フィリピン旅行でジプニーを利用しよう!
ジプニーはフィリピン国内の至る所で見られる乗合タクシーまたはローカルバスと言っても良い存在です。タクシーと比べ料金の安いジプニーは、フィリピン人にとっても観光客にとっても大変便利な乗り物です。ここではそんなフィリピンのジプニーについて、乗り方や注意点、料金などの情報を交えて紹介します。
フィリピンの基本情報
フィリピンは西太平洋にある東南アジアの国の1つで、メインランド以外にも7000以上の島々があります。首都マニラの旧市街にはアメリカの植民地時代に築かれた城壁都市イントラムロスがあります。
このスポットには17世紀に建造されたバロック様式のサン・アグスティン教会や軍事刑務所としても利用されたサンティアゴ要塞が残されています。また、海岸沿いの遊歩道や歴史の古い中華街ビノンドなどもマニラでは有名なスポットです。
フィリピンは日本との時差が1時間、日本から飛行機で5時間前後と訪れやすい位置にあり、セブ島などのリゾート地などが日本人観光客の間でも人気を呼んでいます。
フィリピンは年間を通して温かい常夏の国で、季節は6月から11月にかけての雨季と、12月から5月にかけての乾季に分かれています。滞在中の服装は、年間を通して夏服で通すことができますが、ホテルやデパートでは冷房がかなり効いているため、長袖の上着を持っていくことをおすすめします。
フィリピンの通貨はフィリピン・ペソで、補助通貨としてセンタボがありますが今はほとんど使用されていません。また、レストランやホテルなどでは10%程度のチップを上げるのが基本となっています。
ジプニーの概要
ジプニーはフィリピン庶民の足として至る所で走っている乗合タクシーで、カラフルで個性豊かなジプシーがフィリピンの市街を駆け巡っているのを毎日のように見ることができます。それぞれどのジプシーも走る場所が決まっていて、車体の横に走る路線の情報が書かれています。
ジプニーは、元々アメリカの置き土産的存在で、第2次世界大戦が終わった後、アメリカ軍の撤退に伴い不要になった何百台もの軍用ジープを、アメリカ人が地元のフィリピン人に安い値段で売ったり与えたりしました。
その使い古しのジープをフィリピン人の手によって、日除けの金属屋根や幌を取り付けたり、クロームメッキを施すなど公共の交通車両に改造したものがジプニーです。
更にフィリピンの人たちは、ジプニーに派手で煌びやかな装飾を施し、金属の車体に絵の具やブラシを使って彩り鮮やかな絵を描くなど、見た目にも個性的な走るアートを作り上げています。
フィリピンの人たちが日常的に使う乗合タクシー
ジプニーは、半世紀近くに渡りフィリピンで最も活躍している乗合タクシー、というよりミニバスと言った方が当たっているかもしれません。料金が安いため、身近な交通機関としてフィリピンの庶民がこぞって使用しており、フィリピンのシンボルとなっています。
フィリピンでは、首都マニラのある本土のみでなく、セブ島などの島々に至るまで、どんな場所でも、派手に飾り付けられたユニークなジプニーの雄姿を見ることができます。
ジプニーの車体の前方には、何故かベンツのエンブレムが取り付けられていることが多々あります。これは、フィリピンでもベンツは憧れの存在であることを意味しています。
ジプニーは決められたルートを走っている
フィリピンのジプニーは、どの地域においてもも決められた場所を走っています。ジプニーの車体の横には、ルートと行先が表示されています。例えば、「URGELLO STREET・COLON STRRET・SM N BUS TERMINAL」と表示されていれば、Urgello StreetからColon Street、SMモールを経由し、North Bus Terminalまでのルートを走っていることがわかります。
タクシーで移動するよりも料金は激安なジプニー
ジプニーの料金は初乗り料金が通常7ペソです。2019年7月5日現在のペソの対円レートは、1ペソが2.11円となっていますので、7ペソは約15円ほどとなります。ジプニーに乗る前に20ペソ程度の小銭を用意しておき、初乗り料金の距離なら7ペソを運転手に渡します。
このジプニーの料金がどのぐらい安いのか、タクシーと比べてみると、タクシーの場合の初乗り料金は約100ペソ、つまり、日本円で210円以上かかります。ジプニーの初乗り料金15円と比べ10倍以上の値段となり、ジプニーの料金がいかに安いかがわかります。
ジプニーは距離に応じて料金が変わるため、前もって、行く先の金額をドライバーに聞くことをおすすめします。また、ドライバーに手が届かないような場所に乗車した場合は、他の乗客に渡してもらうように依頼すれば大丈夫です。
小銭が無く、50ペソや100ペソの紙幣を出すと断られることがありますので、小銭は事前に準備しておいた方が良いでしょう。
ジプニーの2通りの乗り方
ジプニーの乗り方は2つあります。乗り方の1つは走ってきたジプニーを止めて乗り込む方法で、自分の行きたい行き先のジプニーを街中で見つけた時、ドラーバーに手を挙げてアピールすることにより停めてもらうという乗り方です。
この乗り方を実践すれば、合流地点などの停止できない場所以外はすんなり停まってもらうことができます。そしてジプニーの後ろのドアから乗車します。
もう1つの乗り方は、ショッピングモール前などの道路の定位置に停まっているジプニーにそのまま乗り込む乗り方です。
フィリピンの首都マニラなどの街中には、ジプニーの停まる停車場的なスポットやターミナルがあります。そんな場所にはジプシーを待つ人が集まっており、その場所に行ってそのまま乗り込むようにすればよいだけなので、簡単な乗り方と言えます。
1:道路の途中でジプニーに拾ってもらう方法
ジプニーに道路の途中で拾ってもらう場合は、道端で手を挙げれば停まってくれます。ジプニーに乗り込む時の乗り方は簡単で、後ろ側のドアから乗り込むだけです。ジプニー内は乗合のため混み合っていることが多く、窮屈な中に座っていなければなりません。足の長い人は膝を斜めにしないと前の人の邪魔になることもあり、注意が必要です。
最も楽に座れる乗り方は、前に人のいない助手席に乗る方法です。料金はどの席でも変わらないため、空いていたら助手席に座るのが最も賢い方法です。また、ジプニーには窓が無く風通しは良いのですが、それでも混んでいると中が暑くなるのは覚悟しておいた方が良いでしょう。
2:定位置からジプニーに乗り込む方法
ジプニーに定位置から乗り込む場合は、道端に停まっているジプニーに勝手に乗り込めばそれでOKです。
乗合バス・ジプニーは気軽に乗れて人気があり、かなり混み合うことが多く、盗難や置き引きなどの危険が常に伴うため注意が必要です。
ジプニーはどのようにして見つければいいの?
フィリピンでジプニーを利用する場合、フィリピンの地名を把握していないと、どのジプニーがどの場所を走っているかわからないため、事前に地図等で調べておくことをおすすめします。
実際の地図で調べるのも1つの方法ですが、ジプニーの情報サイトやアプリでも調べることができます。
ジプニーの車体に掲載されている番号と経由地に注目
どこのルートを走っているか確認する1つの方法は、ジプニーの車体のサイドに書かれている数字と記号から判断する方法です。例えば、「03A」と書かれていれば、そのルートをネットのマップ等で調べることができます。
もう1つの方法は、既に説明したように、ジプニーの車体の横に記載されているルートや経由地を見ることによって行く先を知る方法です。目的地によっては何本か乗り継ぎがないと目的地に行けない場合もあります。そんな場合はドライバーに目的地を伝えれば教えてくれます。
ジプニー情報サイトやアプリを活用しよう
「CEBU JEEPNEYS ROUTE MAP」や、「Jeepney,Bus,and MRT Routes」などをネットでチェックすれば、セブ島やマニラ・マカティー市などのジプニールートが調べられます。
これはセブ島でジプニーを利用する場合に通用する方法ですが、「CEBU JEEPNEYS ROUTE MAP」というアプリを使えば、例えば「03A」がどの道路を走るルートかが地図で表示され、一目瞭然でわかります。このアプリは基本的には英語ですが日本語にも翻訳できるようになっています。
ジプニーを利用する場合の注意点は?
安くて乗り降りしたい場所で停まってくれる便利なジプニーですが、乗合バスだけに、タクシーと違いいろいろな人が乗り合わせています。そこには当然危険が隣り合わせていることを忘れてはなりません。語学学校などでは、ジプニーの利用を推奨しないところもあります。
では、実際にジプニーの中にはどんな危険が潜んでいるのでしょうか。ここではジプニーに乗る場合の注意点について説明します。
ジプニーに乗り込む際に気を付けておいた方が良い注意点がいくつかありますが、もし高価な装身具やまとまったお金を持っている場合は、ジプニーに乗らないようにするのが最も無難な方法です。
大金を持ったまま無防備な状態で、混雑したジプニーに乗るような乗り方は危険であることを知っておくべきです。
ジプニーの車内は危険がゼロではない
ジプニー車内で気を付けなければならない注意点の1つは、ジプニーに乗った以上、ジプニーの車内で財布やスマートホンなどを出さないようにすることです。また、夜間にジプニーに乗車するのは止めておいた方が無難です。更に、ガイドブックなどは開かないで、ジプニーに乗り慣れているように振舞うことで盗難から免れることができます。
ジプニーの車内では盗難や脅迫も発生している
もう1つの注意点は、社内で寝ないことです。寝ている間に物を取られることがるからです。また、声をかけられたら何か意図がないか警戒をすることも必要な注意点です。たとえ誘われても気軽についていくことは決してしてはなりません。
ジプニー内では混雑具合にもよりますが、乗合の人たちが密着して乗っていることが多々あります。乗り合わせている人は皆片方の腕で手すりにしがみつくように乗っており、そんな状況下で、知らない内に隣の人に財布を取られたというような事件が頻繁に起きているようです。
また、刃物を実際に突き付けられて脅迫されたというような話もあります。このような事件が起きるのは特に夜の遅い時間帯のようです。遅い時間に帰るような場合はタクシーの利用をおすすめします。
これらの注意点は最低限気を付けた方が良い注意点ですが、海外経験の少ない人は、できれば現地の駐在員や経験者と一緒に乗車することをおすすめします。
ジプニーの降り方と料金支払
乗合バス・ジプニーを降車する場合、定められた場所では当然停まりますが、自分の降りたい場所で降りることもできます。そんな場合の降り方や、料金の支払い方について説明します。ドライバーへ話しかける際は、英語でもほとんど通じますが、そうでない場合のために、フィリピンの母語であるタガログ語の簡単な単語を覚えておくと便利です。
ジプニーを降車する方法のポイント
ジプニーから降りる場合は、決められた経由地以外にも自分で降りたい場所で降りることができます。主要な経由地では、こちらが何もしなくても停まってくれますが、自分が降りたい場所で降りる時は、コインなどの硬いもので手すりのところをカンカン音を立てて鳴らすと、ドラーバーが路肩に停めてくれます。
声を出して降りることを表現する場合は、英語で「Stop,please」と言っても止めてくれます。フィリピンではドライバーも含めほぼ英語が通じますが、中には通じない人もいます。タガログ語では、「パラポ!」と言えば、「止まって下さい!」の意味となり、どんなドライバーでも間違いなく停まってくれます。
ジプニーの料金の支払い方
料金を支払うのは、乗車した時でも降車する時でも構いません。一般的にはジプニーのドライバーに渡しますが、客引きの人に渡すこともあります。その人たちが自分の座っている位置から離れている場合は、前方にいる乗合の客にお願いして、最終的にドライバーに渡してもらうようにします。
なお、料金を支払う場合のタガログ語は、「パヤッドポ!」と言います。この言葉は「料金です!」という意味を表しています。
フィリピン旅行をしたらジプニーに乗ってみよう!
ジプニーはフィリピンの至るところで見られる乗合タクシーで、フィリピン人にとって無くてはならない大衆向けのミニバス的な存在です。元々アメリカ軍が残していったジープを改造して造られたジプニーは、今やフィリピンのシンボルとして活躍しています。
ここではそんなフィリピンの乗合タクシー・ジプニーについて、乗り方や料金を支払う時の注意点、タクシーとの比較などの情報を折り込みながら説明してみました。
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