香港はチップが必要?
観光やビジネスで人気の香港。日本からはアクセスしやすく、乗り換えのトランジェットとしても利用頻度の多い香港です。香港って中国なの?それとも違う国?チップが必要って本当?チップ習慣のない日本人にとってチップはストレスそのもの。安心して旅を楽しむためにも香港のチップ事情についてわかりやすく紹介していきます。
香港に残るチップ文化
香港にチップが必要なのには歴史的事情があります。現在は中国の特別行政区である香港ですが、アヘン戦争後の1842年から1997年までイギリスの植民地でした。一世紀半にも渡る長い期間イギリス領となり資本主義経済で発展してきたのが香港です。そのため現在でもイギリスの文化が色濃く残っています。そのひとつがチップの習慣です。
さて今日は明日のBCライブの予習から始め、たまったプロデュースワークの宿題をひたすらやっていきます。ここから約10日が山場。台湾香港ライブでいただいた活力も使って頑張りますー。写真は香港で見た、イギリス領の名残りと思われるサイン。 pic.twitter.com/DFPawQxCDe
— toshiyuki kishi (@tko1017) May 16, 2017
香港でのチップの考え方
チップとはそもそも良いサービスを受けた際に感謝の意として支払うものです。「心付け」としてサービスをしてくれた相手に対して直接渡すもので、これは義務ではありません。感謝を示す方法として支払われるチップは、およそ2つのパターンで理解すると分かり易いです。
通常のサービス(日本でいうところの普通)を受けた時に「有難う」の気持ちで渡すチップ
感動するサービスを受けた場合にはチップを払います。例えば観光でクタクタに疲れた時にポーターさんが親切にバックを持ってエスコートしてくれたら感動しますよね?レストランでウエイターがにこやかに出迎えてくれ、食事も想像以上に美味しい!と思えば感動します。その気持ちをチップで表します。
特別待遇を受けた時・または受けたい時に渡すチップ
子供が寝てしまっていて困ったなと思っていたら、レストランの店員さんが静かな席を用意してくれたら助かりますよね。チェックアウトを急いでいて、ポーターさんがチェックアウトまでずっと自分の荷物を見ていてくれたら非常に助かります。このように通常のケースとは違う特別待遇を受けた時、または特別待遇を受けたい時にチップを渡します。
チップの渡し方ですが、ポーターやベルボーイ、特別親切な対応をしてくれたレストランスタッフなど、直接渡す場合にはあまり人目につかないように気づかいましょう。例えば握手をした時にさりげなく渡せば、傍から見てもチップを渡したということが分かりにくくスマートです。
ついでにTipの話…
— Kaz Yanbaru (@kaz_yanbaru) March 14, 2017
アメリカ:us:のTip(チップ)支払い定着しているけど、あまりヒドい接客やサービスには払わない:sweat_drops: ホテルや良い値のするレストランは支払いに「Gratuities」14-18%とチップ込みの場所も多いので、それ以上のチップは自分次第。これハワイの店でも多い:palm_tree: pic.twitter.com/VXKff95UIj
アメリカのように労働者の賃金が極端に低くチップが給与のひとつとして重要な役割を持つ国ではチップを渡すのがマナーです。しかし、香港では法律により最低賃金が保証されている国です。気持ちの良いサービスを受けたり、迷惑をかけたり、無理をお願いした場合にチップを支払うという、本来の趣旨でチップを支払えばよいでしょう。
香港でのチップ相場:タクシー
香港のタクシーは2キロで20HKD程度(約280円。※2017年現在)ですのでビジネスや観光の交通手段として非常に便利です。トランクに荷物を置いた場合は1個につき5~10HKD発生します。基本はチップを支払う必要はないですが、1HKD以下はチップとして渡し、おつりを貰わないのが通常のマナーです。
香港のタクシーって1ドル以下はおつり基本返してくれない(所詮10円以下ではあるけどチリツモだよね、精算できないし)んだけど、今朝は50¢返してくれたし、帰りのバスはすぐ来たし、今日はすごくいい日だ。#小さな幸せ pic.twitter.com/jlpJfSKOYd
— mutsumi_d (@bonbon_bleu) June 22, 2017
香港では乗客が500HKD以上の紙幣で料金を支払った場合、「おつりがない」と言われて終わることがあります。タクシーを利用する際は出来るだけ100HKD札や50HKD札といった細かい紙幣を持って乗りましょう。どうしても手元にない場合は、乗車前におつりがあるか聞いてから乗るようにしてください。
香港でのチップ相場:レストラン
ファーストフード店やローカル食堂、屋台などではチップは不要です。それ以外のレストランでは10%のサービス料をお勘定に加算しているところが大半です。会計前に、レシートにサービス料が加算されているか必ずチェックをするようにしてください。サービス料を加算しているレストランにはチップを支払う必要はありません。
香港人のM小姐が選んだ旺角にある5つ星ホテルのセミブッフェがすごく良かった!獅子山が見えるレストランはその名も獅子樓。スープ、サラダ、スイーツ食べ放題。メインはできたて点心&炒飯、コーヒーも付いてアメックスで18%オフ、1人HKD136 。さすが香港人お得なとこ探すの上手いわ。 pic.twitter.com/29S9a5r34Y
— 香港次どこパンダ (@tsugidokoblog) August 24, 2017
現地に住む香港人や日本人はチップを支払う場面が殆どないと言っています。日本のサービスと比較すると現地のサービスに満足しない人も多い様子。良いサービスを受けた時に、おつりの小銭をテーブルに置いて帰るといった支払い方で十分です。レストランでのチップの目安は飲食代の5%程度が適当となります。
香港でのチップ相場:トイレ
香港地鐵的洗手間比較台北還要乾淨,以香港人使用的習慣,實在難得:thumbsup: http://t.co/V8oK4DW081 pic.twitter.com/5BHWnYsphq
— traveller (@hktraveller) August 1, 2015
香港のトイレ事情はだいぶ改善されました。以前は公共トイレが少なく、綺麗なトイレを求めてショッピングモールやホテルのトイレを利用すれば、トイレの清掃員にチップを渡さなければなりませんでした。今でも日本ほど清潔なトイレはなかなか見つけられませんが、モール内のトイレはわりと綺麗に保たれチップ不要です。
高級ホテルでは今でも蛇口をひねって水を出したり、タオルを渡してくれる「トイレおばさん」「トイレおじさん」と呼ばれる常駐スタッフがいるところがありますが、その場合は2~5HKDのチップを渡せば十分です。高級ホテルの豪華なトイレでお世話をしてもらうのは、日本では経験できない貴重な体験となるでしょう。
香港でのチップ相場:ホテル ベルボーイ
香港のホテルも様々ですので、ホテルの規模によって事情は変わりますが、日本とは違い殆どのホテルではベルボーイが荷物を運び、部屋まで案内してくれます。チップが必要な他のアジアの国のようにチップを渡すまで部屋を出ていかないということはないのですが、10HKDのチップを支払うのがスマートです。
今日の夕食はホテルのベルボーイさんお薦めの飲茶でした。ここはミシュランの一つ星だそうで、地元の方や観光客でごった返しておりました。香港で流行のチャーシュー入りのメロンパンはこの店が発祥。甘い皮に中の餡が絡んで非常に美味でした。その後は夜景鑑賞。お決まりの香港という感じ笑#添好運 pic.twitter.com/PD8kZ7p603
— T.K. (@tachin33) August 13, 2017
荷物の個数が多い場合や、荷物が大きくて力を要する場合などには、スーツケース1個10HKDと考えてチップを渡すとよいでしょう。チェックアウト時にフロントに依頼し、ベルボーイに荷物を運んでもらう際も同様です。また、ルームサービスを依頼した際にも配膳係に5~10HKDのチップを渡すとスマートです。
香港でのチップ相場:ホテル ベッドメイク
ベッドメイクの客室係へのチップも必ずしも必要ではありません。連泊する予定があり怠けず清掃して欲しい時や、荷物を散らかしていて迷惑をかけたと思えばチップを置いた方がよいでしょう。チップを置く際はサイドテーブルに「多謝」といったメモ書きと一緒に置いておけばチップと分かりやすいです。
元ホテルマンゆえ、泊まった部屋の清掃をしやすいような形で部屋を退出するマン
— やまけん yamaken.jp (@yamaken) July 3, 2017
シーツ類全部外してベッドメイクしやすい状態へ pic.twitter.com/ifqq4z0Hrp
チップ金額は一泊につき5~10HKDが目安です。連泊の際に全日分の金額を纏めてチップとして置くのはお勧めしません。スタッフは日によって変わりますし、一日目の担当者が他のスタッフにチップを分配するとは考えにくいからです。
香港でのチップ相場:マッサージ
気づくと歩き過ぎて足が重くなる香港観光。そんな時に現地で目につくのがマッサージ店です。香港のマッサージ店の多くは日本と比較すると半額程度の格安。しかし、香港のマッサージ店は当たり外れが大きいので気を付けましょう。基本コースは格安でも、オプションの追加をしない場合はおざなりでマッサージされたりというのもよくある話です。
惚れ込んだマッサージ店であれば、チップを渡すのは得策です。次回も頑張ってくれるでしょう。例えば宿の傍で翌日も同じ店でマッサージしたいと思えばチップを渡しましょう。チップ相場は20HKD~(料金の15%程度)です。やる気のないマッサージ師であればチップを催促されても渡さないという強い姿勢でも問題ありません。
香港でのチップ:香港ディズニーランド
香港ディズニーランドは香港国際空港から車で15分の好立地で、園内はコンパクトで回りやすく、待ち時間も短いので観光に最適です。現地で時間が取れそうだと思えば、午後から行っても十分に楽しめます。東京ディズニーランドではミッキーマウスと写真を撮るのも一苦労ですが、いとも簡単に記念撮影できてしまうのも魅力のひとつです。
そんな香港ディズニーランドでも、チップは必要なのでしょうか?もちろん、香港とはいえ、ここは「夢の国」。園内のレストラン、トイレ、ホテルなど全てにおいてチップ不要でサービスが受けられますのでご安心ください。チップのことを考えることなく、存分にディズニーランドを楽むことができます。
香港でのチップ:春節期
香港には春節という旧正月の文化があります。この期間に香港に行く場合は通常と全く違う動きとなるため注意が必要です。そのひとつが利是(ライシー)の風習。春節中は利是といって、赤い袋にお金を入れて配る風習があります。日本のお年玉に似た文化ですが香港の利是は大人、子供に関わらずお世話になった他人にも配ります。
利是は縁起物ですので日本のお年玉と同じように「Happy New Year」という形で渡します。目上の人には配りませんが、この時期のチップは利是として渡すのがスマートです。赤いポチ袋に、「10HKD」「20HKD」を分けて入れておき、持ち歩くと良いでしょう。年に一度の縁起物です。渡す際には気持ちよく渡しましょう。
香港でチップをスマートに渡すための心構え
現地のチップ事情は労働者のおかれている経済状況と大きく関わりがあります。香港は労働者の賃金が法律で守られた事情がありますので、チップに頼らずとも生活可能な国です。とはいえ、香港の最低賃金は日本円にして500円程度(2017年現在)ですので、チップが有り難い存在であることは間違いありません。
日本のサービスと比較してサービスが良い、悪いと考えがちですが、観光中に香港のレストランなどで日本同等のサービスを受けることは基本お金がかかることだと理解しておきましょう。現地の人たちは割り切ってお金でサービスを買っていますし、チップもサービスに応じて渡すか渡さないか判断しているのです。
これで完璧!インターナショナルな香港を楽しもう!
香港のチップ相場について具体的にお伝えしました。習慣のない日本人にとってはストレスになるチップの習慣ですが、香港は渡すか渡さないかを自分で判断すればよい国です。気楽に考えればチップの習慣は楽しいもの。シーン別にチップ相場だけ抑えて、インターナショナルな香港の観光を思う存分楽しみましょう。
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