香港から深センへのアクセス特集!
中国の南に位置する深センは香港と接するエリアで、香港から最も近い中国の地域と言えます。香港から深センへアクセスするには、MTRやリムジンバス、フェリーなど、種々の交通手段が利用できます。ここではそんな香港から深センまでの行き方について、おすすめの行き方や時間、料金などの情報を交えて紹介します。
香港と深センの関係は?
香港に隣接する深センは、中国本土と香港を繋ぐ中継地点的な意味合いを持つ地域です。この地域へは、狭い香港にあった種々のメーカーの工場が多数移転し、深セン発展の原動力となってきました。このところの深センの発展振りは目覚ましく、今では香港の産業を上回るほどの成長を示しています。
香港と深センの制度
中国は世界でもあまり類を見ない一国二制度を採用している国です。香港はマカオと並び、中国本土とは異なる制度を採用している特別行政区です。
中国は社会主義国家ですが、香港とマカオは、中国返還前はイギリスの支配下にあったため、資本主義体制を取っています。そのことを最も象徴的に表しているのが香港の区旗で、真白な花・バウヒニアが赤色で囲まれており、一国二制度を意識して作られています。
香港と深センの貨幣
中国と香港の違いで最も分かりやすい例が貨幣です。中国では一般の流通貨幣に人民元が使われているのに対し、香港では香港ドルが使われています。
2019年12月20日現在、中国元は1元が15.60円、香港ドルは1HKドルが14.03円となっており、通貨の違いは、香港と中国の制度の違いを端的に表しています。
香港と深センの公用語
中国では公用語が北京語であり、車は左ハンドルですが、香港の公用語は中国語と英語で、中国への返還前は広東語が公用語として使用されていたため、その頃の名残から、広東語を話す人も多く見られます。また、車は日本同様、右ハンドルです。
中国ではインターネットの規制がありますが、それに対し、香港では規制が無く、インターネットを自由に使用することができます。
ただ最近、中国は香港を本国と同じようなシステムに近づけるべく、規制を強化していることから、香港市民がこれに反発して大規模なデモを繰り返しております。
香港に隣接する深センとは?
香港に隣接する深センとはどんな地域かご存知でしょうか。この地域は、中国広東省の南部に位置する工業地帯で、香港の産業が発展を遂げ、当初安かった人件費や工場で発生するコストが急激に上がってしまったため、更に安い人件費で作業のできる工場や施設を深センにシフトしたことから、中国の代表的な先進工業地区となった地域です。
深センは漢字では深圳と表記される新興産業都市で、このおすすめの都市には、日本からの企業も多数進出し、多くの人口が集中したため、ホテルや飲食店、ゴルフ場などが発展し、香港から日帰りゴルフをする人なども増えています。
香港に隣接する深センの未来は?
深センは現在でも中国南東部の主要都市であり、香港と中国本土を結ぶ重要なエリアですが、中国政府の考える新計画によると、深センを「中国の特色ある社会主義」の地域に発展させたい意向があるようです。
つまり深センを、世界をリードする都市に発展させ、特に研究開発や技術革新、新興産業の育成などに力を入れようと計画しているわけです。
新計画では、香港、マカオと広東省の9都市を一体化する大湾区構想が描かれており、現在でも、この地域だけで中国のGDPの12%を占めており、人口は7000万人に達しています。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション
香港と深センの間には国境のようなイミグレーションがあり、そのスポットを通過しなければ中国側に行くことはできません。通過する時はパスポートを提示する必要があり、日本人の場合は、中国滞在が15日以内の場合はビザが要りません。
イミグレーションは8か所ありますが、主なものは羅湖区にある「羅湖(ルオフー)」、福田(フーティエン)区にある「落馬洲(ラクマーチャウ)」、「皇崗(ファンガン)」、南山区にある「蛇口(シェコウ)港」、「深セン湾」などを挙げることができます。
各イミグレーションには、車やバス、MTRなどの陸路経由の場所と、フェリー経由の場所があり、オープン時間もイミグレーションによってまちまちなので、事前確認をしておくことをおすすめします。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション1:羅湖
香港と深センを行き来するのに最もよく利用されるイミグレーションが羅湖(ルオフー)で、「香港の玄関口」とも言えるおすすめのイミグレです。このイミグレはMTR上水駅からアクセスする場合に利用するスポットの1つで、上水駅を出たらそのまま徒歩で深センの入国審査場へと向かいます。
中国の新幹線に当たる高鉄の駅がイミグレーションを抜けたすぐそばにあるため、東莞や広州へ向かう人は皆、このおすすめのイミグレを利用します。鉄道駅の向かいには商業ビルがあり、一時は服飾系を中心に、コピー商品が山のように積まれていましたが、今は減少傾向にあるようです。
羅湖では、駅の出口は深セン側にしかないため、駅に到着後は香港側の表に出ることができません。そのため、人波についていけば、迷うことなく入国審査場に辿り着きます。イミグレーションの利用時間は6時30分から24時までとなっています。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション2:福田
「福田」イミグレーションは「皇崗」イミグレーションの近くにあり、香港側からはMTRが、深セン川からも地下鉄が繋がっているため、アクセスがしやすく利用者も多いというメリットがあります。香港のMTR東鉄線の終点(落馬洲)駅を降りて橋を渡ると迷わずにアクセスできるおすすめのイミグレです。
「福田」イミグレーションから東側を望むと、香港と中国が川によって隔てられていることがわかります。このイミグレの利用時間は、6時30分から22時30分となっています。
福田区は深センで2番目に開発されたエリアで、金融や保険会社が多く、高層ビルが建ち並んでいる地域で、世界でも4番目の高さを誇る「平安国際金融中心」という高層ビルもあります。また、深センの秋葉原と呼ばれる市場もある活気溢れる街です。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション3:深セン湾
「深セン湾(シェンジェンワン)」イミグレーションは、陸路による通過スポットとしては最も西側に位置しています。このイミグレは、2007年に開通したばかりの、比較的新しいスポットで、開通式典には当時の国家主席が参加したそうです。
このイミグレーションでは、深セン側の敷地に香港と中国のイミグレが並んでおり、イミグレ間の移動が無い分、比較的容易に通過することができます。「深セン湾」イミグレーションの利用時間は、6時30分から24時までです。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション4:皇崗
歴史のある「皇崗(ファンガン)」イミグレーションは、「福田」同様、福田区にあるおすすめのイミグレで、深センの中央付近に位置しており、アクセスの良いスポットです。このイミグレは、香港側からMTRでアクセスすることができないため、バスを利用します。
MTRが使えないため多少面倒ではありますが、このイミグレーションのみ、24時間フルで可動しており、早朝や深夜時の移動が便利で、多くの利用客が利用しています。利用可能時間は勿論24時間です。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション5:沙頭角
「沙頭角(シャトウジャオ)」イミグレーションは、陸路で移動する場合に最も香港の東側に位置しているため、深センの東側を訪れたい場合に利用すると便利です。このイミグレは、日本人も含め、利用者が比較的少ないため、混み合うことが無く、いつでもスムーズに通過できるというメリットがあります。利用時間は7時から22時までとなっています。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション6:文錦渡
「文錦渡(マンガムド)」イミグレーションは沙頭角イミグレーションの西側に位置しており、2年ほど工事をしていた深セン側の地下鉄が開通したため、入国審査後のアクセスが大変スムーズになりました。
この文錦渡イミグレーションは、あまり混んでいない穴場のイミグレですが、地下鉄開通後の現在ではかなり便利なイミグレーションとなっています。このイミグレの利用時間は、7時から22時までです。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション7:蛇口
「蛇口(シェコウ)」は香港と深センを結ぶ海路用のイミグレーションの1つで、フェリーを利用する場合は、香港国際空港や尖沙咀(チムサーチョイ)、香港島などから深センに向かうことができます。
このおすすめのイミグレを利用する観光客は年間500万人もおり、深センの西側を訪れたいという旅行者には最適のイミグレーションです。このイミグレの利用可能時間は7時45分から21時30分までです。
南山区にある蛇口は、比較的早くから開発が始まった地域で、外国人駐在員の多い場所です。蛇口は1990年代には三洋電機が工場を持っていたことでも知られている場所です。
香港から深センへ行く場合のイミグレーション8:福永
フェリーによるアクセスのできるもう1つのイミグレーションが「福永(フーヨン)」です。このイミグレーションは中国側の深セン空港や広州にも近いため、飛行機利用の人や広州の奥にまで足を伸ばしたい人には利用価値があります。
蛇口同様、空港からは香港での入出国手続き無しにフェリー1本で向かうことができ、預けた荷物も到着港まで運んでくれるため、大変便利なおすすめのイミグレです。このイミグレの利用可能時間は7時30分から19時30分までとなります。
香港から深センへの行き方1:フェリーを利用する方法
ではまず、香港からフェリーを利用して深センにアクセスする方法を紹介しましょう。フェリーの利用方法には、香港国際空港から乗船する方法や香港島の上環から乗船する方法があります。空港から直接フェリーに乗船すれば、香港国内に立ち寄らないで、そのまま深センに向かうことができるため、移動が大変しやすい方法となります。
香港国際空港からフェリーを利用
香港国際空港からフェリーに乗り継いで深センに渡るおすすめの方法があります。空港には、スカイピアという名のフェリーターミナルがあり、その場所から深センに向かうと、香港の入国審査を受けないまま中国本土に入国することができます。ただし、香港までのフライトで受け取り荷物がある場合、利用制限があるので、注意が必要となります。
空港では荷物の受け取りがあるため、飛行機からフェリーへの乗り継ぎには最低でも1時間程度の猶予が必要です。また、空港では同日中の乗り換えが必須条件となっているため、深夜に香港に到着し、日をまたいで翌朝フェリーを利用することはできません。
香港国際空港からフェリーを利用する場合のイミグレーションは、福永と蛇口の2か所となります。
上環からフェリーを利用
香港島の上環からも深センにフェリーでアクセスすることができます。上環の「香港マカオフェリーターミナル」から深セン行きのフェリーが出ており、1時間ほどで蛇口イミグレーションにアクセスします。イミグレを出たところには地下鉄があるため、南山区方面への旅行には便利でおすすめの方法と言えます。
フェリーの営業時間と料金
香港国際空港から蛇口イミグレーションまでフェリーを利用する場合、空港から蛇口までのフェリー乗船料金は1時間弱の乗船で、220HKドルから240HKドルの料金となります。
この方法だと、飛行機を降りた後荷物を受け取らないでそのまま空港内のフェリー乗り場に行けるため、移動が非常に容易でおすすめです。また、香港での入出国手続きが必要ないため、長蛇の列に並ぶ手間も省けます。
ただ、1日に出港するフェリーの本数が少ないため、フライトが遅れた場合の対策を検討しておくことをおすすめします。また、蛇口、福永のイミグレーションは、ともに深センの西側に位置するため、東側へ行きたい場合の移動距離が長くなることは覚悟しておく必要があります。
香港から深センへの行き方2:MTRを利用する方法
香港から深センにMTRを利用して向かう行き方もあります。この方法は、香港九龍の紅磡(ホンハム)駅からMTRに乗って深センの羅湖または落馬洲を目指す行き方で、最も安上がりにアクセスできるおすすめの方法です。ただ、到着駅からイミグレーションまで、10分ほど歩く必要があるため、重い荷物を持っている場合はちょっと厳しい旅行となります。
紅磡駅からMTRを利用
香港から深センまでの行き方の1つがMTRを利用する方法です。この行き方では、まず尖沙咀の東側にある香港九龍の紅磡(ホンハム)駅からMTR東鉄線に乗車します。
紅磡駅では、羅湖行きまたは落馬洲行きの切符を購入し、MTRに40分ほど乗れば深センに到着します。東鉄線は5時30分から23時過ぎまで運行しています。
尖沙咀からMTRで深センに行く場合は、尖沙咀から荃湾線で旺角まで行き、観塘線に乗り換え、更に九龍塘で東鉄線に乗り換えれば深センにアクセスできます。
羅湖または落馬洲はどちらもイミグレーションに繋がっているため、すぐそのまま入国手続きとなります。イミグレーションでは、香港人専用レーンと外国人専用レーンに分かれているため、外国人専用レーンに並びます。パスポートを提示し、入国カードの記載と指紋の登録が行われて入国審査が完了します。
MTRの所要時間と料金
MTR東鉄線の始発駅となる紅磡駅から深センの羅湖駅までの所要時間は45分ほどで、更に羅湖イミグレーションまでは徒歩10分程度かかります。
混雑していない場合は入国審査の手続きは15分程度で終わるため、トータルで1時間30分程度見ておけば大丈夫です。ただしイミグレが混み合うこともあるため、注意が必要です。MTRの料金は41.5HKドルとなります。
MTRを利用する行き方は、最も安く深センにアクセスできるおすすめの方法となります。更に安く行く行き方としては、市内からMTR上水駅まで路線バスを使い、上水駅から深センに向かう行き方もあります。
デメリットとしては深センの各駅からイミグレーションまで10分ほど歩くことになるため、重い荷物を携行している人にとっては多少辛い移動となることです。
香港から深センへの行き方3:空港からリムジンバスを利用する方法
香港国際空港からリムジンバスに乗車して深センを目指すおすすめの方法があります。この場合には、空港にある中国本土行きバス乗り場からリムジンバスを利用して、深セン湾、皇崗、沙頭角、文錦渡などのイミグレーションを目指すことができます。
空港からリムジンバスを利用
空港からリムジンバスを利用して深センに行く場合は、入国手続きが簡単にできます。通常は入国審査の列に並ぶ必要がありますが、リムジンバスの場合は、出国、入国、税関検査がすべてバスの中で行われるため、並ぶ必要がありません。ただ、イミグレーション前の道路が渋滞するため、到着が予定通りいかないことが多々あります。
また、リムジンバスの場合、深セン市内まで直接運んでくれるため、港からの交通手段を確保する必要がありません。
リムジンバスの所要時間と料金
リムジンバスで香港から深センを目指す行き方の場合の料金は、150HKドルから200HKドルと、フェリー利用の場合より料金は安いものの、MTRを利用する場合の料金よりは高くつきます。
時間的には、スムーズに行けば1時間から1時間30分ぐらいで各イミグレーションにアクセスできますが、混雑している場合はもっと長くかかることもあります。
香港から深センへの行き方4:香港市内から直行バスを利用する方法
香港市内の九龍サイドや香港サイドの各エリアから直行バスを利用して深センにアクセスする方法もあります。
九龍サイドの尖沙咀や佐敦、旺角から、また香港島の湾仔、銅湾鑼、上環などから深センに向かう直行バスが出ています。
香港市内から直行バスを利用
九龍サイドから深センを目指す直通バスが出ています。南山区にある深セン湾イミグレーションに向かう場合は、尖沙咀の海港城(ハーバーシティ)から、「環島大陸通」と呼ばれる最も多くの直行バスが出ています。
佐敦(ジョーダン)または旺角(ウォンコ)には福田区の皇崗イミグレーションへ直行で行くバス乗り場があります。このバスだと深夜でも深センを目指せます。
また、香港島の中心街・湾仔(ワンチャイ)からは皇崗イミグレーションへの直行バスが出ています。24時間運行のため、夜の遅い時間でも深センを目指すことができます。ただ、バス停がMTR湾仔駅から少し離れた所にあり、分かりにくいため、注意が必要です。
更に、香港島の銅湾鑼(トンローワン)や湾仔、上環(シェンワン)からも、福田区や南山区を目指す「環島大陸通」のバスが出ており、深センに向かうことができます。
直行バスの所要時間と料金
九龍サイドの佐敦や旺角から直通バスで深センを目指す場合の料金は40HKドルとリーズナブルな上に、皇崗イミグレーションは24時間開いているため、深夜に行くこともできます。
バスの乗車時間は、混み具合にもよりますが1時間ほどで深センに行くことができます。香港島からも1時間20分ほどでアクセスでき、料金は55HKドルと、九龍サイドから乗る場合より若干高めの料金となります。
香港から深センへ行く場合の禁止事項
香港から深センに旅する場合は、税関審査をしなければなりません。その際には持ち物の制限があることに注意を払う必要があります。
紙巻きたばこは400本まで、アルコール類は1本0.75リットル以下のものが2本まで、現金は5000USドルまたは現地通貨で2万元までが可能となっています。また、果物や野菜、フィルムなどは持ち込みが禁止されています。
逆に中国本土から香港に入国する場合には、紙巻たばこ19本または葉巻1本か25gまで、アルコール類は1リットルまで、通貨に関しては持ち込みが無制限となっています。ただし、肉や花火、植物などの持ち込みは禁じられています。
香港と中国を同時に満喫できる旅行をしよう!
香港と中国本土の深センは、お隣同士の関係にあり、香港へ観光する場合には、活気ある街・深センまで足を伸ばしてみることをおすすめします。香港から深センへの行き方にはMTRやバス、フェリーなど様々な交通手段があります。
ここではそんな香港から深センへの行き方について、おすすめの方法やMTR、時間、料金などの情報を取り入れながら説明してみました。
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