伊勢海老釣りを楽しもう！おすすめの時期や仕掛けの作り方もご紹介！

赤い宝石と呼ばれる伊勢海老は、レストランメニューの中でも高級食材として扱われており、伊勢海老釣りは釣り人のあいだで人気です。ここではその伊勢海老釣りの時期や仕掛けの作り方、伊勢海老釣りをする上で重要な漁業法などを紹介していきます。

一方、そうした人気の高い伊勢海老釣りは、一定の生態と漁獲量確保のために場所や時期などに限定がなされています。漁業権という法律に守られており、その法律を犯して密漁をすると厳しく罰せられるため、どの範囲とどの時期が不可なのか知る必要があります。

伊勢海老釣りは釣果も800g前後と大きく、釣りの醍醐味が味わえます。事前に漁業組合などに問い合わせをし、釣りが可能かどうか確認をしてから思う存分楽しみましょう。

伊勢海老は、農林水産大臣の指定する定着性動物として第一種共同漁業権の対象になっています。つまり伊勢海老釣りは、漁業権という法律によって制限があるということです。

漁業権とは、行政庁から免許や許可を受けて、一定の漁場で特定の漁業を他人を排訴し独占的に営むことのできる権利のことで、この漁業権の及ぶ範囲で勝手に許可なく伊勢海老釣りを行うと、漁協などから密漁として訴えられ罰せられるので注意が必要です。

また狙ってなくても偶然に伊勢海老が掛かった場合には、すぐにそのまま放流するように心掛けましょう。違反すると罰金刑やまたは懲役刑に処されることがあります。

他にも漁業権とは別に、各県や漁業組合によって禁漁期間や釣果の体長制限などの漁業調整規則が定められています。それぞれの県や漁業組合によって細かく異なりますので、対象となる地域への問い合わせなどをして確認してから行くようにしましょう。

伊勢海老の生息地は、生息水温が20度から26度と高い水温のため、茨城県以南の太平洋側と長崎県以南の沖縄を除く東シナ海及び台湾、韓国沿岸部に広く分布しています。

伊勢海老は主に、国内においては千葉県房総半島、紀伊半島沿岸、瀬戸内海と四国沿岸、九州沿岸で漁獲されています。その生態は、昼間は浅い海の岩礁、防波堤の亀裂、穴の間隙に生息し、夜になると周辺を餌を探して歩き回る夜行性の生き物です。

伊勢海老は、名称のとおり伊勢志摩の三重県産のイメージですが、実は漁獲高でいえば、千葉県が全国第1位で、三重県が第2位という年もあり両県で漁獲量を競っています。

特に伊勢海老釣りをする釣り人にとって人気のスポットは、千葉県房総半島の外房付近ですが、千葉県全域は漁業権が設定されている箇所が多いので注意が必要です。また千葉県での伊勢海老釣り禁止期間は、6月1日から7月31日、体長制限は全長13cm以下です。

三重県は千葉県に次いで伊勢海老の漁獲量が全国第2位を誇ります。その名称の語源が、伊勢が生産地のひとつとされていたことにも由来しているほどの三重の名産品です。

三重県も千葉県と同様、その大部分に漁業権が設定されていますが、探せば漁業権が設定されていないところもあります。詳しくは三重県農林水産部へ問い合わせしてください。また漁業権のないところでも伊勢海老釣りの禁止期間と体長制限はあります。

三重県の伊勢海老釣りの禁止期間は、5月1日から9月30日。ただし鳥羽市離島地域以北の海域は、5月1日から9月15日まで。また体長制限は頭胸甲長4.2cm以下です。

和歌山県は、千葉県や三重県についで伊勢海老の漁獲量が多く、全国第3位の漁獲量を誇ります。南紀白浜の白良浜海岸は、南紀のハワイと称されるオーシャンリゾートです。

和歌山県のほとんどのエリアに漁業権が設定されていますが、一部漁業権の設定されていないエリアがあります。紀北地区の一部、中紀エリアの一部、南紀エリアの新宮港内などです。詳しくは和歌山県農林水産部水産局資源管理課へ問い合わせください。

和歌山県では伊勢海老釣りの禁止期間と体調制限があります。禁止期間は、5月1日から9月15日となっており、また体長制限は15cm以下です。

伊勢海老釣りに最適な時期は、産卵期である5月中旬から9月下旬が一番捕獲しやすい時期ですが、この時期はほとんどの場所が禁漁期間と定めてあり捕獲は禁止です。

禁漁期間以外は釣れないのかというと、そうではなく伊勢海老は年中釣れます。逆に冬場の伊勢海老は、栄養を蓄えており良質の伊勢海老が釣れます。数からいえば禁漁期間と比べ少ないですが、11月から1月の寒い時期は、伊勢海老釣りに最適の時期です。

結婚式やお正月などの祝いの席では欠かせない高級食材である伊勢海老ですが、最も美味しいとされる旬の時期は、水温が下がる11月から1月の冬場とされています。

5月から8月の排卵期は、身が細るために味も落ちるとされています。排卵期に禁漁期間を設けているのは、重要な水産資源のひとつとして保護しようという考えによるためです。

伊勢海老釣りができる時期であることも重なっていることから、冬場は美味しい伊勢海老が釣れる絶好の時期です。水温が下がり活動が鈍くなる冬場の時期に釣れた伊勢海老は、しっかりと栄養を蓄えて身がのっており、まさに食べごろといえます。

伊勢海老は夜行性の生き物で、夜に餌を求めて夜な夜な動き回るために、日没前から夜にかけてが伊勢海老釣りのヒットしやすい最適の時間帯といえます。

また伊勢海老釣りは、潮の満ち引きにも関係があり、伊勢海老釣りに最適なのは、大潮、中潮の頃といわれています。満潮から干潮の潮が引いている時間帯よりも、干潮から満潮の潮が満ちて来る時間帯の方が、潮に乗って海岸付近に集まって来るようです。

また伊勢海老は、月夜の明るい夜はあまり動き回りません。特に満月の夜は釣れないといわれており、伊勢海老を狙う漁師は闇夜を選んで漁に出ているようです。

伊勢海老の産卵期である5月中旬から9月下旬にかけては産卵を保護するために、各都道府県の漁業調整規則によって伊勢海老釣りだけでなく伊勢海老漁も禁止になっています。

地元の人々や漁業協同組合などによって、伊勢海老をはじめとする貴重な海の資源を守るために、法令で定められた規則以外にも、禁漁区域や禁漁期間を独自に設定するなどして資源管理が行われています。詳しくは各都道府県の水産部へ問い合わせください。

伊勢海老釣りは、餌の仕掛けや釣り方をマスターするのも大事ですが、それ以前に釣れる場所をある程度把握してくことで効率よく釣果を引き上げることができます。

伊勢海老は、房総半島以南から九州、台湾までの西太平洋沿岸や朝鮮半島南部の沿岸域に分布しており、普段は浅海の岩礁やサンゴ礁、防波堤の辺りに生息しています。そのため他の魚などと比べると伊勢海老釣りの釣り場所を探すのは比較的簡単とされています。

伊勢海老は、群れで隊列をなし行動する習性があります。一度でも釣れた場所には、他にも複数の伊勢海老が潜んでいる場合があるので何度でも餌を落としてみてください。

一度釣れた場所は覚えておくと、次回訪れた時に再び釣れる場合があります。自分専用の場所として覚えておくことをおすすめします。また伊勢海老は同じ体長同士で群れをなす習性があるので、大きな伊勢海老が釣れたら他にも大きなものがいる可能性があります。

伊勢海老の天敵はタコで、タコはカラストンビという強くて固い顎を持っており、伊勢海老を殻ごとバリバリと食べます。伊勢海老はタコに狙われたら逃げるしかありません。

タコは足を差し込んで穴に逃げ込んだ伊勢海老を吸盤で吸い寄せます。そしてタコの溶液で殻を溶かして食べやすくしてから伊勢海老を食べてしまいます。ところがこのタコを好物にしている生き物がいて、伊勢海老と一緒に行動しています。

このタコを狙って捕食するのが鋭利な歯と強靭な顎を持つウツボです。ウツボは伊勢海老の近くに隠れて、伊勢海老を狙って近づいてきたタコを待ち伏せし捕らえて食べます。

つまりウツボと伊勢海老は、お互い利害関係にあり、ウツボがいる場所には、伊勢海老がいる可能性が非常に高いとされています。もし釣果でウツボが掛かったなら、そのすぐ近くに伊勢海老がいる可能性が高いので、その場所を積極的に狙っていきましょう。

伊勢海老は、普段からあまり口にする機会のない高級食材ですが、意外にも身近なところに潜んでいます。それが港などに行くと必ずある防波堤とテトラポットなどの場所です。

伊勢海老は、普段はタコなどの天敵から身を守るため、防波堤やテトラポットの隙間などに潜んでいます。防波堤やテトラポット付近は、伊勢海老にとっては絶好の隠れ家になっています。付近に防波堤やテトラポットがあれば積極的に狙ってみましょう。

伊勢海老釣りの釣り方は、基本的には防波堤の辺りやテトラポットがあるところに仕掛けを落としていきます。仕掛けはしっかりと底につくまで落とすようにしましょう。

伊勢海老釣りの仕掛けは、おもに3本針と引っ掛けの2種類があり、それぞれに釣り方などのメリット、デメリットがありますが、できれば両方対応出来るようにしておくと安心です。出かけた時の場所や状況によって上手く使い分けることをおすすめします。

3本針を使った釣り方は、針を食わせる仕掛けで、1つの針の餌を食べている最中に、他の2本の針が体に絡みつき釣り上げることができる伊勢海老釣りの釣り方です。

3本針の伊勢海老釣りの仕掛けの材料には、道糸の先に結ぶハリス、釣り針、針結び器、縺れ止めチューブを用意し、作り方は針と針の間隔を3cmから4cm程度にしていきます。針結び器があると手作業で作るよりも何倍も早く作業ができるのでおすすめです。

3本針は、当たりが分かりやすく安い費用で作れるというメリットがあります。一方、大きい当たりの時は、ラインが切れたり、足が抜けるなどのデメリットもあります。

また伊勢海老以外の他のものが釣れる場合があります。ウツボなどは伊勢海老の近くにいるため比較的掛かりやすく、ラインを切らなければならないほど巻き付いてくる場合があります。仕掛けは安くで作れるので多めに作っておくことをおすすめします。

釣り方のコツは、当たりが来たらすぐに引き上げるのは禁物です。しっかりと食べさせておいて、針も一緒に食べてしまい口に針がかかると、外れることはまずありません。

釣り方は、当たりが分かりやすいために最初は早く合わせがちで、合わせるタイミングの見極めにコツが要ります。何度かやっているうちに釣り方のコツを掴めるようになります。タイミングが分かってくると、合わせの頃合いを見計らい一気に引き上げましょう。

伊勢海老は、引き上げられるのを嫌がってテトラポットに張り付く場合があります。その時に無理やり引き上げるとラインが切れたり、伊勢海老の足が取れたりします。その場合は少し待って再び泳ぎだそうと力を緩めた時がチャンスです。

伊勢海老釣りの引っ掛けは、大きな針をつけて伊勢海老が餌を食べている最中に、伊勢海老の口ではなくて体の部分に針を引っ掛けて釣り上げる仕掛けを使った釣り方です。

針の根本から上の方に餌をつけるだけの簡単な仕掛けで、場合によっては餌をつけずに引っ掛け針だけの仕掛けで釣り上げる人もいます。慣れるまでは少々難易度が高いのと、近くで餌釣りをしている人がいる場合は、迷惑にならないように注意が必要です。

伊勢海老釣りだけに限らず、引っ掛け釣りそのものは全国漁業組合連合会で禁止されています。各地方で禁止を明記している箇所も多々あり注意が必要です。

引っ掛け釣りは、3本釣りに比べると伊勢海老の体が崩れることがなく大きいサイズが釣れやすいというメリットがあります。一方、市販されている仕掛けそのものが高く、岩場やテトラポットに引っ掛かりやすくロストしすいというデメリットがあります。

引っ掛け釣りの仕掛けは、3本釣りに比べると当たりが来ているかどうか非常に分かりにくいです。何度か様子を見るために仕掛けを持ち上げる釣り方が必要です。

伊勢海老かどうかは、竿の動きを見るのが釣り方のコツです。何度もコツコツと竿を叩くような当たりは、伊勢海老ではない可能性が高く、伊勢海老の場合は、竿の先が曲がったままになります。竿の先が引き込まれたら思いっきり合わせ一気に巻き上げましょう。

伊勢海老は肉食性の生き物で雑食なので、基本何でも食べますが、貝類の殻を粉砕し中身を食べたりウニなどの小動物から海藻類までいろいろなものを捕食します。

おすすめの餌は、アオイソメやアカイソメ、オキアミ、きびなごなどの魚の切り身で、中でも臭いが強いアカイソメはおすすめです。サンマの切り身なども餌持ちがよく経済的です。あと釣り場にたくさん付いているマツバガイなどもおすすめです。

伊勢海老釣りの餌のつけ方は、仕掛けに合うようにサイズをカットしてつけるのが基本です。餌が大き過ぎたりすると針の引っ掛かりが微妙な部分に掛かる場合があります。

伊勢海老の想定される大きさと針の大きさ、掛かったときのイメージを描いて、伊勢海老が餌を食べやすい大きさにするというのが理想です。最初はなかなか難しいですが、当たりが来た時の餌の大きさを覚えておくことで経験値を増やしていきましょう。

伊勢海老釣りのタックルは、竿とリールとラインが基本です。竿とリールは通常何でも大丈夫ですが、ラインだけは釣果が大きいのでポリエチレン製をおすすめします。

伊勢海老釣りで必須なのがタックル以外にも装身具です。特に伊勢海老釣りを行う場合、防波堤やテトラポットが中心になりますが、場所によっては足を滑らせやすく危険と隣り合わせです。専用の磯靴やライフジャケットを用意しておくことをおすすめします。

伊勢海老釣りの釣り方は、基本防波堤かテトラポットが中心となります。伊勢海老釣り専用のロッドというのは市販品がなく、長過ぎず短か過ぎずが理想です。

ロッドの長さは1mから2mのあいだが理想で、竿の先は当たりの際に仕掛けが外れないように硬めの方が使いやすいです。ルアーなどのように微妙な動きを必要とはしないので、高いものを使う必要はなく、一般に市販されている通常のもので大丈夫です。

伊勢海老の重量は大物になると大凡1kgぐらいになるため、伊勢海老釣りのリールは、その重さに余裕を持って耐えられることを一番の条件に選ばれることをおすすめします。

また伊勢海老は、引き上げる際にかなり暴れます。時間をかけてリールを巻いていると逃げられやすく、遠くまで投げられるスピニングリールよりも、多少暴れてもスムーズに一定のペースで巻ける両軸リール又はベイトリールタイプのリールがおすすめです。

伊勢海老釣りに使うラインは、防波堤やテトラポットに落とすとかなり傷みます。そのためナイロン製よりもポリエチレン製がよく、6号以上が理想です。

仕掛けがテトラポットなどに引っ掛かった場合は、切ろうとしてもなかなか切れないというケースもありますが、13号辺りを使うと擦れ傷には太い分強くて丈夫です。

高級食材として人気の高い伊勢海老には、古くから様々な調理方法があり、その極上の味と見た目の華やかさが食卓により一層彩を添えてくれます。

また伊勢海老は、お正月の飾り物として欠かせないもので、特におせち料理のメインの食材として重箱の中心に華やかに据えられおり、縁起物としても重宝されています。

釣ってきた伊勢海老は、生で刺身にしたり、2つに割った伊勢海老にいろいろな具材をトッピングして焼き上げたり、さらに食べたあとは、殻を使って出し汁を作り他の具材と合わせて味噌汁や雑炊にしたりと身だけでなく殻も一緒に料理に使えます。

自分で釣った新鮮な伊勢海老は、せっかくですから、まずはそのまま刺身にして食べるのがおすすめです。伊勢海老の身は、歯応えのある弾力性があり甘みがあります。

伊勢海老は、茹でたり焼いたりしても美味しいのですが、生で新鮮な伊勢海老を食べれる機会はなかなかないので、まずは刺身にしていただきましょう。作り方は、背中の殻の部分をとって、身を取り出し食べやすいサイズにして盛り付けるだけです。

伊勢海老の茹で汁を使った味噌汁は、香り豊かで身がついたまま入れてもいいし、殻だけを入れても伊勢海老の旨味が染み渡り十分に濃くのある味噌汁ができます。

具材には、大根、ネギ、魚のアラ、魚の身、その他好みの具材を入れて作ります。普段は捨ててしまう茹で汁ですが、十分に伊勢海老のダシが取れていて、潮の香りと伊勢海老の極上の旨味が混じり合い深い味わいを堪能することができます。

真っ二つに切った伊勢海老を塩茹でしグリルで焼き上げるのも伊勢海老料理の定番としての美味しい食べ方です。好みでマヨネーズや茹で卵などをトッピングします。

こんがりと焼き上がった伊勢海老は、そのままいただいても十分美味しいし、好みでマヨネーズやニンニク、チーズ、玉ネギなどを乗せたりするといっそう美味しくいただけます。見た目も豪華でボリュームもたっぷり。食卓に彩を加え華やぎを演出します。

伊勢海老釣りは、釣り方そのものは簡単で初心者でも取り組めます。ただし漁業権などの一定ルールがあり、釣れる場所、釣れる期間、釣果の大きさなど制限があるので注意が必要です。条件が整って釣り方のコツを覚えてから伊勢海老釣りを楽しみましょう。