オーストリアってどんな国?
オーストリアはヨーロッパの中でも日本人の人気の旅行先です。日本にはない雄大な景色や歴史、音楽の都ウィーンや料理など、魅力がいっぱいありますが、街を歩くときに心配なのが、言葉が通じるかどうかということです。オーストリア語というものはなく、オーストリアの言語はドイツ語が話されています。
英語は世界の共通語と言われ、世界中で通じる言語とされていますが、オーストリアでも英語が問題なく通じるのか、覚えておいた方が良いこととはどんなことなのか、オーストリアとオーストリアの言語、英語についての情報をいろいろとお届けします。
オーストリアの地理
オーストリアは中部ヨーロッパの内陸に位置しています。西はリヒテンシュタインとスイス、南はイタリアとスロベニア、東はハンガリーとスロバキア、北はドイツとチェコの8つの国と隣接しています。
オーストリアの歴史
オーストリアは中欧に650年間以上もハプスブルグ家の帝国として君臨し続けた大国で、第一次世界大戦までイギリス、ドイツ、フランス、ロシアと並んで欧州五大国の一角でした。
オーストリアは1938年にはナチス・ドイツに併合されましたが、1955年に独立回復と永世中立国化をして、現在の体制になりました。オーストリアは音楽をはじめとする文化国家としての歴史も有しています。今でも音楽の都としてウィーンやザルツブルグを訪れる音楽愛好家が後を絶ちません。
オーストリアの人種構成
オーストリア人の9割はドイツ語を母国の言語とするゲルマン民族であるということができます。血統の中にはスラブ系、ラテン系、ハンガリー系、トルコ系などが入り混じっています。
人種的にはドイツ人と同じだと言えるのですが「オーストリア人はドイツ人に含まれるのか」という点については、いろいろな論議を呼んでいます。
オーストリアの言語
オーストリアはもともとドイツと同じ国家だったので、オーストリアの言語もドイツ語が使われています。ただしオーストリアで使われているドイツ語は標準ドイツ語ではなくオーストリアドイツ語と言われる方言です。
特に首都ウィーンで使われているドイツ語は「ヴィーナリッシュ」と呼ばれる方言になります。しかしテレビや新聞、教科書では標準ドイツ語が使われているので、母国の言語がドイツ語以外の人が標準ドイツ語を学んでオーストリアに行くのなら、問題なく通じるので、特に不便はありません。
オーストリアは英語が通じる?
オーストリアでもウィーンなど外国人が多い観光地なら、世界共通の言語である英語は、ほぼ通じると考えても良いでしょう。日本でも事情は同じですが、ホテルなどでは英語が通じるので、不自由はあまり感じることはありません。
しかし地方都市や高齢の方には英語が通じることが少ないこともあるので、英語を話すときは、なるべく若い人に話しかけるようにするほうが無難です。
英語を第二外国語として話せる人の割合が高い
オーストリアでは英語を第二外国語として学習している人が多いので、日本よりも英語が通じる確率が高いと言えるでしょう。アルファベットを使い英語とは共通する単語もあるので、英語が話せる人がオーストリアを訪問したり、滞在したりすることには、特に不便はありません。
オーストリアの街中で英語の案内は見られる?
ウィーンなどオーストリアの観光地やホテル、空港など外国の観光客が多く集まる場所では、英語の案内があることが多いですが、外国人が少ない場所では英語の案内がほとんど見られないこともあります。しかし短い単語であれば英語と共通する言葉も多いので、文字で判断できることもあります。
標識は英語が表記されている?
オーストリアではウィーンなどの外国の観光客が多い場所の案内は英語で書かれていることも多いです。しかし標識となると英語で書かれていることは少なく、ドイツ語でしか書かれていないことがほとんどです。
英語と同じくアルファベット表記ですので、何とか理解できるものもありますが、オーストリアで車を運転するなど、標識をよく見なければならない行動をする場合は、標識に書かれていることを理解できる程度のドイツ語は学習しておくようにしましょう。
飲食店のメニューは英語表記がある?
ウィーンやザルツブルグなど、外国の観光客が多く訪れる都市ではレストランでも英語表記のメニューが用意してある場合があります。ただし英語が得意でないと、英語で書かれていてもどういう料理か理解できないことも多いです。
あらかじめ行きたいレストランをピックアップしておいて、どういう料理があるのか、ドイツ語でどのような表記してあるのか、英語が通じるのか、日本語のメニューがあるのかを調べておいても良いでしょう。
ウィーンなどの都市部の店では日本語表記のメニューもある
ウィーンなど日本人観光客の多い都市部のお店では、英語だけでなく日本語表記のメニューがある場合があります。ただし有名なレストランやカフェに限られ、その数も決して多くはないので、日本語表記のメニューが見つかったら運が良いと考えておいたほうが良いでしょう。
オーストリアのドイツ語の特徴
オーストリアの言語はドイツ語です。しかし、そのドイツ語はドイツで使われている言語とは少し異なります。挨拶の言葉もドイツとオーストリアでは異なる場合があります。しかし日本で標準ドイツ語を学んだ人であれば、オーストリアでも標準ドイツ語で十分に通じるので、心配せずに使いましょう。
オーストリアのドイツ語とドイツのドイツ語は違う?
ドイツで話されるドイツ語とオーストリアで話されるドイツ語では、同じ言語でも日本での九州弁や東北弁と標準語位の違いがあると考えられます。文法や挨拶の言葉が違う場合もありますが、特徴的なのはイントネーションと発音の違いです。
テレビなどのメディアでは、オーストリアでも標準ドイツ語が話されますので、日本で標準ドイツ語を学んだことがある人なら、特にオーストリアで使われるドイツ語を学習しなおすことなく、十分にオーストリア旅行を満喫することができるでしょう。
イントネーションと発音が特徴的
ドイツで話されるドイツ語は、はっきりとした発音で強く聞こえます。その一方でオーストリアで話されるドイツ語は流れるような丸みのある発音です。イントネーションは独特の高低差があって、音楽的であると言えます。
ドイツ語が母国の言語ではない外国人が聞いても区別はできませんが、ドイツ語を母国の言語としている人なら、その発音とイントネーションを聞いただけで、その人がドイツの人なのかオーストリアの人なのか、またスイスの人なのかはすぐにわかります。
オーストリア観光で使える挨拶を覚えよう!
オーストリア観光で街歩きをする場合、簡単な挨拶くらいはドイツ語でしてみましょう。英語で話しかけるよりも、たとえ下手でもドイツ語で挨拶をすることで旅の醍醐味を味わえることでしょう。
そこで、すぐに使える簡単な挨拶の言葉をご紹介しますので、オーストリア旅行をする機会があったら、気軽に街の人たちに挨拶してみてください。
おはよう/こんにちは/こんばんは
まずは挨拶の言葉の定番中の定番、「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」を覚えましょう。まず朝の挨拶「おはよう」はドイツ語では「Guten Morgen」で読み方は「グーテン モアゲン」ですが、オーストリアではあまり使われません。
「こんにちは」に当たる「Gruess Gott」を気軽な挨拶の言葉と覚えておいた方が便利です。読み方は「グリュースゴット」です。「こんばんは」は「Guten Abent」で読み方は「グーテン アーベント」ですので、レストランに夕食を食べに行ったときに使ってみましょう。
はじめまして
英語の「Nice to meet you」に当たる挨拶の定番である言葉「はじめまして」も短い言葉ですので、覚えておくと便利です。「はじめまして」は「Freut mich」で読み方は「フロイト ミヒ」です。初めて会った人や、人を紹介してもらったときなどに使ってみましょう。
さようなら
英語の「Good bye」に当たる別れの挨拶は、オーストリアでは「Auf Wiedersehen」で読み方は「アウフ ヴィーダーゼーン」です。英語の「Good bye」も通じますが、こちらのほうが印象が良いので、覚えておいてお店などでも挨拶として使ってみましょう。
ありがとう
「ありがとう」という言葉を言われて不愉快になる人はいません。どこの言葉であろうと「ありがとう」はその国の言葉で覚えておいた方が良いでしょう。道を教えてもらったときや買い物のとき、いろいろな場面で必ず使う言葉ですので、しっかりと覚えておきましょう。
ドイツ語で「ありがとう」はDanke(ダンケ)、「ありがとうございます」はDanke schön(ダンケシェーン)で英語のThank you.に当たりますので、自然に口から出るようにしておきましょう。
ごめんなさい
「ごめんなさい」はあまり多用するべき言葉ではありませんが、謝らなくてはいけないときは、きちんと謝りましょう。ドイツ語では自分の非を認めて謝りたいときに使う言葉がいくつかありますので、シーンによって使い分けてみましょう。
相手に迷惑をかけてしまって謝りたい場合は「Es tut mie leid」を使います。読み方は「エス トゥット ミア ライト」です。英語の「I am sorry」と同じく、「ごめんなさい」という意味とともに「心苦しい」の意味でも使うことができます。
すみません
英語の「Excuse me」に当たる「すみません」という言葉は、日本語では「ごめんなさい」の意味にも使いますが「Excuse me」には謝罪の意味はあまりなく、人とぶつかったときや話しかけるときに気軽に使います。
ドイツ語にも英語の「Excuse me」に当たる言葉がありますので、誰かに話しかけたいときやぶつかってしまったときなどに使ってみましょう。悪いことをしていないのに「ごめんなさい」に当たる言葉を使うと、自分の非を認めることになるので気をつけましょう。
ドイツ語で「すみません」は「Entchuldiging」で読み方は「エントシュルディグング」です。くしゃみが出てしまったときにも、スマートに使ってみましょう。
はい/いいえ
「はい」と「いいえ」は短い言葉ですが、自分の意思を伝えるのに大変重要な言葉です。日本では曖昧な返事で相手を傷つけないように、その場をやり過ごすことはよくありますが、外国語では通じることが少ないので、自分の意思はしっかりと表しましょう。
「はい」と「いいえ」は頷いたり、首を横に降ったりすることでも表せます。また英語の「Yes」「No」でもいいかもしれません。しかし決して難しくはないので、ドイツ語でも覚えてしまうようにしましょう。
ドイツ語の「はい」は「Ja」で読み方は「ヤー」です。「いいえ」は「Nein」で読み方は「ナイン」です。基本の言葉ですので、すぐに口から出てくるようにしておきましょう。
英語は話せますか?
ドイツ語で話されても理解できない場合、日本語は難しくても英語で話してもらうと理解できることがあります。オーストリアには英語を話す人も多いので、英語が話せるかどうかを尋ねてみましょう。
もちろん英語が話せる人であれば「Do you speak English?」または「Speak English?」と英語で話しかけると通じますが、まずはドイツ語で聞いてみるのが無難です。
ドイツ語で英語が話せるかどうかを聞きたいときは「Sprechen Sie Englisch?」で読み方は「シュプレッヒェン ジー エングリッシュ?」です。
オーストリアの日常会話でよく使うフレーズを知っておこう!
オーストリアで街歩きをするときに知っておくと便利なドイツ語をご紹介します。ウィーンなどの観光地では英語や日本語でも通じることもありますが、全ての場所で英語や日本語が通じるわけではありません。挨拶以外の簡単なドイツ語もできるだけ覚えておくようにすると、コミュニケーションにも役立つでしょう。
~をください
「ください」は「Bitte」で読み方は「ビッテ」ですが、後には「schön」をつけて丁寧な言い方にするようにしましょう。「Bitte schön」は読み方は「ビッテシェーン」で「お願いします」という意味になります。いろいろなシーンで使うことができるので覚えておくと便利です。
これはいくらですか?
こちらも買い物のときに覚えておくと便利な言葉です。単純に値段が知りたいときにも気軽に使える言葉ですので、覚えておくと便利です。「Was kostet das?」で読み方は「ヴァス コステット ダス?」で、値段を聞くことができます。
お会計をしてください
レストランで食事をした後に使う言葉です。「Zahlen ,bitte」で読み方は「ツァーレン ビット」または「Bitte schoen」、読み方は「ビッテ シェーン」で「お会計をしてください」という意味になります。
クレジットカードは使えますか?
世界中で使えるクレジットカードを持っていると、大量の現金を持ち歩くこともなく、両替も最小限で済ませることができますので、1回の旅行で何ヶ国も訪問するときには便利です。しかし全てのお店で使えるわけではないので、会計の前に確認しておきましょう。
ドイツ語で「クレジットカードは使えますか?」は「Kann ich mit Kreditkarte bezahlen?」で、読み方は「カン イッヒ ミット クレディートカルテ べツァーレン?」になります。少し長いですが、クレジットカードを使うことが多い人は覚えておきましょう。
~に行きたいです
オーストリアの街を歩いていると、地図があってもなかなか目的地にたどり着けないことがあります。あちこち歩いているうちに、道に迷ってしまうこともあるでしょう。そういうときに「~に行きたいです」という言い方を覚えておくと便利です。
「~に行きたいです」は「Ich möchte ○○ gehen?」で読み方は「イッヒ メヒテ ○○ ゲーエン?」です。観光客が少なく、英語が通じにくそうな場所に紛れ込んでも、ドイツ語で道を聞くことができるようにしておけば便利です。
写真を撮ってもいいですか?
オーストリアには、ウィーンなどの有名なスポット以外にも、写真に撮りたくなるような素敵な風景がいっぱいあります。しかし、室内や店内では写真を撮りたくても撮影禁止の場所や、できれば遠慮したほうが無難な場所もあります。そこで写真に撮って良いかどうかを尋ねる言葉を覚えておくようにしましょう。
「写真を撮ってもいいですか?」は「Sie können ein Foto machen?」で読み方は「ズィー コネン アイン フォト マチェン?」です。写真を撮っても良いかどうか迷ったときは、確認をしてから思い出に残る写真をいっぱい撮りましょう。
おすすめの料理はなんですか?
外国でレストランに入っても、何を注文して良いのかわからなくなってしまうことが多いです。オーストリアの料理は日本では馴染みのないものも多く、メニューを見てもどんなものかわからないこともあります。そういうときは、おすすめの料理を聞いてみると良いでしょう。
ドイツ語で「おすすめの料理は何ですか?」は「Was empfehlen Sie?」で読み方は「ヴァス エンプフェーレン ズィー?」です。おすすめの料理の説明がわからない可能性もありますが、英語で話すよりもお店の人とコミュニケーションのきっかけになります。
おいしいです!
レストランなどでおいしいものに出会ったら、一言「おいしいです!」と伝えると、お店の人に喜んでもらえます。短い言葉ですので覚えておくと便利です。英語の「Good!」でも良いですが、ドイツ語なら、より気持ちが伝わります。
ドイツ語で「おいしいです!」は「Lecker!」で読み方は「レッカー」です。この一言だけで感謝の言葉を伝えられるだけでなく、その場の雰囲気も和やかになることでしょう。
乾杯!
ドイツ語で「乾杯!」は「Prost」で読み方は「プロースト」です。ワインやビールを飲むときに使ってみましょう。オーストリアの人と乾杯するときは、相手の目を見てグラスを持つ手が交差しないように気をつけましょう。
トイレはどこですか?
旅行先でトイレの場所を聞くことは意外と多いです。わかりやすい場所にトイレがある場合や英語で案内がある場合は良いのですが、初めて行く国ではどこにトイレがあるのか、わかりづらいことも多いです。そこで、トイレの場所がわからないときに使える言葉を覚えておきましょう。
「トイレはどこですか?」と聞きたいときは「Wo ist die Toillette?」で読み方は「ウオー イスト ディ トイレッテ?」と聞きます。女子トイレの目印は「Damen」、男子トイレの目印は「Herren」と書かれています。または略して「D」と「H」のみのところもあります。
オーストリアのトイレ事情
オーストリアは公衆トイレは有料のところがほとんどです。しかしあまりきれいではないことが多いので、緊急のときのみに利用するほうが無難です。ウィーンのような観光地でも街中にトイレは少なく、ウィーンにはコンビニもほとんどないので、借りることも困難です。
旅行中におすすめのトイレはレストランや美術館などの施設のトイレです。またカフェなどでも注文をすれば使用することができます。ウィーンでは観光客のためにトイレマップを配布しているので、利用すると便利です。
「もしもし」はドイツ語で卑猥な言葉に当たるので注意!
「もしもし」は日本語では電話をするときの定番の言葉です。オーストリアに旅行したときも日本からの電話や日本人からの電話に出るときは、うっかりとオーストリア国内でも、つい「もしもし」と言ってしまうかもしれません。
しかしオーストリアでは「もしもし」は卑猥な隠語に当たりますので、オーストリアの人がいる場所で「もしもし」と電話に出ること、またオーストリアの人に「もしもし」と呼びかけるのは避けましょう。
ガイドブックを用意しておこう!
オーストリア旅行には、信用できる旅行用のガイドブックを一冊持って行くと便利です。ウィーンなどの観光客が多い場所だけでなく、穴場的なスポットもたくさん掲載されているものがおすすめです。また簡単な挨拶の言葉や便利なドイツ語も一緒に載っているものがあれば役に立ちます。
またレストランの案内やおすすめ料理が載っていれば、メニューが読めないときに便利です。詳しい地図が付いていれば、道に迷ってしまったときなど、道を聞きたいときに利用できます。
英語もOKのオーストリア観光!現地の言葉でもっと楽しもう!
オーストリアで使われている言語はドイツ語ですが、ウィーンなどの観光地では英語も通じるので、特に不自由を感じることはありません。しかし現地の人たちと現地の言語でコミュニケーションを取るのも旅行の楽しみの一つですので、簡単なドイツ語を覚えて、より楽しいオーストリア旅行にしてみましょう!
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