「THE BANK」鎌倉の伝説のバー再開！一度は行きたいお店の魅力は？

鎌倉の由比ヶ浜にある伝説的なバーTHE BANKに行ったことはありますか。旧鎌倉銀行由比ヶ浜出張所として昭和2年に建てられた建物を、アートディレクターの渡邊かをるが気に入り、2000年に大人の集まるおしゃれなバーとして開店しました。今回はTHE BANKの魅力についてご紹介していきます。

昭和のモダンな雰囲気が漂う、鎌倉銀行跡に渡邊氏がバーを開店させたのが2000年。地元の人はもちろん、渡邊氏のこだわりがつまったこの伝説的なバーを訪れようと、遠方からのお客様も多く大変人気のあるバーでした。しかし、2015年に渡邊氏の逝去により、名残惜しむファンも多いなかTHE BANKは閉店となりました。

2000年のオープン当初、THE BANKのインテリアデザインを担当していた片山正通が、渡邊氏の想いを受け継ぎ紆余曲折を経て、見事2016年にバーを再開させました。レトロな銀行のイメージは残しつつ、今まで倉庫だった2階部分も、ダイニングテーブルのあるスタイリッシュなラウンジになり、再開となりました。

一時閉店してしまったTHE BANK。その復活を待ち望んでいたオープン当初からのファンは、2016年のリニューアルオープンに心からの喜びを感じていたそうです。渡邊氏の足跡をしっかりと残し、片山氏がオーナー、新たに鎌倉を熟知したスタッフ2人も加わり、由比ヶ浜に伝説のバーとして大人の空間が作り上げられています。

骨董品や美術品、普段手にするあらゆる物にいたるまで、自身の美学をこだわりぬき愛したという、アートディレクターの渡邊かをる。この審美眼は幼少期から培われてきたようです。またどんなに貴重なものでも、収集して保管しておくのではなく、使い込むからこそ物の良さがわかり、自分に馴染んでくるという考えを追求しました。

渡邊氏は常にあらゆるところにアンテナを張り巡らせ、そこからインスピレーションを受けることが、自身の経験につながると確信していました。手帳にスクラップしていた写真や資料を見ると、渡邊氏の頭の中につまっている、さまざまなものに対した価値観がかいまみれるようです。渡邊氏の美学はお店にも深く感じられます。

渡邊氏とタッグを組んでこの銀行バーを完成させ、その想いを引き継ぎ、現在のオーナーとしてバーを再開させた、片山正道とはどのような方なのでしょうか。片山氏は2000年に、株式会社ワンダーウォールというインテリアデザイン事務所を立ち上げ、国内外の建築物のデザインプロジェクトに関わっています。

中でも有名なプロジェクトが、ニューヨークやベルリン、パリにあるユニクロのデザインです。高い天井にユニクロの服を着たマネキンが整然と並べられたこの空間は、お店全体がアートになっているようです。ショッピングをしながら芸術作品を見ているかのように、とてもワクワクするような場所になっています。

再開をはたしたレトロな銀行バーでは、カクテルの種類も豊富です。人気のあるジントニックは、ジンにトニックウォーターを注いでライムを搾る一般的なものとは一味違っていて、注文するとトニックウォーターとカラフルなスパイスが入ったお皿が出てきます。カラフルなスパイスが徐々に香りが広がり、見た目も味も最後まで楽しめます。

THE BANKでは、ジントニックやモスコミュール、マティーニなどの定番のカクテルも楽しめますが、カシスとシャンパンで作られたキールロワイヤルも、おいしく味わえます。ベリー類の甘酸っぱいカシスに辛口のシャンパンがさっぱりとしておいしいです。赤い魅惑的なカクテルは、大人の魅力も引き出してくれそうです。

カラフルなカクテルを楽しむのも良いですが、ウィスキーやラムをロックで味わうのもおすすめです。モカンボはメキシコのラム酒でこちらは20年物。アルコール度数は40度なので、ゆっくり飲みながら味の豊かさや奥深さを感じられるお酒です。仕事帰りに立ち寄ってここのお酒を味わえば、心が満ち足りてきます。

昭和の文化遺産ともいわれるこの銀行跡地のTHE BANK。この大理石のカウンターは、銀行時代から使われてきた貴重な物のようです。アールデコのシャンデリアとマッチした家具が、特別な空間を演出してくれます。一度は閉店してしまったもの、再開されたこの由比ヶ浜の大人の空間に、魅了されるファンは増えています。

鎌倉の名所といっても過言ではないこのバーは、週末には昼間の3時から開店しています。明るい時間から、重厚感のあるバーでおいしいお酒を味わえるのは、とても幸せな気持ちになります。閉店時間は翌1時まで。月曜日と火曜日は定休日になっています。江ノ電に乗り和田駅を降りたらすぐに見つけられます。

THE BANKのすぐ近くにある一平もバーと一緒に訪れてほしいお店です。コースでおいしい京料理がいただけます。京都の有名料亭で長年経験を積んできた店主の料理は、見た目も味も絶品！まさに和職人のなせる技といった感じです。和のプロが奏でる素材の味を丁寧に引き出した、風味豊かな和食が由比ヶ浜で楽しめます。

一品一品、芸術作品のような料理は、食べるごとにため息がもれるようにおいしいです。季節ごとのコース料理なので、その日何が食べられるかワクワクしながら楽しむのもいいです。お正月には白味噌のお雑煮、2月の節分にはイワシと豆の煮付けに、鬼外福内と書かれた紙が料理と一緒に添えてあり、店主の粋なおもてなしを感じます。

秋の風情を感じる一品には、日本人だけでなくとも外国の方にも喜ばれそうです。もみじ、いちょう、ぎんなん等々が並べられた料理を眺めていると、自然豊かな秋の公園を散歩している気持ちになります。完全予約制で、お店は17時30分から閉店時間は21時。由比ヶ浜で京料理をぜひじっくりをご堪能ください。

鎌倉でも1位2位を争うほど人気の高いフランス料理店のete。エソジカやフォアグラなどの高級食材を、コース料理で気軽に食べられるお店として有名です。シェフが作る料理を間近で見られるオープンキッチンは、どんな味になるのか想像がどんどん膨らんでいきます。料理に対するコストパフォーマンスも最高です。

なかなか予約が取れない、このフレンチに魅了されるファンは数多く、鎌倉以外からもたくさんの方が訪れているようです。12席のカウンターの店内にシェフの藤本恵史が一人、見事な手さばきで作り上げる料理の数々には圧巻。じっくり味わいたいフランス料理に、おいしいワインをあわせれば、喜びが心をゆさぶります。

藤本氏一人で調理とサービスを提供しているので、お店は完全予約制です。自身の料理をエンターテイメントの1つとして、お客様に喜んでいただくためのサービス精神に心打たれます。ランチは11時30分から13時30分、ディナーは17時30分から閉店時間は21時30分まで。eteのでフレンチに満足してTHE BANKに行くのもおすすめです。

THE BANK近くでスペイン料理を食べるならArashidaがおすすめです。こちらもコースメニューで、ランチコースは3500円、ディナーのショートコースは4200円、フルコースが6000円で食べられます。スペインの郷土料理が鎌倉で本格的に味わえるので、大変人気です。料理と共に充実したワインのラインナップも、とても評判が良いです。

緑が豊富でおいしい水が有名のスペインバスク地方の料理を、シェフの嵐田憲和が調理してもらえます。こちらもオープンキッチンから、シェフの調理を見られます。ランチは11時30分から13時30分まで。ディナーは17時30分から閉店時間は21時まで。鎌倉観光と一緒に、スペイン料理と伝説的なバーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

骨董品や美術品をこよなく愛し、物やデザインを選びぬいた渡邊氏によって作り上げられたTHE BANK。鎌倉の伝説となった銀行跡のバーは一時は閉店という形で終わりを迎えてしまいましたが、親交の深かった片山氏により強い意志を受け継ぎ、新たに再開をはたしました。レトロな銀行バーを一度訪れてみてください。