フィリピンの国旗の意味や歴史をリサーチ!
ビーチリゾートのセブ島などで有名なフィリピンは、最近ではコスパよく英語学習ができる場所としてもますます人気を高めています。そんなフィリピンの国旗はとにかくカラフル。日本とも関係が深いフィリピンですので、これを機にフィリピン国旗について学んでおきましょう。
色やデザイン・戦争時の特徴も解説!
フィリピン国旗は4色構成で、太陽が大きくデザインされています。各色の持つ意味合いや、太陽の周囲に配置されている星にも意味や由来があります。さらにフィリピン国旗の特徴的な点は、戦争時には国旗のデザインが変わること。フィリピン独立の経緯なども併せて詳しくご紹介します。
フィリピンの国旗のデザインと意味
遠くからでもよく目立つフィリピンの国旗。色遣いが南国風なのはもちろんですが、国旗のサイズが日本の国旗とは少し異なります。日本の国旗は縦横の比が2対3ですが、フィリピンの国旗の比は1対2です。日本よりも少し横長のサイズを採用しているのがフィリピンの国旗なのです。
フィリピンの国旗の色が表す意味
英語のYの字を横にしたようなデザインをしているフィリピンの国旗。Yの字の左部分には白色が、上部分には青色、下部分には赤色、そして太陽は黄色が採用されています。
国旗の各色にはそれぞれ次のような意味が込められています。白色は平等と友愛、青色は平和、赤色は勇気と愛国心、そして黄色い太陽は自由の象徴です。
フィリピンの国旗の太陽から伸びる光が表す意味
太陽を描く時には、一般的に中央に丸を描き、そこから数本の光を伸ばします。フィリピンの国旗に描かれている太陽からも光が何本も伸びていますが、この数は適当に決められたのではなく、意味を持って数が定められました。
フィリピンの国旗の太陽からは8つの光が伸びています。これは、フィリピンがスペインに対して独立革命を起こした際、最初に武器を手に取って抵抗を始めた8つの州という意味が込められているのです。
具体的には、パンパンガ州、ブラカン州、リサール州、タルラック州、ケソン州、カビテ州、バタンガス州、そしてラグナ州の8州です。これらの州はすべてルソン島にあります。
フィリピンの国旗の星が表す意味
さらにフィリピンの国旗を細かく見てみると、白色の三角形の部分のちょうど各頂点の位置に黄色の星が描かれているのが分かります。これも適当に決められたのではなく、それぞれ意味を持っています。
フィリピンの国旗の3つの星は、フィリピンの主要な島であるミンダナオ島、ルソン島、そしてビサヤ諸島を表しています。フィリピンにはなんと7,000以上の大小さまざまな島がありますが、その中でも経済的に主要な島を国旗にデザインしたのです。
フィリピンの国旗の戦争時に見られる特徴
フィリピンの国旗にはほかの国には見られない特徴があります。それは、戦争時には国旗のデザインが変わるという点です。通常の国旗は、平和を意味する青色の部分が上になっていますが、戦争時には上下をさかさまにし、勇気や愛国心を意味する赤色を上にして強調されるのです。
フィリピンの国旗の歴史・由来
フィリピンの街中を散歩していると、アジアというよりもどこかヨーロッパの雰囲気が色濃く残っていることが分かります。これはフィリピンは以前スペインの統治下にあったためです。首都マニラの有名観光地であるイントラムロスは、スペイン語で城壁に囲まれた地という意味を持ちます。
このようにフィリピンの国旗の歴史を学ぶにあたっては、スペインとの関連や戦争を避けて通ることはできません。ここからは、スペイン国旗の歴史や由来についてご紹介しましょう。
スペインの植民地となり「フィリピン」の国名が誕生
フィリピンの歴史は大きく4つに分けられます。まずは1521年以前のスペイン統治以前です。マレー系の民族が次々と移住し、各島々に小さな海洋国家を多数築きました。
そして1521年から1898年はスペインの統治下となります。マゼランが率いるスペイン艦隊が1521年にフィリピンに到達、1529年の条約により正式にスペインの植民地となりました。
現在でもスペイン語由来の言葉がフィリピン語には多い点や、パエリヤやカリヨスなどのスペイン料理がフィリピンに深く根付いています。フィリピンという国名もこの植民地下において、1542年にスペイン皇太子のフェリペの名前から付けられました。
スペインから独立しフィリピンの国旗が制定
次の大きな分岐点はアメリカ統治です。1989年にはスペインとアメリカの戦争が終結し、フィリピンはスペインからの独立を宣言、アメリカ統治下となりました。この際に英語が教育言語となったので、現在でもフィリピンの公用語は英語なのです。
そして最後の大きな転機が独立です。1946年に共和国としてフィリピンは独立し、現在の国旗の元となるデザインが確立しました。
国旗と合わせて注目したいのが国歌です。フィリピンの国歌は、スペインからの独立宣言をした1989年に作曲されたLupang Hinirangで、日本に訳すと「最愛の地」となります。
マイナーチェンジを重ね現在のデザインの国旗へ
スペインとアメリカの戦争時などから長く使われてきたフィリピン国旗のデザインですが、1985年から約1年間は国旗のデザインがやや変更になりました。
現在のフィリピン国旗の青色は濃くてはっきりとした青色ですが、この期間は青色というよりも水色の国旗が採択されたのです。しかし、水色の国旗は国民などからの評判が良くなかったので、以前の色にすぐに戻されたという経緯があります。
これ以前や以降にもマイナーチェンジが繰り返されたフィリピンの国旗。10回以上も変更が加えられ、1998年にやっと現在の国旗のデザインに落ち着きました。
現在のデザインを変更する動きも
しばらくの間は変更のないフィリピンの国旗ですが、実は現在また新たなデザインに変更する動きもあります。その理由は、スペイン植民地時代に抵抗をやめなかったムスリムに敬意を表するというもので、国旗の太陽の光を1本増やし、合計で9本にするという案です。
政治的にも話は進んでおり、2009年9月27日にはフィリピン国会において変更が可決されています。しかし、2022年の現在においても具体的にいつ変更するのか日時は決まっておらず、実際に変更が行われるかどうかは不明のままです。
フィリピンの国旗と似ている国旗 4選
非常にシンプルなデザインをしている日本の国旗に対し、細かいデザインが特徴的なフィリピンの国旗。世界的にはフィリピンの国旗によく似ているデザインを採用している国がいくつかあります。フィリピンと歴史的に何か関係があるのでしょうか。
フィリピンの国旗と似ている国旗1:チェコの国旗
フィリピンの国旗とよく似ていてる国旗としてまず挙げられるのはチェコです。フィリピンと同じくYを横にしたデザインで、色は赤色、青色、白色です。チェコの前身であるチェコスロバキアの国旗を継承しました。
この赤色、青色、白色の3色はスラブ三原色とも呼ばれる組み合わせで、ロシア、スロバキア、スロベニアなど数多くのスラブ系諸国で採用されています。
フィリピンの国旗と似ている国旗2:プエルトリコの旗
プエルトリコもフィリピンとよく似た国旗を採用しています。プエルトリコはアメリカの自治連邦区ですので厳密には地域旗となり、青色、赤色、白色の3色構成です。
青色の部分ですが、実はここはもともとは水色をしていました。しかし、1952年にアメリカ自治領になったのを機に、アメリカの星条旗と同じ青色になりました。ちなみに、キューバとプエルトリコの国旗はよく似ており、青色と赤色の部分が逆になっているだけです。
フィリピンの国旗と似ている国旗3:ジブチの国旗
日本人にはあまり馴染みがありませんが、アフリカにある小国ジブチの国旗もフィリピンの国旗とよく似ています。規模としては四国よりやや大きい程度の国で、灼熱の気候でも知られています。
1977年にフランスから独立した際に決められた国旗で、緑色、水色、白色に赤い星がデザインされています。それぞれの由来は、緑色が国土、水色が空、白色が平和、そして赤い星はソマリ族の居住地です。
フィリピンの国旗と似ている国旗4:コモロの国旗
最後にご紹介する国旗はコモロの国旗です。フィリピンの国旗よりも更にカラフルでデザインも細かいですが、全体的に横Y字のデザインであること、星がデザインされていることなどが似ています。
黄色、白色、赤色、青色の4色の帯は、それぞれムワリ島、マオレ島、ンズワニ島、そしてンジャジジャ島に由来します。そして三日月はイスラムのシンボル、星は4つの島を意味しています。
国旗の意味や歴史からフィリピンを知ろう!
愛国心の強い国としても知られているフィリピン。日本よりも国旗を目にする機会ははるかに多く、学校では日常的に国旗の掲揚が行われます。その国の歴史や文化を学ぶには欠かせない国旗。フィリピン国旗を目にした際にはぜひ細部にまで注意を払って観察してみてください。
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