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未だ謎多き「高徳院」へ鎌倉大仏を参拝しに行こう!
神奈川県鎌倉市長谷に鎮座する鎌倉大仏は別名「長谷の大仏」とも言われ、浄土宗の仏教寺院「高徳院」のご本尊です。鎌倉時代の優れた技法と造形美で国宝に指定されていますが、当時の記録も少なく未だ解明されていない大仏です。また「高徳院」に関しても創立や年代、そして大仏との関連も不明だそうです。そんな謎多き鎌倉大仏殿「高徳院」の見どころと拝観料や御朱印、そしてアクセス等をご紹介します。
鎌倉大仏殿「高徳院」とは?
不明だらけの鎌倉大仏と高徳院
創建が不明な「高徳院」は、ご本尊である鎌倉大仏を含めて資料が少なく未だに謎の多い寺院です。江戸時代中期に荒廃が進んだこちらの寺院や鎌倉大仏を江戸時代を代表する呪術師で浄土宗の祐天(ゆうてん)が商人の力を借りて修復に着手し、「清浄泉寺高徳院」の名で寺院を再興させたそうです。こちらの「高徳院」の名もその時点からだと伝えられています。
まずは様々な説がある中、鎌倉大仏を造ろうと計画したのは鎌倉幕府の初代征夷大将軍の源頼朝だと言われています。夫妻で奈良へ大仏を参拝した際、奈良の大仏の素晴らしさに感動し、鎌倉にも造ろうと思ったのがきっかけだそうです。しかし、鎌倉時代の日本の歴史書である「吾妻鏡」によれば、実際に造立が始まったのは1238年で源頼朝が亡くなった後だそうです。
源頼朝の死後、鎌倉幕府の出資と僧達の集めた寄付金等をもとに造立が開始したと伝えられています。そして、1243年に完成したそうですが、最初に造られたのは木造の大仏で高さは現在の2倍以上の24メートルもあったそうです。しかし、木造の大仏は嵐で倒壊してしまい、1252年に高さ約11.3メートル、重量は約121トンの銅像の鎌倉大仏の鋳造が開始したそうです。
鎌倉大仏殿「高徳院」:大仏様の見どころをご紹介
鎌倉大仏は現在、高徳院の寺務所や御朱印所や売店の建物に囲まれた中に鎮座されています。大掛かりな改修されないまま、ほぼ鎌倉時代に造られたままの状態です。760年以上の長い年月を経て現在に残る大変貴重な国宝文化財は、緑青と呼ばれる銅が酸化したサビに覆われています。そして中国の宋時代の様式を取り入れた日本仏師の優れた彫刻と、鋳造の技術を見ることが出来ます。
そして次の見どころは、お顔です。現在は剥落してしまっていますが、造像された当初は大仏の表面に金箔が貼っていた事が、お顔の右頬で確認できます。金メッキの奈良の大仏に対して、こちらはコストのかかる金箔を使用していますが、一説には銅の純度が低かった為、鋳造のつなぎ目のアラを隠す為とも言われています。
4枚の蓮弁
大仏の背中側に周ると、台座の下部には蓮の花弁の形をした青銅製の4枚の蓮弁(れんべん)が見られます。これは、江戸時代の中期に企画されて鋳造したものです。実際は32枚が造られる予定だったのですが、たった4枚のみの完成に終わってしまったそうです。また背中がやけ猫背なお姿は、鎌倉時代の流行のスタイルだとも、参拝者と目を合わせる為とも言われています。
鎌倉大仏殿「高徳院」:760年前の技術を胎内から見てみよう!
鎌倉大仏の一番の見どころは大仏の胎内に入って見学できる「大仏胎内拝観」です。大仏の中は空洞になっており、背中に窓が付いています。この窓は換気の為とも、大仏を作る過程で中の土を取り出すためのものであったとも言われています。また鋳造する時の木枠の跡が格子模様でいくつも見え、それらのパーツが強固に繋ぎ合わせられているのが伺えます。
また、頸部の辺りは茶色くなっていますが、これは昭和35年に強化プラスチックで補強されたものだそうです。大きなヒビの補強の為とは言え少々残念な感じがしますが、これも一つの歴史でしょうか。長い間、補修もされず露座の状態であった大仏の胎内では、盗賊が住み着いたり、男女の逢引の場であったとの記述も残っています。
鎌倉大仏殿高徳院:高さ推定40メートル?巨大大仏殿とは
鎌倉大仏はもともと大仏殿の中に鎮座していました。建設当初の大仏殿は60基の「礎石」に支えられ、高さ40メートルを超す巨大な建物であったと推測されています。しかし、室町時代にはすでに露坐の状態であったと伝えられており、大仏殿の倒壊後も一切再建されることもなく現在に至ります。見どころは、大仏の周囲に残ったいくつかの「礎石」で、当時の巨大な大仏殿が想像出来ます。
露坐になってしまった理由も諸説あり、1495年にあった震災が原因だという説では、地震の後の津波で鎌倉市街は大半が浸水したという記述はあるそうです。しかし大仏についての記述が無いため分かっていません。その手前の1486年ではすでに、大仏は見る影がないほどさびれてお堂も無いような状態であったなどの記述が残っていたりするそうで、やはり原因の究明までには至っていないようです。
鎌倉大仏殿「高徳院」:鮮やかな仁王像と仁王門
高徳院入口にある「仁王門」は18世紀初めに、吽形像、阿形像の仁王像とともに他所から移築されたものだそうです。山門に掲げられた「大異山」の額は、高徳院の正式名称である大異山高徳院清浄泉寺(しょうじょうせんじ)からのものです。仁王像は2014年に修復を終え、再び鮮やかな色合い放っています。
鎌倉大仏殿「高徳院」:鎌倉観音霊場23番札所の観世音菩薩
鎌倉観音霊場23番札所でもある「高徳院」の境内には、聖観世音菩薩像の立像を安置する「観月堂」があります。「観月堂」は15世紀中頃の朝鮮李王朝の月宮殿であったと伝えられる建物だそうで、1924年にそれを私宅に所持していた「山一合資会社」の社長が、移築し寄贈したものだそうです。また聖観世音菩薩像は江戸時代のものだと言われています。
鎌倉大仏殿「高徳院」:大仏様の御朱印をいただこう!
御朱印帳の種類をご紹介
「高徳寺」では金色で鎌倉大仏が表紙に描かれた青やグレーの御朱印帳や、紺色やえんじ色で無地のシンプルな御朱印帳があります。どれも1冊1200円です。そして、ピンク色や赤色の小さめの御朱印帳は850円となっています。すべての御朱印帳の背表紙には鎌倉大仏殿高徳院の文字が入り、一ページ目には鎌倉大仏殿の文字と大仏様が印刷されています。
御朱印について
高徳院の御朱印は一筆300円でいただけます。高徳寺には2種類の御朱印があり、それぞれ中央に鎌倉大仏の「本尊阿弥陀如来」と書かれたものと、観月堂に安置された観音菩薩の「南無聖観世音」と書かれたものがあります。鎌倉三十三観音霊場を巡礼されている方も、御朱印は大仏の右手の寺務所にて頂いてください。
高徳院では御朱印帳が置いてあるのは札所と呼ばれる直営売店で午前8時30分から午後4時45分までです。御朱印は寺務所での受付で、こちらの受付時間は午前8時から午後4時30分です。札所も寺務所も大仏に向かって右側にあります。また、札所にパンフレットやお守りや絵葉書他、様々なオリジナルグッズも販売しています。
鎌倉大仏殿「高徳院」:大仏様のわらじ
「高徳院」の境内には長さ1.8メートル、幅0.9メートル、重量45キロの大きな「わらじ」が掛けられています。この「わらじ」の制作・奉納は、戦後間もない1951年に茨城県常陸太田市中野町の「松栄子供会」が「大仏様に日本中を行脚し、万民を幸せにしていただきたい」との願いで始まり、その後、3年おきに寄進されているそうです。
鎌倉大仏殿「高徳院」:拝観料と拝観時間について
大仏の胎内拝観料は20円!
「高徳院」境内の拝観時間は10月から3月までが8時から17時、4月から9月までは8時から17時30分です。境内への入場はともに15分前までとなっています。また、拝観料は中学生以上は200円、小学生は150円です。大仏の胎内拝観の拝観料は20円で、時間は8時から16時30分までとなっています。胎内拝観の拝観料は大仏像の脇での支払いとなります。
鎌倉大仏殿「高徳院」:アクセスをご紹介
電車と徒歩でのアクセス
高徳院の最寄り駅は江ノ電の長谷駅で、徒歩でのアクセスに便利です。長谷駅からは徒歩で10分もあれば到着します。また、鎌倉駅からは徒歩で約30分、約1.7キロの距離にあります。鎌倉駅を利用する場合は駅前からバスに乗り「大仏前」で下車します。しかし、鎌倉駅前は見どころの多い商業地なので散歩がてらに歩くのもおすすめです。
車でのアクセス
車でのアクセスは横浜横須賀道路の朝比奈ICから約7.6キロで、県道204号線し経由し約30分程度で到着します。しかし、「高徳院」には身障者専用のみしかありません。その為、駐車場は高徳院の西隣にある有料駐車場の「大仏有料駐車場」がおすすめです。「神奈川県道路公社大仏前駐車場」もありますが主にバスが優先されるためシーズンでは駐車を断られる場合があるそうです。
鎌倉大仏殿「高徳院」:露座で人々を見守り続ける大仏様
いかがでしたか?記録が少なく多くの謎に包まれた鎌倉大仏は、鎌倉時代からの長い歴史の中で、その時代を生きる人々と共に多くの災害等も経験されています。そして、改修をされる事もないまま、雨風に吹かれつつ鎮座される為に腐食は日々進んでいると言われています。是非、長い歴史を感じに鎌倉に訪れた際には、拝観料も安く、アクセスも良い鎌倉大仏殿「高徳院」へ行ってみて下さい。
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