスバイクのタイヤは空気圧が高く、シティバイクの3倍ほどの圧が加わっています。
そのため例え同じ太さであっても、クロスバイクのタイヤはシティバイクのタイヤよりクッション性があるのも特徴です。さらに付け加えれば、ロードバイクと比べた時、ハンドルの持ちやすさも圧倒的にクロスバイクの方が持ちやすいといえます。顔が前に向いている分周囲の変化にも気づきやすいのも乗り心地の良さにつながる重要なポイントです。
ロードバイクの乗り心地
ロードバイクは高速走行に特化したスポーツバイクなのでタイヤを細くし、軽量性にとことんこだわったスピード重視設計されているのがポイントです。効率よくスピードを出せるようにハンドルもドロップハンドルで空気抵抗を少なくするため前傾姿勢をとれるような設計にしてあります。
安定性という点ではロードバイクは圧倒的にクロスバイクに劣っていて、スピード以外の乗り心地の良さだけを考えればクロスバイクの方が快適な乗り心地と言えるでしょう。
クロスバイクとロードバイクの違い【速度】
クロスバイクとロードバイクの違いを速度という点で見てきましょう。普段何気なく自転車に乗っているとそれほど速度を気にするようなことはありませんが、いざレースや長距離をクロスバイクやロードバイクで走ろうと思うと、どれくらいの速度が出るかは重要なポイントになります。
体にかかる負担もクロスバイクとロードバイクでは大きく違ってくるので、目的によっては速度を十分に考慮する必要があります。
クロスバイクの速度
速度を比較すると、一般的なクロスバイクはタイヤの大きさと太さ、さらに自転車自体の重量からいってロードバイクよりも速度は遅くなります。しかしクロスバイクの中には価格の項目でもご紹介したように、ロードバイク並みの軽さを実現した性能の良いタイプもあり、そのようなクロスバイクではロードバイク並みの速度を出すことができます。
一般的なロードバイクの平均速度は1時間25km、ロードバイクは1時間30kmほどと言われていますが、これは専用の道路を走った時の速度で、一般的な凸凹やアップダウンの道路を走った場合には、実際そこまでの差はないというのもひとつの見方ではあります。
しかし、長距離を考えた時、さらにレースなど整備されたコースを走るときなど限定したコースに限れば圧倒的にクロスバイクはロードバイクに劣ります。
ロードバイクの速度
ロードバイクはもともと速度が出せることを重視して設計されたバイクです。時速30kmや40kmは楽に出せることができますし、100kmを超えるライドも十分こなすことができます。
スピードが上がる要因としては繰り返しになりますが、フレームやコンパートメントが軽量であることやタイヤが細いため摩擦が少ないこと、さらにドロップハンドルで前傾姿勢になることによって風の抵抗を最低限に抑えられることが挙げられます。
ロードバイクの平地での最大瞬間速度は時速70kmと言われていて、これは一般的な車よりも速いスピードです。さらに下り坂では時速100kmが出せるとも言われています。
ロードバイクではスリップドストリームという走行テクニックがあり、高速で走る自転車の後ろは空気が押しのけられて気圧が低くなり、気圧は低い方へと引っ張られるので、後続がより少ないエネルギーで走行できるといったものです。スリップストリームではロードバイクは時速200kmを超えた記録もあります。
しかし、これはあくまでプロの記録であり、一般的に素人がロードバイクで出せる最高速度はせいぜい40kmと言われています。
速度を上げるテクニックとしては頭を下げて姿勢を低くすること、肘を内側にたたみバイクを左右に振って体の軸を動かさないようにすることです。バイクごと体に引き付けるようなイメージで走行するとより速いスピードを出すことができます。
こういった走行はスプリントといい、ロードバイクで速く走るためには必要不可欠な乗り方と言えます。スプリントを行う時にはロードバイクのギアを正しいギア比にすること、スプリント発射のタイミングを合わせることが重要なポイントです。
初心者は購入する前にクロスバイクとロードバイクの違いを理解しよう!
いかがでしたでしょうか。今回は初心者にむけて、クロスバイクとロードバイクの違いをご紹介してきました。クロスバイクとロードバイクは似ているようで、全く違う乗り物であり、使用目的も大きく違っています。初心者は見た目のカッコよさや価格だけで自転車を判断せずに、両バイクの違いをしっかりと抑えて購入するようにしましょう。
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